高等学校情報/その他の技術的な話題
いろいろな話題[編集]
OPAC[編集]
公共図書館の多くは、その図書館の蔵書や貸し出し状況(貸出中か否か)を、管内の端末から確認できる。さらに、外部からもインターネットを使って、その図書館の蔵書や貸し出し状況を調べられるシステムがある。
図書館のこれらのシステムをOPAC(発音:オーパック)という。
大学の図書館などにも、一般に、在学生などが蔵書検索できる同じようなシステムがあり、それらもOPACと呼ばれる。
電子マネー[編集]
- ※ 検定教科書はまだ未確認。※ 2022年度科目『情報I』教員研修用資料で電子マネーに言及あり[1]。
- ※ 商業高校『ビジネス基礎』で電子マネー(electronic money[2])に関する記載を確認。
日本では、たとえばJRの定期券のシステムをICカード化した鉄道乗車券のSuica(スイカ)が、JR駅構内や契約店だけに限定だが、買い物のさいに、専用リーダーにスイカをかざすことで、スイカの口座から自動引き落としして支配をするシステムが、日本では普及している。[3]
- ※ クレジットカードとは異なり、Suicaなどは商品代金を一括払いである。また、残高以上には引き落としできない (一部を除く) ので、借金などの心配も原理的に防げるという利点がある。
他にも、いくつかの会社から、似たような方式でのICカード式の支払いシステムが提供されている。
余談だが、Suicaに採用されているICカードのシステムは、日本企業の開発した Felica (フェリカ)というシステムが基盤になっているが、このFelica は電子マネー以外にも応用されている。
Felicaの応用として、身分証明カードがあり、いちぶの大学の学生証や、いちぶの企業の社員証などといったIDカードにも応用されている。(「IDカード」とは身分証明カードのこと。「ICカード」の誤字ではない。)

Suicaの支払いシステムとは別の、カードを用意しない方式での支払いシステムもある。
代わりに携帯電話やスマートフォンのカメラ機能をつかって、商品などについたQRコードを読み取る方式で、自動的に携帯料金口座から引き落して支払いをするシステムがある。
海外の事例だが、とくに中国(中間人民共和国)では、QRコード方式による支払いシステムが普及している。
- ※ 2022年『情報I』教員研修用資料で中国の電子マネー事情に言及あり[4]。
なお、QRコード自体は日本の製造業が開発したシステムである。(※ 範囲外: デンソーという企業がQRコードを開発した。)
(※ 商業高校の範囲)日本では、鉄道のほかにも、コンビニなどで多くの電子マネーが使われている[5]。近年、スマートフォンに電子マネーのついたサービスも普及している。
電子マネーに対応したカードや対応スマートフォンにお金を入れるために、店舗などに用意された専用の入金機に現金を支払うことを「チャージ」という。 よって、電子マネーは基本的には 前払い方式 である[6]。
このほか、パソコンなどを使った商取引でつかうためのネットワーク型の電子マネーもあり、教科書では商業高校の東京法令出版『ビジネス基礎』でそのネットワーク型電子マネーも紹介されているが、専門的なのとwiki側の調査不足のため、現時点では説明は省略する。
RAID(レイド)[編集]
もしデータを保存しているハードディスクが壊れてしまうと、中身のデータもいっしょに失われてしまう。ならば、2つ以上のハードディスクで、同じデータを保存すればよいではないか、・・・というアイデアを実行しているシステムに、RAID(レイド)がある。
各ハードディスクに保存させるデータの割り当てのパターンによって、いくつかの方式に分かれる。
データ消失を防げる信頼性が上がるが、当然、ハードディスクを多く用いる事になる。
UPS(ユーピーエス)[編集]
UPS(ユーピーエス、Uninterruptoble Power Supply)とは、蓄電池であり、停電などにそなえて、コンピュータに供給する電圧の安定化のためにUPSを用いる。電源コンセントとコンピュータのあいだに、UPSを接続する。
停電などのさい、もし安定化電源装置が無いと、電圧が急変するので、コンピュータに誤作動が起きたり、データが消失してしまう可能性がある。
なので、誤作動やデータ消失が決して許されない重要作業を行っているコンピュータなどに、UPSが取り付けられる。
※ UPSは、けっして発電機ではなく、単に電圧をしばらく安定化させるための装置に過ぎないので、時間が立つと、電力は失われていく(携帯機器のバッテリーが、充電しないと電力が失われていくのと同様)。なので、電力の余っているうちに、安全に終了したり、データをバックアップするなどをする。
フラッシュメモリとハードディスク[編集]
まず、ハードディスクドライブとは、フラッシュメモリは違う。
