高等学校世界史B/用語集/メソポタミア文明
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教科書としては高等学校世界史B/メソポタミア文明を参照。
メソポタミア文明の基礎
[編集]- オリエント:ラテン語で「日の昇ところ(=東方)」の意。メソポタミアとエジプトの総称。
- ティグリス川・ユーフラテス川:メソポタミアを流れる2つの川。ペルシャ湾に注ぐ。
- メソポタミア:ティグリス川・ユーフラテス川の流域。ギリシャ語で「川のあいだ」を意味する言葉。古代から灌漑農業が盛んで、BC3000年ごろに文明が成立した。
- 「肥沃な三日月地帯」:メソポタミアからシリア・パレスチナにかけての地域。古くから農耕が営まれる。上空から見ると三日月状であるため、古代学者ブレステッド(米)が命名した。
- セム語族:比較言語学において同系統の言語でまとめられた一派。代表的なものに古代オリエントのアッカド語、アラム語、ヘブライ語、現代のアラビア語など。
- 神権政治:神の権威を用いた政治。王は神の代理人として権力を持ち、神官も神託を得て権力を握った。
- アナトリア(小アジア):現在のトルコ共和国がある半島。古代文明が栄えた。アナトリア高原を有する。
- 灌漑農業:外部から溜池や水路などで人工的に水を供給する農法。穀物の増産に役立ち、余剰生産物がうまれる要因にもなった。メソポタミアでは主に麦を生産した。
都市国家
[編集]- 都市国家:神殿や王宮を中心とした小規模な国家。
- シュメール人:民族系統不明。メソポタミア南部で最古の都市文明を築いた。ウル、ウルク、ラガシュが代表的な都市国家である。
- ウル:シュメール人の都市国家。ユーフラテス川の最南部に位置する。王墓群から多数の副葬品が発掘された。
- ウルク:シュメール人の都市国家。ウルの北方に位置する。ウルク文化という先史の時代区分の名称にもなっている。
- ギルガメシュ叙事詩:ウルクの王、ギルガメシュの冒険を描いた叙事詩。粘土板に記され、最古の文学作品と言われる。
- ウルク文字:最古の楔形文字。
- ラガシュ:シュメール人の都市国家。
- ウンマ:シュメール人の都市国家。
- ジッグラト:古代メソポタミアの聖塔。煉瓦で造られた。
メソポタミアの統一
[編集]- アッカド人:セム語族。シュメール人を征服し、紀元前24世紀頃に史上初めてメソポタミアを統一した。(アッカド王国)
- サルゴン1世:アッカド王国の建国者。メソポタミア初の統一国家を築く。
- ナラム=シン:アッカド王国最盛期の王。「四方世界の王」と名乗った。
- ウル第3王朝:シュメール人による最後の王朝。(メソポタミア統一王朝)
- ウルナンム法典:ウル第3王朝のウルナンムが発布した世界最古の法典。
- アムル人:セム語系遊牧民。バビロン第1王朝を建てる。
- バビロン第1王朝(古バビロニア王国):紀元前19世紀ごろにアラム人によって樹立された統一王朝。都はバビロン。ヒッタイトによって滅ぼされた。
- バビロン:バビロン第1王朝成立以降、メソポタミアの中心都市として栄えた。
- ハンムラビ王:バビロン第1王朝6代目にして最盛期の王。運河を作り交通網を整備し、商業を発達させたほか、中央集権体制を確立した。
- ハンムラビ法典:ハンムラビ王による法典。ウルナンム法典を発展させたもので、スサで石碑が発見された。全282条。
- 「目には目を、歯には歯を」:ハンムラビ法典の原則。国家が被害者に代わって加害者を処罰した。同害復讐の原則にのっとたが、身分によって刑罰に差があった。
- ハンムラビ法典:ハンムラビ王による法典。ウルナンム法典を発展させたもので、スサで石碑が発見された。全282条。
- バビロン第1王朝(古バビロニア王国):紀元前19世紀ごろにアラム人によって樹立された統一王朝。都はバビロン。ヒッタイトによって滅ぼされた。
- インド=ヨーロッパ語族:インドからヨーロッパにかけて分布する類似した言語群。
- ヒッタイト:インド=ヨーロッパ語族のヒッタイト人による国家。前17世紀ごろアナトリアに興り、都はハットゥシャ。バビロン第1王朝を滅ぼした。初めて鉄器を使用した国家で、ムワタリ王のときエジプトのラメス2世とも交戦した。「海の民」の侵入や内紛によって前12世紀に滅亡した。
- ミタンニ:ヒッタイトやカッシートと同時期に北メソポタミアに栄えた。民族系統不明のミタンニ人が先住のフルリ人やアムル人を統治した。アッシリアによって滅んだ。
- カッシート:ミタンニやヒッタイトと同時期に南メソポタミアに栄えた。民族系統は不明。前12世紀にエラム人に滅ぼされた。
- フルリ人:メソポタミア北部の民族。馬を調教する技術を持っていた。
- エラム人:メソポタミア南東部の民族。ウル第3王朝やカッシートを滅ぼした。
メソポタミアの文化
[編集]- 楔形文字:シュメール人が発明した古代文字。主に葦によって粘土板に刻まれた。
- 粘土板:楔形文字を記述した粘土による板。
- 太陰暦:月の満ち欠けを基準に作られた暦。シュメール人が発明。現在で使われる太陰暦としてはイスラーム暦がある。
- 太陽太陰暦:太陰暦を基本に、太陽の運行を考慮に入れた季節とのずれを解消した暦。
- 青銅器:錫と銅の合金。主に神事、祭事に用いられた。
- ギルガメシュ叙事詩:ウルクの王、ギルガメシュの冒険を描いた叙事詩。粘土板に記され、最古の文学作品と言われる。
- ノアの方舟:『旧約聖書』に登場する洪水伝説。ギルガメシュ叙事詩がもととなった。
- 六十進法:シュメール人が発明。角度や時間の単位として現在も使われる。
- 1週7日制:シュメール人が始めた風習。現在まで続く社会制度である。