高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ35

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

※ 分割用タイトル[編集]


邪悪な

evil, wicked

手品 magic, trick

いたずら trick , mischief


呪文と魔法と手品

魔法 magic, spell

呪文 spell

手品 magic, trick


evil (発音「イーブル」)は「邪悪な」とか、あるいは道徳的に「悪い」などを表す一般的な語。


evil は一般的な語であるが、「必要悪」 the necessary evil とか、それほど悪くないものを表せる。

邪悪といっても、べつに悪魔信仰とかとは限らず、たとえば

「科学者は邪悪な目的に科学を用いてはならない」

みたいな用法でも evil は用いられる(旺文社1400(中級・緑本)の例文が科学者のやつ)。

なお、bad は「よくない」 「悪い」ぐらいのイメージ


不等号にすると、

(よくない) bad < evil < wicked (かなり悪い)

ぐらいのイメージ(センチュリー)。


do evil で「悪事を働く」である(ジーニアス、センチュリー)。


「善悪」の概念は good (善)と evil (悪) を用いる(センチュリー、ジーニアス、東京書籍、旺文社)。

「善悪」 good and evil のように用いる(センチュリー、ジーニアス、東京書籍、旺文社)。文脈によって good or evil とする場合もある(ジーニアス)。

bad ではダメなのか疑問に思うが、また、bad の代わりに evil を使うのに good はそのままなのは疑問だが、ともかく英語はそうらしい。


wicked は、意図的に「悪い」という意味。犯罪者から、いたずら小僧にまで、wicked で表現できる(センチュリー、ジーニアスで確認)。

wicked はやや高校の範囲外の単語だが、一部の参考書(桐原4500のみ)に紹介されている。


wicked の語源は「魔法使い」を意味する wick という言葉である(ジーニアス、センチュリー)。辞書によると、魔法使いから、邪悪な魔法などを連想し、そのうち、意図的に「悪い」というような意味になったとのこと。

だからか、アメリカ童話『オズの魔法使い』(The wizard of Oz)に出てくる「悪い魔女」が the wicked witch である(ジーニアス、東京書籍『All Abroad! I』検定教科書)。

なお、桐原4500の例文が an evil wizard 「悪い魔法使い」である。桐原4500では、evil の項目で、類義語として wicked が存在することを紹介している。桐原5500にwicked の紹介は無い。

なお、『オズの魔法使い』作中のオズは男で、主人公の少女ドロシーとは別人の男性。

東京書籍の教科書に wicked はあるが、しかし東京書籍の単語集には wicked は無い。

なお、単語集にはないが、山川出版の英語版・世界史によると、「魔女狩り」は witch-hunt である。「魔女裁判」は witch trial である。

なお、magician (マジシャン)は「手品師」「魔法使い」の意味。東京書籍3000にはmagic の派生語magician に「手品師」とだけ書いてあるが、ジー二アスに「魔法使い」とも書いてある。

桐原4500で、巻末の接尾辞 -ian の紹介で magician は「奇術師」と紹介されている。なお桐原では、「歴史家」historian, 「歩行者」pedestrian, 「司書」librarian を一緒に紹介。


単語集では性別の限定される wizard や witch は紹介していない。勉強としては、広い意味で使える magician を優先すべきだろう。

なお、magic 「魔法」「手品」の意味である(東京書籍3000)。

「魔法」はふつう magic で言いますが(ジ-二アス)、名詞 wizardry (ウィザードリ)でも「魔法」になります(桐原 EMPOWER 2[1])。「手品」との区別を明確にしたい場合、便利な単語かもしれません。

語尾は -ry であることに注意してください。辞書に語尾 -ly の wizardly は存在しません。

なお、桐原の教科書では、ピーターラビットを短文で紹介、設問で『赤毛のアン』とハリー・ポッターを紹介しています。

ほか、桐原は検定教科書 EMPOWER 2 の P22の例文で、演劇の古典作品の『ハムレット』 Hamlet という単語を紹介。なお、東京書籍4500でも、単語 part (配役)の項目で、ハムレットが紹介されている。

どうもハムレットは高校英語で演劇を扱うさいの定番らしい。

明治時代ならともかく今どき大学で中世の英語を学ぶ意義はうすれているが、しかし教養としてシェークスピアの言い回しが近代以降の英語に大きな影響を与えた背景があるので、シェークスピアぐらいは知っておいてもらいたいのだろう。


trick (トリック)でも「手品」の意味がある。日本だと「トリック」は手品の「種」のような意味だが、英語 trick はそれ自体で「手品」の意味がある。

trick には、名詞として「(人をだますための)策略」「手品」「いたずら」などの意味があり、動詞として「だます」の意味がある(桐原、東京書籍)。

トランプの手品は card trick という(東京書籍、センチュリー)。

trick 「いたずら」というのは、日本では馴染みが薄いかもしれませんが、たとえばハロウィーンで trick or treat (トリック・オア・トリート)といって、おばけなどに仮装した子供が、よその家の大人に、お菓子などをねだるイベントが10月末ころにあります。


辞書などでは、 trick or treat の訳の紹介を避けていますが、日本の一般的な評論ではよく「trick」を「いたずら」と訳し、「いたずらをされたくなかったら、お菓子をよこせ」のような意味だとされています。

ただし、それだと treat の意味が分からないですが。

こういう事情もあってか、辞書では trick or treat の紹介を避けています。


「いたずら」は mischief (ミスチフ)とも言います(桐原5500)。

mischief は、割と必要性のある単語かもしれませんが、しかし入試では出づらいようです。桐原5500でも、例文を見ても、特に大学名などは紹介されていません。桐原の創作した例文のようです。

名詞 spell にも、動詞で「(単語などを)つづる」のほか、名詞ではまったく意味の違う「呪文」という意味があります(桐原4500,旺文社1900)。ジーニアスにも、spell は「まじないの文句」だと書いてあります。

なお、東京書籍は3冊とも spell を紹介していない。


なお、英単語などの「つづり」は、英語では spelling と言います(桐原、ジーニアス、センチュリー)。

「つづり」のことをspell とは言いません(ジーニアス)。

spell だけだと、動詞「つづる」の意味になります。


さて、呪文は「唱える」ものなので、だからたとえば、歌手のリサイタル recital などの単語の動詞形 recite を使って、recite a spell 「呪文を唱える」などという言い方もあります(ジーニアス)。

なお、よく

cast a spell 「呪文をかける」

という単語があります。(和訳の都合で「魔法をかける」と訳される。ジーニアスやセンチュリーでも cast a spell を「魔法をかける」と訳している。)

日本では、ニュースキャスターなどの外来語からの想像からか、キャストを「唱える」という意味だと思いがちかもしれませんが、しかし辞書を確認したところ、cast に「唱える」の意味はありません。cast にあるのは、視線や光などを「向ける」とか、網やサイコロなどを「投げる」とか、像などを「鋳造する」とか、芝居の配役、などの意味です。


cast a spell on ~(人) で「~(人)に呪文をかける」、「魔法で~を魅了する」

の意味です。

名詞 spell は天候などの「一期間」という意味もあります(桐原、ジーニアス、センチュリー)。桐原ではこっちを例文つきで紹介しています。例文は著作権的な都合でwikiではカット。

なお、ニュースについて、「放送する」を英語で broadcast という(桐原3000、東京4500、旺文社1400)。

broadcast は動詞としては、テレビ・ラジオを「放送する」であり、名詞としてはテレビ・ラジオの「放送」の意味である(桐原3000、東京4500、旺文社1400)。broadcaster で「アナウンサー」などの意味である(ジーニアス、センチュリー)。

過去形と過去分詞は、broadcastのままでも、broadcasted でも、どちらでもいい。

つまり

broadcast - broadcast -broadcast

でもいいし、

broadcast - broadcasted -broadcasted

でもいい(桐原3000)。

旺文社1400緑だと、 broadcast は巻末おくりで、英検2級によくでる単語になっている。英検には出るが、入試には出づらいのだろう。日本の大学入試はこういうものである。


さて、「悪霊」は an evil spirit である(東京書籍、)。


evil には「不吉な」という意味もあり、桐原4500でも意味のみ紹介されている。

やや宗教的だが、「凶眼」evil eye という、悪魔などに目で睨まれると自身の身に災難が起きるという迷信がある(ジーニアスとセンチュリーに evil eye が書かれている)。

なお、「迷信」は superstition (スーパースティション)という(旺文社1900、東京書籍4500)。桐原4500・5500では見つからなかった。


停止

stop, pause, halt


まず、「止まる」「停止」の一般的な語は stop である。

さて、halt は旺文社1900と桐原5500にある。東京書籍4500だと halt は巻末おくり。

さて、今はパソコンの電源を切るための操作をシャットダウンというが、昔、または一部の分野では、パソコンの終了操作のことを halt とも言った。

たとえば

「お使いパソコンの電源を切って再起動してください」 Please halt and reboot your computer.

みたいに使う(オリジナルの例文)。


東京書籍およびセンチュリーでは、停電による交通の停止のことを halt と言っている。

The accident halts the traffic. 「その事故は交通を停止させた。」

Traffic was halted by the accident. 「事故で交通は止められた」

である(※ 著作権のため、一部の単語を省略)。


これは、(特に出典は無いが)「交通システムの停止」だと解釈すれば、つまり halt は、動いていた「システムを停止させる」という意味だと解釈できる。(※ 暗記しやすいように、説明しています)

もっとも、ジーニアスいわく、単に、「halt は stopより も固い語」であるとのこと。

なお、「停電」は英語で the power failure である。


鉄緑単語集・センチュリーいわく、「行進を止める」のも halt とのこと。

軍隊などが行進を止める号令も "Halt!" である(鉄緑、グランドセンチュリー)。

上記の例から、なんとなく予想で、システムや集団を停止・休止させることを halt というと言った予測が立ちそうだが、


しかし下記のように、個人に halt 「とまれ」という使い方もすることがある。

とはいえ、まあ、システムや集団の停止を halt でよく使うことには変わりないので、まずはそう覚えるのが、覚えやすいと思います。

鉄緑単語集では「 halt はstopをやや堅くした表現です」とだけ説明がある。


あるいは、「命令的・強制的な停止なら、halt 」と言った仮説も思いつ生きました。これだと、コンピュータの halt も説明できるし、軍隊・警官での halt も説明できるし、事故などの交通の停止も「事故によって停止を余儀なくされた」と考えれば、事故を擬人的に扱ったような解釈として成り立ちそうです。

