出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
スマートフォン(スマホ)は、いつでも家族や友だちと連絡したり、わからないことをすぐに調べたりできるので、とても便利です。でも、正しい使い方を知らないと、とても危ない目にあってしまうかもしれないのです。
SNSやメッセージアプリでは、相手の顔が見えないので、軽い気持ちでいじめをしてしまう人がいます。自分のしていることがいじめだと気づかずに、やってしまうこともあります。
学校や近所づきあいなどでのいじめや嫌がらせと同じように、SNSやメッセージアプリを使ったいじめや嫌がらせも、人の心を深く傷つけるので、ぜったいにやってはいけません。
たいていの人は、スマートフォンをどこへでも持ち歩きます。スマートフォンのSNSやメッセージアプリでいじめを受けるということは、どこにいてもいじめを受けてしまうということです。
スマートフォンは、家族や友だちと連絡するのに必要なので、手放したり通知を切ったりといったことがむずかしいです。
SNSやゲームの会社は、たくみな手を使って、あなたをSNSやゲームがやめられなくしてしまいます。そして、たくさんの広告を見てもらったり、機能やアイテムにお金を払ってもらったりしようとします。
検索した言葉やIPアドレス、使っているパソコンやスマホの機種、ブラウザの種類などの情報が、検索エンジンの会社に送られます。なかには、こういった情報を集めないことを売りにしている検索エンジンもありますが、大手の検索エンジンは、そうではありません。
こういった情報からは、あなたの年齢や住んでいるところ、性別、宗教、そして、家のようすや考え方までわかってしまいます。大手検索エンジンの会社は、この情報をもとにして、あなたが買ってくれそうな商品やサービスの広告を見せるのです。
大手検索エンジンの会社は、あなたの個人情報をうっかりもらすようなことは、あまりしないでしょう。そんなことをしたら、その会社が信用されなくなってしまうからです。でも、ひとにもらされないからといって、こういった情報を安易に教えていいかは、よく考えるべきです。
SNSやメッセージアプリなどでやりとりする場合、文字だけのやりとりなので、伝えたいことがうまく伝わらないことがあります。
ふつうに会って話すとき、私たちは表情や声の調子などをふまえて、相手が何を伝えようとしているかをおしはかります。でも、文字だけのやりとりでは、それができません。だから、ふつうに話すような感じでメッセージを送ると、伝えたいことがうまく伝わらない可能性があります。
たとえば、歩きなのか、自転車なのか、それとも電車で来るのかと聞きたくて、「なんで来るの?」とメッセージを送ったとします。でも、「なんで来るの?」という言い方は、「なぜ来るんだ?(お前は来るな)」とも受けとれますよね。こういったことがもとで、トラブルになることが多いのです。これは、子どもだけではなく、大人の世界でもおなじです。