コンテンツにスキップ

中学校理科 第1分野/光と音

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

光と音

[編集]

この分野では(ひかり)(英語: light)と(おと)(英語: sound)について扱います。光と音は全く異なった現象に見えますが、実際にはこれらは多くの共通した性質を持っています。

[編集]

反射と屈折

[編集]

光は多くの場合、まっすぐ進みます。たとえば、暗い箱を作り、その壁に細いスリットを設けると、スリットから入った細い光線がそのまま直進する様子が観察できます。この性質は、真空中や空気中のほとんどの場合に当てはまり、太陽や電球などから発せられた光は、発せられた方向に直進します。ただし、空気中でも異なる密度の空気が隣接している場合には、光が曲がることがあり、蜃気楼がその一例です。また、真空中であっても、ブラックホールの周囲など特殊な条件では、光が曲がることが知られています。

反射面に垂直な直線を法線(ほうせん)と呼び、入射した光と法線がなす角を入射角(にゅうしゃかく)(英語: angle of incidence)と言います。同様に、法線と反射した光がなす角を反射角(はんしゃかく)(英語: angle of reflection)と言います。
このとき、

入射角 = 反射角

が成り立つ。これを反射の法則という。

反射
反射


上の図ではが入射角に対応し、が反射角に対応する。図でわかるとおり、入射角と反射角は等しい。 下の図では光が黄色の線、鏡が黒の線で直角に紫の法線が伸びている。この図では光の方向が書かれていないが、作図の際書かなければならない。


屈折

また、例えば空気中を直進して来た光が水面に当たって水中に入りこむときには、光は水面でその方向を変えることが知られている。このような現象を光の屈折(くっせつ)(英語:refraction)と呼ぶ。屈折した光と物質境界の垂直方向(法線)とがなす角度を屈折角(くっせつかく)(英語: refracting angle)と呼び、光の屈折の大きさは各々の物質が持つ屈折率(くっせつりつ)(英語: refractive index)によって決まる。屈折率がより小さい物質からより大きい物質に光が入射するときには、屈折角は入射角よりも小さくなることが知られている。反対に、屈折率がより大きい物質からより小さい物質に光が入射する場合、屈折角は入射角よりも大きくなる。

実際の例では、空気から水に向かって光が入射する場合、水の屈折率は空気よりも大きいため、屈折角は入射角よりも小さくなる。

  • 屈折の図


例えば細長い棒を水の中に差し入れると、その棒は曲がって見える。これは、光の屈折によるものである。 また、透明であるガラス瓶やコップが目に見えるのも、この屈折の効果による。 屈折がなければ透明なものは目に見えないという事を体感する実験の例として、ガラス製の瓶やコップを油に沈める実験が知られている。油の中にガラスを沈めると、ほとんど見えなくなる。これは、油とガラスの屈折率が非常に近い値であるためである。

(※ 画像を募集中。空気から真っ直ぐな四角いガラスに入り(レンズやプリズムでは無く)、ガラスを通り抜けた後の光が、入射光での空気中の光の向きと同じ向きであることを説明する画像を書いてください。)

赤外線の発見の歴史は、イギリスの天文学者のウィリアム・ハーシェル(Sir Frederick William Herschel)が太陽光をプリズムで分光した際に、それぞれの色の帯を温度計で計ったら、どの色の部分も温度が上がったが、赤色の光線のとなりの目には色が見えない部分が一番高く温度上昇していることが発見されたという、いきさつがある。

「では、分光された紫色の光線のとなりにも、なにか目には見えない線があるのでは?」というふうなことが学者たちによって考えられ、 ドイツの物理学者ヨハン・ヴィルヘルム・リッター(Johann Wilhelm Ritter)により、ある種類の物質が紫外線をあびると化学変化することが発見され、同時に紫外線の存在も実証された。

(ちなみに、赤外線は、赤色ではありません。 暖房機器(だんぼうきき)の「赤外線ヒーター」が赤く光っているのは、スイッチの消し忘れ(けしわすれ)をふせぐため、つまり安全(あんぜん)のために、赤色のランプをくっつけているのです。)