英語はしょせん、英米人が使っている用法が正解なので、あまり深く考える必要ないと思います。暗記しやすい程度に、理屈付けをすればよいと思います。たぶん、そもそも米英人がhaltのニュアンスについて、そこまで深くは考えてないと思います。


さて、警官が市民に停止命令などを発するときも "Halt!" を使うことがある(ジーニアス)。

なお、"Freeze !" という、かなり強い停止命令もある(ジーニアス)。freeze は「凍結する」という意味の動詞である。警官の命令の Freeze は「動くと撃つぞ!」という強い命令(ジーニアス)。


さて、ジーニアスは議論を終了させるのも halt だといっているが、しかしセンチュリーは採用していない。


意図的な停止なのか、それとも事故による停止なのかは、halt では、特に決まっておらず、文脈による。


動詞 pause は「小休止する」「少し中断する」の意味(東京3000、旺文社1900)。桐原3000・4500には書いてない。

名詞 pause は「小休止」「少しの中断」の意味。

単語集にはないが、会話が少しとぎれたり(ジーニアス)、言葉にためらうときも(センチュリー) pause で表現する。

しかし、事故などで交通が止まったりすることは、言わないようである。辞書では、そういう例は pause の項目では見当たらない。

暗記としては、pause は、停止・中断よりも「小休止」で覚えるのが良いだろう。


freeze は、物理的に「こおる」のは当然、freeze である(旺文社1900、東京、桐原)。低温で「こおらせる」も freeze である(旺文社1900、東京、桐原)。

資金などの凍結も freeze である(旺文社1900、ジーニアス、センチュリー)。

活用は freeze - 過去形 froze - 過去分詞 frozen である。


過去分詞 frozen は形容詞的につかうこともあり、たとえば「冷凍食品」 frozen food などがある(桐原4500)。

警官の命令の Freeze は「動くと撃つぞ!」という強い命令(ジーニアス)。

1992年の w:日本人留学生射殺事件 での警官の警告命令が freeze であった。日本でも1992年の事件当時、マスコミでよく freeze の停止命令の意味が紹介された。一説には、発音の似ている「お願いします」 Please と被害者が聞き間違えた可能性もあるとも報道されていた。


投資と投機

speculate 投機する

invest 投資する


まず、日本語で「投機」(とうき)というのが、批判的に株取引などの金融市場の取引を言う表現。

日本では、株取引などで、株価など価格の変動による「利ざや」を目的に、株の売り買いをするのが「投機」だとよく言われる(三省堂『新明解国語辞典 第八版』。岩波書店『広辞苑 第4版』)。

なお、「利ざや」は英語で margin (マージン)である(旺文社1900)。

また、物価や株価や金利など相場の「変動」や、水面などの「波動」は fluctuate である(ジーニアス、センチュリー)。


マージンについて、大学で経済学を学ぶと、「限界代替率」(げんかい だいたいりつ)などとして形容詞 marginal を使った用語が最初のほうで出てくるので、margin には経済用語的・経営用語的な意味があるのも知っておこう。なお、経済学でいう限界~とは、投入するコストや労働力などに対する、その出力としての成果の比率のこと(厳密には違うが)で、要するに経済学的な入力と出力との比率のこと。

桐原5500と東京書籍4500には margin がない。

margin の意味は、本など印刷物の「余白」、「利ざや」である(旺文社)。


fluctuation について、桐原4500のみ、本文中で「変動」として例文ありで紹介している。旺文社1900には巻末に単語と意味だけある。東京書籍4500には fluctuation はない。例文は難しいので紹介を省略する。

なお株によって利益を得る方法は、上記の売却による利ざやのほかにも、株主に対して保有株数に比例した金額ぶんだけ会社から金を受け取れるという、配当金(はいとうきん)というのがある。

なお、「投資」は、株取引などの金融証券の売買のほかにも、たとえば企業の経営者が「設備投資」をするとかいうように、経営する会社の資本を増やすために所持金を出すという意味もある。

なお、スペルの似ている spectate は「見物する」。「見物客」spectator である。このことは頭の片すみに覚えてもらいたい(理由は後述)。


さて、投機の意味もあるほうの speculate は意味が幅広い。単語集では桐原5500、東京書籍4500、旺文社1900が speculate を紹介している。

結論から言うと、speculate の意味は「推測する」「熟考する」「投機する」である。

特に大した根拠なしに「推測する」(guessに近い)の意味がある一方で、まったく逆の「熟考する」の意味もある。

東京書籍4500は speculate を「あれこれ考える」としている。


なぜこういう逆の意味があるか、ジーニアスの考えによると、ヒントは「見物客」 spectator である。

「投機する」speculate の冒頭の spec- も同じ接頭辞であり、「投機する」speculate のもともとの意味は「観察する」ような意味だったのだろうというのが、ジーニアスの説である。

観察して考えた結果や思考法が適切なら「熟考する」になるし、そうでなくて観察して考えただけなら「推測する」と言われるわけである。


ただ、現代では投機のイメージからか、あまり「熟考する」の意味では使わないようである。実際、センチュリー英和で speculate(「投機する」)を見ても、「熟考する」は無い。


名詞形 speculation は「投機」・(株などの)「思惑買い」・「推測」・「熟考」・「空理空論」の意味(ジーニアスで確認。「熟考」以外はセンチュリーにもある)。

speculator は「相場師」「投機家」の意味。日本でも近年、スぺキュレーターという場合もある(ジーニアスでは片仮名でも紹介している)。


「腐敗する」

rot, decay


rot (ラト)と decay (ディケイ)の意味に違いはない。英語では rot のほうが一般的。

だが単語集では、桐原5500にしか rot がない。

decay は東京書籍4500巻末と、桐原5500と、旺文社1900にある。おそらくだが、rot が大半の単語集にないのは、decay のほうが下記のように「虫歯」にも使えて日本人に使いやすいだろうという配慮だろうか。

「虫歯」a decayed tooth

のように(桐原5500、センチュリー)、一部の表現では慣用的に decay を使う(桐原5500、旺文社1900)。

食品や死体の腐敗にかぎらず、建物の朽ちるようすや、制度などの退廃・劣化するようすまで、rot または decay でそれぞれ表現できる。


単語集にはないが、活用は rot - rotted - rotted と規則変化である(センチュリーで確認)。

だが、形容詞 rotten (「ロトン」)というのが存在しており、「腐った」という意味である。食品の腐敗から、道徳的な腐敗まで、いろいろと rotten で形容できる(ジーニアス、センチュリー)。

a rotten apple で「腐ったリンゴ」である(センチュリー)。

a rotten meat で「腐った肉」である(ジーニアス)。


汚染する

pollute と contaminate

辞書的な本来の用法では、pollute と contaminate には違いはなく、両方とも「汚す」「汚染する」の意味。

辞書にはない情報だが、半導体製造など精密な電子部品の製造では、生産歩留りを低下させる、肉眼では確認できないサイズの微小な異物の混入には contaminate を使うなど、業界によっては contaminate を使っている(出典は特定企業なので挙げないが、ネット検索で「半導体 コンタミ」など調べれば、いくらでも民間企業のホームページが出てくる)。

ジーニアスだけ、contaminate の意味に「不純にする」とあるが、ここでいう「不純」とは不純物の混入のこと。

そのほか、日本では、産業の知的財産の分野では、自身に使用権のない他社・他人の特許権や著作権などが、自社・自分の生産物に混入することも「コンタミ」と呼んでいる。「汚染」というより、混入によって品質低下をさせるようなニュアンスで、「コンタミ」が用いられる。

日本語の「コンタミ」は企業では上記のような使われ方もするが、だが英語では「自動車の排気ガスが空気を汚す」とかにもcontaminate を使っていいし(センチュリー)、「タンカーから流出した油が海を汚す」にも contaminate を使っていい(ジーニアスで確認。旺文社に似た例文)。

海上でのタンカーの石油流出の場合、

contaminate the sea 「海を汚染する」

のように使う(旺文社)。


細菌の汚染にもcontaminate を使ってよく、桐原5500に紹介されている京大過去問の例文が、バクテリア(bacteria)による井戸(the well)の水の汚染である。

単語集では、桐原5500と欧文社1900が contaminate を紹介している。東京書籍は紹介せず。

ジーニアスによると、「汚染血液」contaminated blood という単語も紹介されている。そういうニュアンス。


ほか、政治などの「汚職」や「買収」は corruption である(桐原4500、旺文社1900、東京書籍 巻末)。

形容詞 corrupt で、政府などが「腐敗した」、生活などの「堕落(だらく)した」の意味でもある(東京4500の巻末、ジーニアス、センチュリー)。


「寛容」tolerance とは何か

単語集や辞書によれば、名詞 tolerance は「寛容」だし、動詞 tolerate ~ は「~を寛容する」だが、では英文和訳における「寛容する」とは何かという問題がある。

つまり、類似概念の「許す」(allow など)とか、「我慢する」(endure など)とか、「受け入れる」(accept など)とかとは、「寛容」は何がどう違うのかという問題がある。

そういうのを無視して「寛容」tolerance とだけ和訳を覚えても、使えるようにならない。


高校生物の免疫の分野でいう「免疫寛容」(めんえき かんよう、 immune tolerance )が、半分だけ外来語にすれば免疫トレランス ( immune tolerance )である。 なお、「免疫」は英語で immune である。

免疫寛容については、普通に高校生物の教科書に買いてあるので、それを読め。

ほか、工業高校の機械科で習う、加工精度の「寸法公差」(すんぽう こうさ)が英語でトレランス tolerance である。


図面で寸法をたとえば10ミリとか指示しても、原子1個の違いもなくピッタリ同じ寸法の10ミリに作るのは人間には無理なので、よって、どの程度までなら寸法の誤差を許容できるかという指示が図面などの寸法の指定には必要である。そういう加工の許容差のことを「公差」という。

ジーニアスやセンチュリーの tolerance にも、「公差」が書いてある。


ほかの分野では、辞書によると、医療などにおける薬品などに対する「耐性」や「抵抗性」のことを tolerance という。抵抗では。寛容とは逆の意味のような気もするが、おそらく意味が転じたのだろうか。

こういうのを無視して「寛容」tolerance とだけ和訳を覚えても、近現代の英文学しか読めないし、そういう仕事だったらグローバル企業は英米人の母国語話者に依頼するので、和訳だけ暗記しても欧米での仕事はゲットしづらいだろう

理系の分野では、寛容というより、「許容」と考えたほうが良いかもしれない。

さて、東京書籍4500にtolerate の意味には「・・・を我慢する」とある。桐原5500には、tolerance の意味のひとつに「我慢」とある。

寛容な社会には、その社会の構成員の個々人には、我慢が必要なのである。たとえば、「言論の自由」のある寛容な社会には、自分を批判される言論にも我慢しなければならないというわけである。

