コントラクトブリッジ/ルール/概要
このページではコントラクトブリッジのルールについて、概要を述べる。
概要
[編集]コントラクトブリッジは、2人ずつペアを組んだ4人のプレイヤーによって行われるカードゲームである。 ゲームの最小単位はボードと呼ばれ、各ボードは前半のビッドと後半のプレイに分かれる。 ビッドではそれに続くプレイにおける各プレイヤーの役割を決め、プレイは実際にカードを使って勝負を行う。
プレイヤー
[編集]コントラクトブリッジは1つのテーブルにつき4人のプレイヤーによって行われる。 正方形のテーブルを用い、各辺の席は時計回りに North, East, South, West と呼ばれる。 必ずしもこれが方角と一致している必要はないが、方角に合わせるのが一般的である (反時計回りに東南西北となるw:麻雀などと違い、方角と一致するように全員が着席することができる)。
プレイヤーは2つのペアとなり、仲間同士が向かい合うように着席する。 テーブルについている間、各プレイヤーはそのついている座席と同じ North, East, South, West と呼ばれる。 あるプレイヤーから見て、自分とペアを組んでいるプレイヤーをパートナー (P)という。 他の2プレイヤーをオポーネントといい、自分から見た座席の位置を用いてライトハンドオポーネント (RHO)およびレフトハンドオポーネント (LHO)という。
用具
[編集]カード
[編集]コントラクトブリッジはカード52枚を使って行う。 いわゆる「世界標準タイプ」であり、アメリカや日本で広く使われているタイプである。 4つのスートに分かれていて各スートには13のランクの札があり、ジョーカー (ユーカー) は使用しない。 カードは日本語でしばしば「トランプ」と呼ばれるが、後述するようにコントラクトブリッジにおける「トランプ」は他の (本来の) 意味をもつ。 したがって、ここでは「カード」と「トランプ」とを厳密に区別して用いる。
スート
[編集]後述するビディングや得点計算において、各スートの序列が重要となる。 序列が高い (優先される) 方から、スペード・ハート・ダイヤモンド・クラブの順である。
それぞれの記号を使わない場合、アルファベットの頭文字である S, H, D, C で略記する。 前2者をメジャースート、後2者をマイナースートといい、それぞれ大文字のMと小文字mとで表す。
なお、これはスートではないが「ノートランプ」(NT) がスペードより上に位置する。
その他の用具
[編集]コントラクトブリッジにおいてはカードのみが必ず必要な用具である。 一方で、特定の形式による競技会に必要な用具や、ゲームを快適にするための用具などが存在する。
- ボード
- カードをあらかじめ配っておき、それを収納する用具。ゲームの最小単位を表す用語は、この用具を元とする。
- ビディングシート
- ビディングにおけるコールの内容を書くための紙。
- ビディングボックス
- ビディングにおけるコールの内容を表すための専用カードおよびそれを収納する箱。
- ビディングスクリーン
- ビディングにおいて、不当な情報交換を防ぐための柵。
- スコア記入用紙
- 得点を書くための紙。その用途によって、トラベリングスコア、ピックアップスリップ、プライベートスコアの種類がある。
- ガイドカード
- 競技会において、対戦組み合わせを指示するための表。
評価基準
[編集]ゲームの最小単位はボードであり、そのビッドとプレイを通じてゼロ和の点数が与えられる。 各ボードにおいてはこれを大きくすることがプレイヤーの目的である。
競技会では各ボードの点数を単純に合計するだけでなく、MP, IMP, VP などの指標に変換して競うことが多い。
準備
[編集]各ボードにおいて、まずはディーラを決める。 一般的には、それぞれのボードにディーラが記されている。 ディーラはすべてのカードをシャッフルして、自分を含む各プレイヤーに13枚ずつ配る。 配られたカードを、手札またはハンドという。
デュプリケートと呼ばれる形式では、カードのシャッフルは競技の最初に全ボード一括して行われる。 したがって、それぞれのボードは既にボードに収納されたハンドをシャッフルせずにそのまま用いる。 ただし後述するビッドのため、シャッフルとディールを行わない場合でもディーラは指定しておく必要がある。
ボードへの収納が正しく行われていたかどうかを確かめるため、各プレイヤーは手札を裏にしたまま13枚あることを確認して、それから初めて見ることができる。 プレイヤーは、手札を他のプレイヤーに見せてはならない。
ビディング
[編集]詳細はビッドを参照のこと。
ビディング (オークション) の結果によって、以下の項目が決まる:
- そもそもそのボードのプレイを行うかどうか。プレイを行わない場合をパスアウトといい、双方のペアが0点を獲得してボードを終了する。
- 各プレイヤーの役割。1人のディクレアラーとそのパートナーがダミーとなり、もう一方のサイド2人がディフェンダーとなる。
- 切り札の種類と、ディクレアラーが達成するべき目標。これをコントラクト (契約) と呼ぶ。
各プレイヤーが手札を手にしたら、ビディングを始める。 ディーラから順に所定のコールを行う。 すべてのプレイヤーが1回以上のコールをし、さらに、最後の3つのコールがすべてパスとなったら、ビディングが終了する。
ビディングが終了すると、その結果に基づき、パスアウトするかプレイが始まる。
プレイ
[編集]詳細はプレイを参照のこと。
プレイは13のトリックに分かれ、各トリックはプレイヤーのうち1人が勝つ。 プレイの結果は勝ったトリックの数で表され、それをビディングの結果であるコントラクトと比較してスコアが決まる。
各トリックは、あるプレイヤーがカードを出して始める。 トリックの最初にカードを出すことをリードという。 次に、残りのプレイヤーが順次、時計回りにカードを出す。 最も強いカードを出したプレイヤーがそのトリックを勝つ。
各トリックで最初にカードを出すプレイヤーは以下のように決まる:
- ボードの最初のトリックは、ディクレアラーから見たLHOが出す。オープニングリーダーと呼ぶ。
- ボードの最初のトリック以外は、直前のトリックを取った者が出す。
スコアリング
[編集]詳細はスコアリングを参照のこと。
コントラクトブリッジのスコアリング (点数計算) には主に2つの流儀がある:
- ラバー
- ラバーといわれる形式で主に採用されるスコアリング。
- デュプリケート
- デュプリケートといわれる形式で主に採用されるスコアリング。
デュプリケート方式を用いる競技会では、これらを MP, IMP, VP などに変換することがある。