高校英語の文法/分詞

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

分詞[編集]

分詞には、現在分詞と過去分詞がある。

分詞には、主に形容詞的な用法と、「分詞構文」と呼ばれる副詞的な用法がある。

分詞の形容詞的な用法[編集]

※ このwikiセクションでは主に、形容詞的な用法について述べる。

形容詞用法における過去分詞の意味は、「~されている」といった受身の意味である。

(過去の意味ではない。)

「the 分詞」で「~な人々」の意味がある。

the wounded 「けが人」(ジーニアス、青チャ)

the living 「生きている人々」(青チャ)

などがある。

分詞構文[編集]

分詞は形容詞としての働きの用法とは別に、副詞句としての働きをする用法もある。

分詞で始まる句は一般に、副詞句の働きをするものであり文全体を修飾し、これを分詞構文という(ジーニアス、インスパイア)。

分詞構文は現在分詞や過去分詞を用いて、従属の接続詞節のような意味を持つ文の成分を作る用法である。例文として、

Crying out something, he quickly runs away.

がある。この文は「何かを叫びながら、彼は素早く逃げていった。」という 意味だが、この様な文は例えば接続詞whileを用いて、

While he cries out something, he quickly runs away

接続詞を取る。

He cries out something, he quickly runs away.

主語を取る。

Cries out some thing, he guickly runs away.

動詞を現在分詞形にする。

Crying out some thing, he quickly runs away.→これで完成!

などとすることが出来る。

分詞構文は文の前後関係から、省略される接続詞が予測できると考えられるとき、接続詞と主語を省略することによって 得られる。ただし、接続詞無しで節を作ることは出来ないことから、接続詞節の述語は対応する現在分詞になるのである。上の例文は while を用いた文から接続詞 while を省き、述語 cries を現在分詞 crying にすることに よって得たものと解釈出来る。ただし、元の従属接続詞節に対応する主文の主語と接続詞節の主語が等しいときには、現在分詞の主語は 省略できる。上の文で while 節の主語に対応する語が無いのはこのことからである。

主節の主語と従属節の主語が異なっているときには、分詞構文の主語として対応する従属節の主語を所有格として与える。例えば、上の例で主語を省略せず書くと、 His crying out something, ... のようになる。 一般に現在分詞の主語を指定するときはふつう、所有格を用いる。


分詞構文の意味は一般に、現在分詞なら、

付帯状況「~しながら」、
理由・原因「~なので」
時「~すると」

のいずれかである場合が多い。

ただし、まれに、分詞構文が

「もし~であるならば」という条件の意味、
「~にもかかわらず」という譲歩の意味、

をあらわすこともある(ジーニアス、インスパイア)。


なお、過去分詞の場合は受動態的な意味であり、付帯状況「~されながら」、理由・原因「~されたので」、時「~されたとき」の意味になる。

これらは、分詞構文を使わなくても、それぞれ下記の接続詞を用いた書き換えもできる。

because, since, as: 〜だから(理由・原因)
when, as, while: 〜のとき(ある時点)

など。

なお、接続詞が無くても分詞構文は表現可能であるが、文意を明確にするために接続詞を分詞の直前に補っても構わない(ジーニアス)。while,when,if,though, once など、接続詞が分詞構文において分詞の前に補われる場合もある(インスパイア、ジーニアス)。ただし、付帯状況「~しながら」「~して」の用法の場合には適切な接続詞が無いので、この場合は接続詞の無い分詞構文のままで用いられる(ジーニアス)。

なお、分詞構文においてafter や before が分詞の直前に補われた場合について、このafter やbeforeを接続詞としてではなく前置詞として解釈する説もある(ジーニアス)。


これとは別に、分詞構文は主説よりも前に置かれることから、その場合には分詞構文で主節の直前の過去の出来事を記述する方法もあるが、この用法では、たとえ内容が過去であっても受身でなければ現在分詞を用いる(ジーニアス)。


分詞構文になる従属節では述語がbe動詞であることがある。 このときにも上の規則に従って、Being -,によって分詞構文が作られることも多い。


分詞構文はやや書き言葉気味である(ジーニアス)。

また、文意が不明確になりやすく、なので論理性や明確性が必要な実用文ではあまり用いられない(ジーニアス)。このため英作文ではあまり用いないほうが無難である(ジーニアス)。

