コンテンツにスキップ

商法第810条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法商法コンメンタール商法第3編 海商 (コンメンタール商法)商法第810条

条文

[編集]

(共同海損の分担額)

第810条
  1. 共同海損は、次の各号に掲げる者(船員及び旅客を除く。)が当該各号に定める額の割合に応じて分担する。
    1. 船舶の利害関係人 到達の地及び時における当該船舶の価格
    2. 積荷の利害関係人 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額
      イ 陸揚げの地及び時における当該積荷の価格
      ロ 共同危険回避処分の時においてイに規定する積荷の全部が滅失したとした場合に当該積荷の利害関係人が支払うことを要しないこととなる運送賃その他の費用の額
    3. 積荷以外の船舶内にある物(船舶に備え付けた武器を除く。)の利害関係人 到達の地及び時における当該物の価格
    4. 運送人 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額
      イ 第2号ロに規定する運送賃のうち、陸揚げの地及び時において現に存する債権の額
      ロ 船員の給料その他の航海に必要な費用(共同海損となる費用を除く。)のうち、共同危険回避処分の時に船舶及び第2号イに規定する積荷の全部が滅失したとした場合に運送人が支払うことを要しないこととなる額
  2. 共同危険回避処分の後、到達又は陸揚げ前に船舶又は積荷等について必要費又は有益費を支出したときは、当該船舶又は積荷等については、前項第1号から第3号までに定める額は、その費用(共同海損となる費用を除く。)の額を控除した額とする。
  3. 第1項に規定する者が共同危険回避処分によりその財産につき損害を受けたときは、その者については、同項各号に定める額は、その損害の額(当該財産について前項に規定する必要費又は有益費を支出した場合にあっては、その費用(共同海損となる費用に限る。)の額を超える部分の額に限る。)を加算した額とする。
  4. 価格評定書類に積荷の実価を超える価額を記載したときは、その積荷の利害関係人は、当該価格評定書類に記載された価額に応じて共同海損を分担する。積荷の価格に影響を及ぼす事項につき価格評定書類に虚偽の記載をした場合において、当該記載によることとすれば積荷の実価を超える価格が評定されることとなるときも、同様とする。

改正経緯

[編集]

2018年改正により、商法第790条より大きく改正の上、移動。

共同海損ノ分担額ニ付テハ船舶ノ価格ハ到達ノ地及ヒ時ニ於ケル価格トシ積荷ノ価格ハ陸揚ノ地及ヒ時ニ於ケル価格トス但積荷ニ付テハ其価格中ヨリ滅失ノ場合ニ於テ支払フコトヲ要セサル運送賃其他ノ費用ヲ控除スルコトヲ要ス

解説

[編集]

参照条文

[編集]

判例

[編集]

参考

[編集]

2018年改正前には、本条には以下の条項があったが、文言現代化の上、商法第698条に移動。

  1. 救助者ハ其債権ニ付キ救助シタル積荷ノ上ニ先取特権ヲ有ス
  2. 前項ノ先取特権ニハ船舶債権者ノ先取特権ニ関スル規定ヲ準用ス

前条:
商法第809条
(共同海損となる損害又は費用)
商法
第3編 海商
第6章 共同海損
次条:
商法第811条
(共同海損を分担すべき者の責任)
このページ「商法第810条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。