高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ25

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

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信頼

faith, trust, confidence

信念 belief

確信 (事実にもとづくなら)conviction, (事実にもとづかないなら)confidence

方針・信条 policy


faith と trust の基本的な意味は、ほぼ同じ(東京書籍の見解)。

faith には、「信仰心」という意味もある。

trust には、財産などの「信託」(法律用語)や、「委託」「保管」という意味もある。


辞書では、「理屈を越えた信頼」が faith の基本的な意味だと書いてある。

だが用例を見ると、「政治家を信用していない」とかを faith をもってないと説明したり(ジーニアス)、国家間の信用がないことをその国家のあいだにfaithがないと説明していたりして(ジーニアス)、まあ、理屈で説明できそうな用例ばかりである。


have a faith in ~で「~を信頼している」である。

I have a faith in him. 「私は彼を信頼している」

みたいに、割と気軽に使われる(ジーニアスと東京書籍に似た例文)。


どうやら、信仰心という意味があるからといって、けっして faith に信頼の強さのようなニュアンスはないようだ。

なお、faith in God で「神への信仰」である(東京書籍、ジーニアス)。

have faith in God で「神を信仰している」である(東京書籍)。


faith の語源をジーニアスで調べても、原義が「信頼、信用」としか書いてないので、どうしようもない。

なお、trust の原義は「堅固」である(ジーニアス)。

trust のほうに、財産の信託の意味があるから、じゃあ契約の信用というニュアンスでもあるのかといえば、そうではない。ジーニアスを見ると、「直感的な信頼」が trust だと言う。

まったく、faith の「理屈を越えた信頼」と、trust の「直感的な信頼」との違いが、不明確なものである。直感は理屈では説明しづらいから直感なのであって。


trust の「委託」「信託」「保管」については、相手を信頼しているからその相手に財産などの保管を委託できる、とでも理解しておけば十分だろう。


名詞 trust に信仰心はないが、しかし動詞 trust で「神を信じている」と言うのは可能であり、実際にセンチュリーの英文がそうである。

センチュリーの引用で、

I have a trust that God will protect me. 「神が私を守ってくれると信じている」

である。


confidence にも「信頼」や「自信」などの意味がある。

だが、confidence の意味は「機密の」で覚えたほうが良いだろう。

ほかのセクションでも説明しているかもしれないが、ジーニアスによれば、「秘密文書」は confidential documents とのこと。

confidence は、こういう感じの、かなり固い言い回しである(特に出典は無い)。


believe の名詞形belief は「信じること」である(ジーニアス、センチュリー)。

桐原3000の単語集には「信念」「信じること」とあり、たしかに「信念」の用法もあるが、もっと幅広く信じること一般に belief は使われる。

たとえばジーニアスいわく「悪魔の存在を信じる」のような例でも belief は使える。このように、とくに信頼関係はなくてもいい。

もちろん、信頼関係に belief を用いてもいい(ジーニアス、センチュリ-)。辞書でも2番目か3番目の意味で「信頼」の意味で belief を紹介している。

ジーニアスいわく、trust や faith と同じ意味でも belief は使われるとのこと。センチュリーはそう説明していない。


conviction という名詞があり(桐原4500)、「事実にもとづく確信」という意味である。翻訳の都合で「信念」と訳される場合もある。

confidence だと、「事実にもどつかない確信」という意味である。

このため、conviction や confidence では一般的な「信念」という概念には対応しない。そもそも一般的な「確信」という概念にすら対応しておらず、事実にもとづくか否かのこだわりがある。


このため、単なる「信念」には、belief を使わざるを得ないだろう。そう考えれば、桐原3000のように belief を「信念」の意味で紹介するのにも一理ある。


名詞 policy は、単語集では政府・政党などの「政策」や会社などの「方針」あるが、ジーニアスで確認すれば policy には別の用法で個人などの「信条」という意味もあるとしているが、しかしセンチュリーはそれに異を唱えているようで、policy は信条ではなく「得策」だと思ってるような「やり方」だとのこと。

センチュリーいわく、「物を現金で買うのが私の主義です。」とか「上役を敬意を持って遇するのが得策だ。」という例文で policy を用いており、どうやら打算的な行動指針のような何からしい。

policy の個人適用には、こういう見解の相違があるので、よって単語集には「政策」「方針」しか紹介されないのも納得。

policy の典型的な語句は、

「政府の政策」 the government's policy

である(東京書籍3000、旺文社1400緑)。

センチュリーいわく、

government policy 「政府の政策」

と書いてもいい。

単語集では特に明示はされていないが、語法として、

the government's policy on food で「食料に関する政府の政策」(旺文社)、

the government's policy on education で「教育に関する政府の政策」(東京)、

のように、the government's policy on ~ で「~に関する政府の政策」


ほか、

「外交政策」a foreign policy

もよくある(東京3000)。



なお単語集には無い単語だが、motto は、標語とかスロ-ガン(slogan)とかの似た意味だが(ジーニアス)、単語集にはない。

単語集には motto も slogan も無い。文科省はリスニング重視などで使える英語への改革を自称しているが、モットーもスローガンも知らない英語教育が使える見解なのでしょうか。


卓越

形容詞「卓越した」 excellent ,prominent


動詞 excel は、能力などが「卓越する」、能力などで相手に「勝る」の意味である。

これとは別に、動詞 exceed の意味は「超過する」である。exceed には、優越など好評価の意味は無い。


excellent は、「すばらしい」や「優秀な」の意味である。

応答などで、

「すばらしい!」 "excellent !"

