慶應義塾大対策/経済学部

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慶應義塾大学の看板学部。「三田の理財」とも呼ばれており、昔から実業界や政財界に優秀な人材を多数輩出している。

一学年の定員は1,200名程度であり、そのうち700名程度が一般入試入学者、残りが内部進学者、帰国生・留学生入試枠合格者である。しかし、帰国生・留学生入試枠合格者数はごく僅かであるため、実質一般入試と内部進学者が殆どである。慶應経済では文学部と同様に、指定校推薦入試とAO入試は導入していない。

受験方式は数学受験のA方式(定員420名)と、地歴受験のB方式(定員210名)が存在する。

A方式(英語・数学・小論文受験)
A方式では、英語(200点)・数学(150点)・小論文(70点)の3科目(計420点満点)が課される。受験者層は東大京大一橋大志望者や理系受験生(東大京大東工大医学部志望者)がほとんどであり、合格難易度は早慶の数学受験の中でも上位に位置している。早慶の中でも数学の配点比重が大きく、差が付きやすい。数学を得点源にしている受験生にはA方式を勧める。早慶の他学部は古文か社会のいずれかが必須であるため、理系の受験生は基本的にあまり早慶文系学部は受験しない。しかし、慶應経済A方式では古文や社会が出題されないため、理系または文転の受験生が多い。つまり受験生全体の数学のレベルはかなり高いため、東大京大一橋志望者でも、数学が苦手ならB方式での受験を勧める。例年、東大合格者の慶應経済併願成功率は約6〜7割、京大合格者と一橋大合格者の慶應経済併願成功率は約4〜5割である。
B方式(英語・地歴・小論文受験)
B方式では、英語(200点)・歴史(150点)・小論文(70点)の3科目(計420点満点)が課される。歴史は世界史・日本史から1科目選択である(早稲田大学とは異なり、地理や政治経済の選択は認められていない)。論述系問題(和文英訳、自由英作文、歴史論述、小論文)の配点が高いため、社会選択にも関わらず東大京大一橋大の併願者が多く、合格難易度は早慶文系学部の中でも上位に位置している。論述系問題がとにかく多く、420点満点中論述系問題が約260点分(英訳・英作文が110点、歴史論述が約80点、小論文70点)ある。そのため、前述した通り、数学が苦手な東大京大一橋志望者は、B方式の論述系問題で得点を稼ぐ戦略の方を勧める。

英語[編集]

試験時間は100分、配点は200点。慶應経済の英語では、長文読解問題3題(合計約2500語)と本格的な英作文問題2種類(和文英訳4問、自由英作文200語)が出題される場合が多く、私大専願者には厳しい内容になっている。英語全体の問題難易度は早慶の中でも上位に位置し、長文と和文英訳はやや難であり、自由英作文は難である。短い時間内にこれらを全て素早く正確に解ききる労力を加味すると、全体としては難である。時間の目安としては、長文計60分、和文英訳15分、自由英作文20分、予備5分(或いは長文計60分和文英訳15分自由英作文20分予備5分にするか、長文計65分和文英訳10分自由英作文20分予備5分にする)である。なお、長文(マーク)で高得点を取らないと、後半部分(和文英訳・自由英作文)は採点されず即不合格となる(足切り)。一次選抜(長文のみ)の満点が90点であるため、長文の配点は90点であり、残りの配点である110点が和文英訳と自由英作文の合計である。私大で英作文の配点が半分を超える学部は慶應経済以外にはほとんど存在しない。そのため、明らかに私大用の記号問題の対策だけでは慶應経済には太刀打ちできず、本格的な和文英訳や自由英作文の対策が必要である。B方式でさえも国公立大学(主に東大京大一橋)の併願は多いため、対策が不十分だと大きく差をつけられてしまう。また、長文や歴史の記号問題である程度の高得点を取ったのに不合格になった例が一定数あり、得点開示も当初の見込みより低かったケースが多い。それに加えて、論述系の問題を採点されるのは足切りを通過した層であるため、採点対象者の全体の学力が高い分、和文英訳と自由英作文、歴史論述、小論文の採点は厳しめと推測される。そのため、長文の合格点の目安は易化年なら9割弱、難化年なら75%程度であり、マーク部分は高得点勝負となる。これは歴史科目においても同様である。