寛容は我慢を伴うのは、高校生でも英単語集で tolerance を勉強すれば分かることである。

桐原5500は tolerance の基本的意味を「(宗教・人種などに対する)寛容さ」としている。しかし東京書籍は「彼は誤った日本語の使い方が我慢できない。」という例文でも tolerate を使っている。

なお、1689年にイギリスで信教の自由を認めた法令で Tolerance Act というのがある(ジーニアス)。おそらく桐原5500のは、それを意識した意味説明だろう。またなお1689年はイギリスで『権利の章典』が成立した年。高等学校世界史B/イギリス革命

いわゆる「名誉革命」の一部。

単に、なんとなく我慢するのではない。そこが、endure など他の動詞との違いであろう。

日本の昭和の戦後の高度経済成長時代に、自民党の時の首相の池田勇人(いけだ はやと)が「寛容と忍耐」をとなえたというが(共産党や社会党などとの対立を避けるべし、という文脈)高等学校日本史B/高度経済成長の日本、これはおそらくトレランスの和訳だろう。


領土・領域 territory , realm, area,

領土 land, realm

分野 domain, realm, field


国土とか私有地など、実在する場所的な意味での「領土」「領域」は territory で良い。

一般的に、物理的かつ場所的な意味での「領土」「領域」は territory で良いだろう。

realm (レルム)は、「王国」のような意味があるので、ややニュアンスが違う。

realm は発音注意で、「レルム」と読む(桐原5500、旺文社1900)。


学問の「分野」や、そのほか知識や文化などの「分野」のことは、 domain や field という。(桐原で realm の類義語として filed を確認)

realm は、「新しい領域を切り開く」みたいなニュアンスで、使われる。

よく、学問や思想(the thought)や芸術(the art)の分野を「切り開く」とか「領域を広げる」などの場合に realm が使われ(ジーニアスで「学問」を確認。センチュリーで「思想」や「芸術」)。

「空想の世界」もthe realms of fantasy とか(旺文社)、「想像の世界」も the realm of imagination とか(ジーニアス)、そういう使われかたをする。


domain は、古語では「領土」の意味もあったが(ジーニアス)、今日では territory など別の単語のほうが使われるだろう。

「科学の領域」the domain of science だとか(ジーニアス)、「医学の領域」the domain of medicine のように(センチュリー)、あるひとつの学問全体、または専門分野などの「領域」のようなニュアンスで domain が使われる。

インターネット用語で、ドメイン・ネーム domain name というのがある(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


land は、単語集では桐原3000および東京書籍3000にある。

ジーニアスでも確認したところ、たとえば「私有地」 the private land みたいに、割と普通にも使われる。

なお、「私有地」 estate (発音「イステート」)と一言で言い換えもできる。なお、estate には、「財産」という意味もある。real estate で「不動産」の意味(旺文社1900)。

estate は、親からの遺産や、子への相続などの文脈で、よく使われる(たとえば東京書籍4500および旺文社1900の例文が相続)。

旺文社は estate を発音注意としているが、東京と書籍はしていない。

日本でも、よく不動産会社などで「〇〇エステート」という表記を見かけるだろう。

estate には「地所」(じしょ)の意味もあるが(東京書籍4500、桐原4500)、そもそも「地所」と言われても何であるのか、高校生には分からない。


まとめると、estate の意味は「財産」「所有地」「地所」である(東京書籍4500 「所有地」。桐原4500)。

さて、land の話にもどる。ジーニアスでも確認したが文芸などでは「国」という意味でも land は使われる。なお、単にある「国」について言いたい場合、現代では a country を用いるほうが普通だとセンチュリーは言っている。

もしかしたら、国名でイングランドとかスコットランドとか接尾辞に「ランド」がつくので目にする以外は、なかなか見る機会はないかもしれない。


国のイメージで私有地などはイメージはわきづらいが、しかし land は私有地などでも可能である。

典型的な例文として

「土地の価格」 the price of the land

がある(桐原3000、ジーニアス)。


land は、海に対する「陸」の意味でもあり、海から「上陸する」などの文脈で、land が名詞「陸」および動詞「上陸する」の意味でも使われる(東京書籍3000)。

なお、空に対する「地上」には ground を使う場合と(東京書籍3000)、land を使う場合とがある。このため、動詞 land には「着陸する」の意味もある(桐原3000)。

だからよく、航空事故やハイジャックなどで不時着しそうな飛行機をなんとか着陸させようとする際に、「ソフト・ランディング」とか「ハード・ランディング」とか言う。ジーニアスで派生名詞 landing を見ると、a soft landing および a hard landing は書いてある(ジーニアス)。

株式市場などでの暴落・高騰や恐慌などパニック的な市場変化に対する対応などで、急激かつ短時間に強硬的に対応するのを「ハード・ランディング」などというし、逆に時間をかけたりして市場の反応をみつつショックの少ないように対応しようとするのを「ソフト・ランディング」という(経済学的には細かな定義は違うかもしれないが、英語の教科書なので深入りしない)。

ジーニアスで、英語でも、経済などでも soft landing や hard landing を使う。

なお、飛行機が「離陸する」は take off である(東京書籍3000)。

「風景」 landscape や、「雪景色」snowscape など、ついでに覚えておきたい(旺文社1900に landscape など)。

「地雷」mine は landmine とも言う(旺文社1900)。なお、「鉱山」を意味する mine と、「地雷」を意味する mine は、同じスペルで同じ発音(旺文社1900)。


財産

estate, property, fortune


property (プロパティ)には「財産」の意味もあるが、「所有権」の意味もある(旺文社1900巻末)。

なるべくpropertyは「所有権」で覚えよう。

「財産」なんぞ、estate(イステート) や fortune(フォーチュン) でも言える。


そのほか、パソコン用語で「プロパティ」などの用語があるが、説明を省略。



合体

integrate, synthesize

企業合併 merge

組み合わせる combine(コンバイン)


  • synthesize

化学合成するのは synthesize である(旺文社1900)。

なので旺文社1900では「合成する」で synthesize を紹介している。

形容詞は synthetic 「合成の」である。

東京書籍いわく、 synthetic chemicals 「合成化学製品」とのこと(東京書籍4500 巻末)。

単語集にはないが、音楽の電子音楽をつくるのに使ったりするシンセサイザーも英語で synthesizer である(ジーニアス、センチュリー)。たぶん音楽の教科書なら紹介があるのだろうか。

辞書をみても、特にintegrate ほかの類義語とは紹介していない。

  • integrate

単語集にはない説明だが、数学の微分積分の「積分」は integral (インテグラル)である。

よくある例文が、複数のアイデアの統合で、

integrate my ideas with ~(別アイデア)

みたいにして、「~の考えを私のアイデアと統合する」のように使う(センチュリー、旺文社)。

integrate 〇〇(アイデアA) with □□(別アイデア)

のように使う。

ジーニアスでは、ヨーロッパ連合 EU の統合を integrate で説明しているが、しかし Union だから unite ではないかという疑問がある。


「企業合併する」は merge である。なお、名詞形は merger である(桐原5500、旺文社1900)。

「M&A」(発音「エム・アンド・エー」)で「合併買収」を意味する、経済の専門用語である。日本でも新聞などで広く知られているので、merge も英単語として覚えておこう。

M&A は merger and acquisitions の略である(旺文社)。


なお、単語集にも辞書にもない、パソコン用語で merge は基本的な操作のひとつで使われている。いわゆるコピーペースト時の同じ名前のフォルダの「統合」でmergeを使う。

同じ名前のフォルダを上書きコピーする場合に、もとのフォルダ内にあったファイルを残したまま、新規ファイル側で追加されたファイルも「統合」できるが、この動作も、merge である。

たとえば、USBメモリ内にフォルダ名「新しいフォルダ」をつくって、そこにファイルをいくつか入れて、たとえば「aaa.txt」「bb.txt」を入れておく。

USBメモリでなく、パソコン側で、別に「新しいフォルダ」をつくっておき、そこに「cccc.txt」を入れる。


パソコン側の「新しいフォルダ」をマウスの右クリックでコピー選択して、それをUSBメモリに貼りつけると、フォルダ名が同じなので、フォルダが統合されて(merge されて)、 、つまりUSB側のフォルダに「cccc.txt」が追加される。

結果的に、 USBメモリ側のファイルの中身は、「aaa.txt」「bb.txt」「cccc.txt」の3つになる。

こういうのがmerge 。要するにフォルダの統合のこと。


combine (コンバイン)は、合体ではなく「組み合わせる」。

名詞形のcombination (コンビネーション)は「組み合わせ」の意味である

コンビネーションは、別に合体してひとつのものになるわけではなく、組んでいるのが人間どうしなら、たまたま一緒に行動していたりするだけである。

あとで用事が済んだら分かれるわけである。なので合体とは違う。


牢獄・監獄

prison ,jail


その牢獄が prison か jail なのか、アメリカ英語かイギリス英語かで違ったり、また拘置所か刑務所かで違うので、深入りしなくていい。

旺文社が jail を紹介している。

辞書で確認したところ、prison と jail の両方とも、それぞれ刑務所と拘置所の意味があるので、日本人には区別は難しい。


高校生としては、単に、prison と jail の2つの言い方があることだけを知っていればいい。

東京書籍には break out prison で「脱獄する」だが、しかしセンチュリーいわく break prison でも通じるとのこと。


「囚人」(しゅうじん)はprisoner である(東京書籍4500、桐原4500)。

prison のほうが、派生名詞 prisoner で「囚人」も言えるからか、桐原と東京書籍の単語集には prison のほうしか紹介していない。

go to prison で「入獄する」である(桐原)。

ほか、

be in prison 「刑務所に入っている」(旺文社、センチュリー)