分詞構文の受動態[編集]

特にbe動詞に対応する補語が受動態であったり、形容詞であるときには、beingを省いて過去分詞、もしくは形容詞から分詞構文が 始まることも多い。

(Being) seen from airport, everything looked small.(飛行機から見ると、全てのものが小さく見えた)
The assignment (being) finished, we went on a hike to the nearby mountain.(その課題が終わってから、私たちは近くの山へハイキングへ行った。)

このときには、be動詞と接続詞、必要なら対応する主語も補って考える必要がある。ただし、この様な省略がなされるのは、あくまで省略されたものが文脈からすぐに分かる時のみである。

完了形の分詞構文[編集]

「Having 過去分詞 ,」とすればよい。現在分詞の構文と基本的には同じ。

完了形の分詞構文が現在完了の意味なのか過去完了の意味なのかは、語形だけでは判断不能であるので、文脈から判断する(インスパイア)。

否定の分詞構文[編集]

否定の分詞構文を作る場合は、分詞の前に not または never を置く。

完了形の否定の場合は、

Never having 過去分詞

のようになる(ジーニアス)。never でなくとも Not having been でも構わないが(インスパイア)、neverのほうが一般的であろう(ジーニアス)。

なお、neverの場合は、havingのあとにnever を書いても良い(インスパイア、ジーニアス)。つまり、

Having never 過去分詞

でも良い。

進行形[編集]

進行形の内容を分詞構文にする場合、Being を省略して直後の動詞の~ing形から文頭を書き始めるのが一般的である(青チャ)。

Being の省略[編集]

形容詞の内容を分詞構文にする場合も、Beingを省略して文頭を形容詞で始める場合が多い(青チャ、インスパ)。形容詞のほか、「Being 名詞」の場合も、Beingを省略して、いきなり名詞からで書き始める事が多い(青チャ、インスパ)。

受身の内容を分詞構文にする場合も、Being を省略して過去分詞から書き始める事も多い。文法的には「Being 過去分詞」もありうる(インスパイア)。

独立分詞構文[編集]

分詞の前に、意味上の主語を付ける場合もある。

It being warm, 「暖かかったので、」 ※ 青チャ

とか

It being Monday, 「月曜日だったので」 ※ エバ

のような例を、独立分詞構文という。

当然だが、「 Because it was Monday, 」のように接続詞を用いて言い換えできる(エバ)。


下記のように慣用句がある。

weather permitting, 「天気が許せば」

など。

主語の代わりに、副詞などが分詞の前に補われる慣用句もあり、下記に例を示す。

frankly speaking, 「率直に言えば」

generally speaking, 「一般的に言えば」

strictly speaking, 「厳密に言えば」

speaking of ~ , または talking of ~ 「~と言えば」 ※ 青チャート

judging from ~ 「~から判断すると」

taking ~ into consideration 「~を考慮に入れると」

など(青チャ、インスパ、ジーニアス)。

※ 青チャートとジーニアスでは、frankly speaking なども「独立分詞構文」として分類。一方、インスパイアは非分類。

その他[編集]

接続詞的に使われる providing や provided (どれも「もし~ならば」の意味)などを、分詞構文として分類することもある(インスパイア)。

supposed 「もし~ならば」も同様、接続詞として用いられる。

provided that (または providing that )や supposed that のように that を補う場合もある(ジーニアス)。


considering ~, 「~を考慮すると」

なども同様。

そのほか、前置詞的に使われる according to ~ などを分詞構文に由来する表現だと考える説もある(インスパイア)。このような前置詞的な分詞構文由来の表現の例としては

according to ~ 「~によれば」

concerning 「~に関して言えば」

excepting 「~を除いて」

including 「~を含めて」

regarding 「~に関して」

などがある(インスパイア)。

※ 青チャート、ジーニアスなどは、これら前置詞的な分詞構文を、分詞構文の説では紹介せず。

付帯状況のwith[編集]

※ 未記述