慶應義塾大対策/文学部

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

一学年の定員は800名程度であり、そのうち一般受験組が7割程度、残りが附属高校推薦入学者、自主公募推薦合格者、帰国生・留学生入試枠合格者である。指定校推薦入試とAO入試は導入していない。

慶應文学部では、外国語(150点)・地歴(100点)・小論文(100点)の3科目(計350点満点)が課される。外国語は、英語・ドイツ語・フランス語・中国語の中から1つ選択する。小論文はもちろんのこと、外国語・地歴もほとんどが国公立2次型の記述式である。科目別では、どの科目も難易度は非常に高い。特に外国語に関して言えば、出題される長文読解の難易度は大学入試最高レベルを誇り、内容の深度、単語レベル共に非常に高い。

1年生の間は一般教養科目を中心に、第2学年以降は三田キャンパスで17の専攻から1つを選び、学んでいく体制をとっている。

外国語(英語)[編集]

試験時間は120分、配点は150点。合格点の目安は7割である。慶應文学部の英語とドイツ語では、辞書の使用を許可されている(ただし電子辞書は一切不可)。大学入試で辞書を許可することは非常に珍しく、言い換えれば、構文解釈能力や国語的読解力、日本語能力が問われる超長文が出題されるということである。英語は抽象度の高い1,000words前後の総合問題2題、もしくは2,000words前後の総合問題1題が出題される。(1977年~2005年、2007年~2010年。2006,2011年度入試では出題形式に変化あり。)和訳や説明、英訳など殆どの設問が記述式なので、過去問・予想問を中心に、国立大学二次試験型の問題に対応できる実力を養成する必要がある。 文学部はそもそも長文出題が特徴だと言われてきたが、出題テクストの長さや総語数などさしたる意味を持たなく、そもそも文学部は総語数は少ない部類である。なぜなら文学部の英語入試こそはとりわけ「観念の把握」を重視した出題であるからである。文学部だけあり、出題文の抽象度の高さは他学部の比ではない。どれだけ入試対策で英単語を理解していようが、辞書を何冊持ち込もうが、背景知識がなく理解出来ない観念はいつまで経っても理解しようがないわけで、テクスト分析に対する素養そのものを求める出題姿勢が伺える。 具体的には、「存在とは」「意識とは」「宇宙とは」「歴史とは」「美学とは」「感情とは」―――――などなど、常日頃の読書における質と量に裏打ちされた哲学的考察と素養を要求される。大学受験問題としては京大や東京藝大楽理科の英語と1・2を争うレベルであり、本学部の長文読解は大学入試トップクラスの難易度を誇っている。 なぜ試験時間が2時間もあるのか、受験生は過去問を吟味しながらよく考えてみるべきだろう。そして、過去問の模範解答そのものも決して唯一の最適解であろうはずもない。受験生一人ひとりがどれだけテクストを読みこなせるか、どこまで的確に概念を把握できるか、そして咀嚼した文意から考察し、どれだけ具体性のある解答を導き出せるかが勝負のカギである。 また、2012年度から超長文に加えて和文英訳の問題が出題されているが、難易度は経済学部の和文英訳に比べたら平易であるため、ミスなく解答したい。

世界史[編集]

試験時間は60分、配点は100点。大問が4題出題される。問題難易度は早慶の世界史の中ではやや易から標準である。ほぼすべての問題が記述式で、出題時代・地域も多岐に渡る(例えば2013年度の場合、中国史、ウィーン史、アメリカ合衆国史、北アフリカ・インド・イランのイスラーム史がそれぞれ大問で1つずつ出題され、時代も古代~現代史まで出題されている)が、慶應の他学部と比較すると要求される知識量は高くない。しかし標準的な語句からの出題であっても、一般的な問い方とは違う形で問われることが多く、解答に辿り着くことが困難な問題も多い。近年は中国に関連する東洋史からの出題が目立ち、文化史の比重が高い。史料文(漢詩)が提示されることもあり、年代そのものを書かせるものも出題された。更に慶應大ではギリシア神話の知識など、常日頃の読書量を試すような出題もなされるため、注意が必要である。また、日本史より平均点が高いため、得点調整で減点されやすいことに注意しよう。合格点の目安は素点8割である。

日本史[編集]

試験時間は60分、配点は100点。問題難易度は早慶の日本史の中では標準~やや難である。原始時代が2006年度以後隔年に出題されている他、史料問題が毎年出題される(未見史料が頻出である)ため、史料を読む読解力やそこから様々な推測を立てる思考力を鍛える練習をしておきたい。ジャンルは政治、法律、経済、産業、外交、文化と広範囲にわたり、短答記述式の問題が4割程度、選択式の問題が4割程度、論述問題が2割である。そのため、教科書・用語集で知識を固めた上で論述対策をし、過去問研究をする必要がある。特に、論述問題は予備校の問題分析で難問に分類されることが多いくらいに難易度はかなり高いので、しっかりやらないと過去問研究がスムーズにいかなくなってしまうだろう。慶應文学部は全体的に記述論述問題が多いため国公立志望者の併願も多い。そのため、論述の対策を怠っていると差をつけられてしまう。論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪いのである。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。ここ最近、出来事の年度を選択式ではなく記述式で書かせる問題が出題されているので、細かな出来事でも年度までしっかり覚えこまないといけない。合格点の目安は素点7割(論述問題以外の短答式の問題は8割)である。

小論文[編集]

試験時間は90分、配点は100点。人文科学がテーマの抽象的な文章などで長めの課題文になることが多く、抽象度がかなり高いので難易度の高い小論文の課題文や現代文の問題文を読み慣れておく必要がある。また、抽象的な本文を要約するためには高度な国語的読解力が必要である。慶應の小論文は半分は国語(記述式現代文)であり、一般的に小論文と言われる意見論述問題は2問目である。現代文と小論文の融合問題のようなイメージである時間と余裕があれば新書や学術文庫などで深めていくと良い。与えられた資料を読み解き、考察とともに要約し、更に自分の意見を述べるという、小論文試験としては基本的な能力を試す良問であるが為に、かえって難問となっている。社会学系の文章から、卑近な時事問題まで、出題分野は毎年多岐に渡るので、油断禁物である。年度によっては90分の制限時間内で読み切るのが不可能な量の課題文が出されることもあるため、読解力に相当の自信がある受験生でも状況に応じて対処していかなければならない。