のようにexcellent 単独で用いることもある(センチュリー、ジーニアス)。


得意な行為をあらわすのに「~するのが得意」 be excellent at ~(動名詞)

である(センチュリー、旺文社)。


たとえば水泳が得意なら、

be excellent at swimming

である(センチュリー)。


熟語 be good at ~

と関連づけて覚えよう。


単語集には書いてないが、

得意分野などを言う場合は、

be excellent in ~(分野)

である。

典型的な例文が「英語が得意」で、

「英語が得意」 be excellent in English

である。(センチュリー、ジーニアス)


なお、強調したい場合でも、比較や最上級にはしない(センチュリー、ジーニアス)。

どうしても強調したい場合、 quite , really, absolutely などの副詞を用いる(ジーニアス)。


prominent も「優越した」「卓越した」の意味であるが、prominent には「目立つ」、周囲よりも「飛び抜けている」という意味がある。

太陽の紅炎をプロミネンス prominence というが、それも天文学者の観測で、太陽の輪郭から炎が飛び出していて目立ったからである。


なお、prominent の名詞形がprominence であり、「卓越」「目立つこと」などの意味である。

excellent と prominent の意味の違いに注目するなら、prominent には「目立つ」という意味およびニュアンスがある。

prominent の単語中の -mine- が「突き出る」という意味である。 pro- は「前へ」の意味である。なので、前に突き出ていて目立っている、が、原義である(旺文社)。

なお、東京書籍は prominent を紹介せず。


また、目立っていると意味からか、prominent には「著名な」という意味もある(桐原5500)。ジーニアスでは、名詞形 prominence のほうに、「著名」の意味がある。

典型的な例文は、たとえば

「著名な作家」 prominent writer

である(センチュリー。桐原に似た例文)。


卓越した人材は、組織のなかでは重要な役割を与えられるだろう。だからか、prominent には「重要な」という意味もある。

典型的な例文は、

「重要な役割を演じる。」play a prominent part.

である(センチュリー、ジーニアス)。


「演じる」とあるが、べつに演劇をしているわけではなく、仕事などで重要な任務をこなすことを「重要な役割を演じる」という(ジーニアス)。

ジーニアスいわくpart の代わりに role を使ってもよく、つまり

「重要な役割を演じる。」play a prominent role

でもいい(ジーニアス)。

role には演劇などの「役」の意味もあるので、ますます「演じる」感が増した言い回しである。

というか、仕事などの「役割」と、演劇の「配役」「役」は、同じ名詞 role という単語である。なお、実は part にも演劇の「役」という意味がある(東京書籍)。


role で覚えてもらいたいのは、実際の演劇のほかにも、たとえば「第二次世界大戦の後、アメリカは国際社会で重要な役割を果たすようになった」というような表現でも role を使うことです。

山川『英文詳説世界史』にある表現ですが、

play a crucial role [1]「(社会などで)重要な役割を演じる」

です。

東京書籍などにも、この意味での role の紹介はありますが、山川がいちばん分かりやすい。

crucial は「重要な」という意味です。

crucial と role が一緒に覚えられて重要な慣用句でしょう。

なお旺文社1900oおよび桐原4500だと、play a important role 「重要な役割を果たす」です。



演劇などで「~の役をこなす」のも、似た熟語であり、たとえば『ロミオとジュリエット』でロミオ役を演じるなら

play the role of Romeo

である(東京書籍、センチュリー)。


また、仕事の役割を「こなす」のも、劇の配役を「演じる」のも、同じ動詞 play である(ジーニアスのroleより)。

ニュアンスは少し変わるが、「重要な」はもっと平易な言い回しで important でも良く(センチュリーの role )、

play an important role

でもいい(センチュリー、旺文社)。


熟語 play an important role in ~ で「~にいて重要な役割を果たす」

の意味である(桐原、旺文社)。


role model とは、手本のような意味での「理想的人物像」という意味である(センチュリー)。

旺文社にある単語だが、role-playing とは、もともと心理学や語学教育などの用語で「役割演義」というもの(センチュリー)だが、心理学・語学などの業界では「ロールプレイ」でも通じる(東京書籍)。英文ではハイフンを入れるほうが標準的で、辞書ではハイフンありで載っている(ジーニアス、センチュリー)。

単語集にはないが、テレビゲーム用語の role-playing game もジーニアス英和に載っている。つまり、けっして和製英語ではない。)


人格・性格 character, personality

国民性 national character, nationality

愛国心 nationality, patriotism


character も personality も、同義語で、「人格」「性格」の意味だが、若干、いくつかの用例が慣用的に違う。

「国民性」という場合は、 national character である。

なお、nationality という単語でも「国民性」「愛国心」を表せる(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。

なお「愛国心」patriotism である(桐原5500、ジーニアス、センチュリー)。「愛国者」 Patriot である。アメリカ軍のミサイルで1990年代に「パトリオット」というのがあって、日本のテレビでもパトリオット・ミサイルと呼ばれて、よく報道されていた。ジーニアスにもミサイルのパトリオットが載っている。


小説や劇や映画などの登場人物も character である(東京書籍)。


character には文字の意味もある。たとえば「漢字」は the Chinese character ともいう。一方、アルファベットなどの表音文字はレター letter という(東京書籍)。


また、若干、personality のほうが、個人的なニュアンスがある。

形容詞 personal が「個人的な」「私的な」という意味である(東京書籍、旺文社)。

たとえば

a personal opinion 「個人的な意見」(東京書籍4500、桐原3000)

