コンテンツにスキップ

高校英語の文法/不定詞

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

不定詞

[編集]

不定詞は何が「不定」なのかというと、主語の人称や数による影響をうけないので、つまり主語の人称や数による限「」を受けないという意味で「不定詞」と呼ばれている(青チャート、インスパ、ロイヤル)。


I would like to ~(不定詞) 「私は~したいのですが。」

I would like you to ~(不定詞) 「私はあなたに~してもらいたいのですが。」

would like のほか、want , desire  などで、不定詞と組み合わせて願望を表す用法がある(青チャート)。

名詞的用法

[編集]

形容詞的用法

[編集]

典型的な例文で、

Is there anything to write with? 「なにか書くもの(鉛筆やペンなど)はありませんか?」

がある(ジーニアス、エバーグリーン)。

なお、エバーグリーンでは

Do you have anything to write with?

と若干の違いがある。


まず、不定詞のあとの前置詞の付け忘れに注意(青チャート)。

なぜなら、たとえば「ペンで書く」は write with a pen なので、「なにか書くためのもの」といった不定詞にする場合も anything to write with のように前置詞 with が必要になる。

なお、疑問文や否定文の場合なので anything となっている。


ほか、「遊ぶための友達」 someone to play with が、参考書によくある(青チャート、ブレイクスルー、ジーニアス)。

Tom has a lot of friends to play with. 「トムには遊ぶための友達が多くいる。」

副詞的用法

[編集]

慣用的表現

[編集]

manege to ~ 「どうにかして~する」 (青チャ、インスパ)

can afford to ~ 「~する余裕がある」(青チャ、インスパ)

happen to ~ 「たまたま~する」(青チャ、ブレイクスル-)

prove to ~、 turn out to ~ 「~だと分かる」(インスパ、ブレイクスル-)

mean to ~ 「~するつもり」 (エバーグリーン、ジーニアス)

learn to ~ 「(習得などして)~するようになる」(インスパ、ブレイクスルー)


ほか、不定詞だけを目的語とする動詞がある。次の動詞は不定詞を目的語にできるが、動名詞は目的語にできない(エバーグリーン、ジーニアス)。

care(~したいと思う), decide(決心する), desire(強く望む) , expect(するつもりである、期待する) , hope(したいと思う、希望する) , manage(どうにか~する) , mean(するつもりである) , offer(しようと申し出る) , pretend(~するふりをする) , promise(約束する) , refuse(拒否する、拒む) , want(~したいと思う) , wish(~したいと思う) ,

不定詞と動名詞

[編集]

動詞の直後につづくのが不定詞と動名詞かで意味の変わる動詞がある。基本的には、不定詞は未来にすることを名詞化しており、動名詞は過去にしたことを名詞化しているという傾向がある。


remember to ~(不定詞 ) 「忘れずに~する」の意味で、未来のことをあらわす(ジーニアス不定詞の単元、ブレイクスルー動名詞の単元、インスパイア動名詞)。

remember ~ing(動名詞)「~したことを覚えている」の意味で、過去のことを表す。


forgot の不定詞および動名詞は普通、否定文とともに使う(ジーニアス、ブレイクスル-)。

forget to ~(不定詞) 「~することを忘れる」

forget ~ing (動名詞) 「~したことを忘れる」


try ~ing は、実際の行ったことについて「ためしに~してみる」の意味。ふつう、過去形で tried ~ing となる(明記されてないが、ジーニアスとインスパイアの例文がそう)。

「try to 不定詞」は、これからすることについて「~しようと努力する」のような意味。実際にできたかどうかは try to では不明(青チャート)。しばしば、「実際には出来なかった」という含みを try to はもつ(ジーニアス)。

I tried to ~, but I couldn't. 「~しようとしたが、しかし出来なかった。」(青チャート、エバーグリーンに似た例文)

