高校英語の文法/前置詞
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[編集]前置詞は原則、名詞および代名詞をその語の前から修飾するものである。
対象が名詞か代名詞でありさえすれば、その名詞が主語であっても目的語であっても、どちらでも良い。
たとえば、下記の例文における名詞は、主語か目的語かの違いがあるが、どちらでも前置詞を使うことができる。
The book on the desk in mine. 「机の上の本は私のです。」(主語を前置詞で修飾)
There is a book on the desk. 「机の上に本があります。」(目的語を前置詞で修飾)
There is 構文の主語や目的語が何かという論争があるが、ここでは置いとく。説明の都合上、ほかの一般の文章と同様に、文頭にある There を主語、 文末に近い a book 以下を目的語だと仮定しておく。
前置詞で、for long や from abroad など例外的に名詞ではなく形容詞や副詞を修飾する言い回しもあるが、慣用句的にごく一部の言い回しに限られる。
形容詞を修飾する例 for long (長いあいだ)、
副詞を修飾する例 from abroad (外国から)
- 原因
死亡などの際、その原因が病気など内因的な原因の場合、ofを使う。
be died of cancer 「がんが原因で亡くなる」
一方、負傷などが原因の場合は from を使う(ジーニアス)。
しかしジーニアスいわく、最近die については区別せずにどの場合も die of で言う事例も多いとのこと(ジーニアス)。
ここら辺の使い分けはあまり規則的ではなく、参考書によって説明が違う。たとえば桐原フォレストでは、直接的な原因なら of 、間接的な原因なら from としている。
なお、一般に原因を表す前置詞には、上記の of と from のほかにも、 by なども原因を表す。
- 材料について
ひと目で材料が分かるなら of を使う。加工されるなどして外見だけでは分からないなら from を使う。なお、加工されているかいないかなど分からない場合、原則的に from を使う(ジーニアス)。
典型的な例文で、
Wine is made from grapes. 「ワインはブドウから作られる。」
前置詞については、あまり論理的・規則的に説明できず、参考書でも羅列的に色々な前置詞の色々な用法をたくさん紹介している。覚えるしかない。
群前置詞
[編集]参考書では、in front of なども説明の都合上、前置詞として分類される(ジーニアス、フォレスト)。
なお、このように2語以上の単語があつまって前置詞としての働きをする語句のことを群前置詞という。
according to や instead of や because of などが群前置詞である。
どの語句を群前置詞とするかは参考書ごとに多少の差異があり、たとえばas far as をフォrストは群前置詞として採用しているが、ジーニアスは不採用である。
どの参考書でも群前置詞とされる語句は、
2語のものについては
according to ~ (~によれば)
as for ~(~ について言えば)
because of ~(~が原因で、~だから)
instead of ~(~の代わりに)
thanks to ~(~のおかげで)
up to ~(~まで)
なお、according to ~ については、信頼できる他者の客観的な情報を根拠として紹介するときに使う。なので自分の意見には使えない。自分の意見を言う場合は、「 In my opinion, 」(私の意見では~)という表現を使う(ジーニアス)。
3語以上のものは、
at the cost of ~(~の危険をおかして)
by means of ~(~によって(手段・方法))
by way of ~(~経由で)
for the sake of ~(~のために)
in case of ~(~の場合には)
in spite of ~(~にもかかわらず)
on account of ~ (~のために(理由))
with regard to ~ (~に関して)
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[編集]before
[編集]「前に」「前の」という意味の前置詞 before および in front of について、通常は、時間的な前後における「前」は before を使い、物理的な位置の「前」は in front of を使う、というのがふつうである。
しかし、実は文法的には、物理的な「前」に before を使っても、マチガイではない(ジーニアス、青チャート、桐原ファクト)。