たとえば

She is in prison. 「彼女は刑務所にいる。」

である。

なお、ジーニアスは be in prison を「服役中(拘留中)である」と和訳している。


poison, toxin


「毒」の一般的な単語は poison である(東京書籍1800、桐原4500、旺文社1400(緑本))。辞書では特に名言されてないが、poison を紹介している単語集のレベルや配置からそう考えるべきだろう。

poisonで、「毒」「毒薬」などから(ジーニアス、センチュリー)、さらには社会への「害毒」なども表現できる(センチュリーで確認)。

東京書籍1800に poison がある。初等的な単語として扱われている。


toxin (トキシン)は、たとえばフグ毒のテトラドトキシンのように、毒の成分の名前などで出てくる。

だから toxin は「毒素」という訳がふさわしい(ジーニアス、センチュリー)。

単語集にはテロラドトキシンは書いてないが、このように英語の理解には理科的な知識も必要である。

なお、フグ毒の成分のあれは「テトラド・トキシン」と発音する。けっしてテトラ・ドトキシン(×)ではないので注意。


単語集には形容詞 toxic 「有毒な」が書いてあるが(東京書籍4500、旺文社1900)、形容詞 poisonous 「有毒な」との区別が難しい。

だから名詞 toxin 「毒素」を基準に覚えるべきであろう。

単語集にはない語だが「毒物学」は toxicology である(ジーニアス、センチュリー)。

旺文社1900と東京書籍に toxic の意味で「有毒な」のほかにも「中毒性の」が紹介されているが、しかしジーニアスやセンチュリーでは確認できなかった。



驚かせる

surprise, astonish , startle

驚いた amazed ,surprised , astonished


まず、「驚かせる」の一般的な単語は surprise である。

surprise は意味が広く、たんに「びっくりさせる」から、「驚異的な~」「おどろくべき」みたいな形容でも surprising などが使われたりと、意外と意味が幅広い。

いっぽう、単に、「とても びっくりした」だけなのが startled (過去分詞)である。現在形だと startle になる。ただ、意味が強いので、かなり大きな出来事がないかぎり、 軽々しく startle を使うのは問題。

ジーニアスは、「彼女の急死の報に接して私はびっくりした。」という例文で startleを使っている。

センチュリーは、ほかの文で「仰天する」とか訳している。


be startled 「びっくりした」

のように、surprised などと同様に startle でも受け身形でびっくりしたことを表す。


astonish は、surprise よりも意味が強い。だが astonish の用法・用例は surprise とほぼ同じ。

be astonished 「驚いた」

である。


amazed も「驚いた」の意味である。

なお、スペルの似ている amused「楽しそうな」とは違う単語である。混同しないように。

amazing「すばらしい」の意味なのに、amazed「驚いた」と例外的な用法である。


ほかの感情系の単語はそうではなく

amusing「楽しい」→ amused「楽しそうな」

boring 「うんざりさせる」→「うんざりした」

disappointing「がっかりさせる」 → disappointed 「がっかりした」

exiting「興奮させる」→excited「興奮した」

interesting 「興味深い」→ interested 「興味を持った」

surprising「驚くべき」→surprised「驚いた」

tiring 「つかれさせる」→ tired 「疲れた」

である。

tired だけ例外的に感情とは限らないですが、上記のamuse からsrprised までの ~ing → ~ed の単語は基本的に感情にかかわる単語です。


文法事項だが、前置詞 to の用法で、

「(私が)失望したことに、」 To my dismay,

である。

To my ~ では、名詞形を使う。

だから、To my surprise, 「驚いたことに」とか、To my relief 「安堵したことに」のようになる。


fire, flame ,

特殊な強い火 blaze

停止する cease, suspend


「火」の意味での fire と flame の違いは不明。辞書を見ても、特に言及は無い。

fire には、単純な「火」のほかにも、火事の意味や、軍隊などの「射撃」命令の意味もある。

辞書を確認したかぎり(ジーニアス、センチュリー)、別に flame のほうが火力が高いとか低いとか、そういうのは無い。

fire と flame の両方とも、「情熱」や「熱情」などの意味もあるので(センチュリー、ジーニアス)、ふつうの日本人には、そこからは区別はつかない。


名詞 cease-fire で「停戦」の意味(東京書籍4500、ジ-二アス、センチュリー)。

cease (シース)は、しばらく続いていたものが「停止するの意味」である。このため、単なる停止とは違うので、stop とは違う。単に固い言い回しなだけではない。

cease は停戦のほか、工場などでの製品の生産中止などにも使われる(ジ-二アス、東京書籍)。


cease production 「生産を中止する」(ジ-二アス、東京書籍4500)

または

cease producing ~(製品) 「~の生産を中止する」(桐原4500)

ほか、cease to exist で、国や村などが「消滅する」の意味(旺文社、ジ-二アス)。

なお、「しばらく」は英語で for a while などがある。


なお、停学とか運転免許停止だとか、処罰的かつ法的な「停止」には、よく suspend が使われる。

suspend one's driver license 「~の(one's) 運転免許を停止する」(東京書籍、旺文社)


経済制裁による貿易停止とかも、suspend で良い。

処罰にかぎらず、鉄道や飛行機などが悪天候や他者の事故などで停止している場合も、 suspend が使える(ジ-二アス、センチュリー)。ジ-二アスでは、こちらのほうを第一の意味にしている。

こういった「停止」の意味の名詞形は suspension (サスペンション)である。


小説などのサスペンス作品も、語源は suspend である。サスペンス suspense の意味の変遷はおそらく、

停止されていた未解決 → 結果が分からない → ハラハラする → 不安になる

のような意味の変遷だろう。


旺文社1900に、英検準1級の単語として、blaze (ブレイズ)が書いてある。東京書籍4500および桐原4500・5500は blaze を紹介していない。

このように、英検の出題範囲と、大学入試との出題範囲とは異なる。英語の勉強では、自分の目的に適した教材を選ぼう。

ジー二アス・センチュリーによると、blaze とは flame よりも強い火のこと。ほか、強い光にも blaze を使うとのこと(ジー二アス、センチュリー)。

夕暮れ(ジー二アス)やカエデの紅葉(センチュリー)などで辺り一面が赤く染まって見えるような場合にも blaze を使う(ジー二アス、センチュリー)。


なお、動詞 fire には「解雇する」の意味もある(東京書籍3000、ジーニアス)。

受身形で

be fired from ~(会社など) 「~(会社など)を解雇される」

の意味である(東京書籍3000、ジーニアス)。

解雇の意味では東京書籍にしか書いていない。桐原3000は「発射する」までは書いてあるが、解雇はない。旺文社1200に至っては、火しかない。

しかし、啓林館の検定教科書 "Revised ELEMENT English Communication II" にある、スティーブ・ジョブス(米アップル創業者)の伝記に、解雇の fire が書いてある。



編集・編纂(へんさん)

edit ,compile


辞書を「編集する」場合、compile (コンパイル)で表す(ジーニアスで確認)。

compile a dictionary 「辞書を編集する」

である。桐原5500の例文も、辞書の編集である。


旺文社は音楽アルバムの編集をcompile で書いているが、どうなんだろう。

旺文社によると、

歌手のライブ録音 → 音楽アルバム

という変換の過程が compile らしい。


とりあえず、「編集」の一般的な語は edit だと思っておけば良いと思われる。


ほか、コンピュータに compile という単語があるが、意味が少し上記とは違うので、説明を省略。



割り当てる

assign, allocate


慣用的に、assign は仕事や課題そのものを割り当てるのに使い(桐原4500)、allocate は仕事またはその他の何らかの目的のために必要な予算などを割り当てるのに使うが(旺文社)、

しかし実はassign でも予算の割り当てをできる(センチュリーに部屋をあてがわれる例文あり)。

よって、入試には、これらの正誤判定問題は出ないだろう。


ただし、名詞形 assignment は、割り当てられる「任務」や「課題」のことである(旺文社、東京書籍)。東京書籍の訳が「任務」。

だから、普通、人間に仕事を割り当てるには、 assign を使う。

その証拠に、範囲外だが、名詞 assignee は、分担されるなどした各仕事のそれぞれの「担当者」のことである。もっともジー二アスにはその意味が書いてないが、しかしジー二アスが古いだけである。なおジー二アスには assignee は「権利・財産などの譲り受け人」と書いてある。

「担当者」の意味がウソだと思うなら、たとえば 海外のオープンソース・ソフトウェアのバグ報告サイト( Bugzilla (バグジラ)など)に確認しに見にいってみればいい。バグ一覧表で、報告されたモジュールの担当者の列の一番上に assignee と書いてある。

また、各バグの題名の列には summary と書いてあり、1~2行で報告者は、バグの内容をまとめている。英語 summary はこういうふう1~2行の要約にも使うので、日本語「要約」とはニュアンスが実は少し違う。


同様に、名詞形 allocation は、割り当てられる「配分」のことである(旺文社)。


普通、 assign ~(仕事) to 〇〇(人) で「〇〇(人)に~(仕事など)を割り当てる」


桐原4500・5500に allocate は無い。センチュリーのallocate には例文が無い。東京書籍4500は巻末でallocateを紹介。

市販の教材では、allocate は紹介の少ない単語である。


たとえばLinuxなどのOSのインストール要件に「ドライブに20GBの空き容量が必要」というソフトなら

20GB unallocated drive space

とか書いてあったりする。こういうふうに allocate は使う。

「まだWindows 用に割り当てていない空き容量がドライブに必要ですよ。」というニュアンスがある。いくらWinodws内で空き容量があろうが、そこはWindowsに割り当てされてしまっているので、Linuxのインストールには使えないというニュアンス。


迷路

maze, labyrinth

a maze of ~ で「迷路のように複雑な~」という意味(旺文社、ジーニアス)。

同様に

a labyrinth of ~ で「迷路のように複雑な~」という意味(ジーニアス)。


よって、スペル以外に区別のしようがない。


センチュリーで labyrinth を見ても、例文が無い。

ジーニアスで maze と labyrinth を見ても、特にニュアンスの違いは書かれていない。

よって、ほぼ maze と labyrinth は同義語だとみなせるだろう(ジーニアスmaze および旺文社 maze でも類義語としている)。


勝利

victory, triumph


名詞としての triumph (トライアムフ)は、「大勝利」「大成功」である(東京書籍4500、センチュリー)。

けっして、単に victory の固い言い回しなだけではない。

翻訳の都合で、triumph の訳が場合によっては単に「勝利」とだけ訳す場合もあるが(ジーニアスにそういう訳もある。また旺文社の訳が単に「勝利」)、しかしそれだと victory との区別を理解しづらくなる。

なので、まずtriumph は「大勝利」「大成功」と覚えるべきである。ジセンチュリーでも、基本的な意味は「大勝利」「大成功」だと説明している。

また、「(大)勝利の喜び」「(大)勝利感」などの意味もある。


triumph は動詞もあり、「勝利する」の意味である。(動詞 win の類義語。)