ハードディスク[編集]
ハードディスクは、磁性体を回転板に塗りつけてる長期記憶装置である。 ハードディスクの原理的には、磁気テープを、かつてのレコード円盤のように、記録ぶぶんを円盤に配列したようなものだと思えばよい。
CDやDVDが読み取り中は回転するように、ハードディスクも読み取り中は回転している。
で、ハードディスクでは、デープレコーダと同様に検出装置を磁性体ぶぶんに近づけてるため、衝撃に弱い。もし強い衝撃が加わると、検出装置と磁性体ぶぶんが、ぶつかってしまう可能性があるから、である。
しかし、ハードディスクでは、データの書き換え可能な回数が、ほぼ無限回なので、パソコンなどでは主要な長期記憶装置として用いられる。
フラッシュメモリ[編集]
フラッシュメモリとは、コンピュータ用の、半導体を用いた長期記憶装置の一種である。
※ 日本では、(著者の個人的な記憶では)2005年ごろからフラッシュメモリが普及してきた。(なお、フラッシュメモリの発明じたいは、もっと前から。)
ハードディスクとは違い、フラッシュメモリは回転部分をもたず、また、レコード針のような検出装置を持たない。 そのため、衝撃に強く、また、小型化をしやすい。
このため近年では、携帯機器の長期保存装置として、フラッシュメモリが、用いられている。
パソコンのUBS端子に接続して用いるようになっている製品が多いこともあり、フラッシュメモリは「USBメモリ」とも呼ばれる。
CD、DVD、ブルーレイ[編集]
CDやDVD、ブルーレイディスクは、レーザー光を当てて、反射光からデータを読み取っている。
CDの表面には、人間の目には見えないほどに小さな凸凹(デコボコ)があり、そのため、反射光の様子が変わる。
光を用いて遠隔的に凹凸を検出できるので、カセットテープと違って検出部分を近づける必要がない。
DVDは、CDよりも凹凸が細かくなったぶん、レーザ光もより波長の細かい光を用いるようになったディスクである。
ブルーレイディスクは、青色レーザを用いてデータを読み取るディスクである。青色の光は、人間が見える色の光の中では、波長がもっとも短い。
CD、DVD、ブルーレイをまとめて、これらを光学ディスクと呼ぶ。
なお、USBメモリやCD, DVD,ブルーレイディスクなどの記憶媒体をまとめて、「メディア」と呼ぶ場合もある。
日本で「メディア」と言うと、いわゆるマスコミを意味するマスメディアを意味する場合もあるが、「メディア」という用語には、マスコミとは別の意味として記憶媒体の意味もある。(※ 第一学習社が2021年版の検定教科書デジタルパンフレットで記載。)
OS[編集]
Windows[編集]

Windows(ウィンドウズ)は、マイクロソフト社が設計・製造・販売しているOSS(オペレーティングシステム)である。パソコンのOSとして世界的にウィンドウズが普及しており、日本でも普及している。
中学校の教科書などで紹介されているパソコン画面も、ほとんどの場合、Windowsの画面である。(じっさい、中学の検定教科書の巻末に記載されてる写真提供・資料提供の企業名を見ると、「マイクロソフト」の名前がある。)
Windowsは有料である。
ワープロソフトの「Word」(ワード)や表計算ソフト「Excel」(エクセル)などは、このWindowsの上で用いて動くソフトである。
WordやExcelは、OSではない。
なお、ビル・ゲイツという人物が、米国マイクロソフト社の創業者である。(※ 英語科目などで、時事的な話題などで、ビル・ゲイツを紹介している検定教科書もある。)
GUIとCUI[編集]

CUIとは、図のような文字ばかりから構成される画面で、主にキーボードから入力を行う。
現代では、家庭などでの普通のパソコンの利用では、まずCUIは使わない。だが、仕事などでパソコンで特殊な操作をする場合、CUIが必要になる場合がある。
CUIの壁紙やアイコン画像などはないのが通常である。
いっぽう、GUI(グラフィックユーザーインターフェース)は、主にマウスなどで操作する。小中学校などで習うパソコンの操作方法も、GUIの操作であるのが普通だろう。
Unix と Linux[編集]

OSは、なにもWindowsだけでなく、「Unix」(ユニックス)と呼ばれる、いくつかのOSもある。
そして、Linux(リナックス)と呼ばれるUnix系のOSがあり、Linuxはソースコードが公開されており、そのためLinuxが普及している。
- ※ 範囲外 Linuxはソースコードが公開されてることもあり、大学の情報工学科などのコンピュータ教育などで、Linuxの仕組みが紹介されたり、Linuxが使われる事も多い。
- ※ 範囲外 なお、Linuxは、たいていの場合、無料で使える。(しかし例外的に、無料版のLinuxを正規に改造した有料版Linuxを販売している企業もあるので、注意のこと。)
