高等学校理科/地学基礎/活動する地球
プレートの運動[編集]

ハワイの火山のように、プレート境界からは遠く離れていても火山の存在する場所がある。 真下のマントル深くから高温物質が湧き上がってきて火山になっている。このような場所をホットスポット(hot spot)という。

プレートは年に数cmほど動くが、ホットスポットはほとんど動かない。そのため、ホットスポットでは火山や痕跡の山が、ほぼ直線上に点列になっている。また、この山の点列の方向から、大昔のプレートの移動方向が分かる。
なお、ハワイの位置は年に9cmほど西方向に移動している。
なお、ホットスポットの真下には、高温のマントル物質が上昇する流れがある場合が多い。一般に、マントル物質の上昇する流れのことをホットプルームという。

つまり、まとめると、(ハワイのような)ホットスポットの真下には、ホットプルームのある場合が多い。
いっぽう、主にアジア大陸下にて、マントル物質が下降していく流れがある事が知られており、このような流れのことをコールドプルームという。
単に「プルーム」とだけ言った場合、ホットプルームの事だけを言う場合と(※ 啓林館などの見解)、コールドプルームも含む場合があるので(※ 東京書籍などの見解)、文脈から判断すること。
このような考えを プルームテクトニクス という。
超大陸パンゲア |
(数億年前ごろに)かつて存在した超大陸パンゲアの分裂も、当時のホットプルーム(マントルの上昇流)によるものだと考えられている(※ 参考文献、実教出版および第一学習社の『地学起訴』科目の検定教科書)。
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- マントル対流

マントルは固体だが、少しづつ対流(たいりゅう)をして動いている。これをマントル対流という。プレートや地殻は、このマントル対流の上に乗って動いている。
高温のマントル物質は中央海嶺でわきだし、冷えてプレートとなり、海溝に向かって移動する。
- プレートの境界の種類
- 拡大する境界 - 中央海嶺は、プレートがつくられ拡大する場所である。大西洋中央海嶺は、新しくできたプレートが東西に向かって移動して、大西洋を広げている。アイスランドにはギャオが広がっているが、これは海嶺が地表部分に露出している珍しい例である。
- 収束する境界 - プレートが収束する境界に沿ってしばしば海溝・トラフが出来ている。そこではプレートが沈み込み、島弧である日本列島やアンデス山脈のような大山脈が出来る。このような地殻変動の活発な場所は島弧-海溝系と呼ばれている。

- すれ違う境界 - プレートがすれ違うような所では、横ずれ断層(トランスフォーム断層)が出来る。アメリカのサンアンドレアス断層が有名である。