高等学校世界史探究/第二次世界大戦と新しい国際秩序の形成 学習のポイント
小学校・中学校・高等学校の学習>高等学校の学習>高等学校地理歴史>高等学校世界史探究>第二次世界大戦と新しい国際秩序の形成 学習のポイント
本章では、世界恐慌~朝鮮戦争までの範囲を学びます。
1929年、ニューヨークのウォール街で起きた株式市場の大暴落は、世界恐慌を引き起こし、資本主義諸国を大いに苦しめ、国際協調体制を崩壊させました。アメリカは広大な国土を活かしてニューディール政策を進め、イギリスとフランスはブロック経済体制で危機を乗り越えようとしました。一方、ドイツ・イタリア・日本などの後進資本主義国は、大衆を強力に支配する全体主義体制をとり、植民地の再編成を軍事力で解決しようとしました。このため、ヨーロッパでは反ファシズムの抵抗運動が広がり、アジア諸国では独立と自由のための戦いが始まりました。世界は再び緊張に包まれ、1939年、第二次世界大戦が始まりました。第二次世界大戦は連合国がファシズム諸国に勝って終わりました。しかし、ユダヤ人の虐殺、南京虐殺、原爆投下などで、大勢の人が亡くなりました。
第二次世界大戦後、連合国が中心となって国際連合をつくり、国際通貨基金(International Monetary Fund:IMF)など国際経済・金融協力体制を整えました。以降、各国が協力して平和に暮らせるようになりました。しかし、「冷戦」が発生すると、世界はアメリカとソ連を中心とした二手に分かれました。両者の対立は次第に深まっていきました。人民民主主義国家は、ソ連の勢力圏にあった東ヨーロッパの社会主義国家群から生まれました。アメリカは、マーシャル・プランで西ヨーロッパ諸国の経済を支援しました。その上で、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization)を通じて軍事的な結びつきを強め、「封じ込め政策」をとりました。東西ヨーロッパ間の最も大きな問題は、ベルリン問題でした。しかし、東西ドイツが分かれると、状況は安定するとともに、冷戦の焦点はアジアに移っていきました。すでに、アジアではベトナム独立同盟とフランスとのインドシナ戦争、中国での内戦開始、朝鮮半島の南北分断など、東西対立が起きていました。このうち、朝鮮戦争は最初の直接戦争となりました。朝鮮戦争は、両陣営に軍事ブロックの結成を急がせました。アメリカは中央条約機構(Central Treaty Organization)、東南アジア条約機構(Southeast Asia Treaty Organization)などの反共軍事同盟を作り、ソ連はワルシャワ条約機構(Warsaw Treaty Organization)を作りました。
資料出所
[編集]- 木村端二、木村康彦ほか編著『改訂版 詳説世界史研究』株式会社山川出版社 2008年