Linux(リナックス)は、リーナス=トーバルズという、あるフィンランド人が、Unix(ユニックス)を手本に開発し始めたOSなので、Linuxという。(なおリーナスのLinuxの開発開始の当時、リーナスは大学生だった。)
現在のLinuxの開発者は、けっしてリーナスだけでなく、さらに多くの技術者がボランティア的に開発に協力している。
なお、このLinuxのように、ソースコードが公開されていて、誰でも自由に配布や改良をできるソフトウェアを、オープンソースという。
その他のOS[編集]
アップル社のOS[編集]
- (※ 範囲外)

アップル社のi-phone(アイフォーン)などの、アップルの携帯端末商品に使われてるOSは、「iOS」(アイ オーエス)というOSである。 iOsは、WindowsやLinuxなどとは異なる、別のOSである。
ちなみに、スティーブ=ジョブスという人物が、米国アップル社の創業者である。(※ 「現代社会」科目などで、ジョブスを紹介している教科書会社もある。) ジョブスは2011年に死没した。
TRON(トロン)[編集]
TRON(トロン)は、日本人の坂村健(さかむら けん)が開発を主導した、日本産のOSのひとつである。
かつて、日本の携帯電話のOSなどに、携帯用のTRONが採用されていた。
しかしパソコンなどのデスクトップ機器では、TRONは採用されてない。
日本の小惑星探査機「はやぶさ」にも、制御用のOSとして、TRONが採用された。
Wiki(ウィキ)システム[編集]

インターネットでwebサイトを公開するさい、Wiki(ウィキ)というシステムを用いたソフトウェアを追加することで、読者がWebブラウザを用いて、そのwebサイトのページを編集できるように設定できる。
1990年代にWikiシステムが開発され、そのシステムを用いた色々なサイトが誕生した。
なお、インターネット百科事典の「Wikipedia」(ウィキペディア)は、このWikiというシステムを用いた百科事典サイトのひとつである。
単に、wikipediaが、既にあったwikiシステムを採用しているだけであり、けっしてwikipediaがwikiシステムを発明したのではない。
さて、このWikiシステムの仕組みからも分かるように、wikiを採用したwikipediaも誰でも編集できてしまうので、wikipediaには間違った内容の編集がされる場合もある。 なので、Wikipediaの内容は、鵜呑みにしないように。
- ※ よく「wikipediaは、基礎的なことを確認するには向いている」などと言われる場合もあるが、個人的には疑問に思う。そもそもwikipediaの記事に間違った内容が書かれている場合、基礎的なことすら確認できない。
- また、たとえ記事に「参考文献」などの出典などがあっても、場合によっては執筆者が文献内容を読み間違いしていたりする事態もあり、参考文献の記述から誇張・逸脱した独自解釈をしている執筆者が居る場合がある。また、そもそも記事執筆者の知識が不足している場合、参考文献の内容を間違って解釈していたりする場合もある。
- 場合によっては、そもそも参考文献本体に書かれている記述内容そのものが、不正確な場合がある。たとえ参考文献が、大学レベルの教科書などであっても、マイナーな話題を扱う場合や、あるいは最新の話題を扱う教科書だったりすると、その話題の記述そのものが、やや不正確だったりする場合もある。
- また、職業高校や専門学校などの教科書や資格試験の教本などですら、専門用語の意味・定義などが、似たような業界どうしでも、業界ごとによって、意味合いが少し違っている場合がある。なのにウィキ執筆者が、一部の業界での意味しか把握してない場合もあり、そのため彼の書いたウィキの記事内容が不正確になっている事態など、いろいろとありうる。
- こういうふうに、業界ごとに意味合いが違う語句すらありうるのに、ウィキペディア等では誰が記事を書いたかも不明であるので、あまり役立たない場合がある。
- このように、ウィキペディア等には、いろいろと問題点がある。なので高校生読者は、wikipediaの記事内容を覚えるよりも、「参考文献」の欄を参考に、図書室・図書館や書店などで、自分でその分野の書籍を探して、その実物の書籍を読んだほうが早い。
- なお、ウィキペディアの問題とは別に、そもそも出版物の作者じたいが悪人で、作者が悪意を持ってウソを広めている場合がある。世間には、宣伝のためにウソや誇張をする団体や企業のフリをした反社会的団体もある。そういう団体が多額のカネをあつめて出版することもありうる。経歴詐称の詐欺師が出版社をだまして書いた本や、ブラック企業経営者やカルト宗教 教祖の書いたウソのちりばめられた本でも、出版されてしまう場合もある。たとえ、そういったウソだらけの文献であっても、ウィキペディアでは、出版さえされていれば、参考文献として関連する記事項目の出典にできてしまう。あるいは、海外には、政府じたいがウソをついている国もあり、そういう国が多額の宣伝工作資金を出版市場に投入し、自国に有利なウソの政治宣伝をする場合すらもある(いわゆるプロパガンダ)。ともかく、こういったウソの内容の文献もあるので、けっして「参考文献だから」といって妄信してはならない。
