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民事訴訟法/不服申立て

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

上訴

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上訴をするには原則、訴える側に、上訴後に勝訴した場合の実質的な利益がなければならない。 このような亊を、「上訴の利益」(「不服の利益」ともいう)が上訴を起こす側に存在している、などのように言い、具体的には下記のような内容である。

たとえば、上訴前の判決で全部勝訴した側の当事者が上訴しても、棄却されるのが通常である。つまり、全部勝訴の場合には、上訴の利益は無いのが原則である。一部認容判決の場合は、原告・被告両方に上訴の権利がある[1]

また、単に判決理由が納得できないという程度の理由では、上訴は基本的に認められない[2]

上訴の効果

適法に上訴がなされると、原裁判は確定しなくなり、このことを確定遮断効という(116条2項)。また上訴により、上級の裁判所が審理が移動するが、これを移審効という(規174条)。また、この2つの効果の適用範囲については、上訴した側の不服申立ての限度にかかわらず、元裁判の全体に確定遮断効と移審効が適用される(上訴不可分の原則)。


抗告

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抗告とは、判決以外の決定または命令に対して不服を申し立てる独立の簡易な上訴である。 事件の本体についての訴訟とまとめてしまうと訴訟経済的に不経済なので、独立して抗告という制度が存在している[3]

通常抗告」には、抗告期間の定めがなく、いつでも抗告できるが、執行停止能が無い。

一方、「即時抗告」は、抗告期間が1週間以内であるが、執行停止能がある(332条)。

最高裁判所に対する抗告

最高裁判所に対する抗告として「特別抗告」が存在しており、これは憲法違反を理由とした抗告であり、高等裁判所の命令・決定に対して最高裁へ抗告できる。

許可抗告」とは、最高裁判所などの判例に反する決定・命令が高等裁判所から出された場合に、最高裁判所に抗告することで、最高裁判所による法令解釈の統一性を図る制度である(337条)。

平成8年に許可広告は制定され、比較的に新しい制度である。8年以前には最高裁への抗告は、特別抗告しかなかった。

脚注

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  1. ^ 安西、P246
  2. ^ 安西、P246 ※ 本文のページ中央あたり
  3. ^ 安西、P253
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