Python/基本事項
開発環境[編集]
Python(パイソン)の処理系はLinux(リナックス)やmacOS(マックオーエス)には最初から付属していますが、他のオペレーティングシステムには、python処理系がない場合もあります。 Windowsでは、Microsoft Store からインストールできます。
Linuxの場合、コマンド端末を起動して、コマンド端末の内部でコマンド「python」を実行すると、次のように「コマンドライン インタプリタ」 が起動します。(コマンド端末そのものの起動のしかたについては、本ページの後半で後述する。)
% python3.10
Python 3.10.1 (main, Dec 17 2021, 14:45:42) [Clang 13.0.0 (git@github.com:llvm/llvm-project.git llvmorg-13.0.0-0-gd7b669b3a3 on freebsd13
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>
「>>> 」のあとに、キーボードによって文字を入力をします。「>>> 」をプロンプトといいます。
なお、pythonのこのような入力モードを、「インタラクティブモード」といいます。
インタラクティブモードを終了したい場合は、コマンド「exit()」を実行します。
なお、Windowsの場合、 Visual Studio だけでは python を実行できません。Visual Studio にある python編集の機能は、あくまで編集だけであり、別途、Miocrosoft Store からpythonのWindows版をインストールする必要があります。
pythonの実行方法[編集]
pythonプログラムの実行方法は、大きく分けると2種類あり、
- 1つめ: コマンド端末で
python3
またはpython
とだけ入力してインタラクティブモードになり、直接的にプログラムを1行ずつ入力するという実行方法 - 2つめ: あらかじめ「メモ帳」アプリでpythonプログラムファイルを作成しておき、そのpythonプログラムをコマンド
python ファイル名
で実行するという実行方法
という、2種類の実行方法があります。
WindowsでもLinuxでも同様です。
なお、Windowsで出力表示をコマンド端末に出力したい場合、Windowsでメモ帳などにあるプログラムを「python3」コマンドなどで起動する場合、Windows付属のほうのコマンドプロンプトあるいはWindows Terminalから起動する必要があります。(python付属のコマンド端末に入力するのではないです。)
では、Pythonによるメッセージ表示を、それぞれの方法で、見ていきましょう。
コマンド端末で直接的にプログラムを入力する実行方法[編集]
(これはインタラクティブモードです。)
pythonインタプリタで、「ようこそ」とメッセージ表示をしたい場合は、次のようにコマンドを入力します。
>>> print("ようこそ")
すると、
ようこそ
のように、コマンド端末内に文字が表示されます。
- 文法の解説
文字列の出力はprint()
を使います。「()」の中に、出力したい文字列が入ります。
Python 2まではprint
は文でしたが、Python 3以降は組込み関数となったため、かっこが必須となります。
メモ帳などでpythonプログラムファイルを作成しておく方法[編集]
いっぽう、pythonは、拡張子「.py」のファイル(たとえばファイル名「youkoso.py」など)を実行するという方法でも、プログラムを実行できます。
そのため、あらかじめ、OS標準の「メモ帳」アプリに、コードを記述して保存しておく必要があります。(「メモ帳」はwindowsの場合。Linuxなど別OSでは、アプリ名が異なる。fedoraの場合、アプリ「gedit」(ジーエディット)で、プログラム用コードの保存が可能。)
けっして、Wordなどのワープロソフトには、保存しないでください。ワープロソフトに保存してしまうと、たとえ、あとで拡張子を「py」に書き換えても、プログラムが動作しなかったり、あるいはプログラムの内容が変わってしまう場合があります。
なので、ワープロソフトではなく、かならず、OS標準の「メモ帳」アプリに、コードを保存する必要があります。
さて、プログラム実行の前に、まず、「メモ帳」アプリを開きましょう。
# 「ようこそ」 と出力 print("ようこそ")
というコードを入力しましょう。
そして、入力したコードを、ファイル名「youkoso.py」で保存しましょう。べつにファイル名は、拡張子がpyであれば、「sample.py」とか「sanpru.py」とか「test.py」でも良いのですが、とりあえず本書では、さきほどのコードのファイル名は「youkoso.py」とします。
すると、メモ帳の種類によっては、プログラム文である事を認識し、
# 「ようこそ」 と出力
print("ようこそ")
のように、色がつく場合もあります。色のつかない種類のメモ帳もあるので、あまり気にしなくても構いません。
そして、コマンド端末で、
python3 youkoso.py
と入力することで、実行できます。拡張子に「.py」をつけるのを忘れないでください。拡張子「.py」がないと、エラーになり、プログラムを実行できません。
とにかく、上記のコマンド(python3 youkoso.py)を実行して、コマンド端末画面に
ようこそ
と表示されていれば成功です。
実行方法のまとめ[編集]
このように、pythonのプログラムの実行方法には2種類あり、
- コマンドラインに直接的に入力するという実行方法、
- あらかじめメモ帳などでpythonプログラムファイルを作成しておき、そのpythonプログラムを実行するという実行方法、
という、2種類の実行方法があります。
そして、どちらの実行方法の場合でも、ほとんどのコマンドは共通です。
ソースコードだけを書き換えてみる[編集]
では、さきほどの「ようこそ」と表示するプログラムを実行してメッセージ表示させた直後に、
ソースコードだけを書き換えてみると、どうなるのでしょうか。
さきほどの「ようこそ」と表示するプログラムを実行してメッセージ表示させた直後に、ソースコードのファイル「youkoso.py」に
# 「12345ようこそ」 と出力
print("12345ようこそ")
と入力して、さきほどのソースコードのファイル「youkoso.py」に上書き保存したら、どうなるでしょうか?