同じ様に、紫外線も、むらさき色ではありません。

テレビやラジオの電波(でんぱ)は、実は、赤外線よりも、さらに外側の(波長の長い)光です。電波は見えません。

病院のレントゲンなどで使うX線やガンマ線は、紫外線よりも、さらに外側の(波長の短い)光です。X線やガンマ線は見えません。

日焼けの仕組み
日焼けは、夏の風物詩として馴染み深い現象ですが、そのメカニズムは私たちの体の防御反応としてとても重要です。日焼けの主な原因は、太陽から放射される紫外線(しがいせん)です。紫外線には、主にUVA、UVB、そしてUVCの3種類が存在しますが、地上に届くのはそのうちUVAUVBです。この2つが日焼けや皮膚へのダメージに関与しています。
紫外線の影響
UVA
UVAは紫外線の中でも波長が最も長く、肌の奥深くまで浸透します。UVAは短時間では目立った影響を与えませんが、長時間浴び続けると皮膚の老化やしわの原因になります。肌のメラニン色素を酸化させて、日焼けのように見える色素沈着を引き起こしますが、これは即時型黒化(そくじがたこっか)と呼ばれる現象です。
UVB
UVBは波長が短く、皮膚の表面に強い影響を及ぼします。日焼けで赤くなるサンバーンはこのUVBによって引き起こされ、皮膚細胞のDNAを傷つけ、炎症反応を引き起こします。UVBのダメージが蓄積されると、皮膚がんのリスクが高まるため、特に注意が必要です。
メラニンの役割
日焼けの際に肌が黒くなるのは、メラニンという色素が関与しています。紫外線を浴びると、皮膚のメラノサイト(色素細胞)という細胞がメラニンを生成し始めます。メラニンは、皮膚細胞の核を紫外線から保護する自然のバリアとして働き、DNAへのさらなるダメージを防ごうとします。
メラニンが増えると、肌の色が濃くなり、これがいわゆる「日焼け」です。これは体が紫外線からのダメージを軽減するための防御反応であり、後発性黒化(こうはつせいこっか)とも呼ばれます。このメラニンによる色素沈着は時間がかかり、徐々に色が濃くなっていくため、長期間の紫外線曝露が続くと日焼けが深刻化します。
日焼け止めの仕組み
日焼けを防ぐために多くの人が使用するのが日焼け止めです。日焼け止めには、紫外線吸収剤(しがいせんきゅうしゅうざい)紫外線散乱剤(しがいせんさんらんざい)の2種類の成分が含まれています。
  • 紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱などのエネルギーに変換し、皮膚に届く紫外線の量を減らします。
  • 紫外線散乱剤は、紫外線を物理的に反射・散乱させて肌を保護します。一般的に酸化亜鉛や二酸化チタンが使用されます。
SPF(Sun Protection Factor)は主にUVBに対する防御力を示し、PA(Protection Grade of UVA)はUVAに対する防御力を示します。これらの指数を参考にしながら、適切な日焼け止めを選び、肌を守ることが重要です。
日焼けと健康
適度な紫外線は、体内でビタミンDを生成するために役立ちますが、過度な紫外線曝露は皮膚のダメージを引き起こし、皮膚がんのリスクを増加させます。近年では、日焼けが美しいとされる一方で、光老化(ひかりろうか)や皮膚がんの危険性が指摘されており、適切な紫外線対策が重要視されています。


熱された鉄の光
非常に高温に熱した鉄などが光を放つことは、よく知られています。(危険ですので、絶対に真似しないでください。)

一方で、光をプリズムに通すと、色が分かれることも知られています。

このように、非常に高温の物体から放たれる光もプリズムを通すと、色が分かれます。理科の実験で、ニクロム線に電気を通すと温度が上がり、かすかに赤く光る様子を見ることができます。

昔のヨーロッパの科学者(かがくしゃ)たちが、高温の物体から放たれる光を調べたところ、温度が1000度や2000度くらいの時は赤い光が多いことがわかりました。しかし、さらに温度を上げていくと、だんだんと白い光が増えていくことが明らかになったのです。 そして、もっと高温になると、青白い光が多くなっていくことがわかりました。

科学者たちは考えました。「地上の物体では、温度が高いほど赤い光から青白い光に変わる法則(ほうそく)があるのだから、夜空に浮かぶ星の色も同じように、青い星は温度が高いに違いない」と。

