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高等学校現代の国語

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

このページは、高等学校現代の国語のページです。

はじめに

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『現代の国語』は、論理的文章(評論文・随想)の読解、文章の内容についての討論、感想文の記述などを通じて現代文の技能を伸ばす科目です。
評論文とは、ある「テーマ(主題)」の特定の「問題」について、筆者の「主張」の正当性を論理的に論証していくまたはその主張を支える「根拠」を複数挙げることで読者を「納得」させるための文章です。中学校でいう「説明文」にあたります。
随想とは、体験・見聞や日頃思う事柄などを、筆の赴くままに自由な形式で書き記した文章です。中学校でいう「感想文」にあたります。評論文と随想の区別は結構曖昧なところがあり、また随想を文学的文章に含める場合もあります。wikibooksでは、随想を論理的文章として扱います。

小説・詩歌などの文学的文章や近世(江戸時代)以前の文章(古文・漢文)は言語文化で扱います。


著作権の関係上wikibooksに現代の論理的文章を掲載するのは難しいので、教材の題名と出典を紹介するだけにとどめます。なお、既に著作権が切れている論理的文章は文学国語及び論理国語で扱います。


学習の流れとしては、

教材を選ぶ→読む→疑問点を調べる→再度読む→感想文・意見文を書く→書いた文章を添削する→間違えた漢字や語句・文法を潰す→次の教材に移る

という流れを想定しています。

特に、感想文・意見文を書くのは大切なステップです。日頃から自分の意見を表現することにより、小論文や英作文を書く上で「どんな内容を書きたいか」が明確になります。手を動かして書くことで漢字の練習にもなります。また、添削することで語彙・文法の抜けを発見することができ、何度も繰り返すことで間違いの頻度を減らしていけます。このように、感想文・意見文を書くことは多くのメリットがあります。面倒臭がらないで、書きましょう。


教材

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教材は筑摩書房の教科書『現代の国語』『言語文化(随想のみ)』に従っています。
以下の30教材の中から15教材以上選んで学習してください。

  • 境目(川上弘美『あるようなないような』1996年)
  • サイエンスの視点、アートの視点(齋藤亜矢『ルビンのツボ 芸術する体と心』2019年)
  • 一般化のワナ(苫野一徳『はじめての哲学的思考』2017年)
  • ことばとは何か(内田樹『寝ながら学べる構造主義』2002年)
  • デジタル社会(黒崎政男『身体にきく哲学』2005年)
  • システムと変異(中屋敷均『科学と非科学』2019年)
  • ことばがつくる女と男(中村桃子『〈性〉と日本語ーことばがつくる女と男』2007年)
  • 身体、この遠き物(鷲田清一『普通をだれも教えてくれない』1998年)
  • 贈り物と商品の違い(松村圭一郎『うしろめたさの人類学』2017年)
  • わかっていることいないこと(堀正岳『異常気象と気候変動についてわかっていることいないこと』2014年)
  • 兎が自分でつづって語る生活の話(アーネスト・シートン 内山賢次・訳『シートン全集17巻』1951年)
  • 誰かの靴を履いてみること(ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』2019年)
  • <私>時代のデモクラシー(宇野重規『<私>時代のデモクラシー』2010年)
  • 魔術化する科学技術(若林幹夫『社会学入門一歩前』2007年)
  • 未来は存在しない(野矢茂樹『他者の声 実在の声』2005年)
  • マルジャーナの知恵(岩井克人『二十一世紀の資本主義論』2000年)
  • 会話と対話(長田弘『なつかしい時間』2013年)
  • 記憶する体(伊藤亜紗『記憶する体』2019年)
  • 贅沢の条件(山田登世子『贅沢の条件』2009年)
  • 瓦を解かないこと(堀江敏幸『正弦曲線』2009年)
  • 来るべき民主主義(國分功一郎『来るべき民主主義ー小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』2013年)
  • 主体という物語(小坂井俊晶『責任という虚構』2008年)
  • 開かれた文化(岡真理『大航海 2001年4月号』2001年)
  • リスクと近代社会(大澤真幸『不可能性の時代』2008年)
  • 名づけと所有(西谷修『理性の探求』2009年)
  • 過去はどこにいっちゃったの?(野家啓一・永井均『子どもの難問』2013年)
  • なぜ日本語で書くのか(リービ秀雄『日本語の勝利』1992年)
  • 虹の雌雄(蜂飼耳『秘密のおこない』2008年)
  • 失われた両腕(清岡卓行『手の変幻』1966年)
  • 物語る声を求めて(津島佑子『東洋文庫ガイドブック』2002年)

副読本

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上の教材の内容を補完したり、見識を広めるための読書教材を紹介します。

  • 三浦雅士『考える身体』1999年
  • 村上陽一郎『<死>の臨床学 超高齢化社会による「生」と「死」』2018年
  • 小川和佑『桜と日本人』1993年
  • 竹西寛子『「あはれ」から「もののあはれ」へ』2012年
  • 小笠原泰『なんとなく日本人』2006年
  • 河合隼雄『日本人と日本社会のゆくえ』2002年
  • 外山滋比古『古典論』2001年
  • 遠藤徹『ゾンビと資本主義: 主体/ネオリベ/人種/ジェンダーを超えて』2022年
  • 沼野充義『翻訳をめぐる七つの非実践的な断章』1995年
  • 宮原浩二郎『ことばの臨床社会学』1998年
  • 田中克彦『ことばと国家』1981年
  • 大澤真幸『自由という牢獄』2015年
  • 磯田光一『思想としての東京: 近代文学史論ノート』1978年
  • 中村良夫『風景学入門』1982年
  • 阿部公彦『病んだ言葉 癒やす言葉 生きる言葉』2021年
  • 小坂井俊明『異邦人のまなざし: 在パリ社会心理学者の遊学記』2003年
  • 中村明『日本語のコツ: ことばのセンスをみがく』2002年
  • 大庭みな子『心を繋ぐ言霊を持った言葉』2005年
  • リービ秀雄『日本語を書く部屋』2001年
  • 廣瀬通孝『ヒトと機械のあいだ―ヒト化する機械と機械化するヒト』2007年
  • 保坂和志『途方に暮れて、人生論』2006年
  • 加藤周一『雑種文化―日本の小さな希望―』1974年


関連書

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  • 高等学校現代文/重要単語 - 現代文の読解や実社会で生活する上で教養として知っておいてほしい語句・表現を纏めてある。
  • 常用漢字表 - 常用漢字として定められている漢字群の一覧。wikipediaの「常用漢字一覧」にリンクしている。