高等学校倫理/参考文献
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高校「倫理」から哲学・倫理学へ
[編集]普通の検定教科書では参考文献は省かれている。本来、参考文献のない書籍というものはあまり信用のおけるものではない。推測するほかないのだが、簡潔であることを旨とする検定教科書では膨大になることが予想される参考文献はカットされているのだろう。また、教科書の内容は通説であり、ほぼ論争的なものではないというのも理由として挙げられよう。その分、資料集などで参考文献に当たるものを紹介することで補っているといえる。
ここであえて「倫理」教科書の参考文献を挙げる理由は以下のとおりである。
- 信頼性の向上。どうしてもオンライン上の文献、とくにウィキ形式のものはだれでも編集できるという特徴から信頼性に疑問を持たれがちである。信頼性はどのような文献を元にしているかというのも大きい。そのため、ここでは参考文献を挙げることにする。
- これを読んでいる高校生ないし高校「倫理」にちょっとでも関心を持った大学生・社会人が「倫理」から、さらにもう一歩進めて哲学や倫理学を学ぼうとする際の手がかりとして。
なお、一部の文献にはコメントもつけている。学習者の参考になれば幸いである。
全般
[編集]検定高校教科書・参考書
[編集]検定教科書
[編集]- 『高等学校 改訂版 倫理』、第一学習社、2020年(2016年検定)
- 『高等学校 現代倫理 新訂版』、清水書院、2022年(2017年検定)
- 『高等学校 新倫理 新訂版』、清水書院、2022年(2016年検定)
- 『倫理』、東京書籍、2023年(2022年検定)
参考書
[編集]- 小寺聡編『もういちど読む 山川 倫理』、山川出版社、2011年
- 藤田正勝著『理解しやすい 倫理』文英堂 2023年
- 濱井修監修・小寺聡編『第2版 倫理用語集』、山川出版社、2019年
- 『新訂第2版 倫理資料集 ソフィエ~智を学び夢を育む~』、清水書院、2016年
辞典・用語集
[編集]- 栗田賢三・古在由重編『岩波 哲学小事典』、岩波書店、1979年
- 価格・サイズ共に手ごろであり、ちょっとした調べ物にはよい。ただ古すぎる。『岩波哲学・思想事典』(廣松渉編、1998年)は一般向けにはボリュームがありすぎるのが難点。15000円というのは大学院生でないと手も出にくいだろう。価格とボリュームのバランスがよく、現代思想を追っているものとしては『新版 哲学・論理用語辞典』(思想の科学研究会編、三一書房、2012年)などが妥当か。
- 尾関周二他編『環境思想キーワード』、青木書店、2005年
- 環境思想や環境倫理学に特化した(珍しい)用語集だが、通り一遍の哲学者たちの思想はおさえられているので、高校「倫理」から哲学・倫理学への入門用用語集としてもお手頃。入手はやや難しい。
哲学史
[編集]- ヨースタイン・ゴルテル著『ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙』(須田朗監修/池田香代子訳)、NHK出版、1995年
- ミステリー要素を含むファンタジーの形式をとる哲学史入門書。ボリュームはあるが、小説感覚で読める。範囲も高校「倫理」と重なる。
- 久保陽一・河合淳編著『原典による哲学の歴史』、公論社、2002年
- 大学の教科書。原典の重要な箇所をピックアップしている。少々古く、また社会思想がやや弱いという欠点もあるが、『哲学 原典資料集』(山本巍他編著、東京大学出版、1993年)もおススメ。
- 内田勝利他編著『哲学の歴史』12巻-別巻、中央公論新社、2007-2008年
- どちらかというと教師向け。まずは気になったところだけを読むことから始めるといい。
- 竹田青嗣・西研編著『初めての哲学史 強く深く考えるために』、有斐閣アルマ、1998年
- 大学の教養科目用テキスト。良くも悪くも編著者である竹田・西両氏の個性が強い解説となっている。
青年期の課題と人間としての在り方生き方
[編集]人間としての自覚
[編集]古代ギリシャ哲学
[編集]- ディオゲネス・ラエルティオス著『ギリシア哲学者列伝』(加来彰俊訳)、岩波文庫(上中下)、1984年・1989年・1994年
ソクラテス以前の哲学者
[編集]ソクラテス、プラトン
[編集]- プラトン著『ソクラテスの弁明』(納富信留訳)、光文社古典新訳文庫、2012年
アリストテレス
[編集]- 『形而上学』(井隆訳)、岩波文庫、1959年
ヘレニズムの思想
[編集]諸子百家の思想
[編集]儒家
[編集]道家
[編集]諸子
[編集]- 今井宇三郎他著『新釈漢文大系 63 易経 下』、明治書院、2008年
- 渡辺精一著『諸子百家』、角川ソフィア文庫、2020年
- 貝塚茂樹他著『諸子百家争鳴』、中央公論新社、2007年
- 平石直昭著『一語の辞典 天』、三省堂、1996年
三大宗教のはじまり
[編集]仏教
[編集]キリスト教
[編集]国際社会に生きる日本人としての自覚
[編集]現代に生きる人間の倫理と思想
[編集]モラリスト
[編集]経験論
[編集]- 『世界の大思想6 ベーコン』河出書房新社、1969年
合理論
[編集]ドイツ観念論
[編集]カント
[編集]- カント著『プロレゴメナ』(篠田英雄訳)、岩波文庫、1977年
- カント著『道徳形而上学原論』(篠田英雄訳)、岩波文庫、1976年
- 御子柴善之著『自分で考える勇気――カント哲学入門』、岩波ジュニア新書、2015年
- 御子柴善之著『シリーズ世界の思想 カント 純粋理性批判 』、角川書店、2020年
- 高校生ならば『自分で考える勇気――カント哲学入門』を読むといい。高校「倫理」では省略されていたり、わかりにくくなっている部分を非常に丁寧に紹介している。「倫理」の教科書がどうもしっくりこないと感じるであろう部分もよくわかるようになるかもしれない。『シリーズ世界の思想 カント 純粋理性批判 』の方は、大学で本格的に哲学を学ぶときに。
ヘーゲル
[編集]- ヘーゲル著『精神現象学(上)(下)』(樫山欽四郎訳)、平凡社、1997年