- さて、書籍に書かれた情報量は、ウェブ上の情報量よりも少ないかもしれない。しかし実社会の仕事などでは、不正確な情報(ネットにある情報)をたとえ大量に相手に出したところで、結局、相手が書籍などで情報の調べ直しをする手間が生じるので、実社会ではネット情報はほとんど役立たない場合が多い。
- 仕事で発表する場合は、たとえ情報量が少なくてもいいから、正確な情報(書籍などにある情報)を出したほうが、実社会では役立つだろう。
- また、ウィキ系のネットメディアでの多くの執筆者は、出版物で通用するレベルの正確な文章を書くための訓練を受けておらず、さらにまた、教育の訓練も受けていない人が多いだろう。そのため、執筆者の中には、その分野の初心者に誤解を与えかねないような言い回しをする執筆者も居るかもしれない。
- ウィキ系メディアの文章の中には、初心者には誤解を与えかねない表現がされていて、かといって上級者・専門家にとっては不正確な情報が所々あったりして、結局、初心者にとっても上級者にとっても、あまり役立たない場合がある。
クリエイティブ コモンズ[編集]
ソフトウェアでは、Linux(リナックス)のようなオープンソースがある。著作物にも、著者みずからが無料でコピーや配布や改良を許可した著作物がある。
このように、すでにある著作物をもとに、正規にコピーや配布や改良をすることを、一般に「二次利用」(にじ りよう)などという。
- 自由利用マーク

日本では、文化庁が「自由利用マーク」を定めており、このマークによって、著者が他人に、その著作物をコピーなどしていい事を意思表示できる。(※ 中学校の検定教科書でも、「自由利用マーク」が紹介されている。)
しかし、この「自由利用マーク」は日本国内でしか流行ってないマークであり、国際的には普及していない。
- クリエイティブ・コモンズ
国際的には、クリエイティブ・コモンズというマークが、著者による二次利用の意思表示を示すマークとして、普及している。
これらのマークで著者じしんがコピーや配布をOKと意志表示している場合、その著作物をコピーして配布しても、著作権法の違反にはならない。
コピーや配布のさいの条件などをつけている場合があるので、条件を確認してから、二次利用すること。
動画のフレームレート[編集]
(※ 『情報の科学』であつかう。)
動画のしくみは、1秒間に何十枚もの画像を切り替えることで、動いているように見せている。
コンピュータ業界では、動画を構成する静止画1枚のことをフレーム(frame)といい、この1秒間あたりの動画を構成している静止画の枚数のことをフレームレート(frame rate)といい、単位はfpsであらわす(fpsはエフピーエスと読む)。
テレビ放送は30fpsまたは60fpsのものが多く、 映画やアニメは24fpsのものが多い。
アニメなどの24fpsは、フィルム時代の名残りである(※ 参考文献: 数研出版の『情報の科学』の検定教科書)。
ブレーンストーミングの仕方[編集]
- ※ コンピュータとあまり関係ない話題だが、なぜか高校の検定教科書の範囲。指導要領でも要求されている。
- ※ 令和3年以降、中学の技術家庭科でも扱われる予定です。(※ すでに、教科書会社の公表している令和3年度以降用の教科書紹介webページ(PDFなど)でも、KJ法などを紹介ずみ(2020年5月時点)。)さすがに中学ではプロトタイプ開発までは教えてないが、しかしKJ法などを中学でも教えることになる。
- ※ 高校の公民の政治経済の教科書にも、ブレーンストーミングが掲載されました。理系の知識だと決めつけず、文系の知識もブレーンストーミングできるようになりましょう[7]。
アイデアを出すための上手い方法で、ブレーンストーミングという方法があります。 もともとは1940年代にアメリカのオズボーンという人によって提唱された方法ですが、現在はさらに色々な人の手によって改良されています。
主に、集団作業のさいの、議論のさいにアイデアを出すための方法として、(ブレーンストーミングは)有名な方法です。
ブレーンストーミングのその方法は、
- アイデアを質を問わず、とにかく沢山、案をだしてもらう。結論については別の段階で決める。
- 制約を設けず[8]、関連性の高そうなもんはどんどん出してもらう。
- 便乗の奨励。他人のアイデアどうしでも、組み合わせる。(つまり、発言者にアイデアを占有させない。)
