民法第635条
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条文
[編集]- 第635条
削除
改正経緯
[編集]2017年改正により削除。
削除前には以下の条項が規定されており、注文者が請負人に対して有する契約の解除権とその例外について規定していた。本文部は、本改正により、契約不適合に関する解除については、民法第541条及び民法第542条の適用に集約され、但書については、改正前から判例(最判平成14年9月24日)により空文化されており、それを受けて継承なく廃止された。従って、建物その他の土地の工作物に関する請負においても、その契約不適合の度合いによっては解除が可能であることが明示された。
(請負人の担保責任)
- 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。
改正前条項の解説
[編集]建物内装工事(リフォネットのページ)などの場合は注文者に解除権が認められる。注文者が消費者の場合、消費者契約法第8条の2によって、注文者に解除権を認めない特約は無効である。
但書き
[編集]建物など土地工作物を目的物とする場合、注文者が解除すれば請負人が土地工作物を自費で収去しなければならず予想外の損害を被るし、公益にとって土地工作物の原状回復を強制した場合と強制しなかった場合とを比較すると、社会にとって強制しなかった場合の方がよい。従ってこの場合、解除権が認められない。これは強行法規であり、工作注文者に解除権を認める特約は無効である。
- 「請負人が建築した建物に重大な瑕疵があって建て替えるほかはない場合」(構造の安全性、耐久性に重大な影響が及ぶ瑕疵がある)
- これに対応するのは瑕疵修補(民法第634条)では無理である。
- 判例(最判平成14年9月24日)において、「建て替え費用分の損害賠償を引渡しから5年以内(木造)あるいは10年以内(鉄筋やコンクリートの場合)に請求し、注文者の建物工事報酬債権と相殺することができる。重大な瑕疵のある建物を収去するのは公益的に大きな負担ではないから635条但書きに反しない。さらに解体工事費も請求できる。」とした。
- これは、事実上解除した場合と同じで但書きの趣旨を没却する。建物は土地工作物の代表だから、635条但書きは事実上空文化した。
参照条文
[編集]改正前条項の判例
[編集]- 損害賠償請求事件(最高裁判決 平成14年9月24日)民法第634条2項
- 建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合に注文者が請負人に対し建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することの可否
- 建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には,注文者は,請負人に対し,建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。
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