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制御と振動の数学/第一類/Laplace 変換による解の吟味/初期値問題の解の一意性/三角関数の加法定理

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

解の一意性の応用として,三角関数の加法定理の証明を紹介しよう. は,

(3.15)

の解であり,その初期値は,

(3.16)

である[1].この解は一つしかない.いま式 (3.15) 式 (3.16) を満たす解を Laplace 変換で求めてみよう.

この原像は,

である.よって解の一意性から,

を得る.

例72

例にならって の加法定理を導け.

解答例

…① の解.
よって定常性の原理より も①の解であり,この解の①における初期値は …②
①②の微分方程式を解く. とおくと,


この原像は,
…③
解の一意性より、①②の特殊解は③のみであるから,


…④ の解
よって定常性の原理より も④の解であり,この解の④における初期値は …⑤
④⑤の微分方程式を解く. とおくと,


この原像は,
…⑥
解の一意性より,④⑤の特殊解は⑥のみであるから,



  1. ^ なぜなら より だから を両者に代入して