高等学校化学 イオン結合とイオン結晶

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

小学校・中学校・高等学校の学習 > 高等学校の学習 > 高等学校化学 > 高等学校理科 化学 > 高等学校化学 イオン結合とイオン結晶

 この単元では、イオン同士が結合する仕組みと、結合したイオンからなるイオン結晶について学ぶ。

イオン結合[編集]

 生成されたイオンには大きく分けて陽イオンと陰イオンがあった。これらのイオンは静電気力(クーロン力)で引き合って結びつく。このようにしてできた結びつきをイオン結合という。例えば、陽イオンのNa+と陰イオンのCl-はイオン結合をしてNaCl(塩化ナトリウム)となる。

イオン結晶[編集]

イオン結晶の仕組み[編集]

塩化ナトリウムNaClのイオン結晶の模式図

 個体のNaClは、同じ数のNa+とCl-が交互に並んだ構造になっている(図を参照のこと。紫色の球はNa+を表し、緑色の球はCl-を表す。)。このように、多くの粒子が規則正しく配置されている個体のことを結晶といい、そのうち、イオン結合によるものをイオン結晶という。イオン結晶は、全体としては電気的に中性となる。イオン結晶を表すには組成式が用いられる。組成式は化学式の一種であり、同じく化学式の一種である分子式との違いは、物体がイオン結晶を取るか否かである。(つまり、H2Oは分子式であり、NaClは組成式である。)このような違いが存在するのは、分子には区切りがあるのに対し、イオン結晶には区切りがないためであり、イオン結晶を化学式で表すのに最小単位を取ろうとしたためである。  粒子同士の結合のうち、イオン結合は強い結合であるため、イオン結晶は融点が高く、硬い。しかし、外部からの力には弱い。これは、外部からの力によって結晶がずれ、陽イオンや陰イオン同士が隣り合うことで反発するためである。また、結晶のままでは電気は導かないが、水溶液にしたり、融解させると電気を導くようになる。


イオン結晶の構造[編集]

塩化ナトリウムNaClの単位格子

 結晶を構成する粒子の規則正しい配列構造を結晶格子といい、この結晶格子の最小の繰り返し構造を単位格子という。右の図は、塩化ナトリウムNaClの単位格子を表しており、Cl-に最も近いNa+の数は6であり、このように、ある粒子に最も近いほかの粒子の数を配位数という。NaClにおけるNa+とCl-の配位数は、ともに6である。  図より、塩化ナトリウムの単位格子に含まれるイオンの数は、点に個、辺に個、面に個含まれているため、次のようになる。
Na+:  Cl-:
よって、それぞれ4つづつあるので、イオンの数の比は Na+:Cl-=1:1 となり、組成式はNaClとなる。