学習方法/中学高校の学習全般

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進路に応じて、適した勉強法は変わるだろうが、このページでは大学進学を将来的に志望する者で、主に、中学生・高校生に向けた学習法を述べる。 中学校・高校などの教科の学習など、それらに共通するであろう学習方法について述べる。

大学生向けの勉強法は、別ページを参照して下さい。


このページ (学習方法/中学高校の学習全般) では、中学高校の学習方法についてについて説明します。なお、独自研究や中立性を欠いた文章を含んでいる場合があります。独自研究の中には多くの場で共有されている意見もあれば、少数の意見もありますのでご注意ください。


また、各教科・各科目の個別の勉強法については、市販の参考書を何冊か見れば、ふつうは、その参考書の前書きのページあたりに、その参考書をつかった勉強法などが書かれているだろうから、そのようなものを参考にしたほうが安全だろう。

基本的な学習法[編集]

学習の中心は、学校で配布された検定教科書や資料集など、そして、それを利用した学校の授業である。受験参考書はわかりやすく端的に解説されていることが多いので、授業、教科書、資料集だけではよく理解できないと感じたときには参考書も読むとよい。大学受験を考えると、教科書と学校配布教材だけの学習範囲は入試対策としては不十分な部分もあるため[1][2]、参考書を用いた学習にはそれを補う意味もある。

どのような学習のスタイルが合っているかには個人差も大きい。特定の指導方針に従うことを難なくそつなくこなせる生徒がいる一方で、逆に理解が難しくなり学習活動に困難を感じることが多くなる場合もあるかもしれない。基本的には学習に関しては教員をはじめとするまわりの大人たちのアドバイスを受けるのがよいが、それを活用するためにはその意味を自分なりに理解し咀嚼したうえで実践することも必要になるだろう。自分なりの理解に落とし込めないアドバイスも一旦は実践してみるのがよいが、実践してみてしっくりこなければやめてしまってもよい。

受験対策として、入試過去問を用いた演習などは当然に必要になるが、基礎をおろそかにしていきなり演習に取り組んでも得るものは少ない。学問に関してはまず対象の課題議論の基礎をよく理解して知ることが最も重要であること、そしてそれは思いのほか困難であるためまず優先して取り組むべきであることを意識しておくとよい。一方で、各種試験問題を分析することから様々な知見が得られることもあり、試験対策の学習もあながち無為なものとは言い切れない面があるだろう。

授業の受け方[編集]

  • 出席をする

特に義務教育ではなくなる高等学校において、通信制でない限りは、授業に出席しなければ履修が認められず、単位が認められないため進級できない。もちろん出席するだけでよいわけではなく、出席したうえでその時間をどう過ごすかが問題ではあるが、まずは授業に出席しなければならない。

  • ノートをとる

授業を受ける際には、ノートをとることも基本的な学習の一つである。ノートの取り方に関しても、これという一つの正解があるわけではなく、結局は毎日の授業の中でそれぞれの生徒が試行錯誤しながらいいノートの取り方を見出していくことになるだろう。ノートを上手にとり、情報量の多い見やすいノートを作ることができれば、あとから見直すときにも有用であるが、それだけが重要なわけではない。むしろ、授業を聞くときに話を聞きながら考えることは重要なことで、その思考の過程、その思考の結果も大きな勉強である。

塾など[編集]

塾は、教育的な環境と課題を用意し、その課題を塾生に課す場所である。塾側は商売として様々なそれらしいことを語るが、結局生徒側がそれぞれの考えを持ったうえで上手に利用する必要がある[1][2]

参考書と問題集[編集]

参考書を買う際は、まずは解説の多い入門書的な "参考書" を選んで買うのが良いだろう。入門用の "参考書" を選ぶ際には、まずは学校の予習復習用から受験対策まで広く対応した、初学者用の本を買うのが良いだろう。

大学受験での浪人生ならともかく、現役の高校生・中学生の場合は、未習科目や未習単元について、いきなり受験対策用の難度の高い参考書を買うのは、あまりお勧めしない。受験対策用の本は、すでに教科書や入門用の参考書や問題集を買った人が、さらに理解を深めて受験などに備えるために読み解く本である。

