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HTML Living Standard/em

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

EM要素

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<em>要素は、強調を意味するHTML要素です。特に、文脈において重要性が強調されるべき語やフレーズを示す際に使用されます。アクセシビリティに配慮した強調を行うために用いられ、通常、スクリーンリーダーでは強調された内容を異なるイントネーションで読み上げることができます。

定義

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<em>は「強調」を意味し、テキストの一部を強調する目的で使われます。文脈において重要な意味を持つ部分に適用され、視覚的には通常、斜体(italic)として表示されることが多いですが、スタイルが変更される場合もあります。

使用方法

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以下は、<em>要素を使用した基本的な例です。

<p>これは<em>重要な</em>メッセージです。</p>

この例では、「重要な」が強調されており、一般的には斜体で表示されます。また、スクリーンリーダーなどの支援技術を使用するユーザーには、この語句が強調された内容であることが伝えられます。

意図的な強調

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<em>は、単なる装飾的なスタイル変更(例えば、斜体)を目的とするものではありません。代わりに、強調された内容が文脈的に重要であることを意味します。たとえば、次のように使用することが考えられます。

<p>彼は<em>最も優れた</em>選手です。</p>

ここでは「最も優れた」という部分が強調され、重要なポイントであることが示されています。

代替手段との違い

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  • <strong>要素との違い:
    • <em>は強調を意味するもので、通常、音声での強調や文脈における重要性を示すのに対し、<strong>は「強い重要性」を持つ要素を示します。視覚的には、<strong>も通常は太字として表示されますが、<em>とは異なる意味合いを持ちます。
    • 例: <strong>は「非常に重要である」という強い強調を示し、<em>は文脈で重要とされる部分を強調します。
<p><em>大事な</em>会議が<em>来週</em>にあります。</p>

この場合、強調される部分は文脈において重要ですが、<strong>を使用することでその重要性をより強く示すことができます。

アクセシビリティ

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<em>要素はスクリーンリーダーにおいて強調されたテキストを異なるイントネーションで読み上げることにより、視覚に頼らないユーザーに対してその重要性を伝える手助けをします。このため、アクセシビリティに配慮したWebコンテンツ作成において重要な役割を果たします。

また、視覚的な強調が斜体である場合でも、スクリーンリーダーなどは意味的な強調を強調するため、適切なアプローチを取ることができます。

注意点

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  • <em>要素を過度に使用しないようにしましょう。過剰な強調は、実際に強調すべき内容の重要性を減少させ、ユーザーに混乱を招く可能性があります。
  • 斜体にするだけでなく、意味的に強調されるべきテキストを適切にマーキングすることが重要です。

関連項目

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関連仕様

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