小学校算数/6学年
式と計算[編集]
分数×整数[編集]
となります。
分数÷整数[編集]
となります。
分数×分数[編集]
分数のかけ算は、それぞれ真分数または仮分数の場合は分数の分子と分母を個別にかけ算すればできます。
- つまり となります。
例えば、
となります。
ただし帯分数がふくまれている場合は仮分数に直してからでなければいけません。これは分数の割り算も同じです。
分数÷分数[編集]
逆数[編集]
2つの数の積が1になるとき、一方の数を他方の数の逆数といいます。
- 逆数は分数の分子と分母を入れ替えた物になります。つまり、の逆数はです。
分数のわり算[編集]
分数のわり算では、わられる数にわる数の逆数をかけると答が得られます。
- となります。
文字と式[編集]
同じ
えん筆1本の値段を50円としたとき、式はとなります。
えん筆1本の値段を円、6本の代金を円として、との関係を式に表すと、となります。
これからは、やなどの記号の代わりに、
えん筆1本の値段を
のときは、のに60をあてはめて計算すると、となります。
量と測定[編集]
身近にある図形の面積[編集]
小学校算数/5学年までにw:平行四辺形やw:三角形等の図形の面積の求め方を学びました。しかし、実際に見られる図形は必ずしも完全な三角形ではなくでこぼこな図形などもあります。このような時にでもだいたいの面積を調べることができます。
例えば方眼紙に適当に書いた図形の面積を求めてみましょう。今までのやり方だとその図形の面積を求めることはできません。しかしだいたいの大きさなら調べることはできます。
方眼紙に書いた図形はたくさんのマスで区切られています。マスが完全にその図形にふまれている場合、マスの上を図形の線が通っています。そのマスの数を調べることによっておおよその面積を調べることができます。
- 1辺の長さが1cmの方眼で、図形が完全にふくまれているマスが100個、図形の線が通っているマスが20個ありました。その面積はいくらになりますか?
この図形の面積は、マス100個の面積よりも大きいことはすぐにわかります。そして、20個のマスは図形の線が通っていて、図形に完全にふくまれてはいないのですから、マス120個の面積よりは小さいことがわかります。だから、この場合はその図形の面積はと の間であることがわかります。これではまだ少しおおざっぱですが、方眼紙のマスをより細かくする(例えば5mmや1mm四方のマスにとりかえることによってよりくわしく面積を知ることができます。
- ここで、「図形の線が通っているマス」の、図形がふくまれている部分の面積はわかりませんでしたが、すべてふくまれている面積がとすると、この図形の面積はとなります。
- あるいは、三角形や長方形など、面積を求められる図形に形を変えておよその面積を求めることもできます。
図形[編集]
対称 な図形[編集]
線対称
ある直線を
また、その折り重ねたときの軸となった直線を 対称の軸 といいます。
対応する2つの点を結ぶ直線は、対称の軸と
点対称

ある図形をある点を中心に180°回転させたとき、もとの図形と重なる図形は
対応する2つの点を結ぶ直線は、対称の中心を通ります。また、対称の中心と、対応する2つの点を結ぶと、そのきょりは、それぞれ等しくなります。
多角形と対称[編集]
- 三角形と対称
- 二等辺三角形は、線
対称 な図形で, 対称の軸 は1本あります。また、点対称な図形ではありません。また、正三角形も線対称な図形で, 対称の軸は3本あります。点対称な図形ではありません。
- 四角形と対称
- 平行四辺形は、線対称ではありませんが、点対称です。長方形は線対称な図形で、対称の軸は4本あります。ひし形は線対称な図形で、対称の軸は2本あります。正方形は線対称な図形で、対称の軸は4本あります。
- 正多角形と対称
- 正多角形において、線対称かどうか、対称の軸の本数、点対称かどうかについて調べると以下のようになります。
図形/内容 | 線対称かどうか | 対称の軸の本数 | 点対称かどうか |
---|---|---|---|
正三角形 | 〇 | 3 | × |
正四角形(正方形) | 〇 | 4 | 〇 |
正五角形 | 〇 | 5 | × |
正六角形 | 〇 | 6 | 〇 |
正多角形は必ず線対称で、対称の軸の本数はその正多角形の辺の数に等しくなっています。また、辺の数が
- 円と対称
- 円は線対称な図形で、対称の軸は直径となります。直径は無数にあるので、対称の軸も無数にあります。また、円は点対称な図形で、その対称の中心は円の中心となります。
円の面積[編集]
円の面積の求め方を考えてみましょう。
図のように、円をおうぎの形に等分し、
このとき、並びかえた図形は長方形(平行四辺形)とみることができます。
その
円周=直径×円周率 で、
円周÷2=直径×円周率÷2=(直径÷2)×円周÷2=半径×円周率 となるので、円周の半分の長さは半径×円周率と等しくなります。
