国家賠償法第5条
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条文
[編集]【他の法律の適用】
- 第5条
- 国又は公共団体の損害賠償の責任について民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる。
解説
[編集]民法上の責任は、特に不法行為においては過失責任であるが、各種の法律により無過失責任を含め注意義務のレベル及び賠償範囲・金額に軽重が置かれており、各々の法律の責任認定の規律による。
「民法以外の他の法律に別段の定があるとき」の典型例としては、次のようなものが挙げられる。
- 失火の責任に関する法律(失火責任法)
- 消防職員等の失火(埋火を見逃したなど)により国または公共団体が責任を負う場合、国家賠償法1条の一般原則(通常の過失で足りる)ではなく、「重大な過失」がなければ責任を負わないという特則が問題になる(いわゆる消防署職員の失火事案での議論)。
- 郵便法上の損害賠償責任の特則
- 郵便物の滅失・き損・遅延などについて、国または日本郵便等の責任を限定したり、国家賠償法の適用を排除・修正する規定が置かれており、これが「民法以外の他の法律に別段の定がある」場合として典型例として挙げられる。
- その他の個別公法上の責任制限規定
- 交通・通信・エネルギーなどのインフラ関係法制や、特定の公的サービスに関する法律で、国・公共団体(またはその指定法人)の損害賠償責任について金額の上限、過失要件の加重、一定の場合の免責などを定めている規定があり、これらも本条にいう「別段の定」の例として理解される。
参照条文
[編集]判例
[編集]- 損害賠償(最高裁判決昭和56年1月30日)
- 郵政職員の争議行為に基づく書留郵便物の遅配によつて差出人でも受取人でもない者に生じた損害につき国の賠償責任が否定された事例
- 支払のための呈示前の約束手形を封入した書留郵便物の配達が郵政職員の争議行為のために遅れている間に手形の振出人が倒産して手形が不渡りになつたことにより、右手形を郵便の差出人たる割引先から買い戻すことを余儀なくされ、買戻金額相当の損害を受けた者は、右手形不渡りが一日前後の配達の遅滞に起因すること、右争議行為の規模・態様など原判示の事情のもとにおいては、国に対する損害賠償請求権を取得するものではない。
- 郵政職員の争議行為に起因する本件書留郵便物の配達の遅延により上告人に生じた損害につき、郵便法第6章の諸規定に照らし被上告人の上告人に対する損害賠償責任を否定すべきものとした原審の判断は相当である。
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