刑法第9条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

条文[編集]

(刑の種類)

第9条
死刑、懲役、禁()、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

改正経緯[編集]

2022年改正により、「自由刑統一論」の観点から、以下のとおり改正。施行日については未定(2022年10月3日時点)。

死刑、拘禁刑、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

解説[編集]

死刑懲役禁錮罰金拘留及び科料を主刑、没収を付加刑と定める規定である。付加刑は主刑の言渡しに付加してのみ言渡すことができる。
2022年改正により、禁固刑は廃止され、懲役刑を改称した「拘禁刑」に統合された(行刑にかかる争点#自由刑統一論参照)。

参照条文[編集]

判例[編集]

  • 強盗殺人未遂、銃砲等保持禁止令違反(最高裁判決 昭和24年12月21日)
    死刑及無期懲役刑の合憲性−死刑と無期懲役刑との本質的相異
    死刑そのものは憲法第36条にいわゆる「残虐な刑罰」に当らないとすることは当裁判所の判例とするところである(昭和22年(れ)第119号昭和22年3月12日大法廷判決参照)。既に現行制度における死刑それ自体が然りとすれば同様に現行制度における無期懲役刑そのものも亦残虐な刑罰といゝ得ないことは一層当然であろう。
    論旨は死刑はその与へる苦痛が瞬間的であるに反し、無期自由刑は犯人の生涯を通じ永続的に人間存在の前提ともいうべき自由を剥奪し、必要以上の精神的肉体的苦痛を与え死刑に比して却つて残虐であるといわねばならないと主張する。無期自由刑が観念的には−仮出獄、刑の執行停止、恩赦等の制度のあることを度外視すれば−犯人の一生を通じその自由を剥奪せんとするものであることは所論のとおりであるが、俗に「命あつてのもの種」といわれるやうに、論旨が人間存在の前提であるとする自由そのものは実は生命の存在を前提とするものであり、生命の剥奪は、すべての自由の絶対的剥奪となる。人は本能的にその自由よりもその生命を尊重し、生命の剥奪を自由のそれにも増して嫌惡悪し恐怖するのが通常である。尤も特殊の人が特殊の事情の下に無期自由刑よりも死刑を選ぶようなこともないではないであろう。しかしそれはあくまで稀有な例外的事例に過ぎないのであつてこれを以て一般を律することはできない。さればわが刑法においても現代文明各国の立法例と共に死刑を以て最重の刑とし無期自由刑をこれに次ぐものとしているのである(刑法第10条参照)。
    のみならず科刑の目的は受刑者その人を対象とする特別予防の他に社会を犯罪から防衛せんとする一般予防の面もあるのであるから、刑の種類及び量の適否と要否とについてもこの両者の立場から考察されなければならない。そして又犯罪と犯人とがその型と質とを異にするに従いこれに対応する刑罰も亦その量及種類を異にせざるを得ないのである。死刑の以てしては過酷に失し有期の自由刑を以てしてはなお足りないとする場合もあり得るのであるから、法律が無期自由刑を認めたからというて、唯特殊の受刑者の個人的立場からのみこれを目して必要以上にその精神的肉体的苦痛を与へる残虐な刑罰を規定するものとし、違憲であると断じ去ることはできない。
    しかも近時における行刑制度は素朴な応報刑主義の見地のみによらず教育刑主義にも立脚して組織され運用されているのである。すなわち現代の行刑は、無期自由刑の受刑者に対してもでき得る限りその物心両生活においてその反省の機会を与え人間生活の広さと深さとを味得せしめてその更生を誘致すべく努力するのである。所論は人間の生命に対する本能を顧みず刑の真義と行刑の実情とを正規しない偏見に過ぎない。

前条:
刑法第8条
(他の法令の罪に対する適用)
刑法
第1編 総則
第2章 刑
次条:
刑法第10条
(刑の軽重)


このページ「刑法第9条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。