などの方法です。
そして、アイデアを出してもらったあと、使えそうなアイデアを組み合わせていきます。つまり、アイデアの選別は、別の段階で行います。
また、前提として、かならずしも多くの似たようなアイデアが出たからと言って、正しいワケでもありません。
「KJ法」とか「ロジックツリー」とか「コンセプトマップ」など色々な方法がありますが(※ 検定教科書や指導要領でも、それらの方法の名称を紹介している)、それらの方法はすべて、ブレーンストーミング的な考えを実行するための手段です。
「KJ法」「ロジックツリー」などの個別の方法の名前よりも重要なこととして、提案されたアイデアは、まず先に、なるべく文字に書き起すことです。なるべく、箇条書きで書き起す必要があります。
アイデアの便乗を奨励しているので、「誰が言ったか」という事は気にせず、アイデアの中身だけを記述していきます。
また、便乗によって他人のアイデアの都合のいい部分だけを流用したいワケですから、箇条書きで書き起こしをする必要があります。
文字として書き起こしをされたなら、あとはそれを編集して、関連性の高そうなものどうしを近くに並べるだけです。
その際の並べ方として、なるべく二次元平面的に並べるのが、人間が一目で把握しやすくて便利です。
KJ法とは、アイデアをカードに書いて、そのカードをうまく並べたりして関連性を推察する方法なので、二次元平面的に並べやすいのですが、しかし欠点として昔はこれを手作業でハサミを使って模造紙カードなどを切り抜いたりしてたので、面倒でした。
ですが現代では、こういった作業はパソコンで簡単に出きます。(ワープロソフトなどにも、文字を二次元的に配置する機能もあります。その他、ブレーンストーミングの各手法の専用ソフトを開発しているソフト会社もあります。) むかしの模造紙などの方法と違い、現代のパソコン利用の方法ならゴミも出ないので、便利です。
- (※ 範囲外: )ただし、これらの手法はあくまで、アイデアを出すための方法 にすぎません。けっしてアイデアの決定・選別の方法ではないです。
- とにかく多くのアイデアを出してもらってるワケですから、後工程のアイデアの選別の段階で、多くのアイデアが淘汰されます。
- このため、自分の出したアイデアが淘汰されることも、よくあります。
- なので、「もし自分の提案が淘汰されても、恨みっこなし」という心構えが必要です。(世間にはときどき、「自分は多くのアイデアを出したから、その提案が採用されるべきだ」みたいな勘違いをしている人がいる。アイデアの多数決かと勘違いしている?人がいる。)
- アイデアを出してもらう段階では、参加者は、ほぼ平等です。しかし、アイデアの選別・決定などは、場合によっては決定権をもつ人だけが限定的に行う場合もあります。(会社の経営会議などを考えれば分かるように、最終的には社長などの決定権者が決める場合もあります。)
- イメージ的に言うと、ある家庭の親子が、家庭内の相談のさい、親が、自分の子供にも意見を聞いて、「子供ならでは」の柔軟なアイデアや既存の発想にとらわれないアイデアを聞くようなもんです。子沢山の家庭だろうがアイデアがどんなに多かろうが、最終的には親が決定するように、ブレーンストーミングの決め方は、けっしてアイデアの多数決ではないのです。
- (※ 範囲外)その他、ブレーンストーミングに限った話ではないのですが、チーム作業でアイデアを出すときの常識的なマナーとして、「人格批判をしない」、「相手の弱点を、アイデアの弱点として、すりかえない」という事です。「だからアナタはダメなんだ」とか「アナタのこういうところがダメなんだ」とか「だってアナタは〇〇できないじゃないか」みたいなのを基本的に言わない事と、それを根拠にアイデアを否定しない事が常識です(人物とアイデアを切り離してください)。ブレーンストーミングではそもそもアイデアを選別しないのですが(だからブレストではそもそもアイデアを否定しない)、あとの選別の工程でアイデアの是非を検討する段階になっても、人格批判や弱点へのすり替えは やめましょう。
- 言い負かすことが目的ではないので、本来なら相手の弱点は関係ないはずです。
情報デザインとプロトタイプ開発[編集]
※ 情報1の内容ですが、wikiの都合上、こちらのページでも紹介します。
情報デザイン[編集]
デザインとアートの違い[編集]
デザインとアートは違います。デザインは自己表現ではありません。
東京書籍かどこかのサイトにある情報科目のパンフレットでは、アートとデザインは別物だと、イメージ画像で説明しています。
なんだかピカソ的な良く分からない絵や像をつくるのがアートで、そうではなくて図解などで文字を読まずに(もしくは少ない文字で)絵だけで分かりやすく説明するのがデザインです。
なお、情報科目だけでなく、美術2でも似たようなことを習います
