有機化学/有機化学の化学結合

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酢酸イオンの共鳴


酢酸イオンが、なぜ、CH3COO で安定になるかというと、上記の図のように共鳴(きょうめい、resonance)してるから。 図の左側の構造か右の構造かのどちらかではなく、どちらでもなく、下図のように、重ね合わせたような構造になっている。

酢酸が水溶液中では、メチル基(CH3)の水素は電離せずに、カルボキシ基COOHのほうの水素が電離するのは、このような理由による。


酢酸イオンの共鳴
非局在

つまり、けして、どちらか片方の酸素イオンの周囲にだけに電子は局在していない。つまり、両方の酸素原子の周囲にわたって電子は存在している。このような状態を非局在化(delocalize)という。

なお、非局在化をあらわす矢印は、双頭の矢印 である。可逆反応ではないため、 は用いない。

酢酸イオンのほか、ベンゼンでも共鳴構造が見られる。(※ ベンゼンの共鳴については、高校化学でも習う。)


本ページでは例として酢酸について記述したが、もちろん酢酸以外のカルボン酸でも同様に、共鳴の原理は成り立つ。