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高校英語の文法/比較

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

比較

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oldの比較級には、2種類ある。

elder というのがあり、兄弟姉妹の年齢について「年上の」という意味である。

単に年上なだけや、あるいは物や事が古いだけの場合は old でいう。なので、単に年上であることを older で言ってもよい。なので、中学では elder は一般に習わないのも妥当である。


old(古い、年をとった) - older(より古い、(単に)年上の) - oldest(最も古い、最も年上の)

old - elder(兄弟姉妹において年上の) -eldest (兄弟姉妹で最年長の)

である。


late(時間に関して遅れている) - later(より遅れた) - latest(もっとも遅れた)


late(順序が後のほうの) -latter (後半の)- last(最後の)

である。

far(距離が遠い) - farther - farthest

far(程度が「いっそう」)- further - furthest


なお、elder は elder brother や elder sister のように名詞を修飾する用法でしか用いられない(桐原フォレスト、ロイヤル)。

つまり、 be動詞 + elder (×)みたいな言い方はしない。

アメリカだと、兄弟姉妹でも兄は older sister または big brother と言い、姉も同様に older sister または big sister である。アメリカでは、elder による表現は古風だと感じられている(桐原フォレスト、ロイヤル)。

as 原級 as

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Mary is as tall as Bob (is).

メアリーはボブと同じくらいの身長だ。


否定形の構文は、not as 原級 as


as 原級 a 名詞 as ~

※ 未記述

I'm not as well as you. 「私はあなたほど上手ではない」


倍数表現は、 X times as 原級 as ~

たとえば、

four times as 原級 as ~

なら、「~の4倍、・・・である」の意味。


This rooms is four times as large as that one. 「この部屋はあの部屋の4倍の大きさだ。」


小さくなる場合、times の代わりに、別の形容詞が入る。

This rooms is half as large as that one. 「この部屋はあの部屋の半分の大きさだ。」


2分の1の場合は half , 3分の1の場合は one-third , 4分の1の場合は a quarter または one quarter である。


This rooms is one-third as large as that one. 「この部屋はあの部屋の3分の1の大きさだ。」

This rooms is a quarter as large as that one. 「この部屋はあの部屋の4分の1の大きさだ。」


なお、疑問文で「何倍の大きさですか?」と当ときは、 How many times larger ~? と比較級になる。疑問文では、 as ~ as は使わない(ロイヤル英文法)。


さて、平叙文の話題に戻る。

「as 原級 as ~ 」の代わりに「the 名詞 of ~ 」によって表現する方法もある。

This rooms is four times the size of that one. 「この部屋はあの部屋の4倍の大きさだ。」


the 名詞 of の名詞がどの単語になるかは、比較される量の種類によって変わり、たとえば size(体積などの大きさ) のほか amount(量) , length(長さ) , height(高さ) , number(数) , weight (重さ)、などがある。


そのほか、慣用表現として、 as soon as possible で「できるだけ早く」の意味。 as soon as S can の場合もある(Sはその動作をする主語の人)。命令文の場合、S はyouになる。(つまり as soon as you can になる。)

なお、主節が過去形の場合、時制の一致により as soon as S could になる。

文脈によって soon の代わりに fast や early の場合もある(桐原、ジーニアスなど)。 つまり、 as early as possible や as fast as possible など。


ASAP

余談だが、 Eメールなどでは

as soon as possible

の頭文字をとって ASAPなどと略されることもあり「エイサップ」または「アサップ」とも発音される(ジーニアス、インスパイア、数研リープ)。

as soon as possible と as soon as one can はともに未来の出来事に対して使う表現で(ジーニアス)、和訳は同じ「できるだけ早く」(「早く~してほしい」、「早く~すべきだ」などが続く)だが(インスパイア、ジーニアス)、しかし実際の意味合いは微妙に違う。

as soon as possible のほうが緊急性が高い。as soon as one can は時間的に余裕がある(インスパイア)。


参考書によっては、as soon as possible を「可能な限り」、as soon as one canを「できるだけ早く」と使い分けているものもある(桐原ファクト)。 ここら辺の和訳のちがいは参考書によって微妙に異なるので、暗記する必要は無い。

なお、as soon as one can のone は原則としては文の主語に一致する場合が多いが、そうでない場合もあり、one が目的語に一致する場合もある(インスパイア)。

その他

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最上級は、一番程度の高いものだけでなく、second や third などをおぎなうことにより、○○番目に程度の高いものをあらわすこともできる。

He is the second tallest boy in the class. 「彼はこのクラスの中で2番目に背が高い男子です。」

同様に、3番目に背が高いなら the third tallest boy になり, 4番目に背が高いなら the fourth tallest boy になる。


なお、「もっとも~でない」、たとえば「最も長くない(=一番短い)」は、 the least long のようになる。 long でなく least  のほうが最上級であり、littleの最上級がleast である。 「the least +原級 」である。