のように、tried to が否定文とともに使われることもよくある。


動名詞だからといって、過去の話題とは限らない。また、その場合でも、不定詞と動名詞とで、意味が違っている(ジーニアス、インスパイア)。

be afraid of ~ing 「~することをおそれる」

be afraid to ~ 「怖くて~できない」

ただし、青チャートいわく、実際には、afraid の不定詞と動名詞は混同して用いられることもあるとのこと(青チャート)。


S be sure of ~ing 「主語Sが~するだろうと、主語Sが確信している」

S be sure to ~ 「主語Sがきっと~するだろう(と話し手である私が確信している)」

sure の場合、動名詞か不定詞かで、確信しているのが誰なのかが違う。

つまり、書き換えするなら、

S be sure to ~  ⇒ I'm sure that S will ~ 「Sがするだろうと私は確信している。」

S be sure of ~ing  ⇒ He / She sure that S will ~ 「Sがするだろうと私は確信している。」

ということである(ブレイクスル-)。


さらに、

S be sure to ~  ⇒ I'm sure that S will ~ 「Sがするだろうと私は確信している。」

について、 certain を使って形式主語 it で書き換えできる。

It is certain that S will ~

certain は比較的に「客観的」な確信を表すが(青チャート)、しかしどのような判断が客観的であるかの判定は話し手によって行われるのだから、結局は話し手の確信を表すことになるだろう。

なお、sure を形式主語にするのは禁じられている。


不定詞や動名詞は、ともにほかの動詞にともなって使われるという共通点もあるので、それに注目した品詞の分類もある。「準動詞」という分類では、不定詞・動名詞・分詞の3つを準動詞であるとして分類している(青チャート、インスパ、ブレイク、エバーグリーン)。

「準動詞」は、大学入試には出ないが、比較的に参考書に良く書いてある知識。

いっぽう、SVOとかSVCなどでいうVのようなものを「述語動詞」という(エバ)。

準動詞は、述語動詞ではない。なぜなら、不定詞も動名詞も、それはSVOやSVCのVにはならないからである。なので、準動詞と述語動詞は別物であると区別しなければならない。

また、このこととも関連するが、準動詞には、主語の人称・数などによる活用形の変化が無いという共通点がある。

つまり、たとえば三人称単数などによる変化は不定詞には無い。末尾に、sはつかない。当然、~ingなどの動名詞や現在分詞、~edといった過去分詞の末尾などにはsはつかない。

独立不定詞

[編集]

to be tell the truth 「実を言えば」や so to speak 「いわば」のように慣用的に使われる語句があり、文頭または文中に挿入され(ジーニアス)、文のほかの成分とは独立して使われることから(青チャート)、独立不定詞と言う。独立不定詞は、副詞的に(ブレイクスルー)文全体を修飾する(青チャ、ジーニアス)。「独立用法」とも言う(青チャ)。

独立不定詞では主語は明示されないが(インスパ)、話し手の意見や判断を表す内容であるのが普通である(ブレイクスル-)。

独立不定詞には、たとえば下記のものがある。

to be sure, 「確かに」(青チャ、ロイヤル)

to be honest, (正直なところ)

to tell (you) the truth, 「実を言うと」(青チャ、インスパ)、「(あなたに)本当の事を言うと」(ジ-ニアス)

strange to say, 「奇妙なことに」、「不思議なことに」(ジーニアス)

to be brief, 「手短に言うと」「要するに」

to be frank (with you), 「率直に言うと」

frank の代わりに、plain (青チャ)または honest (ジーニアス)の場合もある。つまり、to be plain with you および to be honest with you の場合もある。

to be sure, 「確かに」

needless to say , 「言うまでもないことだが」「言うまでもなく」

to say nothing of ~ ,「~は言うまでもなく」

not to mention ~, 「~は言うまでもなく」(ジーニアス)

so to speak, 「率直に言えば」

to begin with, 「まず第一に」 ※ with のあとに名詞は来ない。「to begin with,」 で、カンマ込みでひとつの慣用句。

なお、 to start with, 「まず第一に」の場合もある(ジーニアス、青チャ)。

to make matters worse, 「さらに悪い事に」「なお悪い事に」(※エバー)、※ to make things worse (青チャート)とも言う。


to do ~ justice 「公平に評すれば」(ロイヤル、青チャ)

to say the least of it, 「控えめにいっても」 (ロイヤル、青チャート、インスパイア)

などがある。

代不定詞

[編集]