なお、opinion (オピニョン)に発音注意。option (オプション)と混同しないように。

日本語ではよく「オピニオン」と言われるが、英語的には実は opinion の発音はオピニョンである(東京書籍3000)。東京書籍3000では発音記号にカタカナが併記されているのだが、「オピニョン」と堂々と書いてある。ただまあ、早口で「オピニオン」と発音すればオピニョンっぽく聞こえなくもない。

単語集にはないが、TV業界の有名人のことを a TV personality という(旺文社)。TVタレントとは言わない(ジーニアス)。つまり「TVタレント」は和製。

人の「個性」を言う場合、personality を使う(桐原)。

character にも物事の「特質」という訳がある(ジーニアス、東京書籍(「特色」))。


単語集にはないが、日本語でも「人格者」という言葉で、人格の高潔な人をあらわすが、実は英語の character にも「人格の高潔な人」の意味がある(ジーニアス、センチュリー)。

たとえば、学校教育などによる「人格形成」は、 character building (センチュリー)、または building character (ジーニアス)、である。


だが、ジーニアスには、さらに別の用法で、「人格の変な人」でも character が使われるとも紹介している(ジーニアス)。さしづめ、もし日本語風に言うなら、括弧つきで『人格』者だと隠語・婉曲風に言うような感じだろうか。『「人格が素晴らしい」とは一言も言ってない』的な。


単語集にはないが、文法参考書いわく、文頭の

Personally, ~

で「個人的な意見だが、~」の意味。


characteristic で形容詞としては「特徴的な」「特有の」などの意味だが、なんと名詞としてcharasteristic には「特徴」「特性」などの意味もある(旺文社、桐原)。

語法として、 characteristic of ~(名詞)で「~の特徴」である。

たとえば、センチュリーいわく「6月の特徴」(6月は June)とか、ジーニアスいわく「アメリカ合衆国の特徴」(アメリカ合衆国はthe United states of America)とかを、characteristic of ~ で言える。


単語集や辞書にはない話題だが、ラテン語で演劇につかう仮面のことを「ペルソナ」という。一見すると英語の勉強に役立ちそうな知識だが、しかし残念ながら小説中の登場人物は英語では「キャラクター」であるし、一方でテレビの芸能人は「パーソナリティー」だったりして、不統一的であるし、あまりラテン語の影響がなさそうである。

仕方なく、実際の英語の事例を覚えるしかない。

なお「残念ながら、」は英語では、文頭で"Unfortunately, "という決まり文句(※たぶん範囲外)。


ほかの話題としては、心理学におけるユング心理学で「ペルソナ」の理論というのがあるのだが、しかし学校教育における「人格形勢」という割と児童心理学っぽい話題は キャラクタービルディング であるし、やはり、まったくラテン語が参考にならない。

英単語 personality のスペルを覚える手段としてしか、ラテン語「ペルソナ」の知識は役立たない。


personal とスペルの名詞 personnel は「職員」「隊員」とかの意味の集合名詞(旺文社1900)。


たとえば、どっかの野戦病院とかで医療系の隊員とかをまとめて medical personnel とか言えるので、いちいち医師か看護師かそれ以外かとか気にしなくていいので便利。

軍関係の隊員なら military personnel とか。

桐原と東京書籍は personnel を紹介せず。

そのほか、一般の事務所とかで、自社の課(か)や会社全体の職員とかをまとめて言いたい場合も personnel で言える(辞書に書いてあるのはコレ)。集合名詞だからか、課単位とか社単位とかで使うのが辞書的には普通。


弱い

fragile, frail ,vulnerable

fragile, 旺文社1900,東京書籍4500 で紹介。東京書籍が紹介するような意外と基礎的な単語である。


形容詞 fragile (フラジル)には、体質が「虚弱な」という意味もある。だが現代では、fragile は、ガラスなどが割れやすい事を表現するのに用いられる。

そして、宅配などで、「割れ物注意」の意味のシールに "Fragile" などと書いてあるのが普通である。文法参考書の文英堂インスパイアで無生物主語の単元に、"Fragile"のラベルの例文があった。なお、インスパイアではFragileを「割れ物」と和訳している。

単語集にもある用例も、コップなどが「割れやすい」という内容である。


比喩的に桐原5500が「人類は文化に依存しているので、もろい」という例文で fragile を用いている。


ガラスや陶器などセラミック系の材料は、硬いが、衝撃などや強い力に弱い。

べつにガラスや陶器などは、材質として弱いわけではない。家庭内にも、食器などで多くの陶器があるだろう。

しかし、割れないように取扱いに気を使う必要はある。


そういうニュアンスを、「人類は文化に依存しているので、もろい」という表現でも汲み取ろう。

fragile (フラジル、フラジャル)は発音注意。後半は、ジャイルではない。


スペルが似ている別単語で、frail がある。桐原5500しかfrailを紹介してないので、興味ない人は飛ばしていい(緑鉄単語集すら frail を紹介していない)。

体質や心などが虚弱なことは形容詞 frail という。weak を堅苦しくした表現が frail である。

基本的な意味は weak と同じである。

「虚弱体質」は a frail constitution である(センチュリー、ジーニアス)。

派生名詞として、意志の「弱さ」 frailty がある。


シェイクスピアの『マクベス』の一節の台詞「もろき者よ、汝(なんじ)は女」は

Frailty, the name is woman. 「もろき者よ、汝(なんじ)の名は女」

である(センチュリー、ジーニアス)。


形容詞 vulnerable は、陣地などの場所が物理的な攻撃を受けやすい位置にいるなどで「弱い」という意味、または人物が批判などの攻撃に「弱い」という意味(センチュリー、ジーニアス)。