ジーニアスを見た限り、大勝かどうか分からない勝利でも triumph を使われている。

なので入試では、正誤問題は出ないだろう。

桐原5500で「勝利主義」triumphalism が紹介。victory とのニュアンスの違いについては、桐原のは参考にならない。


怖がる

afraid, frightened, scared


動詞 frighten で「怖がらせる」の意味。

afraid は be afraid of ~ 「~を怖がる」など、普通は SVC文型でのみ使う。


「おびえているネコ」は a frightened cat である(ジーニアス)。

an afraid cat (×)は不可。


名詞の修飾のために、形容詞をその名詞の直前で使う用法のことを「限定用法」という。

限定用法では、frightened を用いなければならない(ジーニアス)。


一方、

be frightened of ~ 「~を怖がる」

は可能である(桐原4500、)。


動詞 frighten のほうは、意味が一時的に「怖がらせる」の意味である。しかし形容詞的な過去分詞 frightened のほうは、習慣的に「イヌが怖い」のような例文もあるので(ジーニアス)、必ずしも一時的とは言えない。

センチュリーでも、「政府が税金を上げるのではないかと恐れている」という例文で frightened が使われており、一時的とは言いづらい。

ほか、名詞 fright で「恐怖」の意味(東京書籍、旺文社)。


東京書籍1800 では、「おびえた」を scared (スケアード)で教えています。

動詞 scare は「怖がらせる」の意味です。frighten や frightened よりも、 scare および scared のほうが口語的です(ジーニアス)。なので、scared を「びっくりした」と訳す場合もあります(桐原3000の例文、ジーニアス)。

実は1990年代には、scared は高校教育では基礎レベルでは教えていません。90年代の昔は afraid で高校英語を通していました。

もっとも、scared も be scared (+ of ~) でしか使えないです。現代の私たちは、さっさと frighten を覚えたほうが効率的です。

名詞を修飾する用法は、辞書で調べたかぎり、ないです(ジーニアス、センチュリーで確認)。

まあ、afraid は be afraid of でしか使えないので、教育が scared に置き換わったのでしょうか。


どうしてもscare を覚えるなら、単語集にはないですが、田畑にある「カカシ」 scarecrow (発音「スケアクロウ」)を覚えると頭良さそうに見えるかもしれません。

カカシで、カラス(crow、発音「クロウ」)などのトリをおどろかす(scare)から、英語でカカシをscarecrow というわけです。

なお、ネコ、ワシ、タカなどの鋭い「爪」はclaw ですし、発音は「クラー」です。混同しないように。


障害者

handicapped, disabled


可能にする enable. allow


障壁と障害物 barrier, obstacle


障害者はもともと、17世紀にイギリスで生まれたゲーム hand in cap が語源で、

それから

handicapped (ハンディキャップド)

と呼ぶようにしていましたが(ジーニアスでも時期は書いてないが古いゲームが語源だと確認できる)、物乞いの帽子を使った動作(cap in hand)と勘違いするとのことから、ほかの言い回しになりました。


challenged や disabled などが提案され、現在は disabled が言い換えとしては主流のようです。少なくとも東京書籍3000では、challenged は、disable の項目の関連語の一部として紹介しているにすぎません。

桐原4500の単語集には challenged は見当たりませんが、名詞形 disability は見当たります。

なお、東京書籍3000 の disabled の項目に、challenged 「体の不自由な」(アメリカ英語)も書いてあります。東京書籍いわく、challenged はアメリカ英語とのことです。相対的に disabled はイギリス英語です(東京書籍3000)。


単語集 disabled には書いてない話題ですが、

もともと、

動詞 enable ~ 「~を可能にする」という単語があります。enable は「エネイブル」と読みます。

それの対義語が disable 「~を不可能にする」です。disable は「ディセイブル」と読みます。このようにenable と disable とは、対(つい)になっている語です。(単語衆には書いていないですが。)


なので、本来なら、たとえば機械などで「機械の設定を変えて、~の操作を不可能にする」とかでも disable は使います。実際、インターネット上にある未翻訳の海外フリーソフトなどを使うと、設定の切り替えページなどで、普通に enable や disable などがあります。

たとえば、

「リモートアクセスを無効にする(=そのパソコンをネットからはリモートアクセスできないようにする)」 disables remote access

みたいに使うわけです(wikiオリジナルの例文)。


逆に、機能を使用できる状態に設定するのが enable です。


一方、機能の使用を禁止する状態に設定するのが disable です。

センチュリーに、disablement の項目で「機械・システムなどの無作動」と書いてある(センチュリー)。

本来、語源どおりにdisable や派生の単語を考えれば、「できなくする」「できない」のような意味です。しかし辞書では、disability は、障害者の「障害」のことを言います。


そもそも、古くは crippled「手足などの不自由な」「ダメになった」という言い回しが差別的であると考えられ、それで handicapped になったのです。

さて、disabled も crippled も本来の意味は、口語的かどうかのニュアンスの違いはあれど、似たような意味です。

障害者を challenged という言い換えは、アメリカのマスコミなどが1990年代に喧伝したので、日本でもよく知られていますが、しかし日本での知名度の割には、実際には英米ではあまり普及していない言い回しのようです。

英米では、「障害者」を表す単語としては disabled のほうが普及しているようです。

ジーニアスいわく「障害年金」は disability pension です。旺文社1900いわく、「傷害保険」は disability insurance です。

単語集にも blind は載っています(東京書籍4500、旺文社1400(緑))。


また、上述の薬効テストで、用いられる偽薬(ぎやく)のことを placebo (プラシーボウ)と言うのですが、旺文社1900の単語集で placebo は紹介されています。


新薬などの病院での実験では、薬効テストにおいて対照実験のために、効果のないニセの薬も投与してみるのです。医者はニセの薬だと知っていますが、投与される患者は知りません。そのような薬効テスト目的でのニセの薬のことを日本では「プラシボ(またはプラセボ)」といい、英語でも placebo 「プラセーボウ」と言います。

また、新薬のテストや、その他の医療における各種の新式の治療法のテストは、最終的には病院の現場で、医師とともに実験をじっさいに行わなければなりません。そういった、病院の現場でじっさいに行う実験のことを臨床実験(りんしょう じっけん)といい、英語では薬の臨床実験のことを the clinical trial と言います(旺文社、ジーニアス英和 clinical)。

薬以外の臨床実験は英語でどう言うのかは知りません。ジーニアス英和のclinical の項目には「(薬の)臨床実験 ~ trial」とだけ書いてあります。


高校生に有名な単語をあげれば、目の「盲点」(もうてん)は blind spot です(東京書籍4500)。

目隠しのブラインドは、英語でも blind です(旺文社1400、ジーニアス)。

アメリカ英語では window-shade あるいは単に shade とも言います(ジーニアス)。

なお、耳が身体障害などで不自由なのは deaf (デフ)です。deaf は発音注意です(旺文社1400)。デイーフではないです。


なお、「摂食障害」を an eating disorder といい、「精神障害」を a mental disorder という(ジーニアスで確認)。このように disorder には、健康上の~「障害」の意味もある。なお、桐原4500と旺文社1900の例文が、この~障害である。


障害物競走みたいな「障壁」みたいなのを言う場合は barrier です。

典型的な例文が、

a language barrier 「言葉の壁」(東京書籍3000、旺文社1400(緑))


より抽象的な「障害物」は obstacle です。

なお、東京書籍4500、グランドセンチュリー、緑鉄が、obstacle と「克服する」overcome を同じページ内でそれぞれ紹介。

ただし、桐原・旺文社の例文を見ると、必ずしも個人の心の成長で解決するような障害とはかぎらず、よってobstacle が個々人の「克服」の対象とも限らない。


薬(medicine )の話ついでに、

「丸薬」「妊娠中絶薬」pill

「錠剤」tablet

「カプセル」capsule

「粉薬」powder

である。


「可能にする」は enable のほかallowもあります。

しかし、旺文社1200 以外は紹介していません。どうも、あまり他社は allow の「可能にする」の用法の紹介に、乗り気でないようです。

用法としては、

allow 人 to do 「人が do するのを可能にする」

です。doの場所は任意の動詞に置き換え。

べつに、権限などの許可を与えることで可能にする場合以外でも、かまいません。

たとえばグランドセンチュリーいわく、「直行便だとロンドンへ約13時間で行ける。」という文の英語でも allow が使われています。(著作権で英文は省略。)


しか旺文社1200の例文は、「このパスワードで、あなたはこのコンピュータを使うことができます。」という、なんだかセキュリティ権限みたいな話なので、「許可」っぽいニュアンスです。

なお、IT用語では、こういうセキュリティ権限を表す用語としては「パーミッション」 permission を使う。

ITに限らない 動詞 permit の用法については『、高等学校英語 英単語/類義語 4500語レベル サブページ10』で説明済み。

permit は桐原4500・東京書籍4500にもある、れっきとした高校英語である。


きちんとした

neat, tidy


neat(ニート) も tidy(タイディ) も、両方とも身だしなみのいい服装や、整頓された部屋などに用いる。

このため、区別は難しい。

それどころか neat and tidy でセットで用いて「きちんとした」という意味で使われることも多い(桐原4500、センチュリー、ジーニアス)。

The room is neat and tidy. 「その部屋は整頓されている。」

のように用いる(桐原・センチュリーに似た例文)。


このようにセットで用いられることすらも多い単語なので、日本人としては、ことさらに neat と tidy を区別する必要は低いだろう。少なくとも大学受験レベルでは、区別の必要は無い。実際、桐原はセットで neat の項目に tidy も紹介しているし、東京書籍は巻末で neat だけ紹介するという巻末送りの扱いなほどである。


発音の似ているNEET(34歳未満の無職者)とは意味が違うので(旺文社1900)、区別のこと。


neat と tidy の相違点としては、


neat の場合、辞書を調べると、仕事の「手際のいい」という意味もある。

典型的な例文は

a neat job 「手際のいい仕事」

である(センチュリー、ジーニアス)。

このためか、neat には「見事な」という意味もある(旺文社)。


unfold 閉じてあったものを「広げる」

(※ 範囲外)展開 develop, extract


unfold という動詞があり、閉じてあったものを広げる、という意味である。

たとえば

unfold the map 「地図を広げる」

が典型的だろう(旺文社、東京書籍)。とじてあった、地図や手紙などを広げるのに、unfold を使う。

unfold the letter 「手紙を広げる」


旺文社には、これが「開く」で書いてある。

ジーニアスやセンチュリーでも、unfold の意味で「広げる」のほか「開く」でも書いてあるので、「開く」でも間違いない。

ただし、open とはニュアンスが違うので、注意しよう。

逆に、手紙や地図などを折りたたむのは fold である(ジーニアス、センチュリー)。


聞きなれない単語かもしれないが、しかし私たちはパソコンのフォルダー(folder)を知っている。このfoder も折りたたみ書類のような意味である。思い出そう。

unfold や fold で開いたり閉じたりするのは、手紙や地図などの読み物でなくともよく、服などを折りたたみでも fold を用いてよいし(センチュリー)、傘の折りたたみでもよいし(センチュリー)、布団を折りたたむのにも fold を使ってもいい(ジーニアス)。