経済的な理由や学習深度、あまり散漫な学習方法を取らないほうがいいという理由から、参考書は一冊持っていれば十分だとも考えられる。しかし、多読や速読が得意な生徒であれば、2冊、複数所持したり、読み比べて様々な検討、学習、分析をするのも、有効な学習法だと言える。

問題演習もやはり重要だろう。教科書にも、参考書でも、そして学校の授業でも問題演習をする機会はあるが、ある程度の量をこなすことは、試験対策にも受験対策にも、そして理解にも実は有意義な事である。それぞれの学習深度に合わせた判断になるが、多くの場合は問題集も学校で提供されるし、はじめは簡単な問題集から始めるのがよい。

質問の方法[編集]

学習をしていて、教科書や(学校でもらった)副読本を調べても分からない点があるときは、教員に質問をしてみるのも良い。しかし質問というのは、やみくもに質問しても相手に疑問点が伝わらないので良い結果は得られない。良い結果を得るためには、質問の前に自分の中で問題点をはっきりさせておいて、聞き方も相手に伝わるように工夫するのがよい。

たとえば「この問題が分からなくて、こういうことかな?、って考えたのですけど、あってるかどうか分かりません。教えてください。」とか「この説明のここの部分までは、こうだろう、と思うのですけど、この先の説明が分かりません」のように、疑問点を明確にした質問の方が、質問する側にとっても得られるものが大きい。

テストの使い方[編集]

学校の定期テストの使いかた[編集]

中学校や高校の定期テストでは、普段からあまり勉強していない生徒が一夜漬(いちやづ)けで何とかしようとする、ということはしばしば聞かれるが、あまり得策ではない。一夜漬けに限らず、そもそも睡眠時間を削る勉強法をとるべきではない[3]。勉強は量が少なくても日常的に習慣的に続けるのがよい。どうしても試験直前に長時間の勉強をしたい場合は、テスト前日は早く寝て、翌朝早く起きて勉強するようにしたほうがよい。

テストを受けた後,点数が高かったり低かったり、成績がどうなるかも気になるだろうが、それ以上にテスト後には苦手分野や重要だと思われる分野を確認して復習するのが重要である[4]

模試の使い方[編集]

予備校などが、入試をまねた模擬試験(もぎしけん、略して「模試」(もし))を有料で行っている。模擬試験では日本全国の受験者の中での順位統計なども発表されるので、進路を考える上では有用なデータが得られる。またそれだけでなく、模擬試験についても定期テストと同様に、自分の苦手分野や理解が十分でない単元を見つけて、模試の問題と解説を参考によく学習しなおしてみるとよい。

インターネットの活用[編集]

インターネットは身近なメディアだが、使い方は案外難しい。その大きな特徴として、情報の量は膨大だが、あてにならない情報、いい加減な情報の数も膨大だということが言える。その中で、正しい良質な情報に出会うためにはどうしたらよいか?それを一概に言うことはできないが、たとえば日本の官公庁のサイトは信頼度が高いし、読んでいると勉強になる面もある。

例えば国立国会図書館↓

https://www.ndl.go.jp/

あるいは厚生労働省↓

https://www.mhlw.go.jp/index.html

URL の最後尾 .go.jp は日本政府のドメイン名なので、URL を見ることでこのサイトが日本政府の政府機関だということが確認できる。

また、インターネットを使うも参考にしてみてください。


参考文献[編集]

  1. ^ 1.0 1.1 『高校の勉強のトリセツ』、GAKKEN
  2. ^ 2.0 2.1 船登惟希 『改訂版 高校一冊目の参考書』、KADOKAWA、2019年3月18日
  3. ^ 船登惟希 『改訂版 高校一冊目の参考書』、KADOKAWA、2019年3月18日、69ページ
  4. ^ 梁川由香『高校の勉強のトリセツ』、GAKKEN、2020年2月10日 (版の記載なし)第8刷 発行、114ページ にて、テスト後の復習を推奨している