実際、この考えは、後にさまざまな研究(けんきゅう)によって確認されました。

夜空には様々な色の星が輝いていますが、これらの色の違いは、星の表面温度の違いによるものです。星から届いた光をプリズムで分け、詳しく調べることで、星の表面温度がわかります。これを表面温度(ひょうめんおんど)といいます。

たとえば、さそり座のアンタレスのような赤色の星の表面温度は約3000度です。 黄色い星の表面温度は約6000度で、太陽もその一例です。 白い星は、表面温度が約10000度で、冬に見えるおおいぬ座のシリウスがその代表例です。

青白い星は、表面温度が15000度以上で、代表的なものとしてはおとめ座のスピカがあります。

色と星の表面温度の関係をまとめると、次のようになります。

(温度が低い) 赤 → オレンジ → 黄色 → 白 → 青白 (温度が高い)
色と表面温度の関係。
「K」とはケルビンという単位で、中学校では習わない単位ですので、わからなくても心配しないでください。

色から温度がわかる星は、太陽のように自ら光を放っている星、つまり恒星(こうせい)です。さそり座のアンタレスやおおいぬ座のシリウスも、光を自ら放っている恒星です。

※ 危険ですので、絶対に太陽の表面温度を直接観測しようとしてはいけません。
月は自ら光を放っているわけではなく、太陽の光を反射しているため明るく見えます。したがって、月の色から月の温度を知ることはできません。
全反射
全反射
光ファイバー

屈折率が大きい媒質から小さい媒質に光が入るときに、入射光が境界面を透過せず、すべて反射する現象が起きる。これを全反射(ぜんはんしゃ)(英語: total reflection)という。全反射は、入射角が大きくなると起こる。 ガラスなどを引き伸ばしてつくられる光ファイバー(Optical fiber)では、一端から入った光をファイバー内部で全反射させることで、もう一端へと光を送って、もう一端から光が出てくる。

光ファイバーの応用例として、通信ケーブルや、胃カメラなどの内視鏡(ないしきょう)がある。 光ファイバーは、内部が2層構造になっており、内側の層と外側の層との境目で全反射を起こすことで、光を送っている。通信用の光ファイバーは、プラスチックのカバーで、おおわれている。

(※ 画像を募集中。光ファイバーの内部構造の説明図を、だれか描いてください。)

通信用の光ファイバーケーブルでは、数多くの光ファイバーをたばねて、被覆でおおってあり、外部からは一本の太いケーブルのように見える。

  • 直角プリズム
図の装置では、2個のプリズムを用いて、反射を4回させている。(ポロI型光路図。)

全反射は、光の進路を変えるための直角プリズムにも利用されている。双眼鏡などの光学機器に用いられる。

(※ 画像を募集中。直角プリズム内での反射のようすを描いてください。)

直角プリズム内で1回だけ反射させれば90度だけ進行方向を曲げることが出来る。2回、反射させれば、180度、進行方向を曲げることができる。

乱反射

[編集]
でこぼこした表面からの乱反射

紙の表面や、板の表面など、ふつうのものの表面は、たいらに見えても、よくよく見ると、こまかいデコボコがいくつもあります。 このデコボコの向きが、それぞれバラバラの向きなので、反射する光のむきも、反射したあとは、バラバラの向きに向かっていきます。

この、光が、バラバラな方向に反射する現象(げんしょう)乱反射(らんはんしゃ)と、いいます。

乱反射のおかげで、わたしたちは、物体(ぶったい)を、どの方向からでも、見ることができるのです。入射角と反射角が等しいという反射の法則は、たとえ乱反射であっても、一つ一つの光線については成り立っています。

※ 教科書の範囲外: すりガラス

※ たぶん授業中に口頭で習う。

学校の美術室とか家庭科室とかの出入口のドアなどにあるガラスで、ガラスの向こう側がくもったように見えるガラスを見たことがあるだろう。

ガラスの向こうがわにある物体が何かはよく見えないが、明かりは取り入れられるし、なんとなくガラスの向こうになにかが有るのか、それとも無いかという事ぐらいは、見える、あのガラスである。

ああいうガラスを、「すりガラス」という。

「すりガラス」は、どういう仕組みになっているかというと、「すりガラス」は、表面がデコボコしているので、いろんな方向に反射したり屈折したりするので、くもったように見えるのである。

