地方自治法第9条

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法学コンメンタール地方自治法

条文[編集]

第9条  
  1. 市町村の境界に関し争論があるときは、都道府県知事は、関係市町村の申請に基づき、これを第251条の2の規定による調停に付することができる。
  2. 前項の規定によりすべての関係市町村の申請に基いてなされた調停により市町村の境界が確定しないとき、又は市町村の境界に関し争論がある場合においてすべての関係市町村から裁定を求める旨の申請があるときは、都道府県知事は、関係市町村の境界について裁定することができる。
  3. 前項の規定による裁定は、文書を以てこれをし、その理由を附けてこれを関係市町村に交付しなければならない。
  4. 第1項又は第2項の申請については、関係市町村の議会の議決を経なければならない。
  5. 第1項の規定による調停又は第2項の規定による裁定により市町村の境界が確定したときは、都道府県知事は、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。
  6. 前項の規定による届出を受理したとき、又は第10項の規定による通知があつたときは、総務大臣は、直ちにその旨を告示するとともに、これを国の関係行政機関の長に通知しなければならない。
  7. 前項の規定による告示があつたときは、関係市町村の境界について第7条第1項又は第3項及び第7項の規定による処分があつたものとみなし、これらの処分の効力は、当該告示により生ずる。
  8. 第2項の規定による都道府県知事の裁定に不服があるときは、関係市町村は、裁定書の交付を受けた日から30日以内に裁判所に出訴することができる。
  9. 市町村の境界に関し争論がある場合において、都道府県知事が第1項の規定による調停又は第2項の規定による裁定に適しないと認めてその旨を通知したときは、関係市町村は、裁判所に市町村の境界の確定の訴を提起することができる。第1項又は第2項の規定による申請をした日から90日以内に、第1項の規定による調停に付されないとき、若しくは同項の規定による調停により市町村の境界が確定しないとき、又は第2項の規定による裁定がないときも、また、同様とする。
  10. 前項の規定による訴訟の判決が確定したときは、当該裁判所は、直ちに判決書の写を添えてその旨を総務大臣及び関係のある都道府県知事に通知しなければならない。
  11. 前10項の規定は、政令の定めるところにより、市町村の境界の変更に関し争論がある場合にこれを準用する。

解説[編集]

関連条文[編集]

判例[編集]

  1. 境界確定(最高裁判決 昭和61年05月29日)地方自治法第5条1項
    町村の境界確定の基準
    町村の境界に争論がある場合において、明治以降当該境界を変更又は確定する法定の措置がとられたことがなく、江戸時代における関係町村の当該係争地域に対する支配・管理・利用等のおおよその区分線を知り得るときは、これを基準として境界を確定すべきである。

前条:
地方自治法第8条の2
地方自治法
第2編 普通地方公共団体
第1章 通則
次条:
地方自治法第9条の2
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