高等学校 物理基礎/物理のための数学
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ここでは「物理基礎」や「物理」を理解するために必要な算数・数学の知識をまとめています。特に、割合・比、関数、図形、三角比は「物理基礎」「物理」の学習者は必ず全員マスターしてください。それ以外の項目に関しては問題集などで、実際に問題演習しながら覚えていくといいでしょう。
割合・比[編集]
物理では、小学校で習得した割合や比から避けて通れません。教科書を見たら、結構な確率で使用されているのが分かります。割合や比を知らずに物理基礎や物理を習得するのは出来ません。
例えば、●●度とかは割合、●●量とかは比だと思っておきましょう。
数と式[編集]
計算[編集]
分数[編集]
- 分数の意味:
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- 分数の性質:
- ならば分子と分母に同じ数cをかけてとできる.
- 約分:
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- 分数どうしの加法・減法(分母が同じ場合)
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- 分数どうしの加法・減法(分母がことなる場合)
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- 分数どうしの乗法・除法
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- 分数の分数
比[編集]
- 比の性質
- ならば、 (c≠0).
- 比例式
- ならば、 (c≠0).
- ならば.
方程式[編集]
- 1次方程式 の解の公式:
- 2次方程式 の解の公式:
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- の場合:
- の場合:
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平方根[編集]
- 根号を外す
- 平方根の変形
- 有理化
- 平方根の乗法
- 平方根の除法
展開公式[編集]
- 中学の復習
- 高校数学I・数学IIの内容
累乗と指数法則[編集]
物理の世界では大変に大きな数、 逆に非常に小さな数も扱います。例えば、 光の速さは約300000000m/s(秒速3億m。キロメートルとすれば秒速30万km)、 電子の質量は約0.00000000000000000000000000000091kgです。こうした数をそのまま扱うと書くだけでも手間がかかるうえに間違るでしょう。まして、 これを使って計算する気にはなれません。
そこで、 位取りの0をで表して簡単な形に書き換える方法を利用していきます。
累乗[編集]
a を b回 掛けた積をと表し「aのb乗」と読む。なお、このときのbにあたる数を 指数 という。そして、 2乗を 平方、 3乗を 立方ともいいます。
指数法則[編集]
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ゼロ乗とマイナス乗[編集]
特にを利用すると次のように考えれます。
もちろん同じ数同士の商は1なので
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となる。
さらにを使ってマイナス乗を考えてみましょう。
例えばm=1、 n=3を代入すると となりますが、 先ほどの公式からはともいえる。
ここから
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(詳細な説明は高等学校数学II/いろいろな関数#指数関数と対数関数にあるので、 出来ればそちらも読んで下さい。)
数の表現[編集]
上記を利用して大きな数を表現してみましょう。例えば、 10000はと書けます。先ほどの光の速さも同様に表現すれば、m/sとなり、そのまま書くよりも簡単に表現出来ます。
次に、 小さな数を表現してみよう。であるから、 例えばとなります。こうすれば、 先ほどの電子の質量はkgと表現出来ます。
まとめると、 自然科学の世界では非常に大きな数や小さな数はで表現します。
なお、 とするのが普通です。例えばアボガドロ定数(/mol)は(/mol)と書いても同じ値です。しかし「とするのが普通」ですからの書き方を採用します。
近似値と有効数字[編集]
測定値と近似値[編集]
長さや距離をはかる時にはものさしや目盛り付き定規を使い、 温度をはかる時には温度計を使い、 力の大きさをはかるときにばねばかりを使います。これらはすべて目盛りを読むが、 このときの値が測定値である。測定値は正しい値に近いが、完全に正しい値というわけではありません。例えば私たちの使うものさしも微妙な歪みがあり、 かつ1ミリメートルまでしか計れないためそれより小さな値をはかれません。そのため厳密に言えば「正しい数値に近い数値」となります。こうした数値のことを近似値という。測定値は近似値です。また、 計算で得られた正しい値に近い値も近似値です。例えば、 3.14は(lは円周、 rは半径)の近似値です。
有効数字[編集]
測定値の数値の最後の桁の数字は目分量で読むのが普通です。例えば、 12.3mmという値は12.25mm以上12.35mm未満の値とみなされます。この時の有効数字は3桁です。「有効数字n桁」と言われたら、 上からn+1桁の値まで計算してからその数を四捨五入します。例えば4.56789を有効数字3桁で表せという場合には、最初の4、 5、 6の3桁を正しい値とみなし、上から4桁目の7は四捨五入します。したがって、 4.57と表します。有効数字2桁なら4、 5のみを正しい値とみなして6は四捨五入して4.6と表します。
図形[編集]
物理基礎や物理では公式の証明に中学校数学で学んだ相似を使う場合があります。典型例が物理の円運動とかです。
三角比[編集]
関数[編集]
変化の割合[編集]
中学校数学で学びましたが、非常に大切です。加速度のベースの考え方となります。いわゆる傾きで、縦の変化÷横の変化で変化の割合が分かります。
ベクトル[編集]
詳しい説明は高等学校数学C/ベクトルを読んでください。ここでは、必要最小限の説明に止めます。
ベクトルとは[編集]
速度や力は大きさだけでなく、方向・向きも持つ。また、平行四辺形の法則によって分解・合成できる。こうした量のことをベクトルという。なお、速さや質量や時間などは大きさしか持たない量であり、これはスカラーという。
ベクトルの書き方[編集]
ベクトルは のように、ベクトルを表すアルファベットの上に矢印を書く。ベクトル の大きさは で表すが、単にとだけ書くこともある。