青チャートやジーニアスにある典型的な会話文だが、

"Would you help me?" 「手伝ってくれませんか。」

- I'd be glad to. 「喜んで。」


の 返事のほうの be glad to では、to のあとに help you が省略されている。

つまり、もし省略せずに書けば I'd be glad to help you となる。

だが、英語では、ふつうは同じ言葉の繰り返しを避ける(ジーニアス)。


上記のように、先に出ている表現のくりかえしを避けるため to だけで不定詞の役割をすることがあり、これを代不定詞という(青、ジーニアス)。

原型不定詞

[編集]

使役動詞(make,let,have)や知覚動詞(feel,see,taste,look,hear)に係る形で不定詞の構文が作られる時、toは必ず抜きます。

My mother make me to eat vegetables for breakfast.(私の母は、朝食の際私に野菜を食べさせる。)
My father won’t let me to go out of parking lot at night.(私の父は、夜に駐車場へ行くことを許してくれないだろう。)

使役動詞の意味

  • make - 〜させる(強制)
  • have - 〜してもらう(依頼)
  • let - 〜させる(許可)

基本的に、動詞+目的語+原型不定詞 と使う。


at はよく「6時30分に」(at 6:30 )とか「正午」(at noon)などの時刻・時点を使うのに用いる前置詞だが、例外的に night には at を使う。

原型不定詞も取る動詞
[編集]

動詞“help”は、通常の不定詞、原型不定詞のどちらも取る。

I help my brother (to) do his homework.(私は、私の兄が宿題をする事を助けた。)

形式主語

[編集]

「It is 形容詞 of (または for) 代名詞 to 不定詞」の構文で、ofかforかは、もし形容詞が人の性質ならofが原則であり、もし形容詞が行為の性質ならforが原則である。

of を使うべき形容詞としては

kind, good, nice, (3つとも「親切な」)

polite(礼儀正しい), rude(無礼な),

stupid ,foolish,silly (3つとも「おろかな」)

brave(勇敢な),careless(不注意な)、cruel(残酷な)、clever(賢明な)、

などがofである(青チャート、インスパイア、エバグリ)。なお、ジーニアスは紹介せず。

つまり、たとえば

It was kind of him to ~「彼は~してくれて親切だった」

のようになる。

だが実際には、ofを使うべきだとする stupid でも for を使うこともあるのが実情(ブレイクスルー)。

考えてみれば、to不定詞で表される行為を見て相手の性質を判断しているわけだから、区別は本来なら難しいはずである。

ジーニアスではどの形容詞が of かは紹介しないが、残念ながら、具体的にどの形容詞が of かは、軽くは目を通す必要があるだろう。

とくに

kind, good, nice, (3つとも「親切な」)

polite(礼儀正しい), rude(無礼な),

stupid ,foolish,silly (3つとも「おろかな」)

の3種類は意味もセットになっているので、覚えやすいだろう。残念ながら覚えるしかない。


一方、forを使うべき形容詞については、市販の参考書では一覧にはなっていない。

市販の参考書の例文などでは、for を使った例文でよくある形容詞としては、important(重要な)、 difficult(難しい)、 necessary(必要な)、 などが多い。

It is difficult for me to read this book. 「その本を読むのは私には難しい」

のような。


ブレイクスルーの例文では、dangerous(危険な)を、forを使うべき形容詞としている。

ブレイクスルーでは述べてないが、おそらく 「It is dangerous of him to 不定詞」だと「~するなんて、彼は危険人物だ」の意味になるだろう。

なので、「彼にとって危険だ」と言いたい場合は「 It is dangerous for him to 不定詞」になる

なお、インスパイアの形容詞の単元いわく、

dangerous について、

It is dangerous for you to ~ は「~するのは危ない」の意味。

You are dangerous to ~ だと「あなたは危険人物だ」の意味になる(インスパ)。

その他

[編集]
不定詞の受動態

to be 過去分詞


不定詞の完了形の受動態

to have been 過去分詞


不定詞の進行形

to have been 現在分詞


不定詞の否定形

not to 動詞の原形

または

never to 動詞の原形


肯定形では toだけでも目的をあらわせるが、とくに目的であることを強調する場合、so as to や in order to がある。

否定形の場合、in order や so as を使わずに not toだけで目的の否定を表すのは、非標準(青チャート、インスパイア)。

これらの否定形はそれぞれ

so as not to

および

in order not to

である。

so asや in order を使わずに not to だけで否定の目的を表すのは be careful や take care に続く場合以外は無いのが普通(青チャ、インスパ)。