もっとも、物理的な「前」に before を使う場合には、おどろきや強い期待などの感情のたかぶりが込められている場合に使うのが普通(桐原ファクト)。
なので通常は、一般的な参考書の説明のように in front of で物理的な「前」をあらわすのが良い。
そのほか、列のなかでの「前」をbefore で表すこともできる(エバーグリーン)。
under
[編集]under の基本的な意味は「下に」だが、ほかにも「最中の(未完成で)」という意味もある。
参考書によくあるのは under construction 「工事中」である(エバー、桐原、ジーニアス)。
だが、他にも under discussion 「議論中」というのもある(青チャート)。
参考書によっては「最中の」の under を重視せずに紹介していない参考書もある(インスパイア、ブレイクスルーでは非紹介)。
out of
[編集]前置詞としてのout of には「内側から外側へ」の意味がある。
into の対義語である。
もっとも、out of order 「故障中」という表現があるが、ここでの out は(前置詞というよりかは)名詞であろう。
これとは別に、out of で「離れている」という意味もある。
He is now out of work. 「彼はいま失業中だ」
という典型的な例文がある(ジーニアス参考書、ジーニアス辞書)。
out
[編集]out には、「全部が無くなった」のような意味の場合もある。
sold out 「売り切れ」
die out 「絶滅する」
など。なお、extinct 「絶滅した」(形容詞)
become extinct 「絶命する」
などの言いかえがある。
beyond
[編集]beyond は「~を超えて」の意味の前置詞。
The house is beyond the river. 「その家は川の向こう側にある。」(インスパイアに似た例文)
The house is beyond the hill. 「その家は丘の向こう側にある。」(青チャート、ブレイクスルーに似た例文)
比喩的に使われて、限界を超えてのような意味を表すことも多く(ジーニアス)、慣用的には
beyond description (言葉では言い表せないくらいに)→「筆舌に尽くしがたい」(エバーグリーン)、
beyond belief (信じられないくらいに)、
beyond doubt (疑いようのない)
beyond one's understanding (ジーニアス)または beyond comprehension (桐原ファクト)で「理解を超えて」→「理解不能な」
のような使われ方をすることも多い(ジーニアス、エバーグリーン、桐原ファクト)。
そのほか、能力を超えて不可能なことをあらわすのにも使われる。
たとえば
beyond repair 「修理不可能な」(桐原ファクト)
beyond my reach 「私の手の届く範囲を超えている」→「私の手に負えない」(エバー)、
beyond は必ずしも否定的な意味とは限らない。たとえば beyond description は、和訳こそ「言葉では言い表せない」だが、実際には程度が大きい・高いことを比喩的に強調するための表現である。
また、beyond exception 「期待以上に」は(エバー)、べつに期待はずれではない。
このように beyond は必ずしも否定的な意味とは限らないので、早合点しないように。
あくまで「超えて」が beyond の意味である。否定うんぬんは、beyond の派生的な意味のひとつにすぎない。
by
[編集]by には、中学で習う「によって~」の意味のほかにも、「そばに」「近くに」「そばで」「近くで」という用法もあります。
stand by 「そばにいる」や、go by 「通り過ぎる」など、熟語などで見かける事があります。
なにかの準備のために近くで出番を待っている人を「スタンバイ」と言いますが、これも stand by が語源ですし、英語でも stand by 「出番を待つ」という意味です(グランドセンチュリー)。
for
[編集]乗り物の行き先には普通 for を使う(青チャート)。
Is this the train for Shinjuku? 「これは新宿行きの電車ですか?」
The train already left for Osaka. 「その電車はすでに大阪に向けて出発した。」 (エバーグリーン、桐原ファクトに似た例文)
なお、もし for ではなく to を使った場合(つまり 「The train went to Osaka.」 とした場合)、目的地の大阪に到着したと言うニュアンスを含む(桐原ファクト)。
for には、期間をあらわす用法があり、 for three weeks 「三週間のあいだ」のようにその期間の長さをあらわすのに使、年・月・日などの期間をあらわすのに使う(青チャート)。このfor はしばしば省略される(青チャート)。
