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高等学校工業/ソフトウェア技術/パーティション

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

高等学校の工業科における「ソフトウェア技術」の分野で扱われる「パーティション」について説明します。

パーティションとは

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パーティション(partition)とは、ハードディスクやSSDなどのストレージデバイスを複数の論理的なセクションに分割する技術です。パーティションを作成することで、1つの物理的なディスクを複数の仮想的なドライブとして利用することが可能になります。

MBRとGPTの概要

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MBR(マスターブートレコード)

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特徴
  • 古いBIOSシステムで使用されるパーティションテーブル形式。
  • 最大4つのプライマリパーティションをサポート(拡張パーティションを使用することでさらに分割可能)。
  • ディスクサイズの制限(2TBまで)。
用途
  • 古いOS(Windows XP以前)やBIOSベースのシステムで使用。

GPT(GUIDパーティションテーブル)

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特徴
  • 新しいUEFIシステムで使用されるパーティションテーブル形式。
  • 最大128個のプライマリパーティションをサポート。
  • ディスクサイズの制限がほぼない(最大8ZB)。
用途
  • 新しいOS(Windows 11、macOS、Linuxなど)やUEFIベースのシステムで使用。
ハイブリッドMBR
ハイブリッドMBRは、GPTディスクにMBRパーティションテーブルを追加することで、BIOSシステムとUEFIシステムの両方で互換性を持たせるための構成です。これにより、古いシステムと新しいシステムの両方で同じディスクを使用できるようになります。ただし、パーティション数の制限やデータ整合性のリスクがあるため、慎重に使用する必要があります。ハイブリッドMBRは、デュアルブートシステムやレガシーシステムのサポートなど、特定の用途で有用です。

パーティションの用途

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  1. システム管理の効率化
    • OSとデータを別々のパーティションに分けることで、システムクラッシュ時にデータを保護しやすくなります。
  2. 複数OSのインストール
    • 1つのディスクに複数のOSをインストールするためにパーティションを使用します。
  3. データの整理
    • 異なる種類のデータ(例えば、プログラムファイルとユーザーデータ)を分けて管理することで、ディスクの整理整頓が容易になります。
  4. バックアップとリカバリ
    • 重要なデータを別のパーティションに保存することで、OSのリカバリ時にデータを保護することができます。

高等学校工業科での学習

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高等学校の工業科でパーティションに関する技術を学ぶ際には、以下の内容が含まれることがあります:

  • パーティションの作成と管理ツールの使用方法(例:Windowsの「ディスクの管理」ツール、Linuxのfdiskgpartedなど)。
  • パーティションのサイズ変更や削除の手順。
  • パーティション形式(例:MBR(マスターブートレコード)とGPT(GUIDパーティションテーブル))の違いと選択方法。
  • 実際にパーティションを作成し、OSやデータを配置する実習。

これらの学習を通じて、ソフトウェア技術における基礎的なストレージ管理のスキルを身につけることができます。