初等整数論/ルーカス数列/基本的な関係式の証明

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ルーカス数列に関する基本的な関係式の証明をここで行う。

関係式 1[編集]

(二次の関係式)

証明
より

となり、前の式が導かれる。後の式は

となるところ、右辺の分子は

となることから確かめられる。

関係式 2[編集]

(添字の加法)

証明

および

により、最初の2つの式は証明される。

3つめの式は

となるところ、右辺の分子は

となることから、結局

となることより確かめられる。

また より

が成り立つ。

関係式 3[編集]

(添字の加法その2)

証明
前の式は

により確かめられる。後の式は

および

により確かめられる。

関係式 4[編集]

証明

および より前の式が確かめられる。また

となるところ、右辺の分子は

に一致するので、後の式も確かめられる。

関係式 5[編集]

(添字2倍公式)

証明
関係式 2, 3 から導かれるが、

により直接確かめることもできる。

関係式 6[編集]

(添字3倍公式)

証明

により確かめられる。

二項展開に関する等式[編集]

より一般的な、添字の乗法について考えたい。そのために、まず、次の等式が成り立つことを見る。 m が偶数のとき

m が奇数のとき

関係式 7[編集]

(奇数乗の展開) m が奇数のとき

および

証明

ここで、等式 より

が成り立つ。同様に

が成り立つ。


関係式 8[編集]

(偶数乗の展開) m が偶数で k が正の整数のとき

および

成り立つ。

証明
等式 より

および

が確かめられる。


関係式 9[編集]

(添字多倍公式) k が偶数のとき

k が奇数のとき

および

が成り立つ。

証明
k が偶数のとき

また k が奇数のとき

および

である。

関係式 10[編集]

P , D を使った展開)

証明

n 乗して

つまり

と展開できる。同様に

と展開できる。これらの和および差を1/2倍して求める式が得られる。

関係式 11[編集]

の展開) m が偶数のとき

m が奇数のとき

証明

等式 より m が偶数のとき

m が奇数のとき

となる。