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民法第400条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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(特定物の引渡しの場合の注意義務

第400条
債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、そのを保存しなければならない。

改正経緯

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2017年改正により以下のとおり改正。

(改正前)善良な管理者の注意をもって、
(改正後)契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、

「善管注意義務」について、その適用基準を契約等義務を負うべき事由に即して判断するという従来の裁判慣習を反映した。

解説

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本条は、特定物債権における債務者の目的物についての善管注意義務を定める。

  • 債権の目的が特定物の引渡しであるとき
    特定物の引渡しを目的とする債権を特定物債権という。
  • 引渡しをするまで
    履行期を経過しても、引渡しまでは本条が適用される。ただし、履行遅滞となるときは、債務者は不可抗力についても責任を負い、債権者の受領遅滞となるときは、債務者は責任を軽減される。
  • 善良な管理者の注意
    善良な管理者の注意(善管注意)とは、債務者の職業、その属する社会的・経済的な地位などにおいて一般に要求されるだけの注意をいう。「自己の財産におけると同一の注意」に対する用語である。
  • 本条の効果
    債務者が善管注意義務に違反して目的物を滅失・毀損したときは、損害賠償責任を負う(民法第415条)。

参照条文

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前条:
民法第399条
(債権の目的)
民法
第3編 債権

第1章 総則

第1節 債権の目的
次条:
民法第401条
(種類債権)


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