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公認会計士試験/平成30年第I回短答式/管理会計論/問題11

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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問題

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当社は製品X,Y,Zを製造・販売している企業である。次年度の利益計画を策定するに当たって,次の〔資料〕に基づき最適なセールズ・ミックスを実現した場合,複数の損益分岐点売上高が考えられる。その場合の損益分岐点売上高の最大金額と最小金額の差額はいくらになるかを計算し,正しい金額として最も適切なものの番号を一つ選びなさい。(8 点)

資料

1.当年度における製造および販売実績

製品X 製品Y 製品Z
販売価格 2,000 円 3,400 円 3,000 円
販売数量 280 個 450 個 360 個
年間販売能力 500 個 500 個 600 個
個別変動費 600 円 1,360 円 1,800 円
個別固定費 70,000 円 102,000 円 228,000 円
共通固定費 1,980,000 円
1 個当たり設備稼働時間 2 時間 2.5 時間 1.5 時間

2.次年度における目標および条件

(1) 製品Zについては市場環境の変化により販売価格の上昇が20 %見込まれる。
(2) 操業可能な設備稼働時間は3,000 時間である。
(3) 年間販売能力は次年度においても,当年度と同様とする。
(4) 個別固定費について当該製品を製造しない場合は発生しない。
  • 1.170,000 円
  • 2.180,000 円
  • 3.190,000 円
  • 4.200,000 円
  • 5.210,000 円

正解

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2

解説

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最適セールズミックス

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共通制約条件は設備稼働時間

設備稼働時間あたりの限界利益
製品X 製品Y 製品Z
販売価格 2,000円/個 3,400円/個 3,600円/個
(=3,000×120%)
個別変動費 600円/個 1,360円/個 1,800円/個
限界利益 1,400円/個 2,040円/個 1,800円/個
設備稼働時間 2時間/個 2.5時間/個 1.5時間/個
設備稼働時間あたり限界利益 700円/時間 816円/時間 1,200円/時間
※限界利益率 70% 60% 50%
最適セールズ・ミックス
設備稼働時間あたり限界利益の大きい順(Z→Y→X)の順に生産する
製品Z:600個(年間販売能力);使用設備稼働時間、900時間(=600個×1.5時間/個);残り設備稼働時間、2,100時間
製品Y:500個;使用設備稼働時間、1,250時間;残り設備稼働時間、850時間
製品X:425個(=850時間÷2時間/個)

損益分岐点売上高

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固定費総額
70,000 円+102,000 円+228,000 円+1,980,000 円=2,380,000 円
※ 本問では、X、Y、Zをすべて販売するため、個別固定費もすべて考慮する。
最小損益分岐点売上高=限界利益率の高い順に販売する場合
売上高 貢献利益 累計損益
製品X 850,000円
(=2,000円/個×425個)
595,000円 △1,785,000円
製品Y 1,700,000円
(=3,400円/個×500個)
1,020,000円 △765,000円
製品Z 1,530,000円
(=3,600円/個×425個)
765,000円 0
合計 4,080,000円 2,380,000円 0
最大損益分岐点売上高=限界利益率の低い順に販売する場合
売上高 貢献利益 累計損益
製品Z 2,160,000円
(=3,600円/個×600個)
1,080,000円 △1,300,000円
製品Y 1,700.000円
(=3,400円/個×500個)
1,020,000円 △280,000円
製品X 400,000円
(=2,000円/個×200個)
280,000円 0
合計 4,260,000円 2,380,000円 0
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