なお、活用は

little - less -least

である。

だが実際には、アメリカ英語や口語などで、とくに比較級で littler や least などの単語もあるのが実際である(ロイヤル)。ただし、これらはニュアンスが限られるので、事情を知らない日本人は使わないほうが良い


ラテン語からきた形容詞には senior(年上の),junior(年下の),superior(優れた),inferior(劣った),,, などがあるが、これらの比較の用法の構文では than の代わりに to を用い、また、修飾語として much や far を使う。

つまり、

be superior to ~ 「~より優れている」

be inferior to ~ 「~より劣っている」


これら senior などの形容詞は、それ自体に比較の意味がある(ジーニアス、フォレスト)。そのことからか、比較級や最上級は変化しない。また、to のあとに人称代名詞が来る場合は目的格にする(ロイヤル、フォレスト)。

He is three years senior to me. 「彼は私より三歳上だ。」

= He is three years older than I.


one of the 最上級

本来、「最上」とは原則的に一つであるが(ジーニアス)、しかし英語では最上級を使った構文で、「one o the 最上級」で、その性質が高い程度にあるグループのひとつを表す用法がある。和訳では、よく「最も~なうちのひとつ」と訳される。


by far と much など最上級の強調

最上級を「はるかに」「ずっと」の意味で強調したい場合、 by far か much を使い、位置は the の前になる。

つまり、たとえば the best player を強調するなら、

by far the best player または much the best player のようになる。


いっぽう、very で強調する場合、

the very best player

になる。


不等号

英語の 「more than A」 や「比較級 than A」は、Aより程度の大きいものであるという表現であり、Aと同程度のものは含まない。つまり 不等号を使えば >A であるという表現である(桐原)。


一方、 not more than A や not 比較級 than A は、A と同程度のものを含む。つまり、≦A である。

これは数学でも同じであり、数学でも >A の否定は ≦A である。

では、「~以上」と言いたい場合、どう言うのかについては、これはもう高校英語の範囲外であり、一般的な高校参考書には無い。(ロイヤル英文法には書いてある。)

all the 比較級

「all the +比較級 + for ~(理由)」で、「~なので、ますます・・・になった」の意味。

for を使う場合は後ろに名詞句を使う。

for の代わりに because でもよく、その場合は後ろは文章になる。


「none the +比較級 + for ~(経験や出来事)」で、「~だからといって、・・・ではない」の意味。

なお、noneの場合、後半にbecauseはあまり使われない(ジーニアス)。


絶対比較級
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英語教育の比較の単元において、「絶対比較級」と「絶対最上級」というのがある。

「絶対比較級」と「絶対最上級」とは異なる。


「絶対比較級」は、比較級を用いているが、ばくぜんと程度が高いことを示す表現であり、全体を2つに分けた場合に程度の高いほうに属するという程度の表現であり、 例として下記のようなものがある。

the younger generation 「若い世代」、

the upper class 「上流階級」、 the lower class 「上流階級」、

higher education 「高等教育」、

など(エバグリ、インスパ、ジーニアス)。

絶対最上級
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絶対最上級は、最上級を用いているが、単に程度が非常に高いことを示す表現であり(青チャート)、具体的な比較の対象をもたない(ロイヤル、ジーニアス)。very をさらに強調したような言い方である(青チャ、ジーニアス、エバグリ)。

たとえば、clever (ロイヤル英文法)や important (ジーニアス)やkind(フォレスト)やhappy(青チャ)など何でもいいが、単数形の場合は

a most 形容詞 名詞

のように冠詞が a になる。

たとえば

a most clever ~(名詞) (とても利口な~(名詞))

である。

ふつう、最後に名詞が来る(青チャ、ロイヤル)。

たとえば、 a most clever person とでもなろうか。

定冠詞 the は使わないことが多い(青チャ)。


たとえば

Tom is a most clever person. 「トムはとても利口な人だ.」


文脈によっては単数形でなくとも複数形でも構わない(エバグリ、ジーニアス)。つまり、複数形の場合は

most 形容詞 名詞

の語順になる(エバグリ、ジーニアス)。

たとえば

They are most kind people. 「彼らはとても親切な人たちだ.」

絶対最上級はやや特殊であり、本来なら最上級の語形変化が -est の語であっても例外的に most で強調する(フォレスト、青チャート)。ただし、ジーニアスやロイヤルを見てもそこまで書かれておらず、入試ではそこまで問われづらいだろう。

比較級を使ったその他の表現
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more or less 多かれ少なかれ

sooner or later 遅かれ早かれ(「いつかは」の意味)