  • 長文読解問題

長文の問題自体の難易度は早慶の中ではやや難であるが、短い時間内に素早く正確に解ききる労力を加味すれば難である。基本的に3題であるが、年によっては2題の場合もある。しかし、合計語数が2500語程度であることは変わりない。長文の本文は早慶レベルの受験生にしては標準的な文章が出題されるが、2016年ごろ以降は難化傾向にあり、設問は選択肢が切りにくく難しい。また、設問の引っ掛けが多いため、解いた直後の手応えが良くても、実際に採点すると当初の見込みより誤答が多く、正答率が悪かったという例は多い。設問の選択肢の切りにくさに対応するためには、国語的な内容把握力(読解力)や、英文法・英語構文・英単語のニュアンスの本質的な理解などが必要である。本文の読解や内容把握が浅いと、一見読めたつもりにはなるものの、設問には太刀打ちできない。そして、英作文が本格的で非常に時間がかかるため、長文読解問題は素早く且つ正確に処理できるようにしておかないといけない。自由英作文問題は、この長文読解問題で出題された文章の内容に基づいたテーマの見解論述をする形で出題されるため、内容を漠然と理解しただけでは、自由英作文のクオリティを低下させてしまう可能性がある。

  • 和文英訳問題


和文英訳の問題自体の難易度はやや難であるが、短い時間内に素早く正確に解ききる労力を加味すれば難である。時間配分の目安は10〜15分であり、日本語の自然で砕けた語調の会話文を英訳する問題である。そのままの会話文を英訳することはまず不可能なので、文脈に応じて、英語に訳しやすい日本語表現に適宜読み替えていく力が求められる。会話の内容も一般的な会話文英訳問題で出題されるような浅い内容ではなく、それをいかに自分の語彙力の範囲に落とし込んでいくかが試されるため、難易度は非常に高く、受験生の間で差が出やすい。対策としては、一般的な和文英訳の参考書学習を行った後に、会話文の参考書を使って会話文に慣れ、その後会話文の参考書の和訳を読んでそれを英訳する練習などが有効である。

  • 自由英作文問題


時間配分の目安は20〜25分である。近年は、2つのテーマから1つを選んで、見解を200語程度で論述する形式で出題されている。2つのテーマは先に解く3題の長文の内容に関しての自身の見解を述べるもので、専門性が高く難易度は非常に高い。また、本文から正しい形式をとって引用したり、反対意見に言及してそれに反論しなければならないなど、条件面の指定が厳しい意味でも難しい。このような条件面の指定があることや語数が多いことを考えると、慶應経済の自由英作文では、文法語法での減点だけでなく構成点や内容点が存在することが推測される。その証拠に、文法語法の正誤検査なら50語程度で十分であり、その機能は和文英訳が果たしているからである。わざわざ和文英訳と自由英作文を独立して出題するということは、それぞれの出題に異なった目的が存在すると考えるのが自然である。ちなみに、正しい引用の形式をとらずに本文をそのまま書き写すと減点の可能性があるため、注意してほしい。形式としては語数は指定はされていないものの、解答欄の大きさや内容の深さからして、200語程度の記述が求められている。200語程度の専門性の高い見解論述をする問題は自由英作文としては大学入試最高峰と言える。主要な予備校は軒並み毎年、解答速報の自由英作文の難易度の講評を「難」としている。ちなみに、予備校の講評において、自由英作文の問題が継続的に「難」と扱われているのは、一橋と早稲田と慶應の中では慶應経済だけである。

数学[編集]

試験時間は80分、配点は150点。数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B・数列・ベクトルが出題範囲で、領域・確率・微積分・数列・ベクトルは頻出である。制限時間の割に問題量が非常に多いため、スピードが鍵となる。大問は例年6題出題され、前半3題は標準問題、後半3題は思考力を求める難度の高い問題となっている。慶應経済の数学は早慶の数学の中では問題難易度はやや難から難に位置する。そして、前半大問1~3のところで約75%以上確保しないと、後半大問4~6は採点されない仕組みであるため、数学が得意だからといって、前半の標準問題部分でケアレスミスをしないように。受験生のレベルから考えて前半の標準問題では差がつかないため、後半部分でどれだけ得点するかの勝負になる。したがって、標準的な問題に対処するために「チャート式基礎からの数学(数研出版)」(青チャート)などの網羅系参考書を暗記するくらいやり込み、大学受験数学の標準問題を確実に取れるようにし、過去問研究にしっかり取り組むことが必要条件である。これらをやっていれば、多少難度が高い問題にも食らいつく力が養成されているだろう。慶應経済の数学では時間配分を間違えると数学が得意な者でも失敗することが多い。したがって、赤本に載っているここ6年分の過去問をしっかり復習も含めてやって本番のイメージを作っておくべきである。本番に時間をロスしないように受験生が忘れやすい「メネラウスの定理&チェバの定理」や「方べきの定理」などの幾何定理にも慣れておくこと。また、数列の漸化式から一般項を求める分野では、3項間の場合であるan+2=αan+1+βanまでをしっかりと理解しておきたい。そして、ベクトルの係数設定のために座標を設定する応用的な手法も頭に入れておきたい。