さて、高校の範囲外ですが、辞書にはない用例ですが、算数などで習うサイコロの展開図は、development です。

数学で式の「展開」などを develop といいます(これはジーニアスなど辞書にあります)。

「先進国」は developed country です(桐原3000)。「発展途上国」は developing country です(桐原3000)。読者は、現在形 develop を基準に、過去に発展していて既に先進国だから過去分詞で developed country となるという語感をつかんでください。

しかし、「先進国」は advanced country だと、Z会『速読速聴・英単語 Core 1900』は言っています[2]

啓林館 Vision Quest I(P.111) が「先進国」は developing country あるいは advanced nation だと紹介しています。

なお、パソコンのファイルの圧縮・展開などでいう「展開」は extract です。食品などの濃縮物の意味の「エキス」の意味の extract と同じ単語です。


桐原4500および旺文社1400(緑本)によると「社会問題」 social problem とのことです。東京書籍では東京書籍3000に social があります。

ほか、「社会主義」socialism です(旺文社1400)。


パソコン用語など


パソコン用語など、現代では高校の範囲外でも、年月が経つと高校教育に降りてきますので、なるべく関連づけてパソコン用語なども覚えておきましょう。

実際、 E-mail や Internet などの単語は、すでに中学・高校の単語集にあったり、または検定教科書で見かけることすらあります。

例文として

send email 「Eメールを送る」

で通じます(桐原EMPOWER 2 ,P47)。

東京書籍1800によると、チャット chat、インターネット Internet、「オンラインの」online、ウェブサイト website 、というネット用語もありますし、

キーボード keyboard、マウス mouse などの入力機器もありますし、

プロジェクター projector、スキャナー scanner、デジタルカメラ digital camera、などの外部機器もありますし、

スマートフォン smartphone などの電話もあります。

なお、camera は発音「キャメラ」です。


旺文社1900によると、ツイッター twitter という単語すら紹介されています。特定企業のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の商標すら、大学入試の英単語の文中に出ているのが実状のようです。すでに検定教科書の桐原 EMPOWER 2 ,P46 で、SNSという単語を見かけました。

なお、SNS は Social Network Service の略です。

「SNSにメッセージを投稿する」も

英語で

post a message to SNS

で通じます(桐原EMPOWER 2 ,P20)。というか、そういうインターネット英語を和訳した結果、日本語でもネットに「投稿する」(= post )と言うように言うようになったのでしょう。

桐原3000によると、もうセンター試験でも既に、ウェブ上の「リンク」link とか、インターネットへの「アクセス」 access や、テキストデータなどの text や、セキュリティソフトなどの security や、暗証番号などのコード code などの単語も、出題されているとのことです。

メインメニューでの「オプション」 option などの単語もセンターにあるとのこと(桐原3000)。

コンピュータ知識は直接は入試に出なくても、こういうふうに狙われますので、これからの時代に必要になるだろう最新技術の単語は、きちんと勉強しておきましょう。


桐原3000によると、すでにセンター試験に「ログイン 」 log in が出ているようです。『センター試験スクリプトでチェック』という章に log in という単語があるので、たぶんセンター出題されたのだと思います。

会員制サイトなどに接続することを、「ログインする」と言います。「ログオンする」と言う場合もあります。

また、自分のパソコンにパスワードを設定している場合は、パソコンの電源を入れて立ち上げたときにパスワードを入力することも、「ログインする」・「ログオンする」などと言います。

これは英語でも

log in 「ログインする」

または

log on 「ログオンする」

です(桐原3000)。

中学校あたりの技術の授業で、「パスワード」という概念を習っているはずですので、授業をまじめに聞いていれば「ログイン」・「ログオン」などの用語も知っているはずです。


ほか、まだセンター試験・共通試験にないだろう単語ですが、

テレワーク teleworking

リモートアクセス remote access

なども、英語です(ジー二アスで確認)。


なお、テレビなどの操作のためのリモコン装置の「リモートコントール」 remote control も、英語です(ジー二アス、センチュリーで確認)。すでに2008年の段階で teleworking はジー二アス英和に存在しています。

テレビ電話などを用いたテレビ会議などの「遠隔会議」は teleconference (テレ・カンファレンス)などと言います(ジー二アスで確認)。

近年(2022年に記述)、検定教科書では、社会科の公民科目や地理科目のほうで、テレワーク・リモートワークなどの話題がちらほら紹介されています。なので先手を打って、テレワークなども英語であることを知っておきましょう。

流行語っぽくもあるので、もしかしたら細かい言い回しとかが将来的に少し変わる可能性もありうるので、細かなスペルまでは暗記する必要は低いでしょうが。


なお単語集では、 remote は「人里はなれた」の意味で4500語レベルあたりで紹介されています。山奥の村などが、市街地からは remote みたいな例文です。


ほかの単元「連結に関する言葉」で説明しますが、connect と link の違いもあります。

link はIT用語のほかにも、動詞「関連付ける」や名詞「関連」の意味もある(東京書籍4500、旺文社1900)。こちらのほうで出題される場合もありえます。


IT用語としての用法は、動詞 connect は、たとえばテレビをパソコンにつないだり(東京書籍)、テレビをインターネットにつなぐ(旺文社)のに使う動詞。

connect the TV to the computer 「テレビをパソコンにつなぐ」

なお、道路やトンネルで2地点を結びつけるのにも connect を使う(桐原およびグランドセンチュリーはトンネル、ジーニアスは道路)。

なんか細いケーブル的なもので2つのものをつなぐのが connect っぽい。

connect A to B 「AをBにつなぐ」(東京書籍)

旺文社だと、to でなく with でも良いとのこと。つまり、

connect A with B 「AをBにつなぐ」

でも良い(旺文社)。

桐原だと、そもそも構文としては紹介していない。桐原は例文で with を使っているだけ。

IT用語・ネット用語としての connect と link の違いは、

connect = LANケーブルみたいに、ハードウェア的(ソフト的にはOSあたりまでか)に通信ができる状態にもっていく

link = ネット内での、クリックしたら目的のサイトに飛ぶなどの機能


洗う

wash, launder


まず、「洗う」(あらう)の一般的な単語は wash である。

wash で、洗面台などで手や顔を洗うことも言えるし、風呂で体を洗うことも言えるし、衣服を洗濯機で洗うことも言える(ジーニアス、センチュリー)。


launder (ロウンダー)は、名詞形では laundry (ローンドリー)だが、日本では有料の洗濯機のお店としての「コインランドリー」などの外来語で有名である。


名詞 laundry は「洗濯」「洗濯物」「クリーニング店、洗濯屋」と「資金洗浄」の意味である(ジーニアス、旺文社1900)。

旺文社1900が、launder を紹介している。東京書籍3000・4500と桐原3000・4500では launder では見つからない。


外来語では洗濯屋は「ランドリー」だが、英語の発音ではローンドリーである。

犯罪組織などによる「資金洗浄」をマネーロンダリングというが、それも同じlaundry 由来の単語をもちいた money laundering である(旺文社1900)。

なおジーニアスにもlaunder に資金洗浄の意味もあるとは書いているが、残念ながらマネーロンダリングの単語が確認できなかった。

ともかく、コインランドリーの「ランドリー」とマネーロンダリングの「ロンダリング」は、英語では同じ laundry という単語のことである。

こう覚えれば、記憶の負担が減る。日本語の表記に惑わされてはいけない。

launder は、衣服の洗浄、または資金の洗浄にしか使えない。

launder で辞書を見ても、手足の例文はない。


なお、「洗濯機」は washing machine である(ジーニアス)。


旺文社いわく、 do the laundry でも「洗濯する」を言えるとのこと(旺文社1900巻末)。


家電

すでにセンター試験などに

洗濯機 washing machine

冷蔵庫 refrigerator

電子レンジ microwave

が出でいるらしいです(桐原3000)。桐原3000『センター試験スクリプトでチェック』章


センター出題では「電子レンジ」は microwave ですが、本来は microwave oven です[3]

桐原5500いわく、"microwave" は本来、電磁波(electromagnetic wave)の一種の「マイクロ波」(microwave)のことです[4]


冷蔵庫は、けっして冷凍庫 freezer とは混同しないようにしましょう。

microwave は物理学の「マイクロ波」と同じ単語ですし、それがもとの意味です(ジー二アス)。きちんとジー二アス英和の microwave の項目に「マイクロ波」と書いてあるので、もとの意味から覚えましょう。そのほうが応用が利きます。

「電子レンジ」は電波周波数がマイクロ波あたりの周波数で加熱する調理器だから、英語では microwave と呼んでいるのです。



復讐する

revenge, avenge

単語集では旺文社1900しか revenge, avenge を紹介していない。


スポーツの「雪辱戦」(せつじょくせん)では、名詞または動詞として revenge を使う。日本でも、よくプロ格闘技などの試合で、雪辱戦のさいに「リベンジ」などという表現が使われることもあるだろう。

なお、revenge で動詞「復讐する」にもなるし、名詞「復讐」にもなる。


take revenge on ~(人)  「~(人)に復讐をする」

である(旺文社、ジーニアス、センチュリー)。


avenge は、正義のために「復讐する」とか(旺文社)、他人のために「復讐する」(センチュリー)のような意味合いが強い。

なお、avenge は動詞「復讐する」の意味のみ。辞書を調べたところ、avnenge に名詞はない(ジーニアス、センチュリー)。


奇妙な

strange, weird ,bizarre

関連語 odd 奇数の,

peculiar


「奇妙な」を意味する一般的な語は strange のはず(特に確認はしていない)。

weird (ウェアード)は、口語的に使われ(センチュリー)、「変な」「妙な」「わけの分からない」とかの意味で使われたり(センチュリー)、「風変わりな」「奇妙な」「気味の悪い」の意味でも使われる(ジーニアス)。


weird は、用法によっては、「気味の悪い」とか(ジーニアス)、「不気味な」「異様な」の意味もある(センチュリー)。

慣用句で

weird and wonderful 「奇妙きてれつな」

の意味(旺文社、ジーニアス)。

bizarre (ビザール)は、「風変わりな」「奇怪な」のような意味(ジーニアス、センチュリー)。

不気味とまではいかなくとも、ジーニアスにもセンチュリーにも bizarreに「奇怪な」という訳語もある。


「不気味」と「奇怪」のニュアンスの違いを高校生に問われることもないだろうし、受験対策としてはニュアンスには深入りの必要はないだろう。そもそも、これらの語を使われる対象自体が風変わりであったりして、ニュアンスはなかなか読み取りづらいだろうから、入試では深入りする必要はないだろう。