すりガラスも、乱反射をする紙のように、表面に細かいデコボコがある。


レンズ

[編集]

ここでは、レンズを用いたときに光が描く軌跡についてまとめる。ここでは、単純なレンズである(とつ)レンズについて扱う。一般に、虫眼鏡や顕微鏡(けんびきょう)など物体を拡大して見るための器具は、光の方向を変えるために、凸レンズを用いている。また、遠視用の眼鏡にも用いられる。

凸レンズは、レンズの真ん中がレンズの縁よりも厚くなっている。代表的な凸レンズである球面凸レンズは次のような形をしている。

レンズの2つの面は、ある半径の球の一部を切り取った形をしている。このとき、元の球の半径をレンズの曲率半径(きょくりつはんけい)と呼ぶ(曲率半径はレンズの焦点距離(しょうてんきょり)(英語: focal length)と関連しているが、焦点距離と曲率半径の関係について詳しく扱うことはしない。)。


図1-2 物体が焦点距離より遠いときは実像ができる
図1-3 物体が焦点距離より近いときは虚像ができる

ここでは球面凸レンズを扱う。球面凸レンズは、レンズの両側に焦点(しょうてん)(英語: focal point)と呼ばれる点を持つことが知られている。焦点とレンズの中心との距離はレンズの両側で等しい。この、レンズと焦点との距離を、焦点距離(しょうてんきょり)(英語: focal length)と呼ぶ。焦点距離の記号は、 f で表すことが一般である。

一般にレンズはプラスチックやガラスなどの材質で作られるが、これらは光を通す材質であると同時に、空気よりもw:屈折率が高いことが知られている。

  • 注意

現在の指導要領では、屈折率について扱わない。屈折率について詳しく知りたい場合、w:屈折率などを参照するとよい。

既に水と空気の例で説明した通り、光は異なる材質の境界を通過するときに、進む方向を変える。同様に、空気中からレンズを通過するときも、光は方向を変える。実際にレンズを抜けた後に光が向かう方向は、光がレンズに入射する方向と位置が分かれば、計算によってあらかじめ知ることができる。

ここでは特に、光が向かう方向が簡単に定まる場合についてまとめる。球面凸レンズでは一般的に、以下の三つの性質が成り立つ。

  1. レンズの軸に平行な光線は、レンズを抜けた後レンズの焦点を通る。
  2. レンズの中央を通る光線はレンズを抜けた後そのまま直進する。
  3. レンズの焦点を通過した光線は、レンズを抜けた後レンズの軸に平行な方向に直進する。
  • 注意

最初の例と最後の例は時間を反対に見ると、同じ事柄を指していることに注意が必要である。時間を反対にするとは、ここでは光の進行方向を逆向きにすることに他ならず、このとき両者は互いに移り変わる。

上で述べたレンズの性質を利用して、レンズを通り抜けた光が結ぶ像の位置と大きさについて調べることができる。レンズが結ぶ像の性質は、対応する物体がレンズの焦点距離より遠くにあるかどうかで変化する。ここではまず物体がレンズの焦点距離より遠くにある場合について述べる。

このとき、物体から放たれる光線は次のような軌跡(きせき)をたどる。

図の中で物体の先端からレンズを通過する光線を3本描いたが、この3本はそれぞれ上で挙げた3つの光線に対応している。これらは1点で交わる。

ここで、物体から放たれた光は3本の光線が交わった点に像を作る。この像を実像(じつぞう)(英語: real image、リアルイミッジ)と呼ぶ。実像は常に物体に対して上下、左右がともに(ぎゃく)(倒立(とうりつ))の向きで現れ、その大きさとレンズからの距離は、物体とレンズとの距離によって決まる。

実像の大きさと現れる位置の性質は、物体とレンズの距離がレンズの焦点距離の2倍に達したときに変化する。ちょうど2倍のときには、実像の大きさはちょうど物体と同じになり、実像とレンズの距離は物体とレンズの距離と等しくなる。一方、物体とレンズの距離が焦点距離の2倍より大きいときには実像の大きさは実際の物体の大きさよりも小さくなり、実像の位置は、物体とレンズの距離よりもレンズに近くなる。一方、物体とレンズの距離が焦点距離の2倍より小さいときには実像の大きさは実際の物体の大きさよりも大きくなり、実像の位置は、物体とレンズの距離よりもレンズから遠くなる。