一方、during は期間を表すのに使うが、duringの焦点はその期間がいつかということに焦点があり、たとえば during the summer 「夏の間」のように使う。
during には、2つの用法がある。「期間中のある時」を表す用法と、「期間中ずっと」の用法である。
They come during my absence. 「彼らは私の留守中に来た。」(期間中のある時) ※インスパ
Please take my place during my absence. 「留守中、私の代わりをしてください。」(期間中ずっと) ※青チャ
上記のように、同じ during my absence でも意味が微妙に違うので、文脈から用法がどちらなにかを判断することになる。
なお、「この仕事は一日でできますか?」のように何かに要する期間をたずねる場合は in a day のように前置詞 in を使う(エバー)。「彼はコンピュータの使い方を三週間で覚えた」も in three weeks である(エバー)。
for ages で「長い(年月の)間」の意味(エバーグリ-ン)。
これとは別に for には、for one's age 「年(年齢)の割には」という慣用的な表現がある(ジーニアス、インスパイア)。
He looks old for his age. 「彼は年の割にはふけてみえる」(ジーニアスに同じ例文。)
距離にもfor を使うことがある(インスパイア、桐原ファクト)。参考書から文章の一部を抜粋すると、
run for ten miles 「10マイル走る」(インスパイア)
go straight for about 200 meters 「200メートルほどまっすぐ進む」(桐原ファクト)
全文は買って読もう(著作権の理由)。
for には代理・代用の意味がある(エバーグリーン、インスパイア)。
take 人A for 人B 「人Aを人Bと見間違える」
である(エバーグリーン、インスパイア)。
They take Tom for his brother. 「彼らはトムを彼のお兄さんと見間違えた」
for には「代表」の意味もある。
ジーニアスいわく、「私はクラスの全員を代表して発言します。」で、 speak for everyone in our class (抜粋)。
for の交換・代価の意味も、代理・代用から派生した意味だと考えることもできる(ジーニアス)。
I bought this shoes for 2,000 yen. 「その靴を2000円で買った」(ジーニに似た例)
I paid 2000 yen for his shoes. 「その靴を買うのに2000円を払った」(インスパに似た例文)
上記のように、買い物をする場合でもfor のあとが価格とは限らない。
buy だけでなく sell でも同様
「sell A for 価格」の語順が普通(ブレイクスル-、青チャート)。
また、for ではなく at で価格を表す場合もある(青チャート)。詳しくは青チャートを参照せよ。
exchange A for B で「AをBと交換する」である(エバー、青チャ)。
なお、桐原ファクトには、for の代理・代用の用法の説明が見当たらない。
for には「賛成」の意味もある。典型的な例文で
Are you for or against this pan? 「あなたはこの計画に賛成ですか、反対ですか」(ジーニ、桐原)
なお、 against は「反対して」の意味の前置詞。
Are you for her proposal? 「あなたは彼女の提案に賛成ですか?」()
I'm for the plan. 「私はその計画に賛成だ。」(インスパ)
for ではなく in favor of で「賛成」を表す場合もある。
I'm in favor of the plan. 「その計画に賛成です」(ブレイクスルー)
中学で習ったように for には「目的」の意味がある。
We work for our living. 「我々は生計を得るために働く」(ジーニアス、青チャート)
for の基本的な意味は「目的」「用途」の意味であり、ここから電車やバスなどの目的地の用法も派生的に導ける。やや飛躍気味だが、「交換」などの用法も、入手という目的のための手段という解釈も可能ではあるが(インスパイア)、最終的には覚えるしかない。
for には、「理由」の意味もある。慣用的には
be famous for ~ 「~で有名」
for this reason 「この理由で」
などがある(エバー、ジーニアス)。
慣用句以外にも、
cannot see anything for the fog 「霧のせいで何も見えない」(インスパイアから抜粋)