そもそも東京書籍4500は weird も bizarre も紹介していない。

なお、桐原5500は「変人」weirdo (ウィアードウ)を紹介している。

「変人」も、それを単語がいくつかあり、桐原5500によると、eccentric, weirdo などの単語があるとのこと。


odd (オッド)「奇妙な」という単語もあるが、日本人には使い分けが難しい。

ジー二アスには strange との違いが書いてあるが、しかしセンチュリーの例文とは見解が一致していないように見える。このため、本ページではジー二アス見解を紹介しない。

odd は数学の「奇数の」という意味もある(桐原4500・東京4500)。なお、「偶数の」は even である。

つまり

奇数 odd ⇔ even 偶数

である。

odd については、strange で済ませられる「奇妙」の意味よりも、数学で頻繁に使う「奇数」の意味のほうを覚えよう。桐原4500にも、「奇数」の意味も紹介されている(例文はないが)。

このページで何度も言うが、数学は米英でも大学入試に出題されていたり、大学で数学を習っていたりするので、中途半端な外国語よりも数学のほうが世界のエリートの共通語なのである。

odd 「奇妙の」の意味は、奇数 odd の語源だとして知っていれば十分であろう。

また、日本語でも「奇数」の「奇」の文字は、奇妙の「奇」の文字でもある。明治時代あたりに数学用語を和訳した人が、そこまで工夫してくれている。


peculiar (ペキュリアー)は、「独特の」という中立的な意味もあるが、それとは別に「一風変わった」「変な」の意味もある。

典型的な例文は

「変なにおい」 a peculiar smell

「一風変わったふるまい」 peculiar behavior

である(ジー二アス、センチュリー)。

東京書籍3000は「奇妙なふるまい」 peculiar way としている。

「独特の」の意味では、

「日本独特の習慣」 customs of peculiar to Japan

のように使う(ジー二アス。センチュリーに似た例文)。

桐原3000にあるのは、この「独特の」のほうである。


ほか、旺文社は「女性特有の病気」という表現の「特有の」を peculiar としている。

peculiar は医学などでも使えそうな単語である。

ジー二アスで peculiar の語源を調べても、家畜 → 個人財産 → 自分自身 → 固有 、と変遷が多く、暗記には役立ちづらそうである。


遅れる

late, delay, lag

延期する postpone


「遅れる」の初等的な言い回しは late (レイト)であろう。もし下記の説明がよく分からなければ、late で切り抜けよう。また英作文などは late で切り抜けよう。

動詞 delay はスケジュールの遅れに使う(東京書籍4500)。だが、形式的なスケジュールのほかにも、「ぐずぐずしないで、さっさとやりなさい」みたいに言う場合にも Don't delay ~ とか言うので(ジーニアスで確認)、 意外とlag との区別は難しい。


外国旅行などの「時差ぼけ」を jet lag という(旺文社、ジーニアスなど)。旅行にジェット飛行機を使うので。

なお、delay もlag も、名詞でも動詞でも使う。

lag は、「我が社の生産の遅れ」とか(ジーニアス)、「この国の社会福祉の遅れ」とかの文脈でも使われる(センチュリー)。

スケジュールの「延期」は delay を使うのが無難だろう。


ただし、電子回路の「遅延線路」は delay line という(ジーニアス)。辞書にはないので覚えなくてもいいが。

このように、実際には、実務の業界の慣習に合わせて使い分けるしかない。

なお、delay は形容詞ではない。形容詞は delayed である。


"delay" のスペルに形容詞は無いはず。

実際、

「遅れるな。」 Don't delay.

である(旺文社1200に同じ英文。ジーニアスに似た例文)。


スケジュールを「延期する」は動詞 postpone (ポウストポウン)である、

典型的な例文は

postpone the meeting until next Friday 「会議を次の金曜日に延期する」

である(東京書籍、旺文社、センチュリー)。

桐原は例文を紹介していない。put off の類義語として紹介している。

だが、put off を覚えるよりも postpone のほうが意味が明確なので、postpone を覚えよう。

delay による「延期する」の意味は、早くするべきことを延期するというニュアンスがある。よって、postpone とは違い、類義語にはならない。

「延期する」は postpone で覚えるのが無難だろう。


回転する

回転・ 自転・公転 revolve

自転 rotate, spin

involve, evolve


参加する join, take part in, participate, involve


連結に関する言葉 join, connect, link,

結合に関する言葉 combine, unite



「回転する」の一般的な単語は revolve である。

revolve で自転か公転かに関係なく(ジーニアス、センチュリー)、「回転する」の意味で使える(辞書で確認)。

旺文社1900だと、revolution で「革命」のほか「公転」の意味だけ書いてあるが、実は「自転」も revolve や revolution などで表せると辞書に書いてある(ジーニアス、センチュリー)。

だが、自転であることを強調したい場合、rotate のほうが良い。センチュリーは、「自転する」ではrotate を使う方が良いと進めている。

spin でも自転を表せるが、しかし慣用的にコマの回転やボールの自転運動など小さいものの自転に spin が使われることが多い(たとえばジーニアスの例文など)。

spin a top 「こまを回す」

である(旺文社1900、センチュリー)。


このためか、地球の自転など惑星の自転では、慣用的に rotate を用いるほうが多い。(ただし旺文社1900のspin例文では地球の自転をspinで表現。)

ともかく、spin は、限定的に小さいものの自転運動にだけ使うのが無難だろう。

なお、活用は spin - 過去形 spun - 過去分詞 spun と不規則変化(旺文社、センチュリー)。ただし、古くは過去形をspanとも書いたらしい(ジーニアス)。

revolution は「回転」の意味のほか、「革命」や「大変革」の意味もある(桐原4500)。というか、単語集ではまず「革命」「大変革」の意味で紹介されている。


東京書籍4500のP72に、get involved 「巻き込まれる」があった。

辞書には involve (インボルブ)をみても何故か get involved が無いが、しかし確かにこの熟語は存在している。

東京書籍では、事件や事故などに「巻き込まれる」の意味しか紹介してない。

じつは他にも、よい意味で、巻き込まれる形で文化的な活動などに没頭するような形で積極的に「参加する」という意味もある。

ジーニアスを読むと、involve「参加する」の意味は一応は書いてある。


語源は、in(内側)+volve (回転)である。


involve には「含んでいる」の意味もあるが、それも内側に回転するイメージから「包んでいる」となり、さらに派生して「含んでいる」という変遷である。


evolve は「進化する」とか「発展する」とかの意味。

アメリカンコミックスとかで、突然変異体 Mutant (ミュータント)の改造人間かなにかの主人公がが、エボリューションとかいって変身するじゃないですか。あれですよ。

なお、「変形する」は動詞 transform (トランスフォーム)である。


参加する join, take part in, participate, involve

participate は、take part in よりも形式ばった言い方(グランドセンチュリー)。


「参加しませんか」とか「参加していいですか」とか言う場合は、join か、take part in だろう。

participate でそういう質問をする人はあまりいないだろう。

May I join ~? 「~に参加していいですか」(東京書籍3000に似た例文)


join には「つなぐ」の意味もある。

「関節」ジョイント joint は、この派生語(東京書籍3000)。


なお、動詞 unite はもっと一体感がある場合に用いる(グランドセンチュリー)。だから桐原4500・東京書籍4500では、unite の意味を「団結する」としている(桐原、東京書籍)。

桐原4500では、動詞 join と unite を同じページで紹介して、比較させている。

またなお、東京書籍4500では、participate と unite を同じページで紹介している。


なお、動詞 connect は、たとえばテレビをパソコンにつないだり(東京書籍)、テレビをインターネットにつなぐ(旺文社)のに使う動詞。

connect the TV to the computer 「テレビをパソコンにつなぐ」

道路やトンネルで2地点を結びつけるのにも connect を使う(桐原およびグランドセンチュリーはトンネル、ジーニアスは道路)。

なんか細いケーブル的なもので2つのものをつなぐのが connect っぽい。

辞書によると、connect は「joinよりも結合は緩く、(connect でつないだ2つの物の)両者の独自性は失われない」みたいな説明が辞書にある。


connect A to B 「AをBにつなぐ」(東京書籍)

旺文社だと、to でなく with でも良いとのこと。つまり、

connect A with B 「AをBにつなぐ」

でも良い(旺文社)。

桐原だと、そもそも構文としては紹介していない。桐原は例文で with を使っているだけ。

IT用語・ネット用語としての connect と link の違いは、

connect = LANケーブルみたいに、ハードウェア的(ソフト的にはOSあたりまでか)に通信ができる状態にもっていく

link = ネット内での、クリックしたら目的のサイトに飛ぶなどの機能


なお、桐原3000によると、最近は link の出題が増えているとのこと。

なお、

click on a link 「リンクをクリックする」(桐原3000)

link は、動詞「関連付ける」や名詞「関連」の意味もある(東京書籍4500、旺文社1900)。


ほか、ネット関係だと旺文社1900で、surf 「(ネットを)見て回る」というのがあるが、他の単語集がどれも紹介していないので(桐原、東京書籍、鉄緑)、深入りしなくていいだろう。

surf the net 「ネットを見て回る」、surf the Internet 「ネットを見て回る」

のように使う。

海でのサーフィンのサーフと同じ語。1990年代ごろ、インターネットを海に見立てて、ネットを見て回ることを「ネットサーフ」などと呼んでいた(少なくとも日本ではそう)。


combine は「結合する」「結合させる」の意味であり、特に化学結合を言い表すのに使ったり(ジーニアス)、また合金の作成のときにも使う(桐原4500)。

べつに理科的な結合だけでなく、会社を合併させるとか、党派を結合させるとか、そういうのにも combine を用いてよい(ジーニアス)。

旺文社1900は、事実をフィクションと「結びつける」という表現に combine を使っている。

東京書籍4500は、ストリートダンスにバレエを「結合させた」という表現に combine の過去形の combined を使っている。


combine A with B 「AにBを結合させる」

なお、農業用機械のコンバインと同じ語(ジーニアス、グランドセンチュリー)。


なお、「化合物」「合成物」などは compound である(旺文社1900、東京書籍、4500)。

compound で、名詞、動詞「混合する」、形容詞「合成の」「混合の」 の、それぞれの用法がある。

ジーニアスは言っている、混合物は mixture でも良いのではと。


問題などを「悪化させる」の意味もある(旺文社1900、ジーニアス、グランドセンチュリー)。

「いくつもの物が組み合わさって複雑なものは難しいので(compound, complex, complicated など)、問題解決から遠のく(→ 悪化する)」というのが、英米人の発想のようだ。


