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公認会計士試験/平成30年第II回短答式/管理会計論/問題14

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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問題

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 当社は工作機械の製品Pを受注生産する製造業を営んでいる。この度A社から特注品(製品Pの上位機種)の引合いがあり,それを受けるか否か検討している。検討に当たっては,引合いを受ける前の売上総利益を維持できることが前提である。なお,当該引合いを受けても既存顧客への影響はないものとする。そこで,次の〔資料〕に基づき,当社が引合いを受けるのに必要な最低販売単価として最も適切なものの番号を一つ選びなさい。(8点)

資料

1.製品Pの単位当たり製造原価は,直接材料費50,000 円,直接労務費78,000 円,減価償却費48,000 円,その他の製造間接費24,000 円(うち4,000 円は変動費)である。

2.製品Pの年間受注数量は12,000 個であり,これらは全て当期に製造し販売しているため,期末に在庫は残っていない。

3.特注品は年間4,000 個を希望しているが,その場合生産能力に限界があり,製品Pの生産量を30 %減少させなければならない。ただし,当該希望数量4,000 個にかかる単位当たり直接労務費は2 %増加する。

4.当該特注品は製品Pに比べて単位当たり直接材料費は20 %増加するが,設備は現状のものが使用できることがわかっている。ただし,当該特注品の製造にかかる修理費25,000,000 円,さらに保守費用5,000,000 円が追加で発生する。

5.特注品の製造原価は,上記3.および4.に記述したもの以外については,製品Pの製造原価からの変動はない。

6.特注品を製造する前の売上総利益は480,000,000 円であった。

1. 239,060円 2. 241,160円 3. 245,760円
4. 248,260円 5. 252,560円

正解

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4

解説

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※以下、単位を円とする

製品Pの販売価格
売上高 ∴240,000
直接材料費 50,000
直接労務費 78,000
変動製造間接費 4,000
固定製造間接費(含:減価償却費) 68,000
売上総利益 40,000

特注品

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固定製造間接費:製品P@68,000×12,000個+特注品(25,000,000+5,000,000)=846,000,000

販売数量:製品Pは12,000×70%=8,400個,特注品は4,000個

特注品の売上高
特注品 4,000個 製品P 8,400個
売上高 ∴993,040,000 @240,000×8,400個=2,016,000,000
直接材料費 @60,000×4,000個=240,000,000 @50,000×8,400個=420,000,000
直接労務費 @79,560×4,000個=318,240,000 @78,000×8,400個=655,200,000
変動製造間接費 @4,000×4,000個=16,000,000 @4,000×8,400個=33,600,000
貢献利益 ∴418,800,000 @108,000×8,400個=907,200,000
固定製造間接費 846,000,000
売上総利益売上総利益 480,000,000

∴993,040,000円÷4,000個=248,260円/個

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