ガリレオ衛星

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ガリレオ衛星は木星の衛星のうち、ガリレオにより発見された4つの天体のことを指す。本項目では木星から近い順(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの順)で説明する。

イオ[編集]

探査機ガリレオが撮影した高解像度のイオ

イオは木星の第1衛星である。

半径は地球の約0.28倍(1800km)。質量は地球の約0.015倍。(8.94×1022kg)。

また、密度が最も高い(約3.5g/cm3)ことでも知られる。

イオにおける火山活動[編集]

イオでは太陽系の中でも激しい火山活動が起こっている。火山活動の熱は他のガリレオ衛星との位置的変化による潮汐力の変化で伸縮するため発生すると考えられている。イオが黄色いのは火山活動の際に噴出される硫黄の化合物のためである。

イオの自転と公転[編集]

イオは自転周期と公転周期が42時間30分ほどで一致している。衛星において自転と公転の周期が同じ場合、惑星に対しては同じ面しか向かない。これは月でも起こり、自転と公転の同期と言われる。

太陽系の惑星の衛星ではほとんどがこれに当てはまる。

エウロパ[編集]

探査機ガリレオが撮影したエウロパ

エウロパは木星の第2衛星である。

半径は地球の約0.25倍(1600km)。質量は地球の約0.008倍(4.8×1022kg)。

エウロパもイオと同じく、自転と公転は同期している。

エウロパの地形[編集]

写真を見ると分かるがエウロパにはひびの入ったような地形が多数ある。これは木星の潮汐力によって割れたものと考えられている。なお、このひびのようなものは線条と言われている。

また、エウロパは100kmの氷の層からできており、この下には液体の水から成る内部海が存在していると考えられている。

ガニメデ[編集]

探査機ガリレオによって撮影されたガニメデ

ガニメデは木星の第3衛星であり、太陽系内では最も大きい衛星である。

半径は地球の0.41倍(2600km)。質量は地球の約0.025倍(1.5×1023kg)。

ガニメデも自転と公転は同期している。

ガニメデの表面[編集]

ガニメデの表面は岩石と水の氷から成る。

また、光条と呼ばれる地形があり、天体の衝突の際に放射状にできたものである。

また、ガニメデには暗い領域と明るい領域があり、暗い方にはクレーターが多く見られる。

カリスト[編集]

探査機ガリレオによって撮影されたカリスト

カリストは木星の第4衛星である。

半径は地球の約0.38倍(2410.3km)。質量は地球の約0.019倍(1.076×1023kg)。

カリストも自転と公転が同期している。

カリストの表面[編集]

カリストの表面は岩石と水の氷から成る。

カリストの表面には多くのクレーターがあり、多重リング構造といわれるクレーターもある。

カリストの軌道[編集]

カリストは、木星の4つのガリレオ衛星のうち、最も外縁の軌道を周回している。