因みに難易度の高い問題の一例として、複数の場合分けが必要な確率漸化式、座標を設定して容積を求める問題、曲線の移動、高次の複接線などが過去に出題されている。

世界史[編集]

時間は80分、配点は150点。範囲は1500年以降を中心とする。(だからといって、その範囲だけを対策すればいいわけではないことは言うまでもない。現に、それ以前の歴史の知識を遠回しに聞いている問題、その知識がないと理解できない問題も出題されている。)問題難易度に関しては、記号問題は早慶の中ではやや難で、論述問題の労力も加味すれば難である。私大受験生であっても論述問題対策は十分にする必要があるのは言うまでもない。論述問題は7~8題出題され、合計字数は約600字である。論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪いのである。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。また、地図、統計図表グラフ、年表を用いた問題が例年見受けられるため、これらに対応できるように分析力や思考力、歴史的な流れの理解を養成することも必要である。教科書レベルの知識をマスターした後に過去問分析をして、資料集や年表を学習してこれらの多角的な出題形式に対応できる実力を養成するのが鍵となる。 特に並べ替え問題に関しては、同じ年号の中での前後関係が問われることもある。そのようなときは年号の丸暗記だけでは対応できないため、年号暗記に加えて歴史の大きい流れと細かい流れの両面、そして同年号内の順序を学習することが必要である。ちなみに、早慶の中で同年号内の順序を覚えていなければ解けないことがあるのは慶應経済だけである。他に早慶の中で並べ替え問題を出題するのは主に早稲田大学であるが、早稲田の世界史は年号さえ正確に覚えていれば並べ替えは解けるように作られている。同年号の事項が複数出てきても、特定の位置(n番目、特に最初と最後)さえ知っていれば解けてしまったり、或いは消去法が通じたりする。その一方で、慶應経済は出題範囲が1500年以降である分、正答するのに必要な知識の広さや深さの水準がかなり高い。また、慶應経済の並べ替えや年表中にある1つ1つの事項の用語自体は標準レベルであるため、同年号内の並べ替えや年表は捨て問にはならない。そこでどれだけ得点できるかで差がつく。世界史は配点が公表はされていないものの、数学は記号問題の配点が70点、記述問題の配点が80点であるため、世界史でも記号や用語記述などの短答式の問題の配点が70点、論述問題の配点が80点という可能性が高い。私大で社会科目の論述の配点が半分強もある大学学部は慶應経済以外にはほとんど存在しない。そのため、一般的な私大用の記号問題の対策だけでは足りず、論述問題の対策が肝要であり、むしろ慶應経済の歴史科目は論述問題で最も差がつくと思われる。B方式でさえ国公立大学(主に東大京大一橋)の併願者が多いため、論述問題の対策が不十分だと大きく差をつけられる可能性が高い。実力差が如実に出る良問である。また、英語長文や歴史の記号問題である程度の高得点を取ったのに不合格になった例が一定数あり、得点開示も当初の見込みより低かったケースが多い。さらに、論述系問題の採点対象者は足切りを通過した層に限定されるため、層の学力レベルを考えると、和文英訳と自由英作文、歴史論述、小論文の採点は厳しめと推測される。そのため、記号や用語記述などの短答式部分の合格点の目安は例年は85%程度(難化年は75%程度、易化年は9割程度)であり、高得点勝負となる。 ただし、法学部とは対照的に、短答式部分は受験の出題範囲を逸脱した所謂「悪問・奇問」の類いはあまり出題されない(出題されたとしても数問程度)。むしろ歴史的な流れや本質の理解が重視される出題形式になっており、教科書の用語や年号を全部知っているのは当たり前として、教科書内容を順序立てて「自分で説明できる」レベルまで学習をやりこめば、合格点を取ることは十分に可能である。法学部の難しさは重箱の隅を突くような性質である一方で、経済学部の難しさは、標準レベルの知識を複数組み合わせつつ上手く受験生の盲点を突いてくるような性質である。あとは、ある種感覚やイメージで理解を済ませがちな部分を言語化させてくるような性質もある。察しが良い受験生は気がついたかもしれないが、慶應経済の歴史科目は比較的実力が出やすくて努力が報われやすい良問の部類と言える。時期に関しては、第二次世界大戦後からの出題が多い。現代のニュースに絡めた内容も出題される。特に、現代アメリカの経済史は本学部の頻出分野である。このことを理解した上で、最新の報道の動向には目を配っておくべきである。

