高等学校化学II/物質の三態

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高等学校化学 > 物質の三態

物質は温度・圧力によって物質の状態が変化する。物質自体は同じであり、状態だけ変わるので物理変化である。化学変化とは違うので注意すること。

物質の三態[編集]

どの物質にも、固体・液体・気体の3つの状態がある。これを 物質の三態(さんたい、three states) という。

一般に、物質の温度や圧力を変化させていくと、物質の状態が変わる。

物質の三態は、物質を構成する粒子の集合する状態によって決めり、粒子の熱運動の激しさと、分子に働く引力との関係によって決まっている。

三態変化[編集]

・一般に温度が上がると「固体→液体→気体」と変化する。このうち固体が液体になる変化を融解、液体が気体になる変化を蒸発(気化)と呼ぶ。

・一般に温度が下がると「気体→液体→固体」と変化する。このうち気体が液体になる変化を凝縮(液化)、液体が固体になる変化を凝固と呼ぶ。

状態が変わっても物質の名前は変わらない。ただし例外として水(H2O)がある。水は固体を特別に、液体を、気体を水蒸気と呼ぶ。ただしどのような状態でも化学式は変わらない。

また、純物質において個体が液体になる温度は物質ごとに決まっており、その温度をその物質の融点と呼ぶ。同様に液体が気体になる温度をその物質の沸点と呼ぶ。大気圧での水の融点は0度、沸点は100度である。

状態図[編集]

ふつうの純物質は、温度と圧力が決まると、その状態が決まる。 温度と圧力によって、その物質がどういう状態をとるかを表した図を状態図(じょうたいず,phase diagram)という。

図に、水の状態図と、二酸化炭素の状態図を表す。

図の中央付近にある3本の曲線が交わったところは三重点(さんじゅうてん、triple point)といい、気体・液体・固体の状態が共存する。

なお、図中にある 1.103×105Pa は、大気圧である。図より、大気圧で水の融点は0℃、沸点は100℃であることが分かり、たしかに実験事実とも一致してる。

また、物質の温度と圧力を高めていき、温度と圧力がそれぞれの臨界点(りんかいてん、critical point)を超える高温・高圧になると、その物質は超臨界状態(supercritical state)という状態になり、粘性が気体とも液体ともいえず(検定教科書の出版社によって「気体のような粘性」「液体のような粘性」とか、教科書会社ごとに記述が異なる)、超臨界状態は、気体か液体かは区別できない。

二酸化炭素の超臨界状態ではカフェインをよく溶かすため、コーヒー豆のカフェインの抽出に利用されている。


昇華[編集]

二酸化炭素は、大気圧 1.103×105 Pa では、固体のドライアイスを加熱していくと、液体にならずに気体になる。

このように、固体から、いきなり気体になる変化が昇華(しょうか)である。

しかし、5.18×105 Pa ていど以上の圧力のもとでは(文献によって、この圧力が違う)、二酸化炭素の固体(ドライアイス)を加熱していくと、固体→液体→気体になる。