太陽系外惑星

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ウィキペディア太陽系外惑星の記事があります。
太陽系に最も近い系外惑星であるプロキシマ・ケンタウリb想像図。

太陽系外惑星は太陽系以外にある惑星である。地球に似たものも見つかっており、生命がいる可能性もある。系外惑星と略す場合もある。恒星とその太陽系外惑星を含む集まりは惑星系という。

発見[編集]

太陽系外惑星は1995年に初めて発見された。最近になって発見されたということはつまり発見するのが難しいということである。

発見方法[編集]

太陽系外惑星の発見方法には主に2つある。

視線速度法は恒星が動いた際のドップラー効果をとらえ、惑星の存在を確認する方法である。ドップラー分光法ともいう。太陽はほとんど動かないが実は木星や土星と引力の相互作用を引き起こしているため少しは動いている。これは太陽系以外でも起こりうるため、太陽系外の恒星と太陽系外惑星でもこの現象が起こっていると考えられる。特に太陽系外惑星が大きい惑星系では恒星の動きが観測できるため惑星の存在を知ることができる。

トランジット法は恒星の減光現象により惑星の存在を確認する方法である。太陽と月が同じ方向にあるとき、月が太陽の前を通る日食という現象が起こるため太陽は暗くなるはずである。これを太陽系外の恒星と惑星で例えれば惑星の存在は確認できる。この方法を使うと減光の割合により恒星と惑星の大きさの比が求められるため、半径を知ることができる。

この他にも多くの発見方法がある。

ホット・ジュピター[編集]

ホット・ジュピターの想像図。

ホット・ジュピターは恒星からの距離が地球と太陽の距離の半分以下しかないのに木星のような質量をもつ天体のことである。視線速度法で容易に見つけることができる。密度は土星よりも小さいことがある。自転と公転が同期している[1]ため、潮汐ロックが起こっている。

ハビタブルゾーン[編集]

居住可能性のあるTRAPPIST-1dの想像図。

太陽系外惑星のうち、地球と似た自然環境で生命の存在が可能とされる領域をハビタブルゾーンという。

ハビタブルゾーンの前提条件として、水が液体として存在できる(表面温度が0℃から100℃)ことが必要であるため恒星からの距離が程よくないといけない。また、生命を構築する有機物のある環境でないと生命が誕生しない。これを踏まえた生命の存在可能性の目安を生存可能指標という。

ドレイク方程式[編集]

太陽系外惑星には生命の存在する可能性があるが1961年、ドレイクは人類が接触する可能性のある地球外文明の数を算出する式を導き出した。これをドレイクの方程式という。この式は以下のように表される。

で表される。このときRは生まれる恒星の年間平均数、fpは恒星が惑星を持つ確率、neは1つの恒星で生命存在の可能性がある惑星の平均数、flは生命存在可能性のある惑星での生命が実際に存在する確率、fcは生命が通信を行う確率、Lは生命が通信を行ったとしてそれが続く期間である。

脚注[編集]

  1. ^ 自転と公転の周期に関してはガリレオ衛星#イオを参照。