公認会計士試験/平成30年第I回短答式/財務会計論/問題19

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
←前の問題
次の問題→

問題[編集]

 次の〔資料〕に基づき,P社の20X4 年度連結貸借対照表における為替換算調整勘定の金額として最も適切なものの番号を一つ選びなさい。(8点)

資料

1.20X1 年度期末において,P社は,S社の発行済株式総数の80 %を15,000 千ドルで取得し,S社を子会社とした。S社の資本金は1,000 千ドル,利益剰余金は15,000千ドルであった。

2.S社は,配当を行っておらず,利益剰余金は,20X2 年度期末に16,000 千ドル,20X3 年度期末に19,000 千ドル,20X4 年度期末に18,000 千ドルであった。資本金に変動はない。

3.のれんは,発生年度の翌年度から5 年間にわたり定額法によって償却する。

4.対ドルの為替相場の推移は,次のとおりである。

期首 期中平均 期末
20X1年度 110 105 100
20X2年度 100  98  95
20X3年度  95 100 108
20X4年度 108 113 120

5.20X4 年度中において,P社は,S社に対し,800 千ドルの商品を販売している。S社は,同年度中にその全部を外部に販売済みである。商品販売時の為替相場は,115 円/ドルであった。

1. 312,040千円
2. 316,000千円
3. 332,976千円
4. 333,952千円
5. 335,240千円
6. 338,440千円


正解[編集]

6

解説[編集]

外貨ベースタイムテーブル
20X1期末 20X2期末 20X3期末 20X4期末
持分比率 +80%
資本金 1,000 1,000 1,000 1,000
利益剰余金 15,000 800
------>
200
16,000 2,400
------>
600
19,000 △800
------>
△200
18,000
合計 16,000 17,000 20,000 19,000
取得持分 12,800
取得原価 15,000
のれん 2,200 △440 1,760 △440 1,320 △440 880
円ベースタイムテーブル
換算レート CR100 AR98 CR95 AR100 CR108 AR113 CR120
資本金 (HR) 100,000 100,000 100,000 100,000
利益剰余金 (HR) 1,500,000 78,400
--------->
19,600
1,598,000 240,000
--------->
60,000
1,898,000 △90,400
--------->
△22,600
1,785,000
為替換算調整勘定 △66,400
--------->
△16,600
△83,000 196,000
--------->
49,000
162,000 186,400
--------->
46,600
395,000
合計 (CR) 1,600,000 1,615,000 2,160,000 2,280,000
取得持分 1,280,000
取得原価 1,500,000
のれん (CR換算前) 220,000 △43,120 176,880 △44,000 132,880 △49,720 83,160
為替勘定調整勘定(のれん) △9,680 △9,680 +19,360 9,680 +12,760 22,440
のれん (CR換算後) 220,000 △52,800 167,200 △24,640 142,560 △36,960 105,600

タイムテーブルより、

資本に係る為替勘定調整勘定
△66,400+196,000+186,400=316,000
のれんに係る為替勘定調整勘定
△9,680+19,360+12,760=22,440
合計
316,000+22,440=338,440


←前の問題
次の問題→