ほか

「悪化する」become worse,、「悪化させる」make worse など(ジーニアス)


worsen 「悪化させる」(旺文社1900)

という語もあるが、worsen は旺文社1900しか紹介していない。

deteriorate 「悪化する」「悪化させる」(旺文社、緑鉄)、

があるが、辞書だと例文が無い。


病気

「病気の~」「病気である」 sick,

「病気である」ill


流行病 epidemic , plague

世界的流行病 pandemic


感染症 infection, contagion


アメリカでは、ill のほうが、sick よりも固い語である(センチュリー、東京書籍)。

そのためか ill は、アメリカでは、sick より重い病気にかかっている事をあらわす(ジーニアスで確認)。

だが日本の大学入試は、アメリカ留学用の英語ではないので、気にしなくていい。入試にはsick との使い分けは出ないだろう。

実際、

fall ill 「病気になる」

という意味である(桐原4500、センチュリー)。

また「病気の人(=病気にかかっている人)」のように名詞を修飾する場合(「限定用法」という)は、sick を用いなければならない(桐原3000、ジーニアス)。

つまり

a sick man 「病気の人」「病人」

である。

つまり、ill man (×)は不可である(桐原3000、ジーニアス)。

つまり、sick のほうが便利である。

よく分からなければ、英作文などでは sick を使えばいい。

実際、sick は高校初級レベルであり、東京書籍1800や旺文社1200などの初級レベル単語集にある。

一方、ill は単語集では東京書籍は中級3000語レベル、旺文社は上級レベル(青本)である。


the sick または the ill だけでも「病人」の意味である(ジーニアス sick で the ill を確認。センチュリー ill で the ill を確認)。

名詞形 illness 「病気」の意味である(桐原、東京書籍)。

ill は比較の変化が

ill - worse -worst

であることにも注意したい(東京書籍3000)。


「吐き気がする」程度のことを sick という場合があったり(桐原3000)、feel sick で「吐き気がする」という意味もある(旺文社1200)。

ジーニアス和英辞典「はきけ」で調べたところ、ほかに平易な言い回しが無いので、sick 「吐き気」で覚えるのがよさそうである。nausea が「吐き気」を表すが、医学用語と考えるべきである。


plague (プレイグ)は「ペスト」の意味もあるが、本来の意味は「疾病」である。

旺文社1900の plague(プレイグ) の英文に「飢饉」famines (複数形)がある。

キリスト教のヨハネの黙示録(Apocalypse)に出てくる、破滅をもたらす四体の騎士の象徴するものが、それぞれ

支配(conquest)、戦争(war)、飢饉(famine)、病(plague)、

である。

なお、旺文社の和文は「疾病と飢饉が原因で数千人の人が亡くなった。」という文章。

plague はこういう文脈で使われるので、普通は、死亡率の高い伝染病を表す場合に、 plague を用いる。たとえばペストのような。


だからか、plague には「ペスト」という意味もある。


ほか近年(2019年ごろ)、海外の社会評論書で、戦争や疫病(えきびょう)などの経済への影響を語る評論書『暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病』(題名は和訳版)という世界的に売れた本があるので、plague や famine などの単語もおさえておきたい。

ただし、東京書籍4500と桐原4500では、「ペスト」の意味で plague を紹介している。


なお「栄養失調」は malnutrition である(旺文社 nutrition 、ジー二アス)。ジー二アスにも単語集にも例文なし。

wikiオリジナル例文をつくるなら

Many people suffer from malnutrition. 「多くの人々が栄養失調に苦しんでいる。」

のように使うだろうか。

なお、東京書籍いわく、「栄養不足」は poor nutrition とのことだが、しかしジーニアスとセンチュリーの nutrition の項目を調べて見つからなかった。


mal- は、「非」とか「悪の」とかという意味である(桐原4500巻末)。

熱帯の病気のひとつのマラリア malaria も、イタリア語のマラ・アリア mala aria 「悪い空気」が語源である(センチュリー。ほか、予備校の単語集などで紹介されている。)。

ほか、英語で「悪意」は malice(マリス) である。これ自体は聞きなれないかもしれないが、コンピュータに損害を与える悪意のあるソフトのことを「マル・ウェア」 malware と言うなど、影響がある(予備校の単語集など)。

形容詞「悪意のある」は malicious (マリシャス)である、

桐原4500では、malice「悪意」、malady「弊害」、malfunction「故障」の3本を紹介している。単語の和訳のみの紹介。例文は無い。


さて、不平等の人類史の原著『The Great Leveler : Violence and the History of Inequality from the Stone Age to the Twenty-first Century』の目次では

"Pandemics, Famine, and War"

という言い方をしている。

このように、pandemic と plague の区別は、難しい。

さらに、ジーニアスには、「伝染病」の意味での plague は epidemic (エピデミック)と類義語だとまで書いてある。


「パンデミック」pandemic と「エピデミック」epidemic との違いも、難しい。


pandemic 「世界的流行病」(桐原、旺文社)

epidemic 「流行病」(旺文社)、「病気の流行」(桐原)

である(旺文社など)。


an epidemic of cholera 「コレラの流行」(ジーニアス、センチュリー、桐原)

または

an cholera epidemic 「コレラの流行」(ジーニアス)

のように用いる。


ほか、plague を用いた慣用句として、

plague of rats 「ネズミの大量発生」

という言い回しがある(旺文社、センチュリー)。


plague は名詞「疾病」「ペスト」のほか、動詞として「悩ます」「苦しめる」などの意味もある(旺文社1900、桐原4500)。

~ plague me で「~は私を悩ませる」のように使う。悩んでいる人(例文の場合はme)が目的語に来る。


なお、流行病の「発生」は outbreak である。戦争の「勃発」(ぼっぱつ)も outbreak である(旺文社)。


outbreak of war 「戦争の勃発」(東京書籍)

outbreak of Ebola fever 「エボラ熱の発生」(旺文社)

のように用いる。


医学などの分野では、普通は感染性の高くて致死率も比較的に高い「流行病」という意味で pandemic がよく使われる。

日本でも、科学雑誌などを見れば、新型インフルエンザや新型コロナなどの話題で「パンデミック」という表記を見かけることが多いだろう。


なお、天体の「日食」「月食」は eclipse (イクリプス)である(旺文社)。

黙示録(Apocalypse)と混同しないように。

なお、

「皆既月食」a total eclipse of the moon

である(桐原5500、センチュリーなど)。

単に「日食」と言う場合は、

「日食」 a solar eclipse

のようにも言える(旺文社、ジーニアス)。


単語集にはないが、「月食」は

「月食」a lunar eclipse

のように言ってもよい(ジーニアス、センチュリー)。


an eclipse of the sun で「日蝕」

an eclipse of the moon で「月食」

である(センチュリー)。

なお、この場合の "sun" は小文字。

「部分食」は a partial eclipse である(ジーニアス、センチュリー)。これ以上の説明は省略。


「感染症」には infection(インフェクション), contagion (コンテージョン) の2種類がある。旺文社のみ contagion を紹介。

医学的には、これを区別する。

contagion は接触性の感染症。

infection は、主に空気・水ほか鳥獣などによる感染症。

というのが医学での分類である(センチュリー contagious、旺文社)。

だが、これらは日常では混同される(センチュリー contagious)。


単語集では、infection を主に「感染症」「伝染病」および「感染」「伝染」として紹介している。辞書でも、infeciton のほうには、感染経路による細かい区別は書いていない。

たとえば桐原4500では、infection は「感染症」「伝染病」などとして紹介しているが、contagion は紹介していない。

東京書籍4500も同様、infection および動詞infect しか紹介していない。

なお、infect「(病気などが)伝染する」の意味である(東京書籍)。

よく分からなければ、 infection を使うのが無難だろう。

形容詞 infectious (インフェクシャス), contagious(コンテイジャス) は、両方とも「伝染性の」「感染性の」の意味(旺文社など)。


干ばつ drought と、まぎらわしい別単語


名詞 drought は「干ばつ」「日照り(ひでり)」の意味の名詞。派生的に、drought に「物不足」などの意味もある。

なお、動詞 drink 「飲む」の活用は

drink - drank -drunk

である。

drought はdrinkの過去形や過去分詞には関係ない

drought はおそらく形容詞 dry 「乾燥した」の名詞形だろうというのが、センチュリーの見解である。ジーニアスはそういった見解を採用せず。


drown は「溺れ死ぬ」。

drown の活用は

drown - drowned -drowned

である。


drawn は、動詞 draw の過去分詞形。

draw - drew - drawn

である。

draw は「引く」の意味の多義語で、図の線を「引く」だとか、関心を「引く」とか色々な意味があるだが、be drawn と過去分詞の場合、

たとえば、議論や相同などに「引き込まれる」という意味もある。


センチュリーいわく、dragと同語源だろう、という見解。drinkは関係ない。


動詞 drink は液体を「飲み込む」ときの一般的な動詞。

いっぽう、動詞 swallow は、よく、固体を噛まずに飲み込むときに使われる動詞(センチュリー、ジーニアス)。

swallow の「かまずに」という状況説明が、桐原にも旺文社にも東京書籍にも書いてない。高校英語の単語集には問題・欠点も多い。


典型的な例文が、錠剤の薬を飲む込む場合であり、

swallow a pill 「薬を飲み込む」(旺文社1900、桐原3000)

または

swallow a medicine 「薬を飲む込む」(東京書籍4500巻末)

である。

「飲む」 swallow は、「ツバメ」 swallow と同じスペル・同じ発音で同じ単語(旺文社)。


なお、「噛む(かむ)」は英語で chew である。チューインガム chewing gum のチューと同じ単語(旺文社1900)。東京書籍と桐原は chew を紹介しておらず、やや高校範囲外の単語。

  1. ^ 高等学校外国語科用『EMPOWER ENGLISH EXPRESSION II』、桐原書店、平成30年文部科学省 検定済、令和4年 2月25日 発行、P39、
  2. ^ 松本茂 監修『速読速聴・英単語 Core 1900 ver.4』、Z会、2014年3月10日 ver.4第7刷発行、P.138
  3. ^ 小森清久 ほか編著『新版完全征服 データベース5500 合格英単語・熟語』、桐原書店、2019年2月10日 第41刷発行、P.240
  4. ^ 小森清久 ほか編著『新版完全征服 データベース5500 合格英単語・熟語』、桐原書店、2019年2月10日 第41刷発行、P.240