日本史[編集]

時間は80分、配点は150点。範囲は1600年以降を中心とする。(だからといって、その範囲だけを対策すればいいわけではないことは言うまでもない。現に、それ以前の歴史の知識を遠回しに聞いている問題、その知識がないと理解できない問題も出題されている。)問題難易度に関しては、記号問題は早慶の中ではやや難で、論述問題の労力も加味すれば難である。歴史的史料、地図、統計図表グラフ、年表などを用いた問題が例年見受けられるため、これらに対応できるように分析力や思考力、歴史的な流れの理解を養成することも必要である。教科書レベルの知識をマスターした後に過去問分析をして、資料集や年表を学習してこれらの多角的な出題形式に対応できる実力を養成するのが鍵となる。特に並べ替え問題に関しては、同じ年号の中での前後関係が問われることもある。そのようなときは年号の丸暗記だけでは対応できないため、年号暗記に加えて歴史の大きい流れと細かい流れの両面、そして同年号内の順序を学習することが必要である。ちなみに、早慶の中で同年号内の順序を覚えていなければ解けないことがあるのは慶應経済だけである。他に早慶の中で並べ替え問題を出題するのは主に早稲田大学であるが、早稲田の日本史は年号さえ正確に覚えていれば並べ替えは解けるように作られている。同年号の事項が複数出てきても、特定の位置(n番目、特に最初と最後)さえ知っていれば解けてしまったり、或いは消去法が通じたりする。その一方で、慶應経済は出題範囲が1600年以降である分、正答するのに必要な知識の広さや深さの水準がかなり高い。また、慶應経済の並べ替えや年表中にある1つ1つの事項の用語自体は標準レベルであるため、同年号内の並べ替えや年表は捨て問にはならない。そこでどれだけ得点できるかで差がつく。そして、未見史料問題に対応するためには、史料の中の複数のキーワードに着目して解答や推測の根拠にする方法が良い。それを可能にするためには、様々な知識を流れやセットなどで関連させて定着させることが有効である。日本史は配点が公表はされていないものの、数学は記号問題の配点が70点、記述問題の配点が80点であるため、世界史でも記号や用語記述などの短答式の問題の配点が70点、論述問題の配点が80点という可能性が高い。私大で社会科目の論述の配点が半分強もある大学学部は慶應経済以外にはほとんど存在しない。そのため、一般的な私大用の記号問題の対策だけでは足りず、論述問題の対策が肝要であり、むしろ慶應経済の歴史科目は論述問題で最も差がつくと思われる。B方式でさえ国公立大学(主に東大京大一橋)の併願者が多いため、論述問題の対策が不十分だと大きく差をつけられる可能性が高い。実力差が如実に出る良問である。論述問題は7~8題出題され、合計字数は約600字である。論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪いのである。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。また、英語長文や歴史の記号問題である程度の高得点を取ったのに不合格になった例が一定数あり、得点開示も当初の見込みより低かったケースが多い。さらに、論述系問題の採点対象者は足切りを通過した層に限定されるため、層の学力レベルを考えると、和文英訳と自由英作文、歴史論述、小論文の採点は厳しめと推測される。そのため、記号や用語記述などの短答式部分の合格点の目安は例年は85%程度(難化年は75%程度、易化年は9割程度)であり、高得点勝負となる。 そのため、記号や用語記述などの短答式部分の合格点の目安は例年は85%程度(難化年は75%程度、易化年は9割程度)であり、高得点勝負となる。 ただし、法学部とは対照的に、短答式部分は受験の出題範囲を逸脱した所謂「悪問・奇問」の類いはあまり出題されない(出題されたとしても数問程度)。むしろ歴史的な流れや本質の理解が重視される出題形式(私大社会科目の中ではかなり良問)になっており、教科書の用語や年号を全部知っているのは当たり前として、教科書内容を順序立てて「自分で説明できる」レベルまで学習をやりこめば、合格点を取ることは十分に可能である。法学部の難しさは重箱の隅を突くような性質である一方で、経済学部の難しさは、標準レベルの知識を複数組み合わせつつ上手く受験生の盲点を突いてくるような性質である。あとは、ある種感覚やイメージで理解を済ませがちな部分を言語化させてくるような性質もある。察しが良い受験生は気がついたかもしれないが、慶應経済の歴史科目は比較的実力が出やすくて努力が報われやすい良問の部類と言える。慶應経済の日本史は、前述のように近現代史の比重が大きいので、受験生はかなりやりこんでおかなくてはいけない。特に戦後史は論述も含めて毎年出題され、その配点も約3分の1とかなり高い。(一般的な私大だと戦後史の配点は5分の1か6分の1程度であり、出題されない年もある。)しかし現役生の場合、近現代史(特に戦後史)は学校の授業でも最後に学ぶ所がほとんどであり、授業で習う内容だけでは不十分になってしまう場合が多い。そのため、早めに自分で対策していくことが必要となる。また、現在の経済や政治とも関わる内容が出題されるので、日本や世界の動きなど、最新のニュースは常にチェックしておく必要がある。