単語集では、コンピュータのセキュリティが弱いという表現で vulnerable を桐原も旺文社も用いているが、しかし辞書では確認できず、ジーニアスでもセンチュリーでも見つからなかった。

なお、東京書籍はこの単語を紹介せず。


be vulnerable to ~(動詞) で「~に弱い」の意味。

典型的な例文は、

(陣地などが)「攻撃に弱い」 be vulnerable to attack

である。


単語集・辞書にはないが、コンピュータのセキュリティーの弱さを表現する際、普通に weak を使う。

無料OSの一種の Linux でも、英語でOSインストールをすると、パスワード登録などでもし "AAAAA" とかの手抜きのパスワードを登録しようとすると、"weak"などと表示されるOSをよく見かける。


形容詞 secure (セキュア)は、攻撃などの危害に対して備えがあって「安全な」という意味であり(ジーニアス)、よく砦(とりで)が secure という例文がある。

コンピュータのサーバーにも、ハッキング対策などの万全なサーバーに対して secure を使う(ジ-ニアス)。

名詞形 security は「安全」「軽微」などの意味。

secure には、「確保する」という意味もあり、obtainとの違いは、secure だと、一般的には確保しづらいものを確保する、という意味である。

山川の英語版世界史に、P239に、近代において産業革命によって勃興した大英帝国が世界市場を確保 secure した、という内容の英文がある、。



企業・会社

company, corporation,

(大)事業 enterprise

新規事業 venture

法人 incorporation


同僚 peer, colleague


仲間 fellow, companion,


corporation は「(大)企業」という意味。

company に比べて corporation は規模が大きい(東京書籍3000)。

なお、company の語源は「一緒に com」+「パンを食べる人 pany」という意味(ジーニアス)。

これ自体は雑多な知識だが、しかし名詞 companion (コンパニオン)「仲間」を理解するヒントになるので、パンを食べるという語源も覚えよう。

companion 「仲間」は、普通の「仲間」の意味のほかにも、ペットや愛読書など、人生をともに過ごす的なものにも使う(東京書籍)。女性ホステスの意味はない。

日本だと、なんか飲み屋の接待女性みたいなのをコンパニオンというが、しかし英語 companion にそういう意味は無い(東京書籍)。単なる和製。

桐原いわく、「(彼の)飼い犬が彼の仲間だ」みたいな文章でイヌが彼の companion とのこと(桐原4500)。コンパニオンはこういうふうに使う。

ジーニアスの辞書にある女性コンパニオンは、介護ヘルパーのことなので、日本の接待のアレとは意味が違う。

旅や仕事などで単に同行することになった人物にも companion を使う(センチュリー)。ペットや愛読書などにも companion を使う(東京書籍、センチュリー)。

ともかく、companion 「仲間」である。


fellow には、仲間の意味のほかにも、「運のいい奴だ」とか「のんきな奴だ」のような「やつ」の意味がある。

なお「運のいい奴」は a lucky fellow である(東京書籍)。

fellow の語源は「家畜(fe)を置くもの」という意味である。

スペルの似た動詞 follow (ついていく)とは関係ない。


典型的な例文は

「彼はいいやつだ。」 He is a good fellow.

である(東京書籍、ジーニアス)。


単語集にはないが、同じ学校の仲間を fellow at school という(ジーニアス、センチュリー)。

欧米で大学の特別研究員をフェローというが、それも上述と同じ単語 fellow である(桐原)。


colleague は職場の「同僚」。なお、coworker でも「同僚」の意味になる。


enterprise (発音「エンタープライズ」)は「大事業」。

会社のことではないので、「大企業に就職したい」みたいなことをいいたい場合には、 want to get a job at enterprise (×)とは言えない(ジーニアス)とのこと。

「大企業に就職したい」は want to get a job at big company という(ジーニアス)。

ただし、「多国籍企業」は multinational enterprise であると、ジーニアス multinational の項目に書いてある。なお、旺文社も「多国籍企業」multinational enterprise を紹介している。ジーニアスの言っていることが矛盾しているので、まあ判断は読者に任せる。辞書を鵜呑みにしてはいけない。あくまで参考程度。

ジーニアスによると「中小企業」をenterprise でいう用例もあるようだし、桐原は農業などでも「事業」なら enterprise だとしている。

ただ、例文が少なくて、よくわからないので、当ページでは保留。


なお、「起業家」・「事業家」は名詞 entrepreneur (「アーントレプレナー」)である(旺文社1900)。桐原5500と東京書籍4500には、この単語がない。


名詞 venture は、現代ではビジネスの「新事業」の意味で使われる(ジーニアスの見解)。

ventureには「冒険」という意味もあるが、類義語の adventure との区別が難しい。

adventure が、ビジネスかどうかにかかわらず、刺激的な「冒険」のこと(ジーニアス、センチュリー)。

venture は、生命の危険、または資金の危険のリスクがあるというニュアンスがある(ジーニアス、センチュリー、旺文社)。

動詞 venture もあり、上記のようなリスクを承知で「思い切って~する」のような意味(単語集では旺文社、桐原5500)。


動詞 incorporate には、団体が「合併する」という意味もある。

なお、名詞形 incorporation では、アメリカでは単に「会社」の意味で使われる(ジーニアス)。

このためか、動詞 incorporate には、「会社を設立する」という意味もある(東京書籍4500 巻末)。

incorporate には、製品や書類に「~を組み入れる」という意味もある。


形容詞 incorporated は米国英語で「有限責任の」という意味であり Inc. などと略すが(ジーニアス、センチュリー)、しかし日本の有限会社とはニュアンスが違う。ジーニアスの例文だと、大企業のUSスチール(US steel) も Inc. である。