※ エバグリーンに「いつかは」の意味が紹介されている。


know better than ~(to 不定詞など) 「~するほど馬鹿ではない」

I know better than to do ~(不定詞) 「私は~するほどの馬鹿ではないよ」

You should know better. 「きみはもっと分別を持つべきだ」


not even ○○, much less ~ 「○○すらない(/できない/しない)のだから、ましてや~なはずがない」

原級・比較級を使って最上級に近い意味を表す形

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原級を使って最上級に近い意味を表す形
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「as 原級 as ○○ 」は基本的な意味は「○○と同じくらいに ~ である」の意味。

しかし例外的に any がついて「as 原級 as any」になると、これは程度が高いことをあらわす表現になる。


「any」には、「すべての」という意味がある。桐原はこれを用いて説明している。だが、世界中に存在するすべてのものと同じだとしても、だったら世界全体で平均化されるはずなわけで、やはり例外的に扱うのが正しいだろう。


ただし、もとの「同じくらい」の意味を引きずってか、断定的ではないとされ、「もしかしたら程度が高くないかもしれず、同じくらいかもしれない」という若干控えめなニュアンスもある(ジーニアス)。

和訳の際は、肯定形で訳そうとしも日本語には対応する肯定の言い回しが無いので、技巧的ではあるが、否定形で「他のものに劣らないくらい、~である」と訳すのが良いだろう(ジーニアス、ロイヤル)。


参考書によっては「最上級の意味を表す」などと書いてあるが、しかし、厳密には、最上級の可能性をあらわす構文だろう。なお、ジーニアスの単元名では「原級を使って最上級に近い意味を表す」である。


同様に、論理的でなく例外的な表現だが、

「as 原級 as ever lived 」で「古来まれなほどに ~ である」の意味になる。これは文学的な表現であるので(ロイヤル、ジーニアス)、あまり論理的に考えても仕方が無い。

なお、これと紛らわしいが、lived 無しの「as 原級 as ever」は「あいかわらず~である」の意味。

こちらのほうは論理的に導ける。ever は経験を表す単語であり、

観察者の著者・筆者などが過去に観察した経験(ever)と同じ(as 原級 as)ようであるということから、「あいかわらず」と言い表せる。

比較級を使って最上級に近い意味を表す形
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than any other

たとえば、

Bob is taller than any other in the class. 「ボブはクラスの中でほかの誰よりも背が高い」

のように使う。

このように、 than any other は「他のどの○○よりも~である」である。これは、any を「すべての」と解釈すれば、論理的に導ける。

no other 文
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「No other A ・・・ 比較級 than B 」は「ほかのどのAもBより~ではない」の意味であり、最上級に近い意味をあらわす。なお、Bより上はいないと言ってるだけであり、Bと同程度のものがいる可能性は残されている。


いっぽう、 「No other A ・・・ as 原級 as B 」は「どのAもBほど~ではない」の意味であり、最上級に近い意味をあらわす。

参考書では特に言及されていないが、この場合は、同程度のものが残されている可能性は、この構文の場合は無いと考えられている。


「A be動詞(is,are など)比較級 than any other B 」は「AはほかのどのBよりも~である」の意味であり、最上級に近い意味をあらわす。

同一のものにおける最上級
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同一人物、同一事物内での最上級を言う場合、最上級変化する形容詞・副詞には the はつかない。

The lake is deepest here. 「この湖はここが一番深い。」(インスパ、エバグリ)

The lake is deepest at this point. (青チャート)でも可

I'm happiest when I'm with my family. 「私は家族といるときが一番しあわせです」(ジーニアス、エバグリ with my friends 友人たちと、ブレイク with her 彼女と)


なぜ、the がつかないかというと、theは本来は名詞の前につけるべきものであるが、同一人物・同一事物では名詞を補うことができないから、である(ブレイク、エバグリ、青チャート)と考えられている。(※インスパ、ジーニアスは紹介せず)


いっぽう、

The lake is the deepest in Japan. 「この湖は日本で一番深い」

は、同一の湖内での比較ではないので、theがつく。これは単に、the deepest lake in Japan のうち名詞 lake が省略されたものと考えることができる。

ほか

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no longer で「もはや~ない」の意味。

He is no longer here. 「彼はもう、ここにはいない」

She lives no longer here. 「彼女はもう、ここには住んでいない」


参考書では、青チャートとインスパイアが、比較の単元であつかっている。

参考書によっては、比較級の単元ではなく接続詞や否定の単元であつかっている。当wikiでは 高校英語の文法/接続詞 でも no longer を紹介済み。


to say the least of it, 「控えめにいっても」※インスパイア、ロイヤル、青チャート

参考書によっては、不定詞の単元で、独立不定詞として「to say the least of it, 」を紹介している(ロイヤル、青チャート)。