コンテンツにスキップ

LLVM/BOLT

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

BOLT(Binary Optimization and Layout Tool)は、LLVMプロジェクトの一部であり、実行時のパフォーマンスを向上させるためにバイナリの最適化とレイアウトを行うツールです。主に、プログラムの実行時に発生するキャッシュミスや分岐予測ミスを最小限に抑えることを目的としています。

特徴

[編集]
  • プロファイリングに基づく最適化: BOLTは、事前に収集されたプロファイル情報を使用して、コードのレイアウトを最適化します。これにより、実行時のキャッシュ効率が向上します。
  • レイアウト最適化: コードのレイアウトを調整することで、連続する命令がキャッシュに収まりやすくなり、CPUのパフォーマンスが向上します。
  • クロスプラットフォームサポート: BOLTは、さまざまなプラットフォームやアーキテクチャに対応しています。

使用方法

[編集]

BOLTを使用するには、以下の手順を実行します:

  1. プロファイリング: プログラムを実行し、BOLTに入力するためのプロファイルデータを収集します。例えば、perfを使用してプロファイルを取得します。
       perf record -g ./your_program
    
  2. BOLTの実行: 収集したプロファイルデータを使用して、BOLTを実行します。
       bolt -o output_binary --profile perf.data your_binary
    
  3. 最適化されたバイナリの実行: BOLTによって最適化されたバイナリを実行し、パフォーマンスの向上を確認します。

BOLTの内部構造

[編集]

BOLTは、以下の主要なコンポーネントで構成されています:

  • プロファイラ: プロファイル情報を収集するコンポーネントです。
  • 最適化エンジン: 収集されたプロファイル情報に基づいて、バイナリの最適化を行います。
  • 出力モジュール: 最適化されたバイナリを出力するモジュールです。

参考文献

[編集]