小論文[編集]

試験時間は60分、配点は70点。読ませられる本文の分量が年々増加傾向にある。公共性の高い具体的かつ専門的なテーマが選ばれることが多い。難易度は慶應の学部の中では標準レベルだが、しっかりとした対策をしなければ、手も足も出ないだろう。また、得点開示のデータから、経済学部の小論文は他学部よりも採点が厳しいと推測されるため、問題難易度が標準的な割には高得点が難しい。対策を行っていないと70点満点で20点どころか10点台になる人も多い。採点が厳しいと推測されるのは、英語の和文英訳や自由英作文、世界史日本史の論述も同様である。 対策としては、まず参考書を使用して小論文の書き方の基礎をしっかりと把握する。その後、当学部の過去問を実際に解いていく。はじめは全くできないだろう。問題によっては、何をすべきなのかも分からないこともある。それでも、小論文の書き方に沿って考えに考えて書き上げる。解答例と見比べるとクオリティーは程遠いだろうが、それを実際に小論文の講師などに厳しく添削してもらう。そうすれば解答の質は上がっていく。 設問は2問ある。1問目は200~300字の本文要約か内容説明であり、ここは国語的な読解力があれば対応可能であるため、現代文の学習の延長線上で要約や記述対策を行っておけばいい。1問目は高得点勝負であるため、高度な読解力と正確な記述力をつけることが肝要である。一般的に「小論文」と言われているのは2問目の300~400字の意見論述問題である。慶應の小論文は半分は国語であり、現代文(記述式)と小論文の融合問題のようなものである。 慶應経済の小論文で最も困難な点は、60 分という短い制限時間内に課題文を読んで、煩雑な問題の答案を完成させることだとも言える。600 字前後をこの時間で書くというのは、高校生にとっては、事実上、下書きなしで簡単なメモを取る程度で、解答用紙にいきなり書かねばならないということだ。ゆえに、簡潔に分かりやすい文章を短時間でまとめる力が求められる。 経済学部の課題文のテーマは生命科学的もしくは自然科学的な内容の時もある。例えば、2012年の霜柱に関する科学的研究についての課題文を読むには化学の基礎的な知識(状態変化など)が不可欠であった。このように適度な背景知識が必要であるため、参考書の背景知識欄は適宜読んでおきたい。2012年の問題は経済学部があらゆる学問と通じているという大学側のメッセージとも解釈できる。

入学後の履修分け[編集]

経済学部は入試方式によって入学後の履修タイプが分かれる。A方式(数学受験)で入学した者・附属高校推薦入学者(内部進学者)・留学生の一部は高校数学1A・2Bの知識を前提とした講義でカリキュラムが組まれた「タイプA」とし、B方式(歴史受験)で入学した者・留学生の一部、内部進学者のごく一部はそれらを前提としていない「タイプB」となる。「タイプA」から「タイプB」への変更は認められないが、「タイプB」から「タイプA」への変更は可能。「タイプB」の学生で、高度な数学を多く使う分野(理論経済学・金融論・ゲーム理論・金融工学・計量ファイナンス・応用ミクロ経済学・現代マクロ経済学・数理経済学など)を学びたい場合は「タイプA」に変更したほうがよい。履修タイプの変更は第1学年の4月初旬に受けられる標準レベルのテスト(範囲は数学1A・2B)である一定の基準を超えれば認められる。B方式合格者で数学色のより一層深い分野を専攻したい者にはお勧めである。逆に、開発経済学・労働経済学・財政社会学・環境経済学・経済地理学・経済史・経済学史・経済思想史・国際経済学(国際貿易論、国際金融論)など数学色がそこまで強くない分野に興味がある者は「タイプB」のままでもいい。

ただ、一つ重要なことは、「タイプB」の生徒は高度ではないものの高校数学の初歩レベル(主に微分、積分、確率)の計算をある程度行うようになっているため、中学時から数学が苦手な受験生は注意が必要である。内部進学者は基本的に数学3Cまで高校時に勉強している。