高等学校商業 経済活動と法/株式会社と法

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基礎知識[編集]

用語「社員」[編集]

商法または会社法でいう「社員」とは、株主のことである。「社員」といっても、従業員のことではない。

「株主」とは、「株券」や「株式」などと言われる物を買って、会社に出資している出資者である。

株主の有限責任[編集]

株主は、どんなに、その会社がダメな経営をしていても、株主は、けっして賠償責任などの責任を負わない。せいぜい、会社の信用が無くなり、その会社の株の価値が減ったりして損するだけであり、株主は出資額以上は金銭を失わない。たとい、会社が巨額の金銭的な債務を負っても、株主には、その債務を弁済する義務は、まったく無い。つまり、会社の借金は、けっして株主の借金ではない。このようなことを、株主の有限責任という。

いっぽう、経営者には、法的にも、その会社の経営に責任がある。たとえば、もしも会社が違法な経営をしており、それによって消費者や取引先などに損害を与えれば、経営者に対する賠償請求などの訴訟などを起こされる場合もある。

株主としての知識[編集]

株式名簿の登録[編集]

もし株を持ってるだけであり、そして何も会社に連絡してなければ、その持ち主は株主としては会社に知られていないので、持ち主は株主としての権利をまったく行使できない。

そのため、まず、株の持ち主は、会社に株主として承認してもらう必要がある。なので、株を譲り受けた者は、まず始めに、自身が株式を保有してる事を会社に対して証明するために、会社に対して株券を呈示(ていじ)する義務があり、また氏名や住所なども会社に呈示する義務がある。(会130) 会社に株券および氏名・住所などを呈示すると、その会社は、株式名簿に、その株の持ち主を株主として登録する。

会社設立のための知識[編集]

公開会社と非公開会社[編集]

株式には「この株を、会社(その株を発行してる会社自身)の許可なく第三者に譲渡してはいけない」という規則をつけることが出来る。このような株を譲渡制限株式(じょうとせいげん かぶしき)という。ある会社のすべての株式が、譲渡制限株式の場合、そういう会社を非公開会社という。

中小企業では、ヤクザや詐欺師などに株が渡らないようにするため、あるいは大企業や競合他社などに買収されないようにするため、つまり会社にとって好ましくない者に株が渡らないようにするため、株式を譲渡制限にしてる場合もあり、自社を非公開会社にしてる会社も多い。

譲渡制限などの規則は、定款(ていかん)で定める必要がある。

定款(ていかん)とは、その法人(つまり、その会社)のルールを定めた文書であり、会社設立の際などには定款を作成しないといけない。

さて、ある会社の株式が、定款上、ひとつでも株式に譲渡制限がついてなければ、(つまり、定款上、自由に譲渡できる株式が少なくとも一つの種類さえあれば)そのような会社のことを公開会社という。

なお、上場企業(東京証券取引所などの証券取引所には上場してる会社)は必然的に公開会社である。もちろん、設立時に公開会社にしたからといって、けっして、それだけで証券取引所に上場できるわけではない。

株の譲渡について、会社法では、定款に特に定めがないかぎり、自由に譲渡してよいものとされている。

発起[編集]

会社を設立しようとして企画や事務処理をすすめる人のことを発起人(ほっきにん)という。(一般にいう「創業者」のことと思ってよいだろう。) 発起人は1人でもよい。

発起人は、定款(ていかん)を作成しなければならない。

株式会社などの会社も法人であるので、設立のためには登記をしなければならない。そして、法人の設立では一般的に、その団体の規則を定める定款(ていかん)の作成が必要である。つまり、会社の登記のために、まず会社の定款を作成する必要がある。

※ 以下、本ページで、とくに断りなく単に「定款」といったら、株式会社の定款のこととする。

株式会社の設立のための定款には、必ず記載しなければならない絶対的記載事項がある。絶対的記載事項が、ひとつでも欠けると、その定款は無効になる。

絶対記載事項は (1 )会社の目的、(2)商号 、(3)本店の所在地、(4)設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、(5)発起人の氏名(名称)および所、(以上、会27条1号〜5号) (6)発行可能株式総数、 である。(会37)

「商号」とは、会社の名称のことであり、日本の株式会社名では、かならず「株式会社」という文字を入れなければならない。(会6)

いっぽう、定款に定めなくてもよい事項であるが、定款に定めないと効力が発生しない事項のことを相対的記載事項という。相対的記載事項には、株式の譲渡制限、取締役などの機関設計、などがある。

なお、最終的には公証人により定款を認証してもらわないといけない。(※ 検定教科書の範囲内。実教出版の教科書では、図表中に書いてある。)

会社設立時の出資額については、発起人は、かならず1株以上を引き受けなければならない。(会25) 会社設立時に発行される株式のすべてを発起人だけが引き受ける場合のことを発起設立という。(会25(1)I) いっぽう、発起人が株式の一部を引き受けるだけで、残りは外部から株式引受人を募集する方法が募集設立である。(会25(1)II)

現代での中小企業の設立の場合、発起設立が一般的である。

発起設立[編集]

出資は原則として、金銭で行う。通常は、銀行などに出資金を払い込む。現物出資も可能だが、物の価値を正確に見積るためなどから、定款に記載する必要があり、このように手続きが厳重である。(会28)出資のほかにも、「設立時取締役」などの「設立時役員」を設置しなければならない。(会38)

(※ 「設立時、取締役」ではない。「設立時取締役」で1つの用語である。)


募集設立[編集]