なお、イギリスでいうリミテッドカンパニー Ltd. のこと。


肥満

fat, overweight, obese, plump


形容詞 fat は、「太った」という意味だが、直接的な表現なので失礼であるとすることから、太った人間に対しては「体重超過の」 overweight を使うのが良いとされる。

典型的な例文は

「太った猫」a fat cat

である(東京書籍3000、桐原3000)。

また fat は名詞としては「脂肪」の意味である。


また、get fat で「太る」の意味である。

たとえば

My dog have got fat. 「私の(家の)イヌは太った」

である(単語集を参考にオリジナル。東京書籍で現在完了形。桐原でイヌ)。


また、「やせる」は lose fat とも言える(東京)。


形容詞 fat の対義語は形容詞 thin 「やせた」である(東京書籍)。

しかし、slim (スリム)でもよいだろう。slim もれっきとした英語の形容詞であり、「ほっそりした」の意味である。

英語 smart (スマート)は機転が利いて「賢明な」「頭がいい」「利口な」のような意味であり、clever とほぼ類義語である(東京書籍4500)。体型については smart は使わない(桐原3000 smart)。

なお、thin には、濃度などが「うすい」などの意味もある。


obese は、医学などにおける「肥満」という意味であり、しばしば不健康な「肥満」というニュアンスがある。

名詞形は「肥満」obesity である(旺文社、桐原)。


「肥満によって糖尿病のリスクが(以下略)」みたいな話を医学的にする場合、obese を使う。単語集の例文でもそうである。


旺文社の単語集には、plumpを「ぽっちゃりした」と紹介している。obese の項目で関連語として plump を旺文社は紹介している。

なお国語時点によると、「ぽっちゃり」とは、広辞苑(1992年 第4版)や三省堂明解国語時点(2020年 第8版)などによると、小太りな人をかわいらしいと受け取って表現した形容で、普通は女性の形容に使い、たとえば「ぽっちゃりとした美人」のように使う[2][3]

センチュリーでplumpを確認したところ、こちらも女の子の例文であり、

a plump girl 「丸ぽちゃの女の子」

である。

ジーニアスによると、女性のほか、赤ん坊の健康的な太り方を言うにも plump が用いられるとのこと。

そのほか、果実が肉付きがよくて丸々とした様子なども plump ということがある、とジーニアスは述べている。

なお、桐原と東京書籍の単語集には plump が見当たらなかった。


神聖

holy, sacred


センチュリーは、holy(ホウリー) と sacred(セイクリッド) との使い分けのさいの基本的イメージの区別をあきらめている。

ジーニアスは、一応は、sacred は人為的権威により聖別されたものに使うと言っている。

だが実際に用例を見ると、たとえば聖書に holy bible と言ったり(ジーニアスで、Holyの派生名詞にある)、 聖典を a sacred book と言ったり(センチュリー)、聖書を sacred writing といったり(ジーニアス)、区別はあいまいである。


sacred には、約束などが厳粛で破ることができない、という意味もある。


「不可侵の権利」 a sacred right

という用語がある(旺文社、センチュリー)。


大日本帝国憲法の『神聖にして侵すべからず』は、おそらくは sacred の訳語を参考にしたのだろう。

日本での政治評論や歴史評論などで、明治天皇制はキリスト教を参考にしたという言説が昔からよくある(少なくとも1990年代には評論家・小室直樹の著書で見かけた言説である)。


インドの聖牛は sacred cow である(センチュリー、ジーニアス)。このように、ヒンドゥー教の聖牛にも sacred を使う(東京書籍)。

sacred の発音は「セイクリッド」である。サクリッドではない。

「いけにえ」「犠牲(ぎせい)」のことを名詞 sacrifice (サクリファイス)という。

sacred と sacrifice の発音とを混同しないよう。


sacred も sacrifice も語源はだいたい同じで、sacr- が「聖なる」のような意味である。

なお、宗教的な「儀式」は ritual である。べつにいけにえを捧げる必要はなく、たとえば旺文社の例文だと、古代エジプトではスポーツが死者を敬うための儀式(ritual)だったとのこと。

宗教的でない儀式は ceremony (セレモニー)であり、ceremony は「式典」などとも訳される。

ただし実際には「習慣的行為」「慣例」なども ritual という(桐原5500に「慣例」あり、旺文社1900)。


特に ritual を宗教的な意味で使っていることを強調したい場合、

「宗教的儀式」 a religious ritual

ということもある(東京書籍4500、ジーニアス)。 sacrifice の「犠牲」はべつに宗教的である必要はなく、たとえば「母親がみずからの命を犠牲にして子供を救った」みたいな文章でも sacrifice を使える(東京書籍)。