一方、物体の位置がレンズの焦点距離よりもレンズに近い場合には、光線が像を結ぶ位置は変化する。このとき生じる像を虚像(きょぞう)(英語: virtual image)と呼ぶ。虚像は常に物体よりも大きくなる像であり、虫眼鏡で物体が拡大して見えるのは物体の虚像を観察していることに注意が必要である。虚像は実像の場合と違い正立で現れ、常にレンズに対して物体が存在する側に現れる。

物体とレンズとの距離と、結ばれる像の位置と大きさの関係
物体とレンズとの距離 結ばれる像の位置 大きさと種類 像の向き
焦点距離の内側(0-1倍) 物体と同じ側 物体より大きい虚像 正立
焦点距離の1-2倍 物体と逆側 物体より大きい実像 倒立
焦点距離の2倍以上 物体と逆側 物体より小さい実像 倒立

レンズを使ったときに現れる像の位置と大きさは、実像と虚像の場合を含めて「レンズの公式」と呼ばれる式にまとめることができる。この式は指導要領の範囲外であるので、詳しくはw:レンズを参照すること。

  • ピンホールカメラの原理
ピンホールカメラの原理。物体から発した光は小さな穴をとおり像を結ぶ

ピンホールカメラ(英: pinhole camera)は、レンズを使わずに針穴(ピンホール)を利用したカメラである。針穴写真機ともいう。

凹レンズ

[編集]

凹レンズ
凹レンズによる虚像

凸レンズと逆に光を発散させるレンズは凹レンズ(おうレンズ)(英語: concave lens)と言う。

凹レンズを通る光には主に以下のような性質がある。

  1. 軸に平行な光線は凹レンズを通った後、入射側にある軸上の一点(焦点)から出たかのように広がって進む(発散)
  2. レンズの後方の焦点に向かう光線は凹レンズを通過した後は軸に平行に進む
  3. 節点を通る光線は凸レンズ同様に角度を変えずに進む

凹レンズでできる像は常に正立虚像で、物体と同じ側にある。焦点距離を負の数値であらわす(f < 0)と、凸レンズの場合と同じレンズの公式が成り立つ。

※ 教科書の範囲外: 平ら(たいら)でない鏡(かがみ)

[編集]
とつ面鏡での反射。

※ たぶん授業中に口頭で習う。

写真のように、鏡が曲がっている場合、普通の平らな鏡とは写りかたが違う。


凸面鏡(とつめんきょう)の場合、広い範囲がうつる。

道路のロードミラー(「カーブミラー」ともいう)も凸面鏡である。(※ ロードミラーでは広い範囲をうつす必要があるので、凸面鏡が使われている。)

ロードミラー
※ 写真のは外国のロードミラーなので、日本のロードミラーとは形が、すこし ちがっている。



[編集]

音(おと、sound)とは、物の振動により空気の震えが、耳に届いて聞こえるものである。これは空気の振動と言い換えることもできる。


音波の伝わり方のイメージ

音は、空気中では波のように、物にあたって反射したり、狭いところでは屈折したりするので、音は波として伝わる。 なので音の波の特徴を強調したい場合には音波(おんぱ、sound wave)という場合も有る。

まず音を出す音源の物体が振動したとすると、それに触れている空気が振動し、その結果、空気に回りと比べて密度の高い部分が 出来る。空気の密度の高い部分は、自然に周囲に拡散してしまうが、その分、拡散した先の密度が高くなるので、結果的に空気の密度の高さが伝わっていくことになる。さて、音源は、この間も振動しているのであった。音源の振動のタイミングによって、音源が空気を押しているときは、音源のとなりの空気は密度が高くなるが、逆に音源が引っ込んでいるときは、空気の密度は小さくなる。だから、そして音源の振動によって、空気の密度も振動する。このとき、空気の圧力が高い部分はより圧力が低い回りの部分に空気を押しやろうとする。空気の振動が伝搬され、それが音として聞こえるのである。

それゆえ、空気の無い真空の場所で、音は伝わらない。たとえば、耐圧容器の中に、自動起動のベルなどを鳴らしつつ、真空ポンプなどで空気を抜くと、ベルを鳴らしても、真空だと音は伝わらないので、真空に近づくにつれ音の大きさは小さくなり、やがて何も聞こえなくなる。