「youkoso.py」で保存した直後に、 コマンド端末で
python3 youkoso.py
を実行すると、「12345ようこそ」と表示されます。
つまり、pythonでは、コマンド python3 youkoso.py
を実行するたびに、ソースコード(この場合は「youkoso.py」がソースコード)を解釈しなおします。
「pythonがインタプリタである」という事は、上記の例のように、「プログラムの実行開始時に、ソースコードをもとに、毎回、コードを解釈しなおす」という意味です。
数値の計算[編集]
pythonでは、数値の四則演算(足し算、引き算、かけ算、割り算)ができます。
足し算には記号「+」を使用します。引き算には記号「-」を使用します。かけ算には記号「*」(アスタリスク)を使用します。割り算には記号「/」(スラッシュ)を使用します。
では、インタラクティブモード(コマンド端末で1行ずつプログラムを入れるモード)で、計算をためしてみましょう。
コマンド端末で「python3」とだけ入力して実行すると、インタラクティブモードになります。
では、計算をためしてみましょう。
>>> 2+3 5
>>> 2 + 3 5
なお、演算記号の前後に、スペースを入れても、かまいません。演算記号の前後にスペースを入れると、見やすくすることができます。
>>> 6+7 13
小数点の計算も行えます。
>>> 30.6 + 7.1 37.7
>>> 5-4 1
>>> 23.88 - 7.5 16.38
負数の計算もできます。
>>> 2-15 -13
>>> 2*4 8
>>> 4/2 2.0
>>> 4/3 1.3333333333333333
インタラクティブモードを終了するには、「exit()」を入力します。
pythonで整数と小数を足したり引いたりすると、自動的に、小数に調節したりします。
>>> 2 + 1.1 3.1
割り算の商だけを求めたい場合、「//」を使います。
>>> 7//3 2
算数では「7÷3=2あまり1」なので、上記のような計算結果になります。
割り算の「あまり」を求めたい場合は、「%」を使います。
>>> 7 % 3 1
指数(べき乗)は「**」です。「^」ではありません。
>>> 2**3 8
数学では、「2×2×2=8」なので、上記のような計算結果になります。
3項以上の計算[編集]
3項以上の数の計算もできますが、計算の順序は、数学と同様に、足し算と引き算の順番よりも、かけ算および割り算の順番が、優先されます。
>>> 1+2*4 9
上の計算の場合、さきにかけ算を「2*4」(=8)を行い、それに1をたすので、答えは「9」になります。
足し算や引き算を先に行いたい場合は、カッコ「()」を使います。数学と同じように、先に計算させたい部分を、カッコ「()」で囲みます。
>>> (1+2)*4 12
1+2=3を先に行い、それに4をかけるので、答えは12になります。
参考: コマンド端末の起動と終了のしかた[編集]
まず、GNU/Linuxの場合、ディストリビューションに何個もの種類があります。そのディストリビューションの種類により、中に入っているコマンド端末の名前が異なります。
しかし、たいてい、最近のディストリビューションには、アプリケーション検索のための画面が用意されているので、そこに「command」とか「コマンド」とか「terminal」(※ 「端末」という意味)とかを入力すれば、そのディストリビューションに入っているコマンド端末アプリが発見されるので、ディストリビューションの指示にしたがって、そのコマンド端末アプリを起動すればいいです。
「command」と最後まで入力しなくても、「comm」とか「コマ」あたりまで入力した時点で、目的のコマンド端末アプリが発見されることが多いです。
また、ほとんどのディストリビューションには、コマンド端末が、最初からインストールされているので、わざわざ追加インストールしなくてもいいです。もし試してみて追加インストールを要求される場合、アプリケーションを間違えている場合があります。
たとえば、Linuxディストリビューションの一種「Fedora」を使っている場合なら、最初からコマンド端末がインストールされていて、「端末」というアプリケーション名のアプリが、コマンド端末アプリケーションです。
コマンド端末の起動方法は、普通のアプリケーションの起動と同じであり、アイコンをダブルクリックすればいいです。
なお、Linuxのコマンド端末を終了する場合は、右上(もしくは左上)にある「×」マークをクリックすることで、アプリケーションを終了できます。このほか、コマンド端末中に、「exit」と入力しても、コマンド端末を終了できます。
まちがって「exit()」(まちがい!)と入力してしまうと、そういう名前の特別な別コマンドだと解釈されてしまい、文字を追加入力する画面になってしまう。その場合、「aaaaaaa」などの無意味な文字を入力して終了させるか、アプリ右上の「×」バッテン印をクリックして終了させましょう。
「Hello, world!」と表示させよう[編集]
「Hello, world」と表示させるプログラムが、世界のいろんな国で、プログラミング言語の入門書で、例文として、よく使われます。
pythonで「Hello, world!」を表示させる場合、次のようなプログラムになります。
- hello.py
print("Hello, world!")