などのように使われる。
of
[編集]たいていの参考書では of は「所属」・「所有」や「部分」の意味であると第一に紹介しており、中学の英語教科書もそのような立場である。
だがジーニアスおよびインスパイアおよび桐原ファクトでは、ofの基本イメージは「分離」であると述べている。そもそもofの語源の意味は「分離」の意味である(桐原ファクト)。
He rubbed me of my money. 「彼は私からお金を奪った。」(ジーニアス、インスパイアに似た例文)
deprive A of B 「AからBを奪う」、 be independent of 「~から独立している」
cure A of B 「AのB(病気など)を治す」(ジーニアス、青チャート)
などの熟語の of は、分離の of である。
- (※ 参考) 一見すると分離に見えないが、 dispose of A 「Aを処分する」も、意味的に考えると分離に近い(出典は無い)。処分されるものは、残ったものから分離されているので。cure も dispose も、of の直後に来るのは、処分すべき対象である。
そしてジーニアスいわく、「部分」も、取り出しなどの分離によって生じるとして、また、部分はもともともは分離元に「所属」していたとして、さまざまな意味も生じるとしている。
所属の of とは、たとえば
He is a member of the baseball club. 「彼は野球部の一員です。」
のようなもの(インスパ、エバー、桐原)。なお桐原ではバレーボール部
派生的にか、of には分量の意味もあり、
米(こめ)3キロ three kilos of rice (インスパイア)のように使う。
a cup of tea 「いっぱいの茶」のofも、「分量」のofでしょう(桐原ファクト)。
病死について、
He died of cancer. 「彼はがんで死んだ」(エバー、)
He died of heart disease. 「彼は心臓病で死んだ」(ジーニ)
のように「 die of 病名」で、「~(病気)で死ぬ」の意味。
所属などを説明することは性質の説明にもつながることからか、ofには「性質」の意味もあります。
a man of ability 「有能な人」(エバー)
a man of courage 「勇敢な人」(ファクト)
のような用法も、性質の of でしょう。
「of 抽象名詞」で、形容詞的な意味になります(ブレイクスルー)。ただし前置詞なので後置ですが。
The matter is of no importance. 「その問題は重要ではない。」(ブレイクスルー、ジーニアスに似た例文)
これも性質の of の派生でしょうか(ジーニアス)。
ほか
[編集]「~について」は中学では about で習う。だが青チャートいわく、of, about, on, with など色々とあると言っている。on は専門的な話題について使われることが多い。
remind A of B 「AにBを思い出させる」も、関連の of の用法(桐原)。
except 「~を除いて」も前置詞であるのだが、青チャートおよび辞書ジーニアス英和や辞書センチュリー英和などには確かに except に前置詞の用法があることも書いてあるのだが、しかし多くの参考書にはなぜか前置詞としての except の説明が無い。
桐原ファクトには、「前置詞以外にも前置詞の働きをする語句が多くあります」として群前置詞といっしょに except を紹介しているが、しかし辞書ジーニアスなどには前置詞としてexceptを紹介している。
なお、except には接続詞としての用法もあり、青チャート以外の他社の本には接続詞の章で except が紹介されているものもある(参考書ジーニアス総合英語、ブレイクスルー)。
従属接続詞として、 except that~ で「~ということを除いては」の意味。
インスパイアでは「否定」のnothing but (~だけ)の項目に except がある。
but にも「~を除いて」という前置詞的な意味がある(青チャート)。なお、nothing but (~だけ)は only の意味。
前置詞としての but と except は、ほぼ同じ意味(青チャート)。
To my disappoint, 「私が失望したことには」
To my surprise, 「私が驚いたことには」
など、「to one's +感情の名詞」で、「私が~したことには」の意味になり、副詞的な働きをする。
べつに my だけでなく、たとえば
To her surprise, 「彼女が驚いたことには」※ 青チャ
To his parent's joy, 「彼女の両親が喜んだことには」※インスパ
など my 以外も可能。これらの表現を使う場合はふつう、文頭で「To one's 感情の名詞」を使う。