雷や遠くの花火では、音と光が同時に発生している。だが、遠くにいる場合、先に光だけが見えて、あとから音が遅れて聞こえてくる。これは、音と光の速さに大きな差があるためである。

音の伝わる速さは(同じ気温の)空気中では、およそ 340 m/s であることが知られている。

※ 一方、光の伝わる速さは真空中で 299 792 458 m/s である。これは定義値である。というのは、光の速さを元にメートルを定義しているからである。これは音の伝わる速さよりもはるかに速く、1秒間に地球を7周半するほどの速度である。(音の場合、約2分で地球を一周する)


この事を利用して、たとえば雨天で雷が起きた時に、雷の発光から雷鳴までの音の秒数で、おおよその距離を知ることができます。

雷の光の3秒後に雷鳴がきこえたら、340×3=1020 で、距離はおおよそ 1020 m です。

いなびかりは、1瞬で伝わると近似しても、構いません(受験研究社)。

なお、べつに自然現象に限る必要もなく、花火の光と音の関係でも、同様である(旺文社)。また、人工物の花火でも成り立つことからも、先ほどの雷の計算が正しい事が裏付けられる。


なお、音の速さは、気温によって微妙に変わります。気温 t ℃では、空気中での音の速さは、常温で常圧(日常生活で経験するような気圧)の付近では(旺文社)、

音の速さ =331.5 + 0.6 t

です。入試では、この式は与えられるでしょうから、暗記の必要はありません。

※ 常温・常圧でない場合の式は、大学レベルの物理学をつかうような複雑な式になるので、中学生は気にしなくて良い。実際には、音速は、温度だけでなく、圧力の影響も受ける事が分かっている。なお、日常生活で体験するような気圧のことを「常圧」ともいうので、「常温・常圧」の条件とも言って良い。
※ 入試では、気圧についての条件で、「常圧」という言い回しではなく「1気圧」とか言われるかもしれません。「常圧」という表現では基準があいまいなので「1気圧」と明示するかもしれません。ほか、気圧について特に明示されてなければ、入試では常圧でしょう。入試の問題文とかで「たかし君は、空気中で、(以下略)」とか書いてあったら、圧力は常圧のはずです。
※ 下記の記述では、圧力については、特に断りのないかぎり、常圧だとします。

暗記の必要はありませんが、水では、25℃で、 1500 m/s で音が伝わります。

水(25℃) 1050 m/s
鉄 5950 m/s
銅 5010 m/s
ゴム(天然) 1500 m/s

このように、気体でなく固体や液体でも、音を伝えます。

そのほか、木や石なども、音を伝えます。固体や液体なら基本的には音を伝えるので、音を伝えるものは無数にあります。なので、これ以上はいちいち、例をあげません。


さて、音の速さが(同じ気温で)一定ということを知る実験には、例えば"広い空間に何人かの実験者を等間隔で並べ、大きな音を出し、音が聞こえた順に手をあげる等の合図をする"という実験を行なうことで見ることが出来る。仮に、音が無限に速い速度を持つときには全員の合図が一斉に現われるはずである。実際には音の速度は有限であるので、十分に広い場所で実験すれば、一斉に手をあげることは無い、と考えるのは自明の理だろう。


音楽のド,レ,ミ,ファ,・・・などを思い起こせば分かるように、音には高さが有る。 音の高さは、音の空気の振動の、振動の多さである。1秒あたりの振動の回数を、周波数(しゅうはすう)(英語: frequency)あるいは振動数(しんどうすう)(英語: frequency)と言う。単位はヘルツ(Hz)である。例えば、100Hzの音は1秒間に100回振動している(1秒×100回=100Hz)。この振動数の大きい音ほど、音が高くなる。振動数の小さい音は、低い音になる。人間の聞こえる音(可聴域)の振動の範囲は、約20 Hz~20 000 Hzである。


  • 固体中や液体中でも、音は伝わる。
  • 固体中や液体中での音の速さは、空気中での音の速さとは異なる。
  • 水中での音の速さは、秒速では約1500 m/秒 である。
  • 固体中での音の速さは、一般に水中での音の速さよりも速い