じっさい、美術の教科書会社のサイトにある動画でも、そう言っています[9]。
デザインは問題解決のために、観客に分かりやすく、観客が楽しめるように絵を交えて説明する絵画作品のことです[10]。
なお、デザインする仕事の人のことを「デザイナー」と言います。
ともかく、デザイナーは作品で情報が分かりやすく伝わらないと意味ないので、なので普通の人の気持ちもある程度は分からないといけません[11]。
なので、情報デザインの授業でたとえば「学校の紹介をするwebサイトを作ろう」みたいな事になった時は、きちんと分かりやすいwebサイトを作ってください。
なお、プロトタイプ開発なども参考にするとよいでしょう。
教科書会社によっては「プロトタイプ」と言う呼び方ではなく「試作」と読んでいる会社もあります。まあ、内容は同じで、要するに試作してから、細部をつめていきます。
プロトタイプ開発[編集]
デザイン(『設計』という意味)の分野では、けっして、なんでもかんでも議論で決定するべきではありません。
アイデアを確認する場合は、実際に試作品をつくって、アイデアがうまく行きそうかどうかを、実験的に手を動かして確認してみることも必要です[12]。
たとえば、あるウェブサイト用のイラストを描く場合を例をあげると、まずラフ画(簡略化した線画などからなる、おおざっぱな絵)を書いて、協力者や依頼者などにラフ画を見せて意見を出してもらって、構図に問題が無いかなど、いろいろと確かめます。
あるいは、大まかな線画に加えて色も大まかに塗るくらいなら、いいかもしれません。
そしてウェブサイト用イラストの場合なら、まずラフ画ができたら、そのラフ画をさっさとスキャナーなどでデジタルデータにして、先にHTMLファイルなどで製作中サイトに表示してみて、いろいろと確かめてます。
たとえば、ラフ画が色付きなら、「その画像の色は、はたして本当にこのサイトで表示しても大丈夫か? 文字の色と紛らわしくないか? サイトの背景の色と紛らわしくないか?」とか様々な問題点の有無を確認します。
あるいは、サイトの説明文などを組み合わせた状態を実際に閲覧してみて問題点が無いかなども、確認してみます。
(いくら、紙に書かれた単品のイラストだけを見ても、サイト上で説明文と組み合せた時の問題点は、実際にコンピュータ上で組み合せてみないと、気づくのが難しいのです。 なので、実際に試作してみましょう。)
PDCA法などの評価手法・修正手法などによる評価(Check)や改善(Act)などは、まず先にプロトタイプで実験してからのハナシですし、まずはプロトタイプを利用者に見てもらうなどの必要があります[13]。
- ※ PDCA法とは業務改善の手法であり、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を改善する手法のこと。
もし仮に、先に絵を細かく書いてから、あとからウェブサイトに取り込む方式の開発をしてしまうと、もし文章との組み合わせでの問題点があったときに、作り直しになってしまい、大幅に時間を無駄にしてしまいます。
なので、まず先に、試作品で、最終的な全体像に近いほうを、試す必要があります。
単にラフ画を描くだけでなく、さらに、なるべく、サイトの全体像を先に試作する必要があります。
このように、なにかを試作する場合には、なるべく、試作でいいので全体像を先につくってみて実際に実験することで、全体像を確認してみます。そして、全体の確認が取れたり、あるいは全体像のミスが修正できたら、あとから細部を作り込んでいきます。
その他[編集]
エクセルなど表計算ソフトでよく使われるファイル形式のひとつであるCSV形式について、第一学習社の検定教科書が言及していた(2011年度あたりの版)。
これは、いくつもある項目をカンマで区切っただけのデータ形式であるので、構造が比較的に単純である。また、比較的に古くから存在するファイル形式なので、特定の読み取りソフトウェアに依存しづらい。このため、現代でもよく使われる。
昨今、話題になっているオープンデータでも、CSVファイル形式で配布されているデータもある。(※ 第一学習社の見解)
Officeソフト[編集]
マイクロソフト社のOffice[編集]
検定教科書では特定のソフトの使い方をあまり具体的には教えていないが、常識として、
マイクロソフト社のワープロソフトである「Word」(ワード)、
マイクロソフト社の表計算ソフトである「Excel」(エクセル)、
マイクロソフト社のプレゼンテーション・ソフトである「PowerPoint」(パワーポイント)、
の3つは、存在を把握しておいてもらいたい。
これら3つは、企業でもよく書類の作成などで使うからか、 他の幾つかのソフトとまとめて「Office ソフト」(オフィスソフト)などと呼ばれている。(歴史的には、先行他社である米国IBM(アイビーエム)社がどうこうとか由来があるだろうが、深入りしない。)