他人のために犠牲になる必要もなく、たとえば「私は、自分の自主性を犠牲にしたくない」のような自己本位でも sacrifice を使える(桐原)。


sacrifice は名詞「犠牲」の意味のほかにも、動詞として「犠牲にする」の意味もある。


形容詞 divine は「神による」「神にささげる」なので、ニュアンスが違う。

名詞 divinity は「神性」。神聖ではなく「神性」。


牛(ウシ)

ox 動物学的な「ウシ」

cow 一般的な「ウシ」。乳牛。

bull 雄牛(オスうし、おうし)。とくに去勢していない雄牛

cattle ウシの集団


cow は一般的なウシの意味もある。だが、乳牛のことを cow という用法もある。雌ウシのことを cow ということもある(桐原、ジーニアス、センチュリー)。

一方、ox には、労役などの目的でのウシのイメージがある。

だからか、ox でオスウシのことを言う場合もある。

なお、ox の複数形は oxen である。child「子供」の複数形が children なのと同種の変化。


なお、アメリカ開拓時代や西部劇のカウボーイ cowboy が乗っている動物は馬(ウマ)。

牧牛などを牧草地から別の牧草に移動させるために、馬に乗って、牧牛(カウ)を追い回すから、カウボーイ。


cattle (カトル)はウシの集団。集合的に複数あつかいする。

なので、a cattle は不可(旺文社)。 cattles も不可(旺文社)。

典型的な例文は、

He raises cattle. 「彼は(牧場などで)ウシを飼育している。」

である(旺文社1900、東京書籍4500)。

なお、「牧場」は名詞 farm である(ジーニアス和英)。farm で「農場」も「牧場」も表せる。東京書籍3000および旺文社1200ではfarmは「農場」と紹介している。

farm 以外にも牧場を表す単語はあるが、高校の範囲を越えるので本書では紹介しない。


握る

grip, grasp


grip と grasp は意味はだいたい同じ。

センチュリーは、grasp の項目で、gripとの意味の違いの説明をあきらめて放置している。

ジーニアスは、gripの項目で、「graspよりも強意的」

としている。しかし実際には、

grip も grasp も、ともに「ロープを握る」などの例文で使われるので、区別は難しい。


なお、

grip 版「ロープを握る」 grip the rope

grasp 版「ロープを握る」 grasp the rope

である。

旺文社が grip を紹介している。東京書籍と桐原では、grip が見当たらない。


grip も grasp も、「理解する」という意味での「把握する」という用法もあるし、支配するという意味もある(「掌握」のような)。

grasp the meaning 「意味を理解する」

である(東京書籍、旺文社)。


違いは、grip には「握力」という意味もある。

また、テニスのラケットなどスポーツ用具などの「握りかた」や、刀の「握りかた」もgrip である。

いくつかの機器の「取っ手」も grip ともいう。だが分野によっては、ハンドル handle ともいう。

ドアの取っ手は handle である(ジーニアス、桐原4500)。

grasp the handle of the door 「ドアの取っ手を握る」

である(桐原)。


自動車のハンドルは steering wheel という(桐原4500、ジーニアス)。

単語集にはないが、自転車(足こぎの二輪車のほう)の取っ手は handlebar (ハンドル・バー)という。


さて、grip について。

タイヤの接地力は grip である。


そのほか、恐怖(terror または fear )を主語にして「~(人)が恐怖にとらわれた」を

Terror gripped ~

あるいは

Fear gripped ~

のように言う(ジーニアスが fear, センチュリーが terror)。


嫉妬

envy, jealousy

envy は動詞としては「嫉妬する」「うらやむ」「ねたむ」の意味が基本。

東京書籍3000に名詞 envy だが「嫉妬」の意味が書いてある。


キリスト教の七つの大罪のひとつが嫉妬 envy で名詞形だが、高校生としては名詞で覚えてしまうとジェラシーとの区別が難しくなるので、まずenvyは動詞「うらやむ」で覚えよう。


envyは何も宗教的に断罪されるような強くて敵対的な嫉妬だけでなく、「羨望(せんぼう)の的(まと)」だとか「アメリカ旅行なんて、うらやましいね!」ぐらいの褒めるような感じでも使われるのをセンチュリーの例文で確認。

なお、旺文社1400(中級)に envy の「羨望の的」の意味も書いてある。


envy A for B で「AのBをうらやむ」の意味。だが、旺文社以外は紹介していない。よって、特に暗記の必要はないかと。

形容詞 envious は、

be envious of ~ 「~をうらやましく思う」(鉄緑、旺文社1900


だが、envious の例文が単語集に無い。

辞書を見ても、ジーニアスとグランドセンチュリーの見解が一致しておらず、なので当wikiでは手に負えないので、深入りしない。


形容詞 jealous は「ねたんだ」、ジーニアスいわく「嫉妬深い」、センチュリー恋人や夫婦どうしなどで「やきもち焼きの」という意味。


マイナスの意味で使う場合、jealous のほうが envious よりも嫉妬のなかの憎悪の気持ちが強い。


ジェラシー jealousy とは、名詞で、「嫉妬」「ねたみ」の意味。

envy は高校英語では3000語レベル。桐原3000とか東京書籍4500にある。割と中級の単語。

一方、jealous は東京書籍4500レベルかつ、旺文社1900レベル。ジェラシーのほうが上級。スペルが長くて難しいからか。

桐原はジェラシーを紹介せず。


なお、七つの大罪は下記のとおり。


傲慢 pride プライド (高校単語)
強欲 greed グリード (高校単語)
嫉妬 envy エンヴィー (高校単語)
憤怒 wrath ラース
色欲 lust ラスト
暴食 gluttony グラトニー
怠惰 sloth スロース


greed は鉄緑単語集および桐原5500に「貪欲」として載っており、鉄緑「政治家は権力と金に対して貪欲(形容詞 greedy)」で、桐原「投資家たちの利益に対する貪欲さ」として載っている。

be greedy for power 「権力に対して貪欲」(鉄緑、ジーニアス)

be greed for money and power 「カネと権力に対して貪欲」(鉄緑)

