HTML/HTML Living StandardにおけるHTML5からの変更点
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HTML Living StandardにおけるHTML5からの変更点
[編集]HTML Living Standardは、HTML5を基礎に継続的な改訂を行い、新しい要素や属性、仕様変更を取り入れています。以下では、HTML5からの主な変更点を新要素や新属性を中心に解説します。
新要素
[編集]HTML Living Standardでは、いくつかの新しい要素が追加され、Web開発者がより豊かな表現や機能を実現できるようになりました。
<template>要素
[編集]- 説明: HTML文書内に含まれる再利用可能な構造を定義するための要素。テンプレートは初期状態では非表示で、JavaScriptで動的に利用される。
- 用途: コンポーネントのテンプレート化、クライアントサイドでの動的コンテンツ生成。
- 例:
<template id="myTemplate"> <p>この内容はテンプレートとして定義されています。</p> </template>
詳細は「HTML/TEMPLATE」、「HTML/Web Component」、「HTML/Custom Element」、「HTML/Shadow DOM」、および「HTML/Declarative Shadow DOM」を参照
<slot>要素
[編集]- 説明: Webコンポーネントで利用され、Shadow DOM内に動的に内容を挿入するためのプレースホルダー。
- 用途: コンポーネント開発の際の柔軟な内容配置。
- 例:
<slot name="header"></slot>
詳細は「HTML/SLOT」、「HTML/Web Component」、「HTML/Custom Element」、「HTML/Shadow DOM」、および「HTML/Declarative Shadow DOM」を参照
<dialog>要素
[編集]- 説明: ダイアログボックスやモーダルウィンドウを表現するための要素。
- 用途: 簡易的なダイアログ表示、モーダルウィンドウの実装。
- 例:
<dialog open> <p>ダイアログの内容です。</p> </dialog>
詳細は「HTML/DIALOG」を参照
<picture>要素
[編集]- 説明: 複数の画像ソースを指定し、条件に応じて最適な画像を選択して表示する要素。
- 用途: レスポンシブデザインの画像対応。
- 例:
<picture> <source srcset="image-large.jpg" media="(min-width: 800px)"> <source srcset="image-small.jpg" media="(max-width: 799px)"> <img src="fallback.jpg" alt="例画像"> </picture>
詳細は「HTML/PICTURE」を参照
新属性
[編集]新しい属性が追加され、HTML要素の機能が拡張されました。
Global属性: is=""
[編集]- 説明: カスタム要素の定義に関連付けるために使用される属性。
- 用途: カスタム要素を標準のHTML要素として振る舞わせる。
- 例:
<button is="custom-button">カスタムボタン</button>
詳細は「HTML/IS属性」を参照
<input>要素の新しい属性
[編集]- inputmode:
- 説明: 仮想キーボードの入力モードを指定。
- 例:
<input type="text" inputmode="numeric" pattern="[0-9]*">
- list:
- 説明: 入力候補リストを提供するための属性。
- 例:
<input type="text" list="suggestions"> <datalist id="suggestions"> <option value="Option 1"> <option value="Option 2"> </datalist>
詳細は「HTML/INPUTMODE属性」および「HTML/LIST属性」を参照
<iframe>要素の新しい属性
[編集]- loading:
- 説明: 遅延読み込みの挙動を制御。
- 値:
lazy
(遅延読み込み)、eager
(即時読み込み)。 - 例:
<iframe src="example.html" loading="lazy"></iframe>
- allow:
- 説明: サードパーティコンテンツの挙動を制御するためのポリシーを指定。
- 例:
<iframe src="example.html" allow="fullscreen; geolocation"></iframe>
詳細は「HTML/LOADING属性」および「HTML/ALLOW属性」を参照
<a>要素の新しい属性
[編集]- download:
- 説明: リンク先をファイルとしてダウンロードすることを指定。
- 例:
<a href="file.zip" download="example.zip">ダウンロード</a>
詳細は「HTML/DOWNLOAD属性」を参照
<form>要素の新しい属性
[編集]- novalidate:
- 説明: フォーム送信時に検証をスキップ。
- 例:
<form action="/submit" novalidate> <input type="text" required> </form>
詳細は「HTML/NOVALIDATE属性」を参照
削除または非推奨になった要素と属性
[編集]HTML Living Standardでは、一部の要素や属性が非推奨または削除されています。これにより、よりシンプルで効率的なHTMLが推進されています。
削除された要素
[編集]<acronym>
:<abbr>
要素で代用可能。<bgsound>
: オーディオ再生には<audio>
要素を使用。
削除された属性
[編集]- frameborder: CSSで代用可能。
- marginwidth, marginheight: CSSで代用可能。
まとめ
[編集]HTML Living Standardは、HTML5から進化し、新しい要素や属性を導入しつつ、不要なものを整理することで、よりシンプルかつ強力なHTML仕様を提供しています。これにより、Web開発者は多様なニーズに応じた柔軟な設計が可能となり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。