コンテンツにスキップ

JavaScript/void

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』


void

[編集]

void は、JavaScript におけるキーワードの一つで、式が値を返さないことを示すために使用されます。主に関数が値を返さない場合や、特定の式の評価結果を無視するために用いられます。void は、関数や式の評価結果を意図的に無視するための手段として使われます。

構文

[編集]
void expression;

void 演算子は、引数として渡された式を評価しますが、その評価結果を返さず、常に undefined を返します。このため、値を返さない式の評価を意図的に行いたい場合に使用されます。

使用例

[編集]

void 演算子を使用した式の評価

[編集]
let result = void 0;  // undefined が代入される
console.log(result);   // 出力: undefined

この例では、`void 0` は常に undefined を返します。void 演算子は式の結果を無視し、undefined を返すことが保証されています。

関数内での使用

[編集]
function doNothing() {
  void console.log("This does nothing and returns undefined.");
}
doNothing();
// 出力:
// This does nothing and returns undefined.

この例では、void 演算子を使って、console.log の戻り値を無視しています。console.log は通常、コンソールに出力しますが、void を使うことでその戻り値(undefined)を無視します。

void を使った HTML イベントハンドラ

[編集]

void は、<a> タグの href 属性や、イベントハンドラ内で使用されることがあります。これにより、リンクがページ遷移を引き起こさないようにすることができます。

<a href="javascript:void(0)" onclick="alert('Clicked!');">Click me</a>

この例では、`href="javascript:void(0)"` を使って、クリックしたときにページが遷移せず、代わりにアラートが表示されるようにしています。

void とクロージャ

[編集]
let counter = (function() {
  let count = 0;
  return function() {
    return void count++;
  };
})();

counter();  // count は増加するが、何も返さない
counter();  // count は再度増加するが、何も返さない

この例では、counter 関数内で void を使用し、count の増加を返さずに処理だけを行っています。void を使うことで、関数の戻り値を明示的に無視しています。

注意点

[編集]
  • void 演算子を使っても、式の評価結果は常に undefined になります。これは意図的に結果を無視するために利用されます。
  • void は関数や式が値を返すことを意図的に防ぐために使われます。関数が値を返す必要がない場合や、特定の式の結果を無視したい場合に役立ちます。
  • void 演算子は値を返さない関数を呼び出す際に、戻り値を無視するために便利です。

関連項目

[編集]

参考

[編集]