また、旺文社1900では「強欲」としてgreedを紹介であり、こちらもお金に対する強欲。

his greed for money 「彼の金銭欲」(旺文社1900の和訳を改変)

greed for money で「金銭欲」と、旺文社およびグランドセンチュリーは例文中で訳している(旺文社1900、グランドセンチュリー)。


桐原でも greed for profit なので、つまり

greed for ~ で「~に対する貪欲さ」みたいな意味。

pride は東京書籍4500および桐原4500で、形容詞 proud の関連語として、名詞 pride「誇り」が載っている。

take pride in ~ で「~を誇りに思う」である(桐原)。

しかし be proud of ~ で「~を誇りに思っている」なので、あまり違いがない。


のこりの憤怒、色欲、暴食、怠惰は、単語集では見つからなかった。


尊敬

respect, esteem

感心する admire

褒める praise

「他動詞 + A for B」 praise, blame, admire, criticize

それぞれ respectively ,each


決定的で欠かすことのできない crucial , critical

決定的に重大な crucial ,decisive (※ 別セクションで説明)


動詞 esteem (イスティーム)は旺文社1900にしか書いてない。

桐原4500と桐原5500、および東京書籍3000と東京書籍4500には、esteem が見当たらなかった。

なお、旺文社1900および桐原5500が「自尊心」self-esteem と紹介しているが、ジーニアス英和とセンチュリー英和では見当たらない。


ジーニアスいわく、esteem のほうが respect よりも固い語。

センチュリーいわく、esteem のほうが respect よりも敬愛の気持ちが強いとのこと。ただ「敬愛が強い」とは一体どういう意味なのか。

辞書をみても、respect と esteem のあまり違いはハッキリしない。

respect の用例では、ジーニアスによると、人間を尊敬するほかにも、交通法規などの制度を「尊重する」・「重視する」ような意味で respect するといった用法もある。


なお、対義語はたとえば名詞 contempt「軽蔑」(けいべつ)などがある(旺文社1900、ジ-二アス contempt )。旺文社にしかない。東京書籍と桐原にはない。

あまり一般的に使えそうな例文がない。桐原などが紹介しないのも妥当。


動詞 admire (アドマイア)は、人物そのものではなく、「彼の勇気に感心したよ」とか「彼の業績に感心したよ」のように、ふつう、人の業績や能力などを賞賛する場合に用いる。

桐原4500の例文も、「彼が成し遂げたこと」という業績への感心である。


単に「感心」「感嘆」だの admire の和訳を覚えるだけでは不十分である。そうではなく、業績・能力などを褒める、と覚えよう。


admire A for B で「BのことでAに感心する」である(東京書籍)。

典型的な例文は

admire him for ~ 「~のことで彼に感心する」

である(桐原、ジ-ニアス、旺文社)。

たとえば、彼の勇気に感心するなら、

admire his courage 「彼の勇気に感心する」(センチュリー、ジーニアス)

または

admire him for his courage 「彼の勇気に感心する」(ジーニアス)

のように使う。


派生語は、形容詞 admirable(アドミラブル)「賞賛すべき」「見事な」 や名詞 admiration (アドミレーション)「賞賛」などがある。

admirable の使い方も、辞書で確認したかぎり、人物本人を形容するのではなく、人物の行為や業績を形容している(ジーニアス、センチュリー)。


praise (プレイズ)は、感嘆の意味合いはうすく、単に「賞賛する」という意味で使う。

よくある例文が、親を子をほめることを praise するという例文(ジーニアス、センチュリー、旺文社)。

ただし、それとは別の用法で、神を褒め称えるという文脈でも praise という単語を使う。

admire と同様、praise でも勇気や功績などを賞賛してもいい(ジーニアス、東京書籍)。

このため、admire と praise の意味の違いは不明瞭である。

praise も語法で、

praise A for B 「BのことでAを褒める」

という語法がある(ジーニアス、東京、桐原)。


主語が感動してるかどうよりも、とりあえず主語の人が目的語の人を賞賛している、という事実を説明しているのが praise である。

主語が感動してるかどうかは、文章の読み手には知るよしも無い。


ほか、文法知識として重要なこととして、前置詞 for には理由を表す用法もある、という事です。標準的な文法参考書に for の理由の用法も書いてあります。桐原が、「他動詞 + A for B」というパターンで、praise や下記 blaze などをまとめて紹介しています。

中学ではforの訳を「のために」と表すので、なんとなく誰かの利益のための意味かと思いがちですが、しかし違います。


praise や admire といった賞賛・感嘆などの友好的なイメージの動詞だけでなく、

blame「~のせいにする」や criticize「批判する」などの敵対的なイメージの動詞でも for で理由を表します。

つまり、ひとつひとつ語法を書くと(東京書籍4500では一つ一つ語法を書いています)、

blame A for B 「BをAのせいにする」

be criticize for A 「Aのことで非難される」(東京書籍)

criticize A(人) for B 「A(人)をBのことで批判する」(桐原)

などです。

ただしblame は

blame B for A 「BをAのせいにする」

という語法もあります(東京書籍)。


典型的な例文は

blame him for the accident 「その事故を彼のせいにする」(旺文社、桐原、東京書籍)


なお、criticize はイギリス英語では criticise である(桐原)。単語集では非イギリス英語のほうの criticize を紹介しており、つまり英語発祥地だろうが、発音が分かりづらいイギリス英語は国際的には嫌がられるという事。