この長方形の面積(縦×横)=円周÷2×半径=半径×円周率×半径となりますから、
円の面積は、 半径×半径×円周率 という式で求められることになります。ここでは円周率を3.14とします。
いろいろな図形の面積[編集]
この図形は、正方形の中に、円の一部を書いたものです。色のついた部分の面積の求め方を考えましょう。
図形の拡大と縮小[編集]
ある図形を、形をかえないで大きくすることを、その図形を
拡大された図を 拡大図 といいます。右の絵では、上の青い「L」の形をを基準に考えた場合は、下の黒い図のほうが拡大図です。
ある図形を、形をかえないで小さくすることを、その図形を
縮小された図を


地図の
では、もっと簡単な図形である三角形はどうでしょうか。全く同じ形でも大きさが
この2つの三角形は、全く同じ形をしていますが、大きさが違います。この2つの三角形を比べると、次のことがいえます。
- 角A = 角D であり、 角B = 角E であり、 角C = 角F である。
- AB:DE = BC:EF = CA:FD
(「AB」は、「辺ABの長さ」をさします)
三角形ABCを基準に考えてみれば、三角形DEFは、三角形ABCを拡大したものです。 つまり、三角形DEFは、三角形ABCの拡大図です。
三角形DEFを基準に考えてみれば、三角形ABCは、三角形DEFを縮小したものです。
つまり、三角形ABCは、三角形DEFの縮図です。
角柱と円柱の体積[編集]
角柱や円柱で、底面の面積を 底面積 といいます。
- 角柱は、多角形が底面に
垂直 に動いたものと考えれば、その体積は「底面積×高さ」という式で求められます。 - 円柱も、角柱と同じようにその体積は「底面積×高さ」で求められます。
数量関係[編集]
ここでは、数量の間の関係について学んでいきましょう。
比[編集]
ウスターソースとケチャップを混ぜて、ハンバーグソースを作ろうと思います。
- そこで、ウスターソースとケチャップを混ぜてハンバーグソースを作ってみました。
- では、このウスターソースの量とケチャップの量の
割合 はどのように表せばよいでしょうか。 - まず、ウスターソースの量はケチャップの何倍か考えてみましょう。
- (倍)となりますね。(もしくは 倍)
- このウスターソースとケチャップの割合を 120:80 と表すことがあります。
- このような割合の表し方を
比 といい、比の記号「:」は「対 」と読みます。
- 比の値
比 において、がの何倍かを表す
- の比の値はとなります。
- 等しい比
2つの比 3:4 と 9:12 について考えてみましょう。
比 3:4 の「3」と「4」に、3をかけると 「9」「12」になるので 9:12に等しくなります。
また、3:4 と 9:12の比の
このように、2つの比の比の値が等しいとき、 2つの比は等しい といいます。
2つの比 と が等しいとき、 とかきます。なお、このような式を 比例式 といいます。
比 に、同じ数をかけたり割ったりしてもその比は等しくなります。
比を簡単にする[編集]
比を、同じ比の値で、できるだけ小さい整数の比に直すことを「比を
- 問題
15:3を簡単にしましょう。
15と3の最大公約数は、3です。なので、3で15と3をわります。
15:3=5:1
5と1には最大公約数がないので、これ以上簡単になりません。
では、を簡単にしてみましょう。
- 通分して、
- とすることができます。
- また、の比の値は です。
- これを使って 4:9 とすることもできます。
比を求める[編集]
問題 次のxにあてはまる数を求めましょう。
3:x=6:4
- 「3」と「6」に注目しましょう。3は6に2をかけた数なので、xはxに2をかけると4になる数だとわかります。だからxは4÷2=2 となります。
- 比を使った問題
(1)ウスターソースとケチャップを3:2の比で混ぜてハンバーグソースを作ります。ウスターソースを60mL使うとき、ケチャップは何mL必要ですか。
- 解答
- [2]は、[1]の2倍、[3]は[1]の3倍を表す記号とします。
- ウスターソースを[3]、ケチャップを[2]ずつ使うとすれば、
- ウスターソースは60mL使うので、[3]は60mLだとわかります。
- そのため、[2]にあたるケチャップは、60÷2×3=40(mL)必要です。これが答えです。
比の値を使って考えてみましょう。
- ケチャップとウスターソースの比は 2:3 となります。ですから、比の値はとなります。ですから、ケチャップは (mL)とればよいことになります。
(2)AさんとBさんで、15
- 解答
- [2]は、[1]の2倍、[3]は[1]の3倍を表す記号とします。
- AさんとBさんがそれぞれ[2]、[3]ずつとるとすれば、
- AさんとBさんは合わせて[5]をとることになります。