発展

音波のように、密度の高い部分と低い部分が交互に伝わる種類の波を疎密波(そみつは)(英語: compression wave)という。また、音波は進行方向と、振動の方向が同じであるが、このような波を縦波(たてなみ)(英語: longitudinal wave)という。音波は縦波の一例である。 スプリングを、横にはズラさず、くりかえし伸び縮みさせたとき、ちぢみが伝わっていくが、それが縦波の伝わりかたである。

(※ 縦波を説明する画像を募集中。だれか描いてください。)


いっぽう、水面をつたわる波は、進行方向と、振動の方向が直角であるが、このような波を横波(よこなみ)(英語: transverse wave)という。子供の頃とかに縄跳びで、波をつくってあそんだことのある読者もいるかもしれない。そのような、縄跳びでつくる波も、横波である。


共鳴

音は周りの物を振動させるのであった。音が伝わっていった先に有る物体が、音が伝わったことによって振動をして、その物体もまた音を出すことが有る。このような現象を共鳴(きょうめい、)(英語: resonance、レゾナンス)という。


発展

※ 参考書ではコラムなど 音は、物に当たると反射する。例えば、やまびこ(「こだま」とも言う。)が例である(受験研究社、旺文社)。「山びこ」とは、いくつも山のある山脈の、見晴らしのいい場所で、「ヤッホー」とかいうアレの事です(受験研究社、旺文社。それぞれの図)。

なお、「山びこ」は英語で「エコー」echo と言います。社会科など別の教科でも「エコー」は使う用語ですので、覚えておいてください。

山びこが、どのくらい遅れて返ってきたかの時間をはかることで、現在位置とむかいの山との間の、おおよその距離をはかる事ができます。

たとえば、4秒おくれたなら、

往復で4秒ということは、片道で2秒。そして音速は常温では 340 m/s です。この2つを掛け算すれば、680 m という距離が分かります。


また、音は屈折もする(旺文社が音の屈折を紹介)。たとえば夜中に、遠くの音が聞こえてくるのは、温度によって音の屈折のしかたが違うので、上空のあたたかい空気を通って、遠くの音が屈折しながら伝わってきているのである。いっぽう昼間は、上空よりも高度の低い場所のほうが暖かく、音は高度の低い場所をとおって伝わる。

(画像を募集中。 昼間の音の伝わり方と、夜中の音の伝わり方のようすを描いてください。)
波に関する用語
変位量の最大値 y が波の振幅である(λは波長)。
縦波のイメージ。上図が縦波で、下図は疎密をグラフ化したもの。
縦波をグラフ化したもの。λ(ラムダ)が波長である。


音波の波は縦波であったが、これをグラフで見やすいように、縦軸に密度をとって、横軸に位置や距離をとってグラフに表すことがある。

このように、波は周期的に、おなじパターンを繰り返す。グラフでの波の高いところを(やま)(英語: crest)といい、波の低いところを(たに)(英語: trough)と言う。そして、山と山との間の距離を波長(はちょう)(英語: wave length、ウェイブレングス)という。(波長を、谷と谷との間の距離と言っても良い。一般の波では、結果は同じ。)記号で表す場合は、波長はλ(「ラムダ」と読むギリシャ文字)で表すのが一般である。 振動数が、一秒間に振動する回数である。音の高さは振動数で決まり、振動数が大きいほど、音も高い。振動数の単位にはHz(ヘルツ)が用いられる。

音の大きさは振幅(しんぷく)(英語: amplitude)で決まる。振幅が大きいほど、音も大きくなる。

波長の式は、

波長[m] = 音の速さ[m/s] ÷ 振動数[Hz]

である。

式から分かるように、音の速さが同じなら、波長が長いほど、振動数は小さくなる。


「デシベル」と「ベル」
※ 資料集などで習うらしい。

音の大きさの単位で、「ベル」というのがある。

よく、騒音などの大きさをあらわすのに1ベルの10分の1の「デシベル」という単位が使われる。デシベルの記号はdBである。


例えば、「飛行機の離着陸の音は100dB(デシベル)」などのように使われる。100dBのように、

ちなみに、普通の話し声は50〜60dBくらいである。


音が10デシベル大きくなると、音は10倍の大きさになっている。なので20デシベル違うと、100倍の大きさである。

デシベルの計算法には、高校で習う数学(「対数」という分野。高校2年で習う)を使うので、中学では計算法は深入りしなくていい。