おそらく、読者も中学校や小学校などで、すでに Office ソフトを使わされているだろうと思う。
本セクションでは、このマイクロソフト社のOfficeソフトのセットのことを、とりあえず「Microsoft Ofiice」と呼ぶことにする。なお、正式な商品名は、時代によって違う。
Microsoft Office には上記3ソフトのほかにも、Microsoft Office のデータベースソフトのAccess(アクセス)と、印刷編集ソフトの Publisher (パブリッシャー)があるが、基本的には中学レベルでは高度すぎるのでAccess などは使わないだろう。(発展的な高校の授業なら少しだけ使うかもしれない)
対応OSはWindowsだけでなく、マック mac でも Word やExcelを使える mac版Officeがあり、それもマイクロソフト社が正式に販売などしている。ただしmac版では、Access と Publisher は販売されていないかもしれない。
ファイル共有 |
Googleなどのwebアプリを使わなくても、たとえば Windows でも、学内のサーバーの構築さえしてあれば、別々のユーザー同士でファイルの共有ができ、他ユーザーからアクセスさせることができる。この共有による他ユーザーからのアクセスを用いて、共同編集ができる。(ただし、他ユーザーによるファイル編集中は、編集しているユーザー以外からはファイル書き換えできないようになったりする場合もある(閲覧だけは可能だったり)。) (Office が無くてもWindowsだけで共有は可能。) また、フォルダ単位での共有もできる。 なお、WindowsだけでなくmacやLinuxでも「ファイル共有」などの機能はあるが、操作がwindowsとは異なる。
もし学校外で共有設定が必要になったときは、ネット検索で「ファイル 共有」などの語句で検索すればいい。
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GoogleのOfficeソフト風アプリ[編集]
ほか、2020年以降の近年では、グーグル社が、ネットワーク上で使える Office ソフト的なwebアプリとして、 Google Workspace を出しており、ワープロソストの Google 「ドキュメント」、表計算ソフトの「スプレッドシート」、プレゼンテーション・ソフトのGoogle 「スライド」、などがある。
Googleのこれらのサービスはwebアプリなので、ネットワークを介した転送などは Google のサービス内なら手軽であったりするが、当然ではあるがインターネット環境が無いと使えない。
なお、別にグーグル専用の携帯パソコンの Chromebook(クロームブック)でなくとも、つまり例えば Windowsのインストールされた普通のパソコンでも、グーグルのサイトにアクセスして登録さえずれば上記の Google「ドキュメント」や Google「スプレッドシート」などのサービスは使える。
- ※ 検定教科書では紹介されないが、すでに公立高校などでもGoogle Workspaceの採用実績がある[14]。
なお、Google ドキュメントなど一部のアプリには「提案モード」と言うのがあり、もとのファイルを変更せずに、つまり生徒側からのファイルを変更せずに、共同作業者(この場合は教員)からの提案を表示できる機能です[15]。オンライン学習時などでは、生徒のICT作業を見た教員から、何か改善案などを生徒に提案をする場合に提案モードをもちいて提案される場合もあるので、参考に。
LibreOffice[編集]
現代ではMiceorosft Offce と似たような機能をもつ他社製品もある。
たとえば、Linuxなどで使われる無料ソフトの LibreOffice (ロブレオフィス)に含まれる、ワープロソフトのWriter、表計算ソフトの Calc、プレゼンテーションソフトの impress 、がある。
無料である。
なお、財源は、LinuxなどのオープンソースOSなどを開発・利用している、オープンソース陣営の企業群などからの寄付であったりする。
ただし、Microsoft Offce と LibreOffice はあくまで別の制作者の作っている別ソフトなので、細かな操作などは異なる。
ただし、LibreOfficeはあまり不具合サポートに積極的ではないので(基本的にはユーザーによる自己解決が求められる方針なので)、多くの小中高では LibreOffce は使わないかもしれない。
また、基本的には非オンライン上で使うことを前提に libreOffice は設計されているので、ネットワークを介してチーム内で共同編集しながら書類を作るのに使うのには、初心者レベルでは難しい(基本的には無理)。