さて、criticize の名詞形は criticism (クリティシズム)「批判」であり(桐原)、「批評」「非難」である(東京書籍)。

裏を返すと、blame と praise の名詞形は、そのままである。

つまり、名詞 blame は「非難」の意味。

名詞 praise は「賞賛」の意味。


動詞 punish(パニッシュ)「罰する」 も

punish A(人) for B で「BのことでA(人)を罰する」(桐原)

である。


名詞形は punishment (パニッシュメント)「処罰」である。

「感謝する」thank A(人) for B は「BのことでA(人)に感謝する」である。

中学生あたりに for の理由の用法を説明するなら、thank が適切だろう。


形容詞 critical (クリティカル)は、criticism などの形容詞だろうと東京書籍は紹介しているが、しかし旺文社は crisis の形容詞だと紹介している。ジーニアスは両方の派生を紹介している。じつは東京書籍も、 criticize とは別のページで critical を「重要な」の意味でも紹介しています。


つまり、critical には「批評の」「批判的な」といった意味もあるし(東京書籍)、「危機的な」「決定的に重要な」という意味もある(旺文社)。

ほか、物理学・化学などでいう「臨界」(りんかい)は、英語では critical で表される(ジーニアス)。

また、スケジュール管理の技法で、 クリティカル・パス分析 critical pass というのがある(ジーニアス)。

桐原は4500は critical を紹介せず。桐原5500で criticism の派生語として critical を紹介しているが、例文は無し。

割と重要な単語だと思うが、掲載単語数には限りがある。


よく criticize の末尾 -cize を -size(×) にするミスがあるが、しかし暗記のさいに形容詞 critical から派生させて覚えれば、このミスは減るだろう。


よく「決定的な」と訳されるが(ジーニアス)、その意味は「決定的に重要な」という意味です(センチュリー)。東京書籍は誤解をさけるためか、critical を「重要な」という意味で紹介しています。

さらにいうと、critical でいう「決定的な」とは、ニュアンス的には「もしそれが無いと、成り立たなくなってしまう(目的が果たせずにクラッシュまたはクライシスしてしまう的な結果になってしまう)」という位に重要だという意味で使われます(特に出典は無い)。少なくとも理系では。

実際、クリティカル・パス分析のアイデアも、スケジュール管理に影響を与えている工程を探り出して重点的に労働資源を当てるために、具体的にスケジュール各部の必要日数などを調べたり計算したりして日数などを見積もっていく手法です。


また高校範囲外ですが、IT用語で「ミッション・クリティカル」mission critical とは「それが欠けると業務の遂行に致命的な悪影響が出るほど重要である」という意味であり、[4]、またそのため派生的に、極めて高い耐障害性が要求されるシステムのことも「ミッション・クリティカル」と言います[5]

よく、社会インフラなどのITシステムや、銀行など金融機関の基幹システムで、「ミッション・クリティカル」なシステムであるとか形容されたり、あるいは「ミッション・クリティカルな仕事が要求される」などと言います。


これらの社会インフラなどのITシステムは、ほぼ365日稼働していることが多いので、そのような長い日数の連続稼働をできるシステムだとも言われる事もありますが、あくまでそれは語源的には派生的な意味です。


crucial (クルーシャル)「決定的な」「決定的に重要な」という単語もある。

crucial のほうは、機械の事故時などの危機対応はあまり強調していない。少なくとも、IT業界では「クルーシャル」とは、まず聞かない。

機械の危機管理よりも、成果の意義や、重要性を強調したい表現が crucial であろう。

ほかのセクションで説明したが、「彼のホームランが勝利に決定的だった」のような意義を強調する例文で、crucial が用いられている。


なんというか、crucial には、admire 「賞賛する」 や admirable「感嘆すべき」のようなニュアンスがありそうである。つまり、crucial は、影響力が大きいので「重視すべき」であり、「実際に重要である」というような感じの意味がありそうだ。ただし、文脈によっては、そうでない場合もある。旺文社の「書類を確認すること」が crucial である、の例文を、そこまで考えるのは、さすがに考えすぎだろう。

なので、折衷(せっちゅう)的に、次のような東京書籍の解釈が落とし所だろう。

東京書籍は、crucial は「影響力が非常に大きい」という意味での「決定的な」という意味だとしている。

crucial のほうにも、「欠かすことのできない」 という意味もある(ジーニアス)。

critical が、実際にそれが欠けたり故障したりすると、現実的に重大トラブルが起きる可能性が高いのに対して、

crucial は、そういうのは強調していない。

crucial と decisive との違いについては、別のセクションで説明してあるはずなので、本セクションでは省略する。


副詞 respectively 「それぞれの」という単語も覚えたい(桐原、旺文社)。respectively の品詞は、辞書で確認したかぎり、副詞だけである(ジーニアス)。

なお、初等的に each 「(形容詞)それぞれの」「(代名詞)それぞれ」「(副詞)それぞれ」でも言える(ジーニアス、センチュリー)。

each other 「お互いに」という代名詞的につかう熟語があるが、each単独では「それぞれの」「それぞれ」という意味である。

  1. ^ 橋場弦 ほか監修『WORLD HISTORY for High School 英文詳説世界史』、2019年10月15日 第1版 第3刷発行、P.370
  2. ^ 新村出 編集『広辞苑 第4版』、岩波書店、1992年10月9日 第4版 第2刷発行、P.2367
  3. ^ 『新明解国語辞典 第八版』、三省堂、2020年10月20日 第1版発行、P.1449、
  4. ^ IT用語辞典『ミッションクリティカル 【mission critical】 』 2022年5月26日に確認.
  5. ^ SCII.jpデジタル用語辞典「ミッションクリティカル」の解説 2022年5月26日に確認.