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初等数学記号集

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

ここでは、小・中・高校までに扱われる数学の記号、また、高校では扱われないことが多いが高校程度の知識でも理解できる記号も紹介する。

関数

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記号 意味 説明
一変数関数の陽関数表示
一変数関数の陰関数表示/ニ変数関数
絶対値
階乗
二重階乗
冪根 乗根を表す。 が 2 であるときには と書かれる。
サイン 高等学校数学II/三角関数参照
コサイン 高等学校数学II/三角関数参照
タンジェント 高等学校数学II/三角関数参照
セカント
コセカント
コタンジェント
ハイパボリックサイン、シンシュ、シャイン
ハイパボリックコサイン、コッシュ
ハイパボリックタンジェント、タンチ
指数関数 高等学校数学II/指数関数・対数関数参照
対数関数
対数関数 高等学校数学II/指数関数・対数関数参照
ガウス記号 はxを超えない最大の整数を表す。
床関数 以下の最大の整数を表す。
天井関数 以上の最小の整数を表す。
関数の合成
逆関数

代数学

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記号 意味 説明
等しい
等しくない
ほぼ等しい がほぼ等しいことを表す。日本では が使われることが多いが、 の方がよく使われる。化学ではもっぱらが使われる。
不等号 より の方が大きいことを意味する。
等号付きの不等号 より の方が大きいか等しいことを意味する。高校までは下線が2本のものが広く使われる。
乗法 の積を表す。 とも表される。ベクトルの場合、は内積、は外積である。
除法 である。
プラスマイナス をまとめて表したり、また、 のように、符号を変えても同じ形の式になる場合に2式をまとめて表すのに使用する。
総和

で定義される。

命題 を満たすすべての についての和を取ることを

と書く。

総乗
順列
重複順列
二項係数、組合わせ
重複組合せ
ベクトル はベクトルを表す。ベクトルが有向線分を指さない場合、と書く方が一般的である。
ノルム のノルムである。
複素数の実部 複素数 に対し、 はその実部を、 はその虚部を表す。ちなみに、 はフラクトゥールである。
複素数の虚部
共役複素数 複素数 に対し、 はその共役複素数を表す。
次数 多項式 に対して、 でその次数を表す。
行列式 は正方行列の行列式を表す。とも書く。
は正方行列の跡を表す。
階数 は正方行列の階数を表す。
転置 は行列の転置行列を表す。
対角行列 は対角成分がである対角行列を表す。

定数

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記号 意味 説明
円周率 円周の直径に対する比。
円周率 円周の半径に対する比。
ネイピア数(自然対数の底)
虚数単位 となる数の一つ。
オイラーの定数

解析学

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記号 意味 説明
数列 は第n項がである数列を表す。
微小、変化量 は微小なあるいはの変化量を表す。

物理学では変化量の意味で使われることが多い。

非常に小さい と比べて非常に小さいことを意味する。
極限 高等学校数学III/極限参照
導関数, 微分 高等学校数学II/微分・積分の考え参照

は n 階微分を表す。

は主に物理学で時間微分を表す。

積分 高等学校数学II/微分・積分の考え参照

集合

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記号 意味 説明
集合の内包的記法 で命題 を満たす の全体の集合を示す。
集合に対する元の帰属関係 は、 が集合 の元であることを意味する。 は、 の元でないことを意味する。
集合の一致 は集合 と集合 が等しいことを示す。
の否定 は集合 と集合 が等しくないことを示す。
集合の包含 の部分集合であることを示す。 の真部分集合であることを示す。
共通部分 は集合 と集合 の共通部分を表す。または、集合族 の共通部分を表す。
和集合 は集合 と集合 の和集合を表す。また、 で。集合族 の和集合を表す。
差集合 は、集合 から集合 の要素を除いた集合を表す。
補集合 は集合 の補集合を表す。c は complement の略である。
冪集合 の部分集合の全体の集合である。
開区間 を満たす 全体の集合を示す。
閉区間 を満たす 全体の集合を示す。
半開区間 を組み合わせたものである。例えば、 を満たす 全体の集合を示す。
最大値 で集合 に属する最大の値を示す。
最小値 で集合 に属する最小の値を示す。
空集合
自然数の全体
整数の全体
有理数の全体
実数の全体
複素数の全体

整数論

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記号 意味 説明
合同 が法のもとで合同、つまり で割った余りが等しいことを示す。
最大公約数 gcd は greatest common divisor の略である。
最小公倍数 lcm は least common multiplier の略である。
割り切る を割り切る、つまり の約数(の倍数)であることを表す。
の否定 でない()ことを示す。

確率・統計

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記号 意味 説明
平均 の平均値。は大学以上の物理で使う。
四分位数 は第一四分位数、は中央値、は第三四分位数。
確率 は事象 の起こる確率。
条件付き確率 は事象が起きたもとで事象の起こる条件付き確率。
期待値 は確率変数 の期待値。

確率分布に対して定義する場合は平均と呼ばれる。

分散 は確率変数 の分散。
標準偏差
共分散 は確率変数 の共分散。
相関係数
比例 が比例関係にあることを示す。つまり、 となる が存在する。
二項分布 試行回数、起こる確率の反復試行における二項分布。
正規分布 平均 分散 の正規分布。
分布に従う は、確率変数が標準正規分布に従うことを示す。

幾何学

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記号 意味 説明
三角形 で三角形ABCを表す。(デルタ)で代用されることもある。
合同 が合同であることを示す。合同な図形は平行移動や反転で一致させることができる。
∽, 相似 が相似であることを意味する。日本の中学・高校では ∽ が使われることが多い。
座標 座標を示すのに使われる。
において における角を表す。
垂直 で直線 と直線 が垂直であることを示す。
平行 で直線 と直線 が並行であることを示す。日本では斜めに倒して使われることが多い。
を結ぶ弧を表す。
面積が等しい の面積が等しいことを示す
辺の長さ は辺の長さを表す。
離散グラフの辺 は離散グラフの2頂点を結ぶ辺を表す。

命題

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記号 意味 説明
論理包含、含意 は、 が真なら も真という命題を示す。
同値 の真偽が一致することを意味する。
否定 は「命題 が偽」という命題を表す。高校ではと書くことが多い。
なぜならば は 「 なので、 が成り立つ」ということを示す。
ゆえに は 「 なので、 である」ということを示す。
論理積 は「 がともに真」という命題を示す。
論理和 は「命題 と命題 のどちらかは真」という命題を示す。
全称 は、集合 の任意の元 に対して命題 が成立することを示す。
存在 は、命題 が成り立つ、集合 の元 が存在することを示す。
定義 で定義することを明示的に表す。
連立

条件を表すだけでなく、連立方程式や媒介変数表示などでも用いられる。