高等学校化学I/脂肪族化合物/エステル

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アルコールとエーテル アルデヒドとケトン カルボン酸とエステル 油脂とセッケン
脂肪族化合物 官能基 アルコール エーテル アルデヒド ケトン カルボン酸 エステル 油脂 セッケン

エステル[編集]

カルボン酸とアルコールを反応させると脱水反応が起こり、構造式 -COO- で表されるエステル結合(ester bond)を持つ化合物が生成する。このようなエステル結合をもつ化合物をエステル(ester)といい、エステルを生成する脱水反応をエステル化(esterification)という。

エステル化

比較的小さな分子量のエステルは果物に似た香りを持つため、香料に使用されるものもある。また、自然界にも、果実の香り成分として、小さな分子量のエステルが存在している。

エステルは水には溶けにくく、有機溶媒に溶ける。

エステルは水と反応してカルボン酸とアルコールに分解される。このようにエステルに水を加えて分解する反応を加水分解という。

加水分解

エステル化反応は可逆反応であり、エステル化と同時に加水分解も起こっている。そのため、エステルを多く生成するためにしばしば脱水剤や触媒として濃硫酸が用いられる。

酢酸エチル[編集]

酢酸とエタノールの混合物に触媒として濃硫酸をくわえて加熱すると、酢酸エチル(さくさんエチル、ethyl acetate)CH3-COO-C2H5 が得られる。

CH3-CO-OH + H-O-C2H5 → CH3-COO-C2H5 + H2O

酢酸エチルは、果実のような香りをもつため、香料として用いられる。 酢酸エチルは、沸点77℃であり、揮発性の液体であり、水より軽い。

けん化[編集]

エステルは、水酸化ナトリウムのような強塩基の水溶液をくわえて加熱すると、カルボン酸の塩とアルコールに加水分解される。このような、強塩基によるエステルの分解反応をけん化(saponification)という。

R-COO-R' + NaOH → R-COONa + R'-OH

カルボン酸以外のエステル[編集]

カルボン酸とアルコールの反応だけではなく、オキソ酸とアルコールとの間の脱水反応もエステル化と呼ぶ。例えば、アルコールであるグリセリンと、オキソ酸である硝酸が脱水・エステル化すると、ニトログリセリンを生じる。ニトログリセリンは爆発性のある物質で、ダイナマイトなどに用いられる。

CH2(OH)-CH(OH)-CH2OH + 3HNO3 → CH2(ONO2)-CH(ONO2)-CH2ONO2
ニトログリセリン