高等学校 生物基礎/地球上の植生分布

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 本節は、地学の視点から植生の分布に関する影響をみてみましょう。

※バイオームの図は各生物基礎教科書や問題集ごとに違いますので、あまり深追いしすぎないようにしましょう。

地球規模の気候の違い[編集]

 日中の同じ時刻に気温を観測しても、赤道付近や北極・南極、低山・高山で大きな差があります。また、同じ地域で1年を通して気温や降水量を測定すると、周期的な変化(季節)が見られる地域もあります。このような地球の気候変動は、どのようにして起こったのでしょうか。

 地球規模の気候は、主にその地域の年平均気温と年降水量によって表されます。気温は、主に日差しによって決まります。地球は球状をしているため、緯度が高くなるにつれて日差しは減少します。赤道から北極・南極に向かうにつれて、年間平均気温は下がっていきます。また、地軸がわずかに傾いているため、日差しに季節変化が生まれます。さらに、地球の大気循環や親潮・黒潮などの海流も、日本で観測される気温や降水量に大きな影響を与えています。山や海などの地形が変わっても、同じ地域の気候は複雑に変化します。

 このように、気候によって植生の分布が制限されるだけではなく、そこに生息する動物の分布にも大きな影響を与えているといえます。

 上記の話に関連しますが、近年、気候変動による影響が全世界で発生しています。

例えば、ヨーロッパやインドの猛烈熱波やアメリカや日本の台風・ハリケーンの威力強化とかです。

このうち、日本では令和元年房総半島台風令和元年東日本台風が有名です。

バイオーム[編集]

バイオームと気候の関係

 陸上を上空から眺めると、森林が延々と続く風景や、果てしなく草原が広がる風景を目にします。地球上には様々な環境があり、それぞれの環境に適応した植物で構成された植生が成立しています。ここでは陸上の植物が、どのように分布しているかをみていきましょう。

 森林や草原のような植生の外観を相観といいます。ある気候の地域には、最終的にその気候に合った植物が、優占種として生育します。優占種は、その場所の環境に適応した形態をもつので、同じような環境のもとでは、同じような相観をもつ植生が成立します。例えば、カナダやシベリアなどの亜寒帯地域には、それぞれ種類は異なりますが、どの地域でも針葉樹が優占するため、相観はよく似てきました。また、生育している植物の種類や状態に応じて、特有の動物が生息しています。

優占種
 植生を構成する植物のうち、構成割合が最も高い種をいいます。

 陸上では一般に生産者〔植物〕を基準に、その地域に生息する動物や微生物などの全ての生物のまとまりをバイオーム(生物群系)といいます。植物の生育は、気温と降水量の影響を強く受けるため、陸上には、地理的な気候区分とほぼ一致する特徴ある相観をもったバイオームが成立しています。

バイオームの名前の由来
 バイオームは、「生物の」に「全体」を意味する語句をつないだ合成語です。1939年、フレデリック・クレメンツとビクター・シェルフォードが植物の遷移を提唱しました。

 陸上のバイオームの基準は植生なので、バイオームの分布と気候との関係は、植生を中心に研究されています。陸上のバイオームは、その地域の年平均気温と年降水量に大きく影響を受けます。陸上のバイオームを森林・草原・荒原に分類し、年平均気温と年降水量の関係について見ると次の通りです。

樹木を中心としたバイオーム(森林)[編集]

 年平均気温がマイナス5度以上の地域や年降水量の多い地域に森林が見られます。熱帯や亜熱帯では、熱帯多雨林、亜熱帯多雨林、雨緑樹林が見られます。温帯では、照葉樹林、硬葉樹林、夏緑樹林が見られます。亜寒帯(冷帯)では、針葉樹林が見られます。

草本が密生したバイオーム(草原)[編集]

 温暖でも、年降水量が少ない地域では、森林が成立せず、イネの仲間を主とした草原となります。草原のバイオームには、年平均気温の高い順からサバンナステップがあります。熱帯の乾季の長い地域にはサバンナが見られます。温帯の雨の少ない地域にはステップが見られます。

植生が疎らなバイオーム(荒原)[編集]

 年降水量が極端に少ない地域や年平均気温が極端に低い地域では植物が育たず、岩や砂が目立つ荒原となります。年平均降水量が200mm以下の地域には砂漠が見られます。年平均気温がマイナス5度以下の寒冷な地域では降水量に関係なくツンドラが見られます。