- クッキーは15枚あるので、[1]はクッキー3枚分だとわかります。
- そのため、Aさんは6枚、Bさんは9枚のクッキーをとることになります。これが答えです。
比の値を使って考えてみましょう。
- Aさんの枚数と全体の枚数の比は 2:5 となります。ですから、比の値はとなります。ですから、Aさんは(枚)とればよいことになります。
- また、Bさんの枚数と全体の枚数の比は 3:5 となります。ですから、比の値はとなります。ですから、Bさんは(枚)とればよいことになります。なお、15-6=9 と求めてもかまいません。
- メモ
このような問題は、中学校で習う「方程式」を用いて計算されることがあります。
詳しくは中学校数学 1年生-数量を参照。
黄金比と白銀比 |
w:黄金比とは、人が最も調和的で美しいと感じる長方形の w:白銀比とは、古代の日本で「調和的で美しい」とされた長方形の縦と横の長さの比のことです。およそ5:7で、コピー用紙や、文庫本のサイズ、建築物では、 |
比例と反比例[編集]
さまざまなものの変わり方を調べてみましょう。
比例[編集]
一方の数量が2倍、3倍、…になると、もう一方の数量が2倍、3倍、…になるとき、2つの数量は
(注意)参考書などでは、「正比例」と書かれている場合があります。
比例の関係を見るために、比例関係にある2数を用いて、表とグラフを 作ってみよう。ここでは、「」の 比例の表、グラフを作る。
このとき、この比例の表は
x | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|
y | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 |
一方比例のグラフは
- グラフ
となる。
グラフを見ると分かる通り、比例のグラフは両方が0になる点を通る直線になる。
- 例
- 問題
であるような比例の表とグラフを作りましょう。
- 解答
表は
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
0 | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | 35 | 40 | 45 | 50 |
となる。
また、グラフは
- グラフ
となる。
反比例[編集]
面積が12cm2の長方形において、
縦の長さ(cm) | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
横の長さ(cm) | (なし) | 12 | 6 | 4 | 3 | 2.4 | 2 |
このように、一方の数量が 2倍、3倍、…になると、もう一方の数量が 倍、倍…になるとき、2つの数量は反比例しているといいます。
反比例のグラフ[編集]
反比例のグラフは、直線ではなく、右の図のようななめらかな曲線になります。
小学生は、右上部分以外は、気にしなくて構いません。中学校で、左上部分、左下部分、右下部分について習います。
場合の調べ方[編集]
A,B,C,D,Eの5つのチームが、ほかのチームと1回ずつ試合をします。
この時のすべての試合数を求めるとき、どうすればよいでしょうか。
このように、ほかのチームと何回か試合をするとき、(A対B)と(B対A)は同じものとして数えます。
データの調べ方[編集]
下は、ウィキ小学校の6年1組の30人のソフトボール投げの結果です。
ソフトボール投げの結果 (m) 28 15 22 34 27 9 42 31 11 37 10 27 20 38 21 43 34 7 25 36 17 24 35 14 27 19 32 9 40 29
階級 [編集]
記録 | 人数 |
0m以上10m未満 | 3人 |
10m以上20m未満 | 6人 |
20m以上30m未満 | 10人 |
30m以上40m未満 | 8人 |
40m以上50m未満 | 3人 |
合計 | 30人 |
図のような、「10m以上20m未満」のような区間のことを階級と言います。また、このような階級が集まった表のことを
度数分布表と言い、それぞれの階級の資料の個数を度数と言います。
平均値 [編集]
全ての値を足してそれを結果の数でわったものを
(28+15+22+34+27+9+42+31+11+10+27+20+38+21+43+34+7+25+36+17+24+35+14+27+19+32+9+40+29)÷30=24.2
中央値 [編集]
全ての値を大きさの順で並べて
最頻値 [編集]
全ての値の中でもっともよく出てくる数を
(平均値、中央値、最頻値のことをまとめて代表値と呼びます。)
ドットプロット[編集]
資料を数直線上に並べ、同じ値のデータの個数だけドットを積み上げてあらわしたものを、ドットプロットと言います。
算数ドリル[編集]
下の「6年生のための算数ドリル」の文字を