労働安全衛生法施行令第2条
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労働安全衛生法施行令 (前)(次)
条文
[編集](総括安全衛生管理者を選任すべき事業場)
- 第2条
- 労働安全衛生法(以下「法」という。)第10条第1項の政令で定める規模の事業場は、次の各号に掲げる業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。
- 林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 100人
- 製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 300人
- その他の業種 1,000人
解説
[編集]- 労働安全衛生法の施行について(昭和47年9月18日付け発基第91号)
事業場の範囲
- この法律は、事業場を単位として、その業種、規模等に応じて、安全衛生管理体制、工事計画の届出等の規定を適用することにしており、この法律による事業場の適用単位の考え方は、労働基準法における考え方と同一である。
- すなわち、ここで事業場とは、工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに継続的に行なわれる作業の一体をいう。
- したがって、一の事業場であるか否かは主として場所的観念によって決定すべきもので、同一場所にあるものは原則として一の事業場とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場とするものである。
- しかし、同一場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、その部門を主たる部門と切り離して別個の事業場としてとらえることによってこの法律がより適切に運用できる場合には、その部門は別個の事業場としてとらえるものとする。たとえば、工場内の診療所、自動車販売会社に附属する自動車整備工場、学校に附置された給食場等はこれに該当する。
- また、場所的に分散しているものであっても、出張所、支所等で、規模が著しく小さく、組織的関連、事務能力等を勘案して一の事業場という程度の独立性がないものについては、直近上位の機構と一括して一の事業場として取り扱うものとすること。
- 事業場の業種のとらえ方
- 事業場の業種の区分については、その業態によって個別に決するものとし、経営や人事等の管理事務をもっぱら行なっている本社、支店などは、その管理する系列の事業場の業種とは無関係に決定するものとする。
たとえば、製鉄所は製造業とされるが、当該製鉄所を管理する本社は、労働安全衛生法施行令第2条第3号の「その他の業種」とすること。 - この法律の中で用いている業種で、次の表の左欄に掲げるものに属する事業は、同表の右欄に掲げる旧労働基準法第8条各号の事業とすること。
労働安全衛生法上の業種分類 旧労働基準法第8条各号の事業 イ 林業 第6号の事業(造林、伐木、造材、集材または運材を行なう事業に限る。) ロ 鉱業 第2号の事業 ハ 建設業 第3号の事業 ニ 運送業 第4号および第5号の事業 ホ 清掃業 第15号の事業(焼却または清掃の事業に限る。) ヘ 通信業 第11号の事業 ト 土石採取業 第2号の事業(鉱山保安法適用事業以外の事業に限る。) チ その他の業種 第6号から第10号までおよび第12号から第17号までの事業(第6号の事業のうち造林、伐木、造材、集材または運材を行なうものならびに第15号の事業のうち焼却または清掃の事業を除く。)
- また、造船業に属する事業は、災防法の施行規則第13条に置かれていた定義と同じく、船舶の製造、改造または修理の事業をさす。
- なお、次の業種に属する事業(「物の加工業」に属する事業のうち、学校附設の給食の事業を除く。)は、旧労働基準法第8条第1号の事業とする。
- 製造業(物の加工業を含む)
- 電気業
- ガス業
- 水道業
- 熱供給業
- 自動車整備業
- 機械修理業
- また、造船業に属する事業は、災防法の施行規則第13条に置かれていた定義と同じく、船舶の製造、改造または修理の事業をさす。
- 労働安全衛生法および同法施行令の施行について(昭和47年9月18日付け基発第602号)
- 本条で「常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する」とは、日雇労働者、パートタイマー等の臨時的労働者の数を含めて、常態として使用する労働者の数が本条各号に掲げる数以上であることをいうものであること。
- 第2号の「物の加工業」に属する事業は、給食の事業が含まれるものであること。
- 給食の事業のうち、学校附設の給食場についての事業場の単位としては、一の教育委員会の管轄下の給食場をまとめて一の事業場として取り扱うこと。
- 「日々雇用される者」とは、1日単位の労働契約期間で雇われ、その日の終了によって労働契約も終了する契約形式の労働者であること。
- 「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(当該事業所に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業所に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者)の1週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。
参照条文
[編集]- 労働安全衛生法の施行について(昭和47年9月18日付け発基第91号)
- 労働安全衛生法および同法施行令の施行について(昭和47年9月18日付け基発第602号)
- 労働安全衛生法第10条(総括安全衛生管理者)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について(平成21年12月28日 雇児発第1228002号)
- 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条(定義)