無料であるメリットのほかにも、ソースコードが公開されているので、高度な技術者にとってはソフトウェアの研究・開発にも都合がいいが、しかし高校レベルを大幅に超えるので、説明は省略する。
なお、無料ではあるが、権利などで使用条件などがあるので、決して完全な自由ではない。
教育用クラウド[編集]
- ※ 検定教科書には無いですが、すでに公立中学・公立高校などにも導入され始めています。
世界的なものだと、Google Classroom というのがあります。
日本企業のサービスでは、「まなBOX」やロイロノートなどの教育用クラウドがあります。
Google フォーム |
Officeソフトではないのですが、Googleの出しているwebアプリで、Googleフォームという、アンケート機能のためのアプリがあります。このGoogle フォームは、すでに日本の小中高でも既に使われている事例もあります。
※ Google フォームでは、短めの文章も記入できるので、記述式の出題の小テストでも可能。
部活の入部希望の調査の書類も、アンケートと言えますので、そういうのにも google フォームは使えます[17]。 アンケートを取る機能に加えて、さらに、アンケート結果を集計して一覧表示したりなどの機能も事前に Google フォームに用意されているので、管理もラクです。たとえば部活のアンケートに利用した場合なら、どの部活に何人希望しているかの情報も、瞬時に集計できます[18]。 有志の日本人教員の手により、スプレッドシートをもとに小テストのフォームを作成するツールも作成されている。高校教師とICTのブログ『【EXCELからGoogleフォーム】英単語テスト自動作成ファイル』
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脚注[編集]
- ^ 『高校情報科_本編_190806.indd - 1416758_003.pdf』、46ページ2020年5月20日に閲覧して確認.
- ^ 『ビジネス基礎』、TAC、令和2年12月25日 検定済、令和4年2月10日 発行、P140
- ^ 『高校情報科_本編_190806.indd - 1416758_003.pdf』、46ページ2020年5月20日に閲覧して確認.
- ^ 『高校情報科_本編_190806.indd - 1416758_003.pdf』、47ページ2020年5月20日に閲覧して確認.
- ^ 『ビジネス基礎』、TAC、令和2年12月25日 検定済、令和4年2月10日 発行、P140
- ^ 『ビジネス基礎』、実教出版、令和2年12月25日検定、令和4年1月25日発行、P156
- ^ 東京書籍『 「政治・経済」ダイジェスト版 』
- ^ 『高校情報科_本編_190806.indd - 1416758_003.pdf』19ページ、図表5『ブレーンストーミングのルール』 2020年5月18日に閲覧.
- ^ 『インタビュー映像 美術のはなし | 高等学校 美術 | 光村図書出版』 情報をデザインするということ 、語り手:グラフィックデザイナー 中川憲造 教科書関連ページ:平成30年度版『美術2』P.32-33「情報を視覚化するデザイン」
- ^ 『インタビュー映像 美術のはなし | 高等学校 美術 | 光村図書出版』 情報をデザインするということ 、語り手:グラフィックデザイナー 中川憲造 教科書関連ページ:平成30年度版『美術2』P.32-33「情報を視覚化するデザイン」
- ^ 『インタビュー映像 美術のはなし | 高等学校 美術 | 光村図書出版』 情報をデザインするということ 、語り手:グラフィックデザイナー 中川憲造 教科書関連ページ:平成30年度版『美術2』P.32-33「情報を視覚化するデザイン」
- ^ 『高校情報科_本編_190806.indd - 1416758_004.pdf』 90ページ 2020年5月18日に閲覧して確認.
- ^ 『高校情報科_本編_190806.indd - 1416758_004.pdf』 90ページ、ページ下段『(5)評価・検証する』
- ^ 2018年12月3日『埼玉県、公立高校全校にGoogle for Educationで「学びの改革」』
- ^ 蓑手章吾 著『個別最適な学びを実現するICTの使い方』、学陽書房、2022年4月14日 初版発行、P149
- ^ 蓑手章吾 著『個別最適な学びを実現するICTの使い方』、学陽書房、2022年4月14日 初版発行、P145
- ^ 蓑手章吾 著『個別最適な学びを実現するICTの使い方』、学陽書房、2022年4月14日 初版発行、P145
- ^ 蓑手章吾 著『個別最適な学びを実現するICTの使い方』、学陽書房、2022年4月14日 初版発行、P145