高等学校化学I/脂肪族化合物/ケトン

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アルコールとエーテル アルデヒドとケトン カルボン酸とエステル 油脂とセッケン
脂肪族化合物 官能基 アルコール エーテル アルデヒド ケトン カルボン酸 エステル 油脂 セッケン
ケトンの一般式

ケトン基(-CO-)を分子中に含む物質を一般にケトンと呼ぶ。右には主なケトンを示す。

示性式 名称 構造式
CH3COCH3 アセトン アセトン


(※ 範囲外:) 検定教科書には書かれてないが、このカルボニル基には極性があり、Cがδの電荷を帯びており、Oがδの電荷をおびている。

二重結合を介して、

Cδ Oδ

のように分極している。

また、カルボニル基の酸素原子は、溶液の水素分子と水素結合をするため、カルボニル基をもつ簡単な分子は水に溶けやすい。(※ 参考文献: サイエンス社『工学のための有機化学 新訂版』、新井貞夫、185ページ) つまり、C=Oは親水基である。(※ 参考文献: 『チャート式シリーズ 新化学I』平成19年第5刷)

(以上、教科書の範囲外。)

一般的な性質[編集]

第二級アルコールを酸化するとケトンが得られる。逆に、ケトンを還元すると、第二級アルコールになる。

ケトンはアルデヒドと同様にC=Oの二重結合を持つ。このアルデヒド基・ケトン基のC=Oの二重結合をまとめてカルボニル基と呼ぶことがあるが、ケトンはアルデヒドと異なり、ケトンは還元性を持たない。そのため、ケトンは、銀鏡反応やフェーリング反応を起こさない。

また、アルデヒドはさらに酸化されてカルボン酸となるが、ケトンは酸化されにくい。

アセトン[編集]

アセトン(CH3COCH3)はもっとも単純な構造のケトンである。アセトンは無色の芳香のある液体(沸点56℃)であり、アセトンは水に混ざりやすい。また、アセトンは、有機溶媒としても用いられる場合がある。

実験室でのアセトンの製法は、第二級アルコールである2-プロパノール(CH3CH(OH)CH3)を酸化することで得られる。2-プロパノールに酸化剤の硫酸酸性二クロム酸カリウム水溶液を加え加熱すると、アセトンを生じる。

3CH3CH(OH)CH3 + Cr2O72- + 8H+ → 3CH3COCH3 + 2Cr3+ + 7H2O

また、アセトンは酢酸カルシウムの乾留によっても、実験室でアセトンを得ることができる。酢酸カルシウムの固体を試験管に入れ、加熱すると、アセトンを生じる。

(CH3COO)2Ca → CH3COCH3 + CaCO3

工業的には、クメン法によって作られる。

ヨードホルム反応[編集]

アセトンに、水酸化ナトリウムのような塩基性の溶液と、ヨウ素とを反応させると、特有の臭気をもつヨードホルム CHI3 の黄色沈殿が生成する。この反応をヨードホルム反応(iodoform reaction)という。

このヨードホルム反応は、アセチル基 CH3CO- をもつケトンやアルデヒドで起きるか、または、エタノールを含む構造 CH3CH(OH)- をもつアルコールで起こる。

酢酸はCH3CO-構造をふくむが、酢酸はカルボン酸であり、酢酸はケトンでもアルデヒドでもないので、酢酸ではヨードホルム反応は起こらない。酢酸エチルも、ヨードホルム反応を起こさない。

ヨードホルム反応の起きる化合物は、アセトン、または、アセトアルデヒド、エタノール、2-プロパノール、などでヨードホルム反応は起きる。