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制御と振動の数学/第一類/Laplace 変換による解の吟味/解の構造と一般解/1 次独立性

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

定数係数の線形微分方程式を,

(3.25)

とおく.ここに は特性多項式である.もし,これが,

と因数分解できるならば,式 (3.25) の解は,

および,

のような 個の関数の 1 次結合で与えられることは,前節で示した.ここに,

である.これらが 1 次独立であることを示すのが,本項の目的である.つまり に関する恒等式,

から,すべての に対して,

を示すことである.この証明には補題 3.4 と,前章に示した事実,

および

を用いる.


定理 3.4

個の関数

は 1 次独立である.


証明

の場合を証明すれば十分であろう.一般の場合は添え字 などが二重についてわずらわしいだけである.

(3.26)

に,

を作用させると, の場合以外はすべて消えて,

となる.補題 3.4 により

であるから,

を得る.次に,

を作用させると となり,以下同様にして,

を得る.このとき式 (3.26) は,

となっている.これに,

を作用